グランプリ天国
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﹃グランプリ天国﹄︵グランプリてんごく、通称グラ天︶は、村山文夫による日本の4コマ漫画作品。﹃F1速報﹄︵三栄書房︶にて連載していた。以前は﹃F1グランプリ天国﹄というタイトルであった。
特徴[編集]
実在するF1ドライバー・チーム関係者らが、大幅にデフォルメされて登場している。実際にF1界で起こった出来事のネタや、デフォルメされたドライバーのキャラクターネタなどがある。以前はフォーミュラ・ニッポンのネタもあった。 同作者のサッカー漫画﹃うるとらスーパーさぶっ!!﹄のモータースポーツ︵特にF1︶版とでも言うべき作品である。しかし、歴史はこちらのほうが古く、1990年代初頭に双葉社の﹃F1 PRIX﹄という雑誌で連載が始まり、同誌の休刊後に﹃F1速報﹄へ移った。 掲載はカラー原稿で、以前は各号3本だったが、現在は2本となっている︵オフシーズンは3本︶。また長編が掲載されたり、同紙の記事にキャラクターの挿絵が入ることがある。 単行本は2019年10月現在、通常版7巻と、双葉社時代のものを再編集した﹃グランプリ天国クラシック﹄2巻が刊行されている。また、カレンダーが2008年版から発売されており、他にも2008年用の年賀状が発売されていた。 F1速報の携帯サイトでも不定期連載されている他、﹁画廊グラ天﹂で、毎月オリジナル待ち受けがダウンロードできる(どちらも210円/月の有料登録が必要)。 2020年シーズンからF1速報誌での4コマ漫画掲載を休止することが発表された。定番ネタ[編集]
キャラクターのセリフ エディ・アーバイン﹁ギャース﹂、ハインツ=ハラルド・フレンツェン﹁クエー﹂、ジョニー・ハーバート﹁こんちこれまたにくいよこの~﹂、小林可夢偉の﹁なんぼのもんじゃい!﹂など。 セリフに自分の名前が入る場合。ロバート・クビカ﹁クビか?﹂、ヘイキ・コバライネン﹁ヘイキヘイキ﹂など。 また、語尾に付く場合もある。ルーベンス・バリチェロ﹁~ケロ﹂、セバスチャン・ベッテル﹁~ってる﹂など。 ペドロ・デ・ラ・ロサは2010年から名前の区切り方に合わせて四文字の言葉を﹁○・○・○○﹂と言う形で多用している。 バドエルの憂鬱 行く先々のチームが恵まれていなかったルカ・バドエルを扱ったもの。﹃グランプリ天国クラシック﹄で十数年ぶりに、まえがきにて復活した。 クルサード﹁かぶれましたよ﹂ 1996年モナコGPでヘルメットのトラブルに見舞われたデビッド・クルサードが、ミハエル・シューマッハのヘルメットを借りて走ったことから、﹁顔の形が違うのに何でもかぶれるクルサード﹂というキャラクターが誕生した。ちなみに、グラ天でクルサードはデビュー当時から長期にわたって活躍しているキャラクターでもある︵引退後もちょくちょく登場している︶。 イリア様 ミカ・ハッキネンの妻︵現在は離婚︶であるイリア夫人が、ピットでサングラスをかけ腕組みをしながら夫を見守る様子から生まれたキャラクター。サングラスが﹁キラリーン﹂と光るがセリフはほとんどない。似たようなネタとして、ルイス・ハミルトンの父親のアンソニー・ハミルトンが同じような立場でロン・デニスや当時所属していたアロンソやコバライネン相手に息子の自慢話等をしていた。 看板シリーズ 2004年、一時期フリーの立場であったジャック・ヴィルヌーヴが、相手︵主にジェンソン・バトン︶を威嚇するため看板を作るようになり、それが他のキャラクターに広まった。特に佐藤琢磨は看板を作っている描写が多い。最近はザウバー時代にジャック・ヴィルヌーブのチームメイトだったフェリペ・マッサがフェルナンド・アロンソの看板を作成︵威嚇相手はマクラーレンのルイス・ハミルトン︶したが、ジャックや琢磨がしっかり出来てたのとは異なり失敗作だった︵その為ハミルトンに笑われてしまい効果がなかった︶。また、2010年にアロンソがフェラーリに移籍した際もこの看板が登場している。 サングラスシリーズ サングラスをかけるとその人の本音が出たり、性格が悪くなってしまう。最初はB・A・Rのスタッフ︵レイバンがスポンサードを行っていた︶だけであったが、徐々に広まり現在はルイス・ハミルトンもサングラスを着用している。