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[[画像:4-Stroke-Engine.gif|200 px|thumb|内燃機関の例([[4ストローク機関|4ストロークエンジン]])<br/> (1)吸入<br/> (2)圧縮<br/> (3)燃焼・膨張<br/> (4)排気]] |
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'''内燃機関'''︵ないねんきかん︶とは、[[ |
'''内燃機関'''︵ないねんきかん︶とは、[[シリンダー]]など機関内において[[ガソリン]]などの[[燃料]]を[[燃焼]]させ、それによって発生した[[燃焼ガス]]を用いて直接に機械仕事を得る[[原動機]]をいう<ref name = "netsukikan">﹃熱機関工学﹄西脇仁一編著、朝倉書店、1970年、p. 42</ref>。内燃機関では燃焼ガスを直接[[作動流体]]として用いて、その[[熱エネルギー]]によって[[仕事 (熱力学)|仕事]]をする<ref name = "netsukikan" /><ref name="jpo-card-K8">[https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/bunrui/isyou_bunrui/document/index/K8.pdf 意匠分類定義カード︵K8︶] 特許庁</ref>。これに対して、[[蒸気タービン]]のように燃焼ガスと作動流体がまったく異なる原動機を[[外燃機関]]という<ref name = "netsukikan" />。
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インターナル・コンバ |
内燃機関はインターナル・コンバスチョン・エンジン︵{{en|'''i'''nternal '''c'''ombustion '''e'''ngine, '''ICE'''}}︶の訳語であり、内部︵インターナル︶で燃料を燃焼︵コンバスチョン︶させて[[動力]]を取り出す[[機関 (機械)|機関]]︵エンジン︶である。﹁機関﹂も﹁エンジン﹂も、複雑な機構を持つ装置という意味を持つが、ここでは[[発動機]]という意味である。
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なお、動力を取り出すことが目的の内燃機関ではあるが、特殊な用途として[[パルスジェット]]による[[フロンガス]]の[[化学分解|分解]]や4サイクル機関による[[天然ガス]]の[[水蒸気改質|改質]]などが研究された<ref>山崎毅六、三井光. [https://doi.org/10.3775/jie.37.417 内燃機関による天然ガスの変成] 燃料協会誌 37.7 (1958): 417-422, {{doi|10.3775/jie.37.417}}</ref>。 |
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== 動作概要と原理 == |
== 動作概要と原理 == |
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[[File:Turboprop T-53.jpg|thumb|240px|航空機用ガスタービンエンジンのカットモデル。右側のタービンの上下に見える空洞部が燃焼器。中央は圧縮機。]] |
[[File:Turboprop T-53.jpg|thumb|240px|航空機用ガスタービンエンジンのカットモデル。右側のタービンの上下に見える空洞部が燃焼器。中央は圧縮機。]] |
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⚫ | 内燃機関は[[熱エネルギー]]を[[機械エネルギー]]に変換する[[熱機関]]の一種であり、[[レシプロエンジン]](ピストンエンジン)や[[ロータリーエンジン]](ヴァンケルエンジン)といった'''容積型内燃機関'''と[[ガスタービンエンジン]]や[[ジェットエンジン]]などの'''速度型内燃機関'''に分けられる<ref name = "netsukikan" />。 |
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容積型内燃機関とは、燃焼ガスの容積変化(膨張)を利用するもので、クランク機構などにより回転軸出力として機械仕事に転換する内燃機関をいう<ref name = "netsukikan" />。<!--ロータリーエンジンも容積型内燃機関に分類される<ref name = "netsukikan" />。-->レシプロエンジンの場合、[[シリンダー]]︵気筒︶の内部で燃料を燃焼させ、燃焼ガスがピストンを押す力を利用する。このピストンの往復運動をクランクにより回転運動に変換し軸動力を得る。また、ロータリーエンジンの場合は、作動室内での燃焼後のガスの膨張によるローターの[[公転]]が、エキセントリックシャフトを回転させて軸動力を得る。
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⚫ | [[熱エネルギー]]を[[機械エネルギー]]に変換する[[熱機関]]の一種であ |
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ピストンエンジンは「間欠燃焼」、ガスタービンエンジンは「連続燃焼」という燃焼形態の違いはあるが、ともに燃焼熱により高圧となった燃焼ガスそのものを作動流体とすることは共通する |
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ピストンエンジンの場合、[[シリンダー]](気筒)の内部で燃料を燃焼させ、燃焼ガスがピストンを押す力を利用する。このピストンの往復運動をクランクにより回転運動に変換し、軸動力を得る。これに対し、ロータリーエンジンの場合、回転運動が直接に得られる。 |
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現代の内燃機関では主に[[熱効率]]を高めるために、燃焼には出力の一部を利用して圧縮した空気を使用する。[[ディーゼルエンジン]]( |
