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小松︵こまつ︶は、滋賀県大津市北部の地名。南小松と北小松に分かれる。地名の由来は、﹁雄松﹂または﹁男松﹂から転じたものとされる。
北小松駅から望む琵琶湖。
琵琶湖の西岸に位置し、小松漁港がある。南小松の琵琶湖岸には雄松崎︵兵庫県の舞子に因んで﹁近江舞子﹂とも︶と呼ばれる景勝地があり︵白砂青松100選および琵琶湖八景の一つ︶、1930年代から水泳場として発展している。西部には比良山系小松山が迫り、その山中には滋賀県内一の落差を誇る楊梅の滝がある。
小松から北は日本海側気候に変わり、冬季には降雪が多い。春先には比良山地から湖上に向って激しい風が吹き下ろす﹁比良おろし﹂がある。
古代より近江国滋賀郡に属した。南北朝時代から小松周辺には﹁小松荘﹂という荘園があった。江戸時代に南小松村と北小松村に分かれた。古くからの土豪として白鬚神社神職の家系である伊藤家があり、六角氏の被官などを務めたのち、江戸時代には庄屋として地域の中核をなした。近世には高島郡音羽荘とたびたび境界争いを起こし、紛争が終結したのは1906年︵明治39年︶であった。また寛永15年には南小松村と北小松村で葭地をめぐる相論があった。
1889年︵明治22年︶4月1日、町村制の施行により北比良・鵜川・南小松・北小松の4村が合併して小松村が成立し、北小松に村役場が置かれた。その後小松村は1955年︵昭和30年︶10月1日に和邇・木戸の2村と合併して志賀町となるが、翌1956年︵昭和31年)9月30日をもって、高島郡高島町大字勝野︵打下︶の枝郷だった大字鵜川が高島郡高島町に編入された。志賀町はさらに2006年︵平成18年︶3月20日に大津市に編入された。