レイブル (紋章学)
レイブル︵英: Label、仏: Lambel︶は、紋章学における、鞍から馬の胸の前を横切る垂れのある飾り紐に非常によく似たチャージである。レイブルは同じ家系の個人や分家を識別するために行われるディファレンシングに用いられた最も古いしるしであるが、時折そのような意味を持たない通常のチャージとして用いられることがある。
モントワール=シュル=ル=ロワールの紋章。レイブルの垂れ︵ポイン ト︶が6つある。
チャールズ3世の紋章
レイブルの形状は大きくわけて2種類ある。横帯がシールドまたはフィールドの左右の端までわたっているものと、横帯が左右端に達せずに下方に折れ曲がって垂れになっているものである。垂れにも2種類あり、まっすぐなものと、末広がりになっているものがある。これらの組み合わせで4種類の形状が考えられるが、いずれの形状の場合も紋章記述上の違いはなく、すべてレイブルと記述され、垂れの数だけ厳密に定められる。したがって、図に表したときのレイブルの形状が異なることをもって異なる紋章であると認識されることはなく、そう主張することもできない。
後述のディファレンシングやケイデンシーに用いられるレイブルの垂れは3つ以上の奇数であるが、それ以外の通常のチャージとして用いる場合は厳密な決まりはなく、偶数の垂れを持つレイブルも比較的よく見かけられる[1][2][3][4]。
レイブルを持つ紋章でもっとも有名なのがイギリス王室の王族たちのものである。彼らの紋章にあるレイブルは﹁ホワイト・レイブル﹂と呼ばれ、イギリス王室の一員の代名詞ともなっている。