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「稲むらの火」の版間の差分

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''''''[[1854]][[]]7/[[]][[]][[]][[|]][[]][[]][[1937]]10[[|]][[ ()|]][[]]<ref name="jma-inamura5">{{cite web|url=https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami/inamura/p5.html|title=|publisher=|accessdate=2013-09-29}}</ref>

''''''[[1854]][[]]7/[[]][[]][[]][[]][[|]][[]][[]][[1937]]10[[|]][[ ()|]][[]]<ref name="jma-inamura5">{{Cite web||url=https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunami/inamura/p5.html|title=|publisher=[[]]|accessdate=2013-09-29}}</ref>


もとになったのは[[紀伊国]]広村(現在の[[和歌山県]][[有田郡]][[広川町 (和歌山県)|広川町]])での出来事で、主人公・五兵衛のモデルは[[濱口梧陵|濱口儀兵衛(梧陵)]]である<ref>{{Cite news|url=https://news.yahoo.co.jp/byline/fukuwanobuo/20200824-00194508/|title=19世紀後半、黒船、地震、台風、疫病などの災禍をくぐり抜け、明治維新に向かう(福和伸夫) |newspaper=Yahoo!ニュース|date=2020-08-24|accessdate=2020-12-03}}</ref>。

もとになったのは[[紀伊国]]広村(現在の[[和歌山県]][[有田郡]][[広川町 (和歌山県)|広川町]])での出来事で、主人公・五兵衛のモデルは[[濱口梧陵|濱口儀兵衛(梧陵)]]である<ref>{{Cite news|url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/4d57ba83d5e41aac42e5017f84dc3147e53dc0ff|title=19世紀後半、黒船、地震、台風、疫病などの災禍をくぐり抜け、明治維新に向かう(福和伸夫) |newspaper=Yahoo!ニュース|date=2020-08-24|accessdate=2020-12-03}}</ref>。



== 物語の概要 ==

== 物語の概要 ==

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=== 中井常蔵「稲むらの火」 ===

=== 中井常蔵「稲むらの火」 ===

広村の隣町である[[湯浅町]]出身で、濱口儀兵衛らが創設した[[和歌山県立耐久高等学校|耐久中学校]]の卒業生である'''中井常蔵'''(なかい つねぞう、[[1907年]](明治40年)12月12日 - [[1994年]](平成6年)1月24日)<ref name="inamura-nakai">{{cite web|url=http://www.inamuranohi.jp/person/nakai.html|title=中井常蔵氏のプロフィール|publisher=稲むらの火資料室|accessdate=2013-09-29}}</ref>は、[[和歌山師範学校|和歌山県師範学校]]在学中、英語テキストで小泉八雲の「A Living God」を読み、感銘を受けた<ref name="jma-inamura5" />。

広村の隣町である[[湯浅町]]出身で、濱口儀兵衛らが創設した[[和歌山県立耐久高等学校|耐久中学校]]の卒業生である'''中井常蔵'''(なかい つねぞう、[[1907年]](明治40年)12月12日 - [[1994年]](平成6年)1月24日)<ref name="inamura-nakai">{{Cite web|和書|url=http://www.inamuranohi.jp/person/nakai.html|title=中井常蔵氏のプロフィール|publisher=稲むらの火資料室|accessdate=2013-09-29}}</ref>は、[[和歌山師範学校|和歌山県師範学校]]在学中、英語テキストで小泉八雲の「A Living God」を読み、感銘を受けた<ref name="jma-inamura5" />。




[[1934]]9[[]][[ ()|]][[]]<ref name="inamura-nakai" />"''A Living God'' " [[1937]]12[[1947]]22''''''

[[1934]]9[[]][[ ()|]][[]]<ref name="inamura-nakai" />"''A Living God'' " [[1937]]12[[1947]]22''''''
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[[1937]]12[[]]5[[]]4[[]][[]]5[[]][[]][[1947]]22

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地震学者の[[今村明恒]]は、[[1940年]](昭和15年)に『『稲むらの火』の教え方について』を著している<ref name="Imamura1940">[https://doi.org/10.14834/zisin1929.12.360 今村明恒(1940)] 今村明恒(1940): 「稻むらの火」の教方に就て, 地震 第1輯, 12, 8, pp.360-374.</ref>。


[[]][[1940]]15<ref name="Imamura1940">{{Cite journal||title= |author= |year=1940 |journal= 1 |volume=12|issue=8|pages=360-374 |doi=10.14834/zisin1929.12.360 |url=https://doi.org/10.14834/zisin1929.12.360 |publisher= |ref={{SfnRef|(1940)}}}}</ref>



[[2011]]23[[]]5  [[|]]64<ref name="nhk110214">{{cite web| author=| url=http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/72609.html| title= ""| publisher=NHK| date=2011-02-14| accessdate=2013-09-29| archivedate=2011-6-16| archiveurl=https://web.archive.org/web/20110616031242/http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/72609.html}}</ref>

[[2011]]23[[]]5  [[|]]64<ref name="nhk110214">{{Cite web|| author=[[]]| url=http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/72609.html| title= ""| publisher=NHK| date=2011-02-14| accessdate=2013-09-29| archivedate=2011-6-16| archiveurl=https://web.archive.org/web/20110616031242/http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/72609.html}}</ref>


