「切り絵」の版間の差分
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日本において切り絵は、 |
日本において切り絵は、いにしえより神の儀式に使われ、今でも[[高山市|飛騨高山]]や[[青森県]]、[[島根県|出雲地方]]などに[[奈良時代]]以来とされる伝統的な様式が残っている<ref>{{harvnb|『季刊銀花』|1977|loc=「特集:日本の伝承切り紙}}</ref>。その後、一般には染物師が使う[[染色|彩色用]]の型紙として発達した。東北地方に「オカザリ」と呼ぶ切り紙飾り<ref>{{Cite journal|和書|author=渡辺尚子|year=2013|title=東北のおかざり(ちいさなあとりえ(第18回))|journal=暮しの手帖. 第4世紀|volume=67|issue=14(冬)|pages=161-167}}</ref><ref>{{Cite journal|和書|author=東 資子|editor=東北民俗の会|date=2021-06|title=岩手県一関市の「お飾り」|journal=東北民俗 = Bulletin of the Folklore Society of Tōhoku|volume=55|pages=61-70|ISSN=0912-5523}}</ref>を[[正月]]に用いる習俗があり、梵天、切り透かしなどとも呼ぶ<ref>{{Cite web|和書|title=東北のオカザリ―神宿りの紙飾り―(2014年7月12日(土)〜9月15日(月) 東北のオカザリ―神宿りの紙飾り― [[多摩美術大学]]美術館 {{!}} 東京都) |url=https://www.museum.or.jp/event/83086 |website=アイエム[インターネットミュージアム] |access-date=2022-08-17 |publisher=[[丹青社 ]] |work=展覧会}}</ref>。[[岩手県]]と[[宮城県]]の[[三陸海岸]]に沿った地域に加え、内陸部では[[北上市|北上]]<ref>{{harvnb|北上市立博物館|1983|loc=}}</ref>や[[栗駒町|栗駒]]が伝承地で<ref>{{Harvnb|千葉|2012|loc=[[日本児童図書出版協会]]による紹介文}}</ref>、[[仙台市]]周辺にも見られる<ref>{{harvnb|鈴木ほか|2010|pages=18-19,37-38,40-43}}</ref>。 |
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現在も[[京友禅]]の「型友禅」の製作は「型彫り」という初期工程がある。京都伝統工芸者[[三代目蓮蔵]](本名[[山川勝雪]])は、その匠の技を備えた切り絵作家である。 |
現在も[[京友禅]]の「型友禅」の製作は「型彫り」という初期工程がある。京都伝統工芸者[[三代目蓮蔵]](本名[[山川勝雪]])は、その匠の技を備えた切り絵作家である。 |
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[[中国]]では「剪紙」と呼ばれる民間のお守りであったもの<ref>{{harvnb|日中藝術研究会|1995|pages=26-33 (コマ番号0016.jp2-)}}</ref><ref>{{harvnb|日中藝術研究会|1995|pages=36-40 (コマ番号0019.jp2)}}</ref>が世界遺産の指定を受けた<ref name=":0">{{Cite web |
[[中国]]では「剪紙」と呼ばれる民間のお守りであったもの<ref>{{harvnb|日中藝術研究会|1995|pages=26-33 (コマ番号0016.jp2-)}}</ref><ref>{{harvnb|日中藝術研究会|1995|pages=36-40 (コマ番号0019.jp2)}}</ref>が世界遺産の指定を受けた<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=伝統ある切り紙、東北地方の一部にだけ見られる網飾りとは?|work= Loops Style ブログ {{!}} Loops Style |url=https://www.toshibatec.co.jp/products/office/loopsspecial/blog/post-3.html |website=www.toshibatec.co.jp |access-date=2022-08-17 |publisher=[[東芝テック]]}}</ref>。[[仏教伝来]]にともなって中国から日本に渡ったとする説<ref name=":0" />に対し、現代の[[上海]]で行われている伝統的切り紙(きりがみ)は、当地で書店を経営していた[[内山完造]]が{{要出典範囲|日本から現地に伝えたものとする説|date=2022年8月}}がある。 |
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キリスト教の[[教会]]には礼拝した標(しるし)に、ペーパーレースの縁取りで囲んだカードが用意され、信徒は献金をして持ち帰った。これを「キャニヴェ」({{Lang-fr|[[:fr:Canivet|Canivet]]}})といい、縁取りの中心には聖人の肖像や聖句を刷ったカード本体がある。また洗礼の祝いに集まった人々のメッセージを散りばめたものもある。 |
キリスト教の[[教会]]には礼拝した標(しるし)に、ペーパーレースの縁取りで囲んだカードが用意され、信徒は献金をして持ち帰った。これを「キャニヴェ」({{Lang-fr|[[:fr:Canivet|Canivet]]}})といい、縁取りの中心には聖人の肖像や聖句を刷ったカード本体がある。また洗礼の祝いに集まった人々のメッセージを散りばめたものもある。 |
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[[ファイル:Musée_Boyadjian_MRAH_20_11_2011_Canivet.jpg|キャニヴェの例。ボヤジャン美術館収蔵]] |
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== 製作 == |
== 製作 == |
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切り絵の基本は白黒のモノクロ画で、黒い紙を切り抜き、白い紙に貼り付けるという手法で制作する。 |
切り絵の基本は白黒のモノクロ画で、黒い紙を切り抜き、白い紙に貼り付けるという手法で制作する。 |
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[[ファイル:Swiat._Agata_Szepe_2011.jpg|サムネイル|左|(挿絵f)アガタ・ゼペ作「世界」、2011年("Swiat" Agata Szepe)]] |
[[ファイル:Swiat._Agata_Szepe_2011.jpg|サムネイル|左|(挿絵f)アガタ・ゼペ作「世界」、2011年("Swiat" Agata Szepe)]] |
