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ツーソン会議

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
会議の開催地ツーソン。ツーソンはすぐ南にメキシコを望む、比較的温暖な乾燥したな地域。例年会場となっているツーソン・コンベンション・センターはこの通り右側すぐ。
ツーソンの位置。

 (Tucson conference)  Toward a Science of ConsciousnessTSC

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スチュワート・ハメロフへのインタビュー 『最新 脳科学 心と意識のハードプロブレム』収録

その後[編集]

会議は盛況の内に幕を閉じ、周囲の評価も高かったという。しかしハメロフは当初第2回会議を開く気はなかった。他のだれかが流れを引き継いでくれると思っていたという。実際サンフランシスコの神経科学者のグループがこの流れを引きつごうとしたが、それはすぐに難しい状況に直面した。それはグループの分裂だった。C.P.スノーの「2つの文化」ではないが、すぐさまある種の断絶が現れたという。つまり神経科学者は神経科学者たちだけで会議を開こうとし、他を追い出してしまった。これがハメロフに第2回会議を開かせることを決心させた。以下、当時の状況を振り返るハメロフの言葉。

われわれは意識にたいするどんなアプローチも正しい可能性を秘めていると考え、すべてを包含する“傘”となろうとして会議を構想したのです。しかしそのような統合的な方針は彼らの間では機能しなかった。神経科学のグループは現象論的なグループといかなる形でも関わることを拒否したのです。私も個人的には超心理学というものをそれほど信用してないが、超心理学や瞑想や神秘主義のような主観的な取り組み方はいっさい排除すべきだと頭から決めてかかる態度も好きではない。ある方法論が正しいか正しくないかの判断は、証拠に基づいて行うべきだと考えているからです。サンフランシスコの神経学者たちはすべてを取り込む学際的なアプローチはとろうとせず、そのためこの試みは空中分解してしまった。そうした経過があって、我々は2年後の96年4月に二回目のツーソン会議を開くことに決めたというわけです。

スチュワート・ハメロフへのインタビュー 『最新 脳科学 心と意識のハードプロブレム』収録

その後、1年おきに会議が開催され(偶数年はツーソンで開催、奇数年はアメリカ以外の別の国の都市で開催)、現在に至る。

年次[編集]

開催年と開催時期 開催された国 開催地 会場 副題 リンク
1994年04月12日–04月17日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンI -
1996年04月08日–04月13日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンII -
1997年08月18日–08月24日  デンマーク ヘルシンゲル L-O Skolen - -
1998年04月27日–05月02日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンIII 1998年度公式サイト
1999年05月25日–05月28日 日本の旗 日本 東京 国際連合大学 ファンダメンタルなアプローチ 1999年度公式サイト
2000年04月10日–04月15日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンIV 2000年度公式サイト
2001年08月07日–08月11日  スウェーデン ショブデ First Resort Billingehus Hotel 意識と自然の中におけるその場所 2001年度公式サイト
2002年04月08日–04月12日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンV 2002年度公式サイト
2003年07月06日–07月10日  チェコ プラハ トップ・ホテル・プラハ 現象学と神経科学のあいだ 2003年度公式サイト
2004年04月07日–04月11日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンVI 2004年度公式サイト
2005年08月17日–08月20日  デンマーク コペンハーゲン コペンハーゲン大学パヌム研究所 方法論的問題、概念的問題 2005年度公式サイト
2006年04月04日–04月08日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンVII 2006年度公式サイト
2007年07月23日–07月26日  ハンガリー ブダペスト エトヴェシュ・ロラーンド大学 - 2007年度公式サイト
2008年04月08日–04月12日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンVIII 2008年度公式サイト
2009年06月11日–06月14日 香港の旗 香港 香港 香港理工大学 内的経験を探索する 2009年度公式サイト
2010年04月12日–04月17日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン ツーソン・コンベンションセンター ツーソンIX 2010年度公式サイト
2011年05月03日–05月07日  スウェーデン ストックホルム アウラ・マーニャ・ホール 脳、心、リアリティ
2012年04月09日–04月14日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ツーソン
2013年05月03日–05月09日 インドの旗 インド アーグラ ダヤルバー教育研究所英語版 脳、心、リアリティ-東洋と西洋の視点

参加者[編集]

参加者の一部を示す。

画像[編集]

2008年の会議の様子

参考文献[編集]

インタビュー[編集]

  • 『最新 脳科学 心の意識のハードプロブレム』 <最新科学論シリーズ> 学研 1997年 ISBN 4056015058 ハメロフとチャーマーズへのインタビューが収められている1冊。ツーソン会議設立の背景や経緯が語られている

会議のレポート・呼びかけ[編集]

メディアでの報道[編集]

関連書籍[編集]

1994年、1996年、1998年、1999年のそれぞれの会議の模様をまとめた書籍が出版されている。

  • "Toward a Science of Consciousness: The First Tucson Discussions and Debates (Complex Adaptive Systems)" MIT Press (1996) ISBN 0262082497
  • "Toward a Science of Consciousness II: The Second Tucson Discussions and Debates (Complex Adaptive Systems)" MIT Press (March 13, 1998) ISBN 0262082624
  • "Toward a Science of Consciousness III: The Third Tucson Discussions and Debates (Complex Adaptive Systems)" MIT Press (October 29, 1999) ISBN 0262581817
  • "No Matter, Never Mind: Proceedings of Toward a Science of Consciousness : Fundamental Approaches (Tokyo '99) " John Benjamins Pub. (March 2002) ISBN 1588110958

関連項目[編集]

外部リンク[編集]