現代の内燃機関では主に[[熱効率]]を高めるために、燃焼には[[機関出力|出力]]の一部を利用して圧縮した空気を使用する。[[ディーゼルエンジン]]︵レシプロエンジンの一種︶のように、原理的に圧縮なしでは動作しない内燃機関もある。
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積極的に[[デトネーション]]を利用する事で高効率化が期待され<ref>[http://www.waseda.jp/jp/news13/data/130709_engine.pdf 究極効率のエンジンを生む新圧縮燃焼原理を発見!]</ref><ref name="tendo">[http://home.hiroshima-u.ac.jp/fges/theme/tendo.pdf デトネーションを利用した新しい内燃機関]</ref><ref>[http://home.hiroshima-u.ac.jp/rgdlab/rgdl_html/conferences/conferences-pdf/2005_seibushibu_ochi.pdf プロパン−空気混合気を用いたパルスデトネーションタービンエンジンの作動実験]</ref>、[[パルス・デトネーション・エンジン]]の開発が各国で進められている。 |
積極的に[[デトネーション]]を利用する事で高効率化が期待され<ref>[http://www.waseda.jp/jp/news13/data/130709_engine.pdf 究極効率のエンジンを生む新圧縮燃焼原理を発見!]</ref><ref name="tendo">[http://home.hiroshima-u.ac.jp/fges/theme/tendo.pdf デトネーションを利用した新しい内燃機関]</ref><ref>{{PDFlink|[http://home.hiroshima-u.ac.jp/rgdlab/rgdl_html/conferences/conferences-pdf/2005_seibushibu_ochi.pdf プロパン−空気混合気を用いたパルスデトネーションタービンエンジンの作動実験]}}</ref>、[[パルス・デトネーション・エンジン]]の開発が各国で進められている。 |
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内燃機関に限らず、燃焼プロセスを経る装置では、熱効率において[[カルノーサイクル|カルノー効率]]を |
内燃機関に限らず、燃焼プロセスを経る装置では、熱効率において[[カルノーサイクル|カルノー効率]]を超えるものは、理論上ありえず、また効率を最大限向上させると出力が殆ど無になる<ref>{{Cite web|和書|url=https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1027753.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210517020940/https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1027753.html|title=慶應大ら、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを証明|publisher=PC Watch|year=2016-11-01|accessdate=2022-05-17|archivedate=2021-05-17}}</ref>。
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== 歴史 == |
== 歴史 == |
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[[File:Rivaz Engine.jpg|thumb|right|250px|1807年に[[:en:François Isaac de Rivaz|François Isaac de Rivaz]]によって製造されたcharette of de Rivaz. A:シリンダー, B:点火栓, C:ピストン, D:水素を充填した風船, E:ワンウェイクラッチ, F:給排気弁, G:給排気弁を作動するための取っ手]] |
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⚫ | [[ファイル:Otto Engines - WMSTR Montage 2.ogv|thumb|250px|[[ミネソタ州]]の Western Minnesota Steam Threshers Reunion にある[[オットーサイクル]]の内燃機関の動画(2分16秒、320×240、340kbit/s)]] |
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19世紀より前から様々な内燃機関が発明されてきたが、19世紀に入り[[都市ガス]]が普及し始めるとこれを燃料とする内燃[[レシプロエンジン]]の開発が活発となった。1860年代には様々な形式の[[ガスエンジン]]が定置式の産業用[[原動機]]として普及し始め、[[ニコラウス・オットー]]らの[[4ストローク機関]]により完成の域に達した。同じ頃[[石油]]の採掘と精製が産業として確立し、ガスエンジンを[[ガソリン]]で運転する試みが始められたが、ガソリンを継続的に気化する仕組みの開発がネックとなり、[[ガソリンエンジン]]の実用化はガスエンジンに多少遅れている。さらに少し遅れて、これら[[予混合燃焼]]の機関とは別のアプローチから[[ディーゼルエンジン]]が発明された。 |
