尾上菊之助 (5代目)
ごだいめ おのえ きくのすけ 五代目 尾上菊之助 | |
屋号 | 音羽屋 |
---|---|
定紋 | 重ね扇に抱き柏 |
生年月日 | 1977年8月1日(46歳) |
本名 | 寺嶋 和康[1][2] |
襲名歴 | 1. 六代目 尾上丑之助 2. 五代目 尾上菊之助 |
出身地 | 東京都 |
血液型 | B型 |
祖父 | 七代目尾上梅幸 |
父 | 七代目尾上菊五郎 |
母 | 富司純子 |
兄弟 | 寺島しのぶ(姉) |
妻 | 瓔子(二代目中村吉右衛門の四女) |
子 | 七代目尾上丑之助[3] 寺嶋知世 |
当たり役 | |
歌舞伎 『青砥稿花紅彩画』の弁天小僧菊之助 『摂州合邦辻』の玉手御前 新作歌舞伎 『NINAGAWA十二夜』の琵琶姫、獅子丸 演劇 『グリークス』の オレステス | |
主な作品 | |
ドラマ 『下町ロケット2』(伊丹大 役) 『グランメゾン東京』(丹後学 役) 『刑事アフター5』(主演/広橋航 役) | |
五代目 尾上菊之助︵ごだいめ おのえ きくのすけ、1977年︿昭和52年﹀8月1日[2] - ︶は、日本の俳優、歌舞伎役者。屋号は音羽屋。定紋は重ね扇に抱き柏、替紋は四つ輪。歌舞伎名跡﹁尾上菊之助﹂の当代。
本名は寺嶋 和康[2]︵てらしま かずやす︶。青山学院大学中退[2]。公称身長173cm[4]。
来歴・人物[編集]
松濤幼稚園、青山学院初等部、青山学院中等部、青山学院高等部を経て青山学院大学文学部中退。 可憐な美貌と清潔な色気で女方も二枚目も魅力的に演じる。現代の歌舞伎を担う若手スターのひとり。また、歌舞伎以外にも蜷川幸雄の舞台などにも積極的に出演している。その縁で、2005年にシェイクスピアの戯曲﹃十二夜﹄を歌舞伎演目として蜷川に演出を依頼している︵2007年に再演、2009年には英国ロンドンで公演︶。 市川崑監督のリメイク版﹃犬神家の一族﹄︵2006年公開︶では犬神松子の長男・犬神佐清役で出演したが、犬神松子役は実母である富司純子が演じ、スクリーン上での親子共演となった。 父は歌舞伎役者の七代目尾上菊五郎、母は女優の富司純子、姉は女優の寺島しのぶ。 生後2か月の時徹子の部屋に母親と共に﹁出演﹂している。2009年12月7日に菊之助が単独で出演した際には﹁最年少ゲスト﹂と呼ばれた。 2013年2月、二代目中村吉右衛門の四女・瓔子︵ようこ、30歳︶と結婚し[5][6]、11月28日に第1子︵長男︶が誕生した[7]。2015年7月14日には第2子︵長女︶[8]、2017年9月4日には第3子︵次女︶が誕生[9]。 2019年5月3日、令和元年5月大歌舞伎﹃團菊祭﹄の﹁絵本丑若丸﹂に於いて長男が初舞台を踏み、自身の前名である尾上丑之助を七代目として襲名した[10]。年譜[編集]
●1977年8月1日 - 東京都に生まれる[2]。 ●1984年2月 - 東京・歌舞伎座﹃絵本牛若丸﹄の牛若丸で六代目尾上丑之助を襲名し初舞台。 ●1996年3月 - 青山学院高等部卒業。翌月青山学院大学文学部へ入学︵後に中退[2]︶。 ●1996年5月 - 歌舞伎座﹃弁天娘女男白浪﹄の弁天小僧ほかで五代目尾上菊之助を襲名。 ●2000年 - 歌舞伎座﹃源氏物語﹄で紫の上をつとめ大人気となる。七代目市川新之助︵現・十三代目團十郎︶、二代目尾上辰之助︵現・四代目松緑︶と﹁平成の三之助﹂と呼ばれ、新たな歌舞伎ブームを起こす。 ●2004年10月 - パリのシャイヨー宮劇場で十一代目市川海老蔵襲名披露に出演。 ●2005年 - シェイクスピアの戯曲﹃十二夜﹄の歌舞伎版を企画。演出には蜷川幸雄を迎え、﹃NINAGAWA十二夜﹄として公演、主役の琵琶姫︵ヴァイオラ︶、獅子丸︵シザーリオ︶をつとめる。 ●2008年11月 - 東京・新橋演舞場の花形歌舞伎夜の部﹃伽羅先代萩﹄通し狂言で通常は立役がつとめる乳人・政岡を戦後では最年少の31歳3ヶ月で初役[11]。 ●2009年3月 - ロンドンのバービカン・シアターで﹃NINAGAWA十二夜﹄公演[12]。 ●2010年5月 - 大阪・松竹座の團菊祭 昼の部で、祖父・七代目尾上梅幸、父・七代目尾上菊五郎が当り役としてきた﹃摂州合邦辻﹄の玉手御前を初役。 ●2010年12月 - 東京・日生劇場﹃摂州合邦辻﹄通し狂言で玉手御前をつとめる。 ●2016年3月 - ﹃中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露 三月大歌舞伎﹄にて七代目尾上菊五郎が体調不良により休演したため、初日から11日まで﹁鎌倉三代記﹂の三浦之助義村 役の代役を務める[13][14]。受賞歴[編集]
歌舞伎・芸能活動 ●1985年 ﹃京鹿子娘道成寺﹄の所化喜観坊で国立劇場特別賞 ●1987年 ﹃実録先代萩﹄の千代松で国立劇場特別賞 ●1992年 歌舞伎座賞 ●1993年 ﹃人情噺文七元結﹄の娘お久で国立劇場奨励賞 ●1996年 浅草芸能大賞新人賞・十三夜会奨励賞 ●1998年 ﹃仮名手本忠臣蔵﹄﹁大序﹂の足利直義で松竹会長賞 ●1999年 ﹃春輿鏡獅子﹄で松竹会長賞 ●2000年 ﹃弁天娘女男白浪﹄の弁天小僧菊之助で松竹会長賞 ●2003年 第24回松尾芸能賞演劇賞・新人賞 ●2005年 ﹃京鹿子娘二人道成寺﹄﹃児雷也豪傑譚話﹄﹃助六由縁江戸桜﹄ほかで読売演劇大賞杉村春子賞 ●2005年 ﹃NINAGAWA十二夜﹄など歌舞伎の可能性を広げる活動で朝日舞台芸術賞寺山修司賞 ●2005年 重要無形文化財︵総合認定︶に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる[15]。 ●2005年 芸術選奨新人賞 ●2011年 ﹃摂州合邦辻﹄通し狂言で読売演劇大賞優秀男優賞 ●2023年 第44回松尾芸能賞優秀賞[16] ●2023年 第73回芸術選奨文部科学大臣賞︵演劇部門︶[17][18] その他 ●2017年 第46回ベストドレッサー賞芸能部門[19]