イデオネラ・サカイエンシス
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イデオネラ・サカイエンシス | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Ideonella sakaiensis Yoshida et al. 2016[1] |
イデオネラ・サカイエンシス︵学名:Ideonella sakaiensis︶は、ペットボトルの原料ポリエチレンテレフタラート︵PET︶を分解して栄養源にしている真正細菌の一種である[2][3]。
大阪府堺市のリサイクル工場で採取された試料から発見された新種の細菌で、Ideonella sakaiensis 201-F6株と名付けられた[4][3]。PET分解酵素のPETase︵ピーイーティーエース︶と、テレフタル酸とエチレングリコールに分解するMHETase(エム・エイチ・イー・ティー・エース)を持ち[4][1][2]、小さく刻んだ厚さ0.2ミリメートルのPET片を6週間で二酸化炭素と水に変える。京都工芸繊維大学の小田耕平が2005年に分離に成功し、2016年に発見地の地名︵堺市︶にちなんで命名した。PETは生分解性プラスチックには含まれず、ペットボトルはマイクロプラスチックによる海洋汚染の発生源となっている。PETを分解できる微生物は、分解対象が多い場所︵ペットボトルのリサイクル工場︶にいるはずと小田が推測して探したことが奏功して発見に至った。PETase(ピーイーティーエース)やMHETase(エムエイチイーティエース)の構造やイデオネラ・サカイエンシスによる分解の効率を高める条件についての研究も進んでいる[5]
PETを発酵原料にIdeonella sakaiensisが体内で生分解性プラスチック(polyhydroxyalkanoate(ポリヒドロキシアルカン酸) PHAの一種 polyhydroxybutyrate(ポリヒドロキシ酪酸): PHB)を生産していることが発見された[6]。これにより、微生物によるPETリサイクルの可能性が示された。
脚注[編集]
(一)^ abYoshida, S.; Hiraga, K.; Takehana, T.; Taniguchi, I.; Yamaji, H.; Maeda, Y.; Toyohara, K.; Miyamoto, K. et al. (10 March 2016). “A bacterium that degrades and assimilates poly(ethylene terephthalate)”. Science 351 (6278): 1196–1199. Bibcode: 2016Sci...351.1196Y. doi:10.1126/science.aad6359.︵英語︶
(二)^ ab“プラスチックを消化分解する酵素、研究過程で偶然作製 米英チーム”. AFPBBニュース. フランス通信社 (2018年4月17日). 2019年6月20日閲覧。
(三)^ ab“プラスチックを﹁食べる﹂強力な酵素、米英チームが発見”. CNNニュース. CNN (2018年4月20日). 2019年6月20日閲覧。
(四)^ ab“ポリエチレンテレフタレート︵PET︶を分解して栄養源とする細菌を発見”. 京都工芸繊維大学. 2021年9月17日閲覧。
(五)^ プラごみ﹁0﹂へ研究活発 微生物で分解/カメラ監視し回収﹃日本経済新聞﹄朝刊2020年1月26日︵サイエンス面︶2020年9月12日閲覧
(六)^ Fujiwara, Ryoga; Sanuki, Rikako; Ajiro, Hiroharu; Fukui, Toshiaki; Yoshida, Shosuke (2021-12). “Direct fermentative conversion of poly(ethylene terephthalate) into poly(hydroxyalkanoate) by Ideonella sakaiensis” (英語). Scientific Reports 11 (1): 19991. doi:10.1038/s41598-021-99528-x. ISSN 2045-2322.