19世紀より前から様々な内燃機関が発明されてきたが、19世紀に入り[[都市ガス]]が普及し始めるとこれを燃料とする内燃[[レシプロエンジン]]の開発が活発となった。1860年代には様々な形式の[[ガスエンジン]]が定置式の産業用[[原動機]]として普及し始め、[[ニコラウス・オットー]]らの[[4ストローク機関]]により完成の域に達した。同じ頃[[石油]]の採掘と精製が産業として確立し、ガスエンジンを[[ガソリン]]で運転する試みが始められたが、ガソリンを継続的に気化する仕組みの開発がネックとなり、[[ガソリンエンジン]]の実用化はガスエンジンに多少遅れている。さらに少し遅れて、これら[[予混合燃焼]]の機関とは別のアプローチから[[ディーゼルエンジン]]が発明された。 |
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貯蔵と運搬が容易な液体燃料を使用する内燃機関の登場は、[[自動車]]の商業実用化や[[飛行機]]の発明を可能にし、特に輸送の分野に大きな発展をもたらした。 |
貯蔵と運搬が容易な液体燃料を使用する内燃機関の登場は、[[自動車]]の商業実用化や[[飛行機]]の発明を可能にし、特に輸送の分野に大きな発展をもたらした。 |
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⚫ | [[ファイル:Otto Engines - WMSTR Montage 2. |
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⚫ | [[ファイル:Early-gasoline-engine-models.jpg|thumb|これらの初期の内燃機関は、農業用機械の動力源として使われた。]] |
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* 13世紀: 内燃機関の一種である[[ロケットエンジン]]が中国、モンゴル、アラブなどで使われていた<ref>chapters 1–2, ''Blazing the trail: the early history of spacecraft and rocketry'', Mike Gruntman, AIAA, 2004, ISBN 156347705X.</ref>。 |
* 13世紀: 内燃機関の一種である[[ロケットエンジン]]が中国、モンゴル、アラブなどで使われていた<ref>chapters 1–2, ''Blazing the trail: the early history of spacecraft and rocketry'', Mike Gruntman, AIAA, 2004, ISBN 156347705X.</ref>。 |
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* 1673年: [[クリスティアーン・ホイヘンス]]が無圧縮式内燃機関についての記述を残している。 |
* 1673年: [[クリスティアーン・ホイヘンス]]が無圧縮式内燃機関についての記述を残している。 |
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* 17世紀: [[イングランド]]の発明家[[サミュエル・モーランド]]が、[[火薬]]の燃焼力で動作する[[ポンプ]]を発明。世界初の原始的なピストンエンジン。 |
* 17世紀: [[イングランド]]の発明家[[サミュエル・モーランド]]が、[[火薬]]の燃焼力で動作する[[ポンプ]]を発明。世界初の原始的なピストンエンジン。 |
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* 1780年代: [[アレッサンドロ・ボルタ]]が電気銃という玩具を製作<ref>[http://ppp.unipv.it/Volta/Pages/eF5struF.html Electric Pistol]</ref>。電気 |
* 1780年代: [[アレッサンドロ・ボルタ]]が電気銃という玩具を製作<ref>[http://ppp.unipv.it/Volta/Pages/eF5struF.html Electric Pistol]</ref>。電気火花で[[地球の大気|空気]]と[[水素]]の混合気体を燃焼させ、銃の先端に詰めたコルクを発射するもの。 |
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* 1791年: [[ジョン・バーバー]]がイギリスで特許(第1833号、''A Method for Rising Inflammable Air for the Purposes of Producing Motion and Facilitating Metallurgical Operations'')を取得。その中でタービンを解説している。 |
* 1791年: [[ジョン・バーバー]]がイギリスで特許(第1833号、''A Method for Rising Inflammable Air for the Purposes of Producing Motion and Facilitating Metallurgical Operations'')を取得。その中でタービンを解説している。 |
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* 1794年: Robert Streetが非圧縮機関を製造。同様に最初の液体燃料を使用する内燃機関も製造した。同年、Thomas Meadがガス機関の特許を取得。
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* 1798年: [[ティープー・スルタン]]([[インド]]の[[マイソール]]国王)が、[[鉄]]製のロケットを使いイギリス軍を攻撃。 |
* 1798年: [[ティープー・スルタン]]︵[[インド]]の[[マイソール]]国王︶が、[[鉄]]製のロケットを使いイギリス軍を攻撃。同年、[[ジョン・スティーブンス (発明家)|ジョン・スティーブンス]]が[[複動式機関|複動式]]内燃機関を製造。
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* 1801年: [[フィリップ・ルボン]]が2ストロークガスエンジンの特許を取得。 |
