本作を表題作とする堀の単行本第1作となる同名短編集が早川書房から1979年に刊行され、1981年1月に第1回(1980年度)日本SF大賞を受賞。日本SF大賞は徳間書店が後援していたため、文庫版の出版契約を徳間書店と堀との間で交わしたところ、早川書房が口頭による契約締結と出版業界の慣例(単行本の出版から3年程度で文庫版の出版。その間は先行業者に出版権利、出版許諾権がある)を主張して、徳間書店および堀に対して訴訟を起こした、いわゆる太陽風交点事件が起きたことで知られる。
後に「トリニティシリーズ」と呼ばれる一連の作品で最初に執筆された作品であり、物語の時系列的にも最初の作品である。
滅びた異星文明の遺跡調査を行っている“私”は、ヘルクレス110番星を訪問せよという緊急指令を受ける。ヘルクレス110番星には死んだはずの“私”の恋人・オリビアが待っているというのだ。
ヘルクレス110番星へと急ぐ“私”の前に太陽帆を広げた無数の太陽風ヨットが現れる。それはヘルクレス110番星系から飛来した鉱物生命体であった。
第1回日本SF大賞
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