また、サングラスとは逆の効果があるという﹁ハッピーメガネ﹂が登場した事があったが全く効果が無く、長らく登場しなかったが、2014年にニコ・ロズベルグ︵ニキ・ラウダからもらったものを使用。後者2名とは別のものである。︶、ロン・デニス︵ジェンソン・バトンがB・A・R時代にもらったものを使用。︶、ビジェイ・マリヤ︵ロン・デニスが捨てたもの拾いを使用。︶の3人が使用し復活している。 酔っぱらいライコネン 初登場は2002年フランスGPで初優勝目前でミスしてしまい、表彰台でシャンパンをがぶ飲みするシーンである。その後連載が進み、今ではパンツ一丁で寝ていることが多い。 直接には本人の関係ない事件でも、コマの隅の方で酔いつぶれて寝ているときもある︵2009年シーズンのFIAとFOTAとの対立騒動のネタなど︶。 セカンドクラブ 今やグラ天の象徴とも言うべきシリーズ。 2005年にバリチェロが同じ境遇︵トップチームのセカンドドライバー︶にあるジャンカルロ・フィジケラを誘って誕生したクラブで、現在のグラ天において代表的なネタである。 トレードマークの﹁2﹂と書かれた帽子は、2001年のバリチェロが実際被っていた帽子が元になっている︵﹁2﹂は当時のカーナンバー︶。初代会長となったバリチェロは副会長のフィジケラと共にグラ天での登場回数が大幅に増えた。会員は他にクルサード、マーク・ウェバーなど。一時期、佐藤琢磨も加入していた。 ちなみにこの帽子、ミハエル・シューマッハ︵メルセデスGP復帰後︶等がかぶると力が抜けてしまうらしい。 会長はバリチェロ→フィジケラ(バリチェロのホンダ移籍に際して。後にバリチェロが会長に復帰)→ニック・ハイドフェルド(ホンダ撤退に際して。該当作品発表当時はブラウンGPはまだ設立されていなかった)→マーク・ウェバー(本人は最初拒否したが良いように言いくるめられて就任してしまった)。 後にセカンドクラブの後発団体として、﹁悶々クラブ﹂﹁ネンネンクラブ﹂も設立された。 長年セカンドクラブの代名詞的存在であったバリチェロは2010年に晴れて︵一旦︶卒業、ハンガリーGPでは幅寄せを敢行してきたシューマッハーに先述の通り帽子を被せ、強制的にセカンドクラブに入れてしまった。 ガス抜き帽子 この帽子を被ると、被ったドライバーの野心を後頭部からガスとして放出する。 また、このガスを液体にした物は、たった一滴でニトログリセリン並みの爆発力がある。 放出できる野心には許容量があり、ウェバーにつけられたものは09年シーズン中盤で許容量を超えて壊れてしまった。 10年シーズンではウェバーはこの野心を使ってヨーロッパGPでの一回転クラッシュから生還した事もある。 マッサの跳ね馬日記 フェリペ・マッサの心情を日記形式で表現するもの。フェラーリのドライバーに正式昇格した2006年から開始。 ﹁ボクはマッサ﹂の書き出しで始まるのが特徴。ちなみに、姉妹ネタとしてニック・ハイドフェルドの﹁ニック日記﹂というものもあり、﹁ボクはニック﹂の書き出しで始まる。 ミナルディの﹁地獄巡り﹂ 万年テールエンダーチームであるミナルディが、チーム代表のポール・ストッダート、創設者のジャンカルロ・ミナルディおよびドライバー2名で地獄︵撤退寸前の状況︶を駆け抜けていくというもの。 2002年シーズンからレッドブルの買収による撤退を発表した2005年まで続けられた。 また、スーパーアグリも同じように綱渡りや、滝を登るなどで厳しい財政状況を表現されていた。 ﹁時代の荒波﹂シリーズ 引退したドライバーや撤退したチームオーナーが、時代という名の荒波にのみこまれていくシリーズ。たまにそこから復活する者もいる。 ﹁赤ベコ軍団﹂ クルサードがレッドブルに移籍したころから登場した。レッドブルのスタッフが赤い牛で語尾に﹁モ~﹂が付く。 ちなみに、中身はジャガーらしい。 過保護な中嶋さん 中嶋悟が昔は高木虎之介、最近では息子である中嶋一貴を見守るも心配しすぎてドタバタを繰り広げる。 ちなみに、中嶋悟や鈴木亜久里が現役時代の頃、作者の住まいの近所に中嶋悟そっくりの顔をした店主が勤めるラーメン屋があったらしい(それをネタにしたこともある)。 こたつネタ デビッド・クルサードとヤルノ・トゥルーリがこたつにて自分たちの先行き等を話し合っている。