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⚫ | * 1823年: [[:en:Samuel Brown (engineer)|Samuel Brown]] が産業の動力源として使える世界初の内燃機関の特許を取得。無圧縮式で当時既に古臭くなっていた[[熱 |
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* 1807年: スイス人技師 [[:en:François Isaac de Rivaz|François Isaac de Rivaz]] が[[水素]]と[[酸素]]の混合気体を燃料とした内燃機関を製作<ref>{{cite web|url= http://inventors.about.com/library/weekly/aacarsgasa.htm?rd=1 |title=The History of the Automobile - Gas Engines |publisher=About.com |date=2009-09-11 |accessdate=2009-10-19}}</ref>。
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⚫ | * 1823年: [[:en:Samuel Brown (engineer)|Samuel Brown]] が産業の動力源として使える世界初の内燃機関の特許を取得。無圧縮式で当時既に古臭くなっていた[[熱力学サイクル|サイクル]] "Leonardo cycle" を使っていた。 |
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* 1824年: [[フランス]]の物理学者[[ニコラ・レオナール・サディ・カルノー|サディ・カルノー]]が理想的熱機関の[[熱力学]]理論を確立。この理論から、温度差を大きくするには圧縮が必要であることが科学的に裏付けられた。 |
* 1824年: [[フランス]]の物理学者[[ニコラ・レオナール・サディ・カルノー|サディ・カルノー]]が理想的熱機関の[[熱力学]]理論を確立。この理論から、温度差を大きくするには圧縮が必要であることが科学的に裏付けられた。 |
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* 1826年4月1日: アメリカの[[サミュエル・モーリー]]がガス作動の内燃機関で特許を取得。 |
* 1826年4月1日: アメリカの[[サミュエル・モーリー]]がガス作動の内燃機関で特許を取得。 |
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* 1833年: イギリスのLemuel Wellman Wrightが[[水冷式エンジン|水冷式]][[複動式機関|複動式]]ガスエンジンの特許を取得。 |
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* 1838年: イギリス人のウィリアム・バーネットが特許を取得。その中で初めてシリンダー内での圧縮が示唆された。 |
* 1838年: イギリス人のウィリアム・バーネットが特許を取得。その中で初めてシリンダー内での圧縮が示唆された。 |
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* 1854年: イタリア人 [[:en:Eugenio Barsanti|Eugenio Barsanti]] と [[:en:Felice Matteucci|Felice Matteucci]] が、高効率で実動する世界初のフリーピストン機関の特許(特許番号1072)を取得したが、生産には至らなかった。 |
* 1854年: イタリア人 [[:en:Eugenio Barsanti|Eugenio Barsanti]] と [[:en:Felice Matteucci|Felice Matteucci]] が、高効率で実動する世界初のフリーピストン機関の特許(特許番号1072)を取得したが、生産には至らなかった。 |
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* 1856年: [[フィレンツェ]]の企業 ''Fonderia del Pignone''(現在は[[ゼネラル・エレクトリック]]の子会社 Nuovo Pignone となっている)で、Pietro Benini が Barsanti-Matteucci 式の内燃機関の実動プロトタイプを製作(5[[馬力]])。その後も単気筒や2気筒のエンジンを製造し、蒸気機関の代替として販売した。 |
* 1856年: [[フィレンツェ]]の企業 ''Fonderia del Pignone''(現在は[[ゼネラル・エレクトリック]]の子会社 Nuovo Pignone となっている)で、Pietro Benini が Barsanti-Matteucci 式の内燃機関の実動プロトタイプを製作(5[[馬力]])。その後も単気筒や2気筒のエンジンを製造し、蒸気機関の代替として販売した。 |
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* 1860年: [[ベルギー]]の[[ジャン=ジョゼフ・エティエンヌ・ルノアール]] (1822–1900) が[[2ストローク機関#ルノアール・エンジン|ルノアール・エンジン]]を開発。外見や構造は[[蒸気機関]]とよく似ていて、蒸気の代わりに[[燃焼ガス]]を使ったものと言える。大量生産された世界初の内燃機関となった。ルノアールは、表面気化器を用いてガソリンを燃料とする試みもしている。 |
* 1860年: [[ベルギー]]の[[ジャン=ジョゼフ・エティエンヌ・ルノアール]] (1822–1900) が[[2ストローク機関#ルノアール・エンジン|ルノアール・エンジン]]を開発。外見や構造は[[蒸気機関]]とよく似ていて、蒸気の代わりに[[燃焼ガス]]を使ったものと言える。大量生産された世界初の内燃機関となった。ルノアールは、表面気化器を用いてガソリンを燃料とする試みもしている。 |