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20世紀前半に活躍したドイツの切り絵作家にアンナ・デ・ワール︵[[:de:Anna_de_Wall|Anna de Wall]] 1899年-1945年 {{De icon}}︶がいる︵[[切り絵#挿絵d|挿絵d]]︶。現代の美術家ペレグ=ディション︵Peleg Dishon︶は、ユダヤ系の切り絵に親しみ日本文化に触れたことを契機に<ref>{{Cite web |
20世紀前半に活躍したドイツの切り絵作家にアンナ・デ・ワール︵[[:de:Anna_de_Wall|Anna de Wall]] 1899年-1945年 {{De icon}}︶がいる︵[[切り絵#挿絵d|挿絵d]]︶。現代の美術家ペレグ=ディション︵Peleg Dishon︶は、ユダヤ系の切り絵に親しみ日本文化に触れたことを契機に<ref>{{Cite web|和書|title=Peleg Dishon / ペレグ=ディション |url=https://www.israel-culture-japan.com/artist/peleg-dishon |website=[[駐日イスラエル大使館|イスラエル大使館]] 文化・科学部 |access-date=2022-08-17 |language=ja}}</ref>、立体的に組み立てた切り絵を動かし照明を当ててストーリーを構成する{{efn2|ペレグ=ディションの2016年の作品﹁雪女は機械にやどる亡霊﹂の原題は、"Yuki Onna is the ghost in the machine"
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<ref>{{Cite web |title=Peleg Dishon |url=https://pelegdishon.com/content/2016-yuki-onna-ghost-machine |website=pelegdishon.com |access-date=2022-08-17 |language=en}}</ref>。}}。あるいは白紙を用いて着色せず、伝統の様式に従ってモチーフを左右もしくは対角線状に対︵つい︶に配置する作家もいる︵挿絵e、挿絵f︶。
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<ref>{{Cite web |title=Peleg Dishon |url=https://pelegdishon.com/content/2016-yuki-onna-ghost-machine |website=pelegdishon.com |access-date=2022-08-17 |language=en}}</ref>。}}。あるいは白紙を用いて着色せず、伝統の様式に従ってモチーフを左右もしくは対角線状に対︵つい︶に配置する作家もいる︵挿絵e、挿絵f︶。
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* [[清水みおり]] |
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* [[関口コオ]] |
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* [[SouMa]]<ref>{{Cite web |
* [[SouMa]]<ref>{{Cite web|和書|title=立体切り絵作家 SouMa ~ Agent WKHソリューションズ.Co.,Ltd |url=http://www.souma-wkh.com/ |website=立体切り絵作家SouMaのホームページ WKHソリューションズ 立体切り絵の販売、オーダーメイド |access-date=2022-08-17 |language=ja-JP}}作家当人のサイト</ref> |
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* [[松本正彦]] |
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* [[アンリ・マティス]] |
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* [[宮田雅之]]<ref>{{Cite web |
* [[宮田雅之]]<ref>{{Cite web|和書|title=宮田雅之切り絵の世界 The world of Masayuki Miyata |url=http://www.masayuki-miyata-kirie.jp/ |website=www.masayuki-miyata-kirie.jp |access-date=2022-08-17}}作家当人のサイト</ref> |
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* 日達れんげ<ref>1999年[[NHK]]テレビ「[[おしゃれ工房]]」講師{{Cite web |
* 日達れんげ<ref>1999年[[NHK]]テレビ「[[おしゃれ工房]]」講師{{Cite web|和書|title=日達れんげのプロフィール |url=https://www.iichi.com/shop/Rengesou/profile |website=iichi(いいち) |access-date=2022-08-16 |language=ja}}通信販売のサイト</ref> |
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2023年11月20日 (月) 05:03時点における最新版
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1d/Chinese_paper_cutting-Pig.jpg/220px-Chinese_paper_cutting-Pig.jpg)
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/69/Red_Currant_MET_DP816827.jpg/220px-Red_Currant_MET_DP816827.jpg)
概要
[編集]製作
[編集]-
下絵。ルイーゼ・デュッテンホーファー作
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仕上がった切り絵。「貝殻の戦車と天使」
カラーの切り絵
[編集]道具
[編集]材料
[編集]アプローチ
[編集]![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/56/Swiat._Agata_Szepe_2011.jpg/220px-Swiat._Agata_Szepe_2011.jpg)
主な切り絵作家
[編集]姓の50音順。
参考文献
[編集]脚注
[編集]注
[編集]出典
[編集]関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 型友禅の工程「型彫り」の匠の技 京都の染色産業から生まれた切り絵
- 作家のサイト
- ジョヴァンニ安東 美術館—きりえ大壁画「弥栄の四季」