== 史実との異同 ==

== 史実との異同 ==

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<ref name="Musha1951">, 1951, p1576.</ref>5-6<ref>1994</ref><ref name="Imamura1940" />

<ref name="Musha1951">, [[]][[]]1951, p1576.</ref>[[]]5-6<ref>{{Cite book||author= |author-link= |author2=,  |title= |publisher= |year=1994 |NCID=BN10781006 |url=https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002533920-00 |ref={{harvid||1994}}}}</ref><ref name="Imamura1940" />



35[[1224]]︿[[]][[]]

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『濱口梧陵手記』に記された概要は以下の様なものであった<ref name="Musha1951" />。

『濱口梧陵手記』に記された概要は以下の様なものであった<ref name="Musha1951" />。




[[114 ()|]]1854[[1223]]9[[]]

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[[11月5日 (旧暦)|五日]](1854年[[12月24日]])になり、海面が穏やかとなったため村民らは家に戻った。午後に村民2名が井戸の異常な水位低下を訴え出、何か地異が起るのではと恐れていた処に夕方七つ時頃(16時半頃)大震動があり暫くして静まった。村内を巡視する際、西南方向から巨砲を連発するような響きが数回あり、海岸に行った処未だ異変が認められなかったが、心を休める遑もなく、怒涛早くも民屋を襲うと叫びがあり、疾走するなか激浪が広川を遡り人家が崩れ流れていくのが見えた。自らも瞬時に潮流に半身を没し辛うじて丘陵に漂着すると、背後には押流される者、流材に身を寄せる者と悲惨な光景が広がっていた。

[[11月5日 (旧暦)|五日]](1854年[[12月24日]])になり、海面が穏やかとなったため村民らは家に戻った。午後に村民2名が井戸の異常な水位低下を訴え出、何か地異が起るのではと恐れていた処に夕方七つ時頃(16時半頃)大震動があり暫くして静まった。村内を巡視する際、西南方向から巨砲を連発するような響きが数回あり、海岸に行った処未だ異変が認められなかったが、心を休める遑もなく、怒涛早くも民屋を襲うと叫びがあり、疾走するなか激浪が広川を遡り人家が崩れ流れていくのが見えた。自らも瞬時に潮流に半身を没し辛うじて丘陵に漂着すると、背後には押流される者、流材に身を寄せる者と悲惨な光景が広がっていた。

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== 防災啓発 ==

== 防災啓発 ==

=== 防災の教材として ===

=== 防災の教材として ===


[[]][[]][[2003]]15[[3]]西<ref>{{cite web| url=http://tsunami-dl.jp/document/042| title=| author=| date=2003-3-1| publisher=| accessdate=2015-11-6}}</ref>

[[]][[]][[2003]]153西<ref>{{Cite web|| url=http://tsunami-dl.jp/document/042| title=| author=| date=2003-3-1| publisher=| accessdate=2015-11-6}}</ref>



退''''''1

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小泉八雲の著作によって、この物語は日本国外でも知られている。

小泉八雲の著作によって、この物語は日本国外でも知られている。




1993[[]][[]][[]] "''The Burning of The rice Field'' "使<ref> 1994626 [http://www.inamuranohi.jp/cgi-bin/browse.cgi?no=13&dir=06&model= 西][[#|]]</ref>

1993[[]][[]] "''The Burning of The rice Field'' "使<ref> 1994626 [http://www.inamuranohi.jp/cgi-bin/browse.cgi?no=13&dir=06&model= 西][[#|]]</ref>


2004年の[[スマトラ島沖地震 (2004年)|スマトラ島沖地震]]では津波による大きな被害が発生。2005年に神戸市で開催された世界防災会議で「稲むらの火」が紹介されて各国の防災担当者から注目された。[[アジア防災センター]]では「アジア地域における「稲むらの火」普及プロジェクト」として、アジア8か国で用いられることを想定した[[ベンガル語]]・[[ヒンディー語]]・[[タミル語]]・[[ネパール語]]・[[英語]]・[[シンハラ語]]・[[タガログ語]]に訳したテキストを配布している<ref>{{cite web|url=http://www.adrc.asia/publications/inamura/list_jpn.html|title=アジア地域における「稲むらの火」普及プロジェクト|publisher=アジア防災センター|accessdate=2013-09-29}}</ref>。

2004年の[[スマトラ島沖地震 (2004年)|スマトラ島沖地震]]では津波による大きな被害が発生。2005年に神戸市で開催された世界防災会議で「稲むらの火」が紹介されて各国の防災担当者から注目された。[[アジア防災センター]]では「アジア地域における「稲むらの火」普及プロジェクト」として、アジア8か国で用いられることを想定した[[ベンガル語]]・[[ヒンディー語]]・[[タミル語]]・[[ネパール語]]・[[英語]]・[[シンハラ語]]・[[タガログ語]]に訳したテキストを配布している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.adrc.asia/publications/inamura/list_jpn.html|title=アジア地域における「稲むらの火」普及プロジェクト|publisher=アジア防災センター|accessdate=2013-09-29}}</ref>。