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* 1862年: [[ドイツ]]の発明家[[ニコラウス・オットー]]が照明用ガスを燃料とする内燃機関を設計し、[[オイゲン・ランゲン]]から資金援助を得ることに成功 |
* 1862年: 1月16日にフランスの技術者[[アルフォンス・ボー・ドゥ・ロシャス]]が[[4ストロークエンジン]]の特許を取得(フランス特許 #52,593)概念のみで実物は製造されていない。同年、[[ドイツ]]の発明家[[ニコラウス・オットー]]が照明用ガスを燃料とする内燃機関を設計し、[[オイゲン・ランゲン]]から資金援助を得ることに成功。 |
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* 1864年: オットーはエンジンの製造に成功。 |
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* 1867年: オットーとランゲンのフリーピストン機関が、[[パリ万国博覧会 (1867年)|パリ万博]]で金賞を受賞。 |
* 1867年: オットーとランゲンのフリーピストン機関が、[[パリ万国博覧会 (1867年)|パリ万博]]で金賞を受賞。 |
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* 1870年: ウィーンの[[ジークフリート・マルクス]]が、初めて荷車にガソリンエンジンを搭載。 |
* 1870年: ウィーンの[[ジークフリート・マルクス]]が、初めて荷車にガソリンエンジンを搭載。 |
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* 1876年: [[ニコラウス・オットー]]は[[ゴットリープ・ダイムラー]]および[[ヴィルヘルム・マイバッハ]]と共に実用的な[[4ストローク機関]]を開発。しかし[[ドイツ]]の法廷は、シリンダー内で圧縮する内燃機関全般だけでなく4ストローク機関についても特許を与えなかった。これ以降、シリンダー内での圧縮が一般化する。 |
* 1876年: [[ニコラウス・オットー]]は[[ゴットリープ・ダイムラー]]および[[ヴィルヘルム・マイバッハ]]と共に実用的な[[4ストローク機関]]を開発。しかし[[ドイツ]]の法廷は、シリンダー内で圧縮する内燃機関全般だけでなく4ストローク機関についても特許を与えなかった。これ以降、シリンダー内での圧縮が一般化する。 |
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* 1877年: Matteucciは、オットーのエンジンは自分とBarsantiの発案したものであると主張している。 |
* 1877年: Matteucciは、オットーのエンジンは自分とBarsantiの発案したものであると主張している。 |
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* 1878年: [[スコットランド]]生まれの |
* 1878年: [[スコットランド]]生まれの{{仮リンク|デュガルド・クラーク|en|Dugald Clark}}が[[2ストローク機関#クラーク式2ストロークエンジン|クラーク式2ストロークエンジン]]を製作。1881年に英国特許を取得。オットー型4ストローク機関と競合する売れ行きを見せた。 |
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* [[ファイル:Benz Patent Motorwagen Engine.jpg|thumb|カール・ベンツが1886年1月29日に取得した自動車の特許の中核部をなす内燃機関のレプリカ]][[ファイル:CarlBenz.jpg|thumb|220x220px|[[カール・ベンツ]]]] 1879年: [[カール・ベンツ]]は、高信頼の[[2ストローク機関|2ストローク]]ガスエンジンの特許を取得。これはオットーの4ストローク機関の設計に着想を得たものである。 |
* [[ファイル:Benz Patent Motorwagen Engine.jpg|thumb|カール・ベンツが1886年1月29日に取得した自動車の特許の中核部をなす内燃機関のレプリカ]][[ファイル:CarlBenz.jpg|thumb|220x220px|[[カール・ベンツ]]]] 1879年: [[カール・ベンツ]]は、高信頼の[[2ストローク機関|2ストローク]]ガスエンジンの特許を取得。これはオットーの4ストローク機関の設計に着想を得たものである。 |
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* 1882年: ジェームズ・アトキンソンが[[アトキンソンサイクル]]の内燃機関を発明。 |
* 1882年: ジェームズ・アトキンソンが[[アトキンソンサイクル]]の内燃機関を発明。 |
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* 1923年: [[アメリカ国立標準技術研究所|アメリカ国立標準局]]の [[:en:Edgar Buckingham|Edgar Buckingham]] が[[ジェットエンジン]]は効率が低く現実的でないという報告を発表。特にピストンエンジンに比べて5倍の燃料を消費するとしていた<ref>[http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/19930091225_1993091225.pdf JET PROPULSION FOR AIRPLANES]</ref>。 |
* 1923年: [[アメリカ国立標準技術研究所|アメリカ国立標準局]]の [[:en:Edgar Buckingham|Edgar Buckingham]] が[[ジェットエンジン]]は効率が低く現実的でないという報告を発表。特にピストンエンジンに比べて5倍の燃料を消費するとしていた<ref>[http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/19930091225_1993091225.pdf JET PROPULSION FOR AIRPLANES]</ref>。 |
