丹波竜
タンバティタニス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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発掘された尾椎 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
白亜紀 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Tambatitanis amicitiae Saegusa & Ikeda, 2014 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
丹波竜(たんばりゅう) タンバティタニス |
概要[編集]
2006年(平成18年)8月7日に丹波市在住の2人の男性によって篠山川において発見された小さな化石の一部は、その後専門家の鑑定により、中生代白亜紀に繁栄した竜脚類の一グループに属するティタノサウルス形類という恐竜である可能性が高まり、ほぼ全身に近い骨格が良好な保存状態で発掘される可能性が高く、この種の系統進化を解き明かす上で極めて貴重な資料となると考えられ、大きなニュースとして報道された。発掘作業は現在は一旦終了した。
篠山層群[編集]
丹波竜が発見された篠山層群は、中生代白亜紀前期、1億4,000万年前~1億2,000万年前頃に平野部に土砂が堆積することによってできた地層で、当時の日本は大陸の一部であったため恐竜が生息していたことは考えられていたが、これまで恐竜の化石の産出の事例はなかった。
丹波竜の発掘現場は、川岸・川底などにたまった小石、砂が固まってできた岩盤である礫岩、砂岩、泥岩の層と、河川の氾濫時に洪水で運ばれ堆積した泥が固化してできた泥岩層が繰り返し堆積しているが、恐竜の化石はこの泥岩層の中に埋まっていた。
国内における前期白亜紀の哺乳類化石の発見例は、石川県白山市白峰、福井県勝山市北谷の2例あるが、世界的に見ても前期白亜紀の哺乳類化石の発見はわずか55例しかなく、篠山層群下層部の年代に相当するものとしてはさらに少なくわずか11例にとどまる。(詳細:イギリスに8例、モロッコ、モンゴル、ポルトガルにそれぞれ1例あるのみ)。このため、小型脊椎動物化石群集は希少でありさらに哺乳類の化石を含んでいことから、重要な発見であるとの見方がされている。
沿革[編集]
発見[編集]
2006年8月7日 長年にわたり、独自に生痕化石の調査を続けてきたと丹波市在住の元高校教諭の足立洌︵丹波市柏原在住・篠山層群を調べる会会員︶とその旧友の村上茂︵後に丹波市上久下地域自治協議会会長、2014年に世界最小の恐竜の卵の化石ヒメウーリサス・ムラカミイを発見︶が、山南町上滝の加古川水系篠山川、川代峡谷川床において地質調査を行っていたところ、重層的な篠山層群の赤茶けた泥岩層の表面付近に、1cmほどの灰色がかった石状の突き出した楕円形の物体を発見。2人は、タガネとハンマーを使い、2本の切片を掘り出した。当初、2人は石灰岩や生痕化石︵主にサンドパイプ︶を探しており、午前中は山側の沢を歩き回り、フズリナやサンゴの化石が見つかればよいと考え調査を行っていた。昼食後、旧・上久下村営水力発電所付近の川床の岩盤の礫岩や泥岩の層でサンドパイプを探すつもりで、何気なく見回していた彼らの目に前述の物質が飛び込む。さっそく、2人でハンマーを使用し、2時間がかりで約15cmの正体不明の2本の物体を摘出する。元高校教諭の男性は、これまでの知識と経験から断面に年輪が見当たらないことで木ではないと直感する。2人は動物の化石ではないかと推測したものの結論は出せず、持ち帰り図鑑や参考資料を調べるうちに﹁どう考えても恐竜以外に考えられない﹂という結論に達し、翌日以降も発掘を続ける決意をする。 2006年8月9日 発見日の翌日から2日がかりで、7時間ほどかけ交代で掘り進み、60cmほどの棒状と、ひとかたまりの化石らしき岩石を兵庫県立人と自然の博物館︵愛称﹁ひとはく﹂︶へ持ち込む。ひとはくの三枝春生主任研究員の鑑定の結果、恐竜の肋骨であることが判明する。第一次発掘調査︵2007年︶[編集]
研究成果[編集]
第一次発掘調査までに採種され、クリーニングを経て明らかになったもの。 ●肋骨‥1点 ●尾椎‥2点 ●血道弓‥3点 ●椎骨‥3点 ︵以上はティタノサウルス形類である可能性の高い竜脚類︶ ●獣脚類の歯‥3点︵分類上の詳細不明︶第二次発掘調査︵2008年︶[編集]
第三次発掘調査︵2009年︶[編集]
2009年1月9日より、約20名のボランティアスタッフが参加して第三次発掘調査の本調査が開始された。命名[編集]
地元での反響[編集]
施設[編集]
丹波竜化石工房 ちーたんの館[編集]
2007年(平成19年)12月1日には、山南住民センター1階に丹波竜のクリーニング作業を見学できる丹波竜化石工房が設置された。丹波竜の資料なども多数展示されている。特に、第1次発掘調査で産出された化石のレプリカや、篠山層群より産出した恐竜化石を含む泥岩、生痕化石のほか、丹波竜の解説パネルなども展示されている。
2010年(平成22年)12月4日には、山南支所横に独立した建物の丹波竜化石工房 ちーたんの館として新装オープンした[7]。
- 開館日:水曜日~日曜日
- 年末年始は12月29日~1月3日まで休館
- 開館時間:午前10時~午後3時
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現場は旧・上久下村営水力発電所のすぐ下の川床である
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発見現場すぐそばに立つ恐竜の絵の描かれた櫓
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発見現場付近の田に作られた恐竜を模した藁細工
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発掘現場に立つ掲示板
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丹波竜化石工房でのクリーニング作業
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丹波竜化石工房・展示室入り口
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発掘された血道弓・尾椎
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丹波竜化石工房室内
兵庫県立人と自然の博物館[編集]
2008年(平成20年)4月20日、三田市の兵庫県立人と自然の博物館にひとはく恐竜ラボがオープンした。ここでは一次・ニ次発掘調査において採取された岩盤から化石を取り出す作業のほか、約4000点をの恐竜化石のクリーニング作業を間近で観察することが出来る。さらに腸骨(腰の骨)から尾の前部までが連結した化石も見ることができる。毎週日曜日の午後には研究員の解説が行われる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
- 恐竜、恐竜の一覧
- 主竜類
- 鳥頸類
- 化石
- 兵庫県道77号篠山山南線 発掘された周辺区間を「川代恐竜街道」と名付けており、その一部をトンネルでバイパス化し、旧道を「川代恐竜街道サイクリングロード」として整備している。
- ちーたん - 丹波竜をモチーフに丹波市観光協会が制作したマスコットキャラクター。同市の観光PR大使等。