このネタはクルサードが引退した2008年まで作成された。また、たまに他のキャラも乱入してくることもある︵バリチェロなど︶。 ベッテルのピキーとハミルトンのトラウマ 2010年ベルギーGPでベッテルが悪魔に取り憑かれたようなピキー状態となって﹁ピキー﹂という奇声を上げてバトンに激突、この間の記憶はベッテルにはない。翌イタリアGPでもこの状態になり、ミスをして落ち込むハミルトンはこれを目撃して以来、ミスしたドライバーが自分を含めてこの状態になっていたのではと疑うほどのトラウマを植え付けられてしまった。 カムイのピコピコハンマー 小林可夢偉が自分より前のドライバーをオーバーテイクする際にピコピコハンマーで叩く。可夢偉がポイントを獲得するとペーター・ザウバーのハゲ頭を叩かせてもらえるが、イギリスGPの時に叩きすぎて救急車を呼ぶ騒ぎになってしまった為チーム内では止めるように言っている︵可夢偉がどうしてもというので日本GPでは﹁抜けない鈴鹿で5回以上オーバーテイク﹂という条件を付けたが結局やってのけてしまいペーターの頭をコンペイトウのようにしてしまった︶。尚このピコハンの餌食になったドライバーは現在の所ライコネン・バトン・アロンソ・ブエミとなっている︵ライコネンとバトンは複数回叩いてからのオーバーテイク、アロンソとブエミは一撃必殺︶。 なお、可夢偉の格好の元ネタはカムイ伝より︵ただし、この年のシンガポールGPから通常のドライバースーツに戻っている。︶。書誌情報[編集]
2010年6月現在、同社︵以前はニューズ出版︶から4巻まで刊行されている。 また、双葉社から発売されていた単行本と、﹃F1 PRIX﹄の中から再編集したものが﹃F1速報 特別編集 グランプリ天国クラシック﹄として刊行されている。 ●F1速報 グランプリ天国︵1・2巻は当初﹃F1速報 F1グランプリ天国﹄として発売︶ (一)LAP1 1999~2000 - 2004年1月15日 ISBN 4-89107-249-0 (二)LAP2 2001~2003 - 2004年1月15日 ISBN 4-89107-250-4 (三)LAP3 2004~2006 - 2007年1月15日 ISBN 978-4-89107-448-7 (四)LAP4 2007~2009 - 2010年1月28日 ISBN 978-4-77960-841-4 (五)LAP5 2010~2012 - 2013年7月24日 ISBN 978-4-77961-867-3 (六)LAP6 2013~2015 - 2016年10月8日 ISBN 978-4-77963-076-7 (七)LAP7 2016~2018 - 2019年10月12日 ISBN 978-4-77964-020-9 ●F1速報 特別編集 グランプリ天国クラシック (一)Vol.1 [1992~1995](Webの先行予約特典は﹃グラ天クラシック 特製ステッカー﹄) - 2009年6月25日 ISBN 978-4-7796-0681-6 (二)Vol.2 [1996~1998](Webの先行予約特典は﹃あの頃のグラ天・特製ブックカバー﹄) - 2010年5月27日 ISBN 978-4-7796-0953-4 過去に双葉社から出版されていた単行本︵現在は絶版︶ ●F1グランプリ天国 (一)1994年3月 ISBN 978-4575933604 (二)1995年3月 ISBN 978-4575933895 (三)1996年3月 ISBN 978-4575934380 ●新・F1グランプリ天国 (一)1997年3月 ISBN 978-4575960365 (二)1997年10月 ISBN 978-4575960389 (三)1998年3月 ISBN 978-4575960402 (四)1999年4月 ISBN 978-4575960440 (五)2000年2月 ISBN 978-4575936735 また、自費出版による﹃F1グランプリ天国2000﹄が作者のサイトにて発売されていた。外部リンク[編集]
- F1速報インターネットマガジン
- F1グランプリ天国・スーパーさぶっ!!劇場HP(村山文夫公式HP) - archive.today(2013年4月27日アーカイブ分)