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* 1924年: ベンツ社が初のトラック用ディーゼルエンジンの特許を取得。 |
* 1924年: ベンツ社が初のトラック用ディーゼルエンジンの特許を取得。 |
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* 1925年: [[スウェーデン]]の技術者 [[:en:Jonas Hesselman|Jonas Hesselman]] が世界初の[[ガソリン直噴エンジン]]を開発<ref>{{Cite book | title = Scania fordonshistoria 1891-1991 |year=1992 |language=Swedish |isbn=91-7886-074-1}} (Translated title: ''Vehicle history of [[スカニア|Scania]] 1891-1991'')</ref><ref>{{Cite book | title = Volvo – Lastbilarna igår och idag |year=1987 |language=Swedish |isbn=91-86442-76-7}} (Translated title: ''[[ボルボ|Volvo]] trucks yesterday and today''))</ref>。
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* 1925年: [[スウェーデン]]の技術者 [[:en:Jonas Hesselman|Jonas Hesselman]] が世界初の[[ガソリン直噴エンジン]]を開発<ref>{{Cite book | title = Scania fordonshistoria 1891-1991 |year=1992 |language=Swedish |isbn=91-7886-074-1}} (Translated title: ''Vehicle history of [[スカニア|Scania]] 1891-1991'')</ref><ref>{{Cite book | title = Volvo – Lastbilarna igår och idag |year=1987 |language=Swedish |isbn=91-86442-76-7}} (Translated title: ''[[ボルボ・グループ|Volvo]] trucks yesterday and today''))</ref>。
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* 1926年: [[:en:Alan Arnold Griffith|Alan Arnold Griffith]] は重要な論文 ''Aerodynamic Theory of Turbine Design'' を発表。これによってそれまで実現が疑問視されていたジェットエンジンが注目されるようになった。その中で、これまでの圧縮機は飛行には不向きで、ブレードを[[翼型]]に設計変更すべきだとし、実用的エンジンが製造可能であることを数学的に示すと共に[[ターボプロップエンジン]]の構築法を解説した。同年、[[ロバート・ゴダード]]が世界初の液体燃料ロケットを打ち上げた。 |
* 1926年: [[:en:Alan Arnold Griffith|Alan Arnold Griffith]] は重要な論文 ''Aerodynamic Theory of Turbine Design'' を発表。これによってそれまで実現が疑問視されていたジェットエンジンが注目されるようになった。その中で、これまでの圧縮機は飛行には不向きで、ブレードを[[翼型]]に設計変更すべきだとし、実用的エンジンが製造可能であることを数学的に示すと共に[[ターボプロップエンジン]]の構築法を解説した。同年、[[ロバート・ゴダード]]が世界初の液体燃料ロケットを打ち上げた。 |
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* 1929年: [[フランク・ホイットル]]がジェットエンジンに関する論文を発表。 |
* 1929年: [[フランク・ホイットル]]がジェットエンジンに関する論文を発表。 |
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*[[ロータリーエンジン]] |
*[[ロータリーエンジン]] |
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**[[水素ロータリーエンジン]] |
**[[水素ロータリーエンジン]] |
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※[[オートバイ用エンジン]]も参照。 |
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'''速度型''' |
'''速度型''' |
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**[[ターボプロップエンジン]] |
**[[ターボプロップエンジン]] |
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**[[ラムジェットエンジン]] |
**[[ラムジェットエンジン]] |
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***[[ジェットエンジン#ターボ・ラムジェットエンジン|ターボ・ラムジェットエンジン]]<br/> |
***[[ジェットエンジン#ターボ・ラムジェットエンジン|ターボ・ラムジェットエンジン]]<br/> (高バイパス比ターボジェット) |
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***[[スクラムジェットエンジン]] |
