ショーロ
ショーロ︵Choro、Chorinhoとも︶は、ブラジルのポピュラー音楽のスタイル︵ジャンル︶の一つである。19世紀にリオ・デ・ジャネイロで成立した。ショーロという名前は、ポルトガル語で﹁泣く﹂を意味する﹁chorar﹂からついたと言われている。ショーロをアメリカでは﹁ブラジルのジャズ﹂と称されることがあるが、即興を重視した音楽としてはジャズよりも歴史が古い。ショーロはサンバ、ボサノヴァなどのブラジル音楽の誕生に影響を与えた。
歴史[編集]
19世紀後半にはショーロは、ダ・シルバ・カラドによってフルート、2本のギター、カヴァキーニョ︵ウクレレと同起源の小型4弦弦楽器︶で演奏された[1]。その後、パンデイロ︵タンバリンに似た打楽器︶、バンドリンが加わり、﹁管楽器+バンドリン+カヴァキーニョ+ギター+パンデイロ﹂からなるショーロの最も基本的な楽器編成が完成した。これを﹁ヘジオナウ︵Regional︶﹂と呼び、当時ラジオで歌手などの伴奏をしていた編成である。管楽器は、フルートのほかにはクラリネット、サクソフォーンが加わることが多い。ほかにもショーロは、トロンボーン、ヴァイオリン、アコーディオン、ピアノなど様々な楽器で演奏される。 ショーロの曲構造は三部形式からなる。そして三部形式のそれぞれをABCとすると、AABBACCAという繰り返しを見せるものが最も多い。これはショーロの元となったヨーロッパのダンス音楽︵ポルカなど︶に由来している。またそれぞれの関係調については、AとBの関係は属調または下属調、AとCの関係は平行調であることが多いが、バリエーションは様々である。著名なショーロの作曲家[編集]
●ピシンギーニャ︵Pixinguinha︶ ブラジルポピュラー音楽の父と呼ばれ、彼が作曲した﹁カリニョーゾ﹂はショーロの代表曲として知られる。誕生日の4月23日は2001年より﹁ショーロの日﹂として制定された。 ●エイトル・ヴィラ=ロボス︵Heitor Villa-Lobos︶ ﹃ショーロ集︵Choros︶﹄︵1920年-1928年︶を発表。 ピアノ、ギターなど編成は多岐にわたる。 ●ジャコー・ド・バンドリン︵Jacob do Bandolim︶ 近代的なショーロを完成させた。ショーロの名門グループ﹁エポカ・ジ・オウロ︵Epoca de Ouro 黄金時代︶﹂の創始者でもある。 ●アベル・フェヘイラ︵Abel Ferreira︶ ●エルネスト・ナザレー︵Ernesto Nazareth︶ ●パウリーニョ・ダ・ヴィオラ︵Paulinho da Viola︶ サンバの貴公子と呼ばれた彼の父親は、ショーロのギタリストであり、エポカ・ジ・オウロのメンバーでもあるセザル・ファリア。1970年代にエポカ・ジ・オウロとパウリーニョは共にショーロのリバイバルムーブメントを起こし、廃れかけていたショーロが再び陽を浴びるきっかけを作った。 ●ヴァルジール・アゼベード︵Waldir Azevedo︶著名なショーロの曲[編集]
●チコ・チコ・ノ・フバー︵Tico Tico No Fuba、粉をついばむ雀︶ ゼキーニャ・ジ・アヴレウ作曲。1940年代にアメリカに進出したブラジル人歌手、カルメン・ミランダが映画﹃コパカバーナ﹄の中で歌い、世界的にヒットする。 ●ノイチス・カリオカス︵Noites Cariocas、カリオカの夜︶ ジャコー・ド・バンドリン作曲。 ●カリニョーゾ︵Carinhoso、やさしい調べ︶ ピシンギーニャ作曲。 アントニオ・カルロス・ジョビンやヨーヨー・マなどがカバー。 ●1×0︵Um a Zero︶ ピシンギーニャ作曲。1919年にサッカーブラジル代表がウルグアイに1対0で勝った際に作られた。 ●Choro PlayAlong [1]ブラジル音楽[編集]
●ボサノバ ●サンバ ●MPB脚注[編集]
- ^ What is Choro? Archived 2011-10-01 at the Wayback Machine.