坂本健一 (古書店主)
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坂本 健一︵さかもと けんいち、1923年 - ︶は、大阪市北区黒崎町の天五中崎通商店街にある古書店﹁青空書房﹂の店主[1]。
坂本は、大阪の薬種問屋に生まれた[2]。1943年、近畿大学専門学校法学部に入学後、学徒動員で入営した[1][3][4]。坂本は少年期から読書家で、15歳のときに読んだモーパッサンの﹃女の一生﹄に衝撃を受け[5][6]、召集令状が来た日にはロマン・ロランの﹃ジャン・クリストフ﹄を一挙に読み、﹃論語﹄を携えて入営したという[5]。
戦時中は千葉県の九十九里浜などに配置され[2]、茨城県で終戦を迎えた[3][4]。
坂本は、1946年から[1]、﹁父親の薬代を稼ぐ﹂ために[7]、岩波文庫[2][6]などの古書を﹁戸板に並べて﹂[2]、あるいは大八車に載せ[7]、御堂筋の闇市で商売を始めた[4]。
1947年2月に、店舗を構えて﹁青空書房﹂を開業した[3][8]。店舗はおよそ13平方メートルで、文学、思想、美術史関係の書籍2千冊ほどが置かれている[7]。
坂本は﹁大阪一売れない本屋﹂を自称し[5]、﹁たばこを吸いながら本はさわらないで﹂﹁本は生きています。オビをきったら怒ります﹂といった注意書きや[7]、週刊誌のチラシなどを手描きで作り、店内に貼り出す独特の店づくりをした[5]。
坂本と個人的な親交のある青空書房の常連客の中には、作家もおり、筒井康隆は﹃不良少年の映画史﹄で坂本について言及し[7]、山本一力は坂本から﹃寛政重修諸家譜﹄を買ったエピソードを踏まえて﹁青空書房は、本好き全員の海路を照らす灯台だと確信する﹂と評したほか[5]、田辺聖子とも親交があり[3][9]、店内には筒井、山本、田辺からそれぞれ贈られた色紙が飾られている[10]。
青空書房は、元日以外は休まない営業を、2002年ころまで長らく続けていたが[7]、その後、坂本が脳梗塞を患ったこともあって、日曜日を定休日とし[11]、2010年に妻に先立たれた[8]前後から、さらに木曜日にも休むようになった[11]。日曜日を休むようになった坂本は、定休日であることを告げる手描きポスターを、そのつど新たに作成してシャッターに貼り、やがて、そこに添えられた絵や言葉が徐々に注目されて、メディアにも取り上げられるようになった[11]。その後、この手描きポスターは、大阪の画廊[12]や書店で展示され、さらに書籍として出版された[11]。
著書
さかもとけんいち 名義
●浪華の古本屋 ぎっこんばったん、SIC、2010年[6]
●夫婦の青空、天理教道友社、2012年[8]
●ほんじつ休ませて戴きます : 人生最晩年、あふれ出た愛の言葉集、主婦の友社、2013年[11]
●だれにも一つの青空がある : 大阪﹁青空書房﹂店主90歳、休業ポスターに込めた人生の応援メッセージ。、天理教道友社、2013年
出典・脚注
(一)^ abc“夫婦の青空 道友社きずな新書”. 天理教道友社. 2013年11月23日閲覧。 (二)^ abcd加来誠 (2008年2月11日). “︵週刊まちぶら 第143号︶天五中崎通商店街 大阪市北区”. 朝日新聞・大阪朝刊・大阪府: p. 31 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧 (三)^ abcd“青空書房の戦後65年記 生きる道しるべ 交流つづる”. 読売新聞・大阪朝刊: p. 24. (2010年8月15日) - ヨミダス歴史館にて閲覧 (四)^ abc“エッセー集‥本は人生の心の糧 大阪の古書店店主・坂本さん﹁浪華の古本屋﹂”. 毎日新聞・大阪朝刊: p. 25. (2010年8月18日) - 毎索にて閲覧 (五)^ abcde近藤順子 (1998年1月23日). “感動売ります、古本屋︵関西現代焼 カンサイモダンヤキ︶”. 朝日新聞・夕刊: p. 3 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧 引用エラー: 無効な<ref>
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(六)^ abc宮崎園子 (2010年8月23日). ““古本店主、自らの一冊 大阪の87歳、本通じた出会い回想録”. 朝日新聞・夕刊: p. 10 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
(七)^ abcdef“頑固50年、本モノ店主 天五の﹁青空書房﹂坂本健一さん”. 朝日新聞・夕刊: p. 12. (2002年11月18日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
(八)^ abc宮崎園子 (2012年10月13日). “愛する妻へ、永遠のメッセージ 大阪の古書店主、手紙110点を本に”. 朝日新聞・朝刊: p. 33 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
(九)^ 宮崎園子 (2012年4月14日). “本日休業、愛を込めて 絵と言葉、名物ポスター 大阪・中崎町﹁青空書房﹂”. 朝日新聞・夕刊: p. 1 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
(十)^ 橋本誠司 (2009年6月20日). “﹇今日のノート﹈本は生きもの”. 読売新聞・大阪朝刊: p. 24 - ヨミダス歴史館にて閲覧
(11)^ abcde宮崎園子 (2013年7月10日). ““出版させて戴きます”古書店主・坂本さん﹁休み伝えるポスター﹂一冊に”. 朝日新聞・大阪朝刊・大阪府: p. 32 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
(12)^ 宮崎園子 (2012年11月9日). “﹁休みます﹂ポスター110点 古本屋店主の手描き集め個展”. 朝日新聞・大阪朝刊・大阪市内: p. 31 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