***[[スクラムジェットエンジン]] |
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**[[パルスジェット|パルスジェットエンジン]] |
**[[パルスジェット|パルスジェットエンジン]] |
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**[[モータージェット|モータージェットエンジン]] |
**[[モータージェット|モータージェットエンジン]] |
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*[[ロケットエンジン]]<br/> |
*[[ロケットエンジン]]<br/> (化学ロケットエンジンが該当) |
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**[[固体燃料ロケット|固体燃料ロケットエンジン]] |
**[[固体燃料ロケット|固体燃料ロケットエンジン]] |
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**[[液体燃料ロケット|液体燃料ロケットエンジン]] |
**[[液体燃料ロケット|液体燃料ロケットエンジン]] |
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※[[航空用エンジン]]も参照 |
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}} |
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== 出典 == |
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{{Reflist}} |
{{Reflist|2}} |
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== 関連項目 == |
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{{Commons|Internal combustion engine}} |
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* [[熱 |
* [[熱力学サイクル]] |
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* [[空冷エンジン]] |
* [[空冷エンジン]] |
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* [[水冷エンジン]] |
* [[水冷エンジン]] |
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* [[油冷エンジン]] |
* [[油冷エンジン]] |
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* [[液冷エンジン]] |
* [[液冷エンジン]] |
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* [[可変圧縮比エンジン]] |
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* [[自動車エンジン]] |
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* [[機関出力]] |
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== 外部リンク == |
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* {{Kotobank}} |
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⚫ | |||
{{自動車の構成}} |
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{{Normdaten}} |
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{{DEFAULTSORT:ないねんきかん}} |
{{DEFAULTSORT:ないねんきかん}} |
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[[Category: |
[[Category:内燃機関|*]] |
2024年3月6日 (水) 10:23時点における最新版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a6/4-Stroke-Engine.gif)
(1)吸入
(2)圧縮
(3)燃焼・膨張
(4)排気
動作概要と原理[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7d/Turboprop_T-53.jpg/240px-Turboprop_T-53.jpg)
歴史[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/cd/Rivaz_Engine.jpg/250px-Rivaz_Engine.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/ff/Early-gasoline-engine-models.jpg/250px-Early-gasoline-engine-models.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/34/Benz_Patent_Motorwagen_Engine.jpg/220px-Benz_Patent_Motorwagen_Engine.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/CarlBenz.jpg/159px-CarlBenz.jpg)