20051[[ (2004)|]][[]][[]][[]][[]][[]][[]]?[[]]<ref> P161-16220117ISBN 978-4344020252</ref>

20051[[ (2004)|]][[]][[]][[]][[]][[]][[|]]?[[]]<ref>[[]] P161-162[[]]20117ISBN 978-4344020252</ref>


2015年12月4日、国連総会第2委員会は日本を含む142か国の提案により、この逸話のもととなった11月5日を「世界津波の日」に制定することを全会一致で決めた<ref>{{Cite web |url=http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H19_V01C15A2NNE000/ |title=国連、11月5日を「世界津波の日」に制定 日本が提案


2015124[[|]]2142115[[]]<ref>{{Cite web||url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H19_V01C15A2NNE000/ |title=115  |publisher=[[]] |accessdate=2015-12-12}}</ref>

|publisher=[[日本経済新聞]] |accessdate=2015-12-12}}</ref>。



== 脚注 ==

== 脚注 ==

{{Reflist|1}}

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== 参考文献 ==

== 関連文献 ==

*「もえよ 稲むらの火」桜井信夫著、PHPこころのノンフィクション。1992年3月。ISBN 9784569587639

* 「もえよ 稲むらの火」桜井信夫著、PHPこころのノンフィクション。1992年3月。ISBN 9784569587639

*「津波!!稲むらの火 その後 」高村 忠範 文・絵、2011年08月、汐文社。ISBN 9784811388175

* 「津波!!稲むらの火 その後」高村 忠範 文・絵、2011年08月、汐文社。ISBN 9784811388175

*「津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの」伊藤 和明著、岩波ブックレット656、2005年07月、岩波書店。ISBN 9784000093569

* 「津波防災を考える 「稲むらの火」が語るもの」伊藤 和明著、岩波ブックレット656、2005年07月、岩波書店。ISBN 9784000093569

* 2006年2月21日付[[産経新聞]]「正論」欄『善行と美談を小学校教科書に』[[佐々淳行]]

* 2006年2月21日付[[産経新聞]]「正論」欄『善行と美談を小学校教科書に』[[佐々淳行]]



== 関連項目 ==

== 関連項目 ==

* [[稲むらの火の館]]

* [[南海地震]]

* [[南海地震]]

* [[広村堤防]]

* [[広村堤防]]

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* [[津波てんでんこ]]

* [[津波てんでんこ]]

* [[里見浩太朗]]

* [[里見浩太朗]]

:本エピソードに基づいた楽曲『'''稲むらの火-濱口梧陵小傳より-'''』を[[2008年]]に発表した。

:本エピソードに基づいた楽曲『'''稲むらの火-濱口梧陵小傳より-'''』を2008年に発表した。



== 外部リンク ==

== 外部リンク ==

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* [http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1854-ansei-toukai_nankaiJISHIN/index.html 災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成17年3月 : 1854 安政東海地震・安政南海地震] - 中央防災会議(内閣府)

* [http://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1854-ansei-toukai_nankaiJISHIN/index.html 災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成17年3月 : 1854 安政東海地震・安政南海地震] - 中央防災会議(内閣府)



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[[Category:日本のノンフィクション書籍]]

[[Category:日本のノンフィクション書籍]]

[[Category:災害に関するノンフィクション]]

[[Category:災害に関するノンフィクション]]

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[[Category:和歌山県を舞台とした作品]]

[[Category:和歌山県を舞台とした作品]]

[[Category:江戸時代を舞台とした作品]]

[[Category:江戸時代を舞台とした作品]]

[[Category:19世紀を舞台とした作品]]

[[Category:小泉八雲の著作]]

[[Category:今村明恒]]


2024年6月11日 (火) 05:30時点における最新版


18547/193710[1]

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退

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A Living God[]


189629 "A Living God " 西[1]

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 1907401212 - 19946124[3]A Living God[1]

19349[3]"A Living God " 193712194722

1945退[3]1987629[3]

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193712545194722

194015[4]

2011235  64[5]

史実との異同[編集]


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[6]5-6[7][4]

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185412239

18541224216西


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2003153西[8]

退1

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1993 "The Burning of The rice Field "使[9]

200420058[10]

20051?[11]

20151242142115[12]

脚注[編集]



(一)^ abcd.  . 2013929

(二)^ 19(). Yahoo!. (2020824). https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/4d57ba83d5e41aac42e5017f84dc3147e53dc0ff 2020123 

(三)^ abcd.  . 2013929

(四)^ abc 11281940360-374doi:10.14834/zisin1929.12.360 

(五)^  (2011214).  "".  NHK. 20116162013929

(六)^ ab, 1951, p1576.

(七)^ , 1994 NCID BN10781006https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002533920-00 

(八)^  (200331). .  . 2015116

(九)^  1994626 西

(十)^ .  . 2013929

(11)^  P161-16220117ISBN 978-4344020252

(12)^ 115 .  . 20151212

[]


 PHP19923ISBN 9784569587639

!!   201108ISBN 9784811388175

  656200507ISBN 9784000093569

2006221

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--2008

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