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ステロイド系抗炎症薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

SAIDsSteroidal Anti-Inflammatory Drugs20使使使

 (NSAIDs) 

[]








-使

-調使



使使



使使:

ステロイド剤の全身投与の実際[編集]

脳の海馬が血中ステロイド濃度を監視し、必要に応じて視床下部に対し、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)を放出を促す。外部からステロイドが投与されると、一時的にステロイド過多となるため、CRH分泌量が減少し、患者は一時的な多幸感を体験することがある。CRHはうつや抑うつ気分などに関係していることが知られているためである。

代表的な医薬品[編集]

プレドニゾロンやベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルチカゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン等がある。それぞれ作用持続時間および強度が異なるが、プレドニゾロンは中間的な持続時間・強度を示し、臨床においても用いられることが多い。鉱質コルチコイド作用は副作用の浮腫に関与しておりこれが強いほど浮腫が出やすい。デキサメタゾンは鉱質コルチコイド作用が極めて少ないため浮腫は起りにくいとされている。半減期が長いものは副腎抑制が強いと考えられている。その点ではデキサメタゾンは副作用が強いと考えられる。また半減期は薬効に関係することがある。ステロイド代謝が亢進した場合、半減期の短いものでは効果が不十分であるが、同力価の半減期の長いものに変更すると十分な抗炎症作用が得られることもある。

合成ステロイド剤の種類(内服・注射など全身投与に適用)
商品名 ステロイド成分名 ステロイド種類 ヒドロコルチゾンを1とした力価 半減期(hr) 分類
コートリル ヒドロコルチゾン コルチゾール 1.0 8 - 12 短時間作用型
ソルコーテフ コハク酸ヒドロコルチゾン
サクシゾン
プレドニン プレドニゾロン プレドニゾロン 4.0 12 - 36 中時間作用型
プレドニゾロン
メドロール メチルプレドニゾロン 5.0
ソルメドロール コハク酸メチルプレドニゾロン
レダコート トリアムシノロン トリアムシノロン 24 - 48
ケナコルトA トリアムシノロンアセトニド
オルガドロン デキサメタゾン デキサメタゾン 25.0 36 - 54 長時間作用型
デカドロン
リンデロン ベタメタゾン ベタメタゾン

作用機序[編集]


 (genomic effect)  (nongenomic effect) 

[]


 (GRα; Glucocorticoid Receptor α) 

cGCR (GRα; Glucocorticoid Receptor α) GRαHsp90 (heat shock protein 90) () hsp90 GRα2GRαDNADNAGRα (glucocorticoid responsive element; GRE, GGTACAnnnTGTTCT) 

DNADNA調GRαDNA (Histone Acetyl Tranceferase; HAT) 

GRαGRα (HDACHistone Deacetylase) mRNANF-κBGRαHDAC21GRαNF-κB1GRαHDAC

lipocortininterleukin-1 receptor antagonistβ2IκB




[]


A2

 (mGCR) 調GR[1]
用量(目安PSL量) 使用法 遺伝子を介した作用(GR飽和度) 遺伝子を介さない作用
少量(7.5mg/day以下) 多くの自己免疫疾患の維持量 +(50%以下) ±
中等量(0.5mg/kg/day程度) 重篤な臓器障害のない自己免疫性疾患の初期治療 ++(50〜100%) +
大量(1.0mg/kg/day程度) 重篤な臓器障害のある自己免疫性疾患の初期治療 +++(ほぼ100%) ++
ステロイドパルス療法 生命に危険を及ぼす臓器障害が認められるとき +++(100%) +++

臨床適応[編集]

臨床適応は極めて多岐にわたり、全ての処方箋医薬品において最も健康保険の適応となる疾患が多い医薬品である。さらに適応外ではあっても、積極的に臨床応用されている疾患も多く、いわば「万能薬」的な存在ともいえる。その適応症は湿疹皮膚炎虫刺されのようなありふれたものから、膠原病悪性腫瘍などの難治性疾患にまで及ぶ。

[]






111312 - 340mg120mg2

1



 (PSL) 5mg/day

PSL5mg/day

PSL20mg/day20-40mg/day740mg/day35

1050%

PSLPSL430mg

1

使1 - 3



3 (mPSL1,000mg/day) 3PSL使200ml12

chronisity+CNSANCAPSLPSL

[]


尿

減量[編集]

ステロイド系抗炎症薬の減量に関して述べる。ステロイド大量療法を長期間続けることは副作用のため難しく、原疾患のコントロールができ次第、原疾患が再燃しない程度、そして離脱症候群が起らないように漸減していくのが一般的である。早い離脱はリバウンドを引き起こすため慎重に行う必要がある。減量は各疾患のパラメータのモニタリングを行いながらするものであり、下記に示すのはあくまで目安である。減量の目標はステロイドの投与の中止よりもPSL7.5mg/day以下の少量投与による維持であることが多く、疾患の活動性によって減量速度はかなり異なるため注意が必要である。また、原疾患のコントロールにステロイドが不可欠ではない場合は、離脱症候群のみを防ぐように減量を行うためこの限りではない。減量中の再燃は2倍量に戻って再スタートとする。ステロイド離脱の時は、プレドニンのような半減期が短い製剤を用いて漸減する方が良い。

PSL投与量 減量速度
PSL40mg/dayまで 5〜10mg/1〜2week
PSL20〜40mg/day 5mg/1〜2week
PSL10〜20mg/day 2.5mg/weekまたは5mg/2week
PSL10mg/dayまで 1mg/4week

特に問題がない場合はPSL30mg/dayまでならば5mg/1week、PSL15〜30mg/dayまでならば5mg/2week、PSL10〜15mg/dayまでならば1mg/2week、10mg以下ならば1mg/4weekといった処方も知られている[1]

血管炎のステロイド減量

血管炎に関しては欧州血管炎研究グループ (EUVAS) がPEXIVAS試験という臨床治験を2010年より行なっている。対象は多発血管炎性肉芽腫症顕微鏡的多発血管炎であり、ステロイドパルス療法とシクロホスファミドが併用される。PEXIVAS試験における、PSLの標準投与と減量投与のプロトコールを以下にまとめる。52週以降は主治医判断となる。減量投与群は標準投与群と比べて重篤な感染症のリスクが低く、予後を悪化させなかった[2]

標準投与
週数 体重<50Kg 50Kg<体重<75Kg 75Kg<体重
1週 50mg 60mg 75mg
2週 50mg 60mg 75mg
3〜4週 40mg 50mg 60mg
5〜6週 30mg 40mg 50mg
7〜8週 25mg 30mg 40mg
9〜10週 20mg 25mg 30mg
11〜12週 15mg 20mg 25mg
13〜14週 12.5mg 15mg 20mg
15〜16週 10mg 10mg 15mg
17〜18週 10mg 10mg 15mg
19〜20週 7.5mg 7.5mg 10mg
21〜22週 7.5mg 7.5mg 7.5mg
23〜52週 5mg 5mg 5mg
減量投与
週数 体重<50Kg 50Kg<体重<75Kg 75Kg<体重
1週 50mg 60mg 75mg
2週 25mg 30mg 40mg
3〜4週 20mg 25mg 30mg
5〜6週 30mg 40mg 50mg
7〜8週 15mg 20mg 25mg
9〜10週 10mg 12.5mg 15mg
11〜12週 7.5mg 10mg 12.5mg
13〜14週 6mg 7.5mg 10mg
15〜16週 5mg 5mg 7.5mg
17〜18週 5mg 5mg 7.5mg
19〜20週 5mg 5mg 5mg
21〜22週 5mg 5mg 5mg
23〜52週 5mg 5mg 5mg

[]




PSL20mg/dayPSL2.55mgPSL7.5mg3PSL10mg/dayPSL5mg/dayPSL0.51.0mg/2week調



Na100mg200mg6



便



100mg100mg46Na8

[]





出典[編集]

  1. ^ a b 『Dr.岡田の膠原病大原則』(第2巻)ISBN 4-904357-06-XISBN 978-4-904357-06-4
  2. ^ N Engl J Med. 2020 Feb 13;382(7):622-631. PMID 32053298

外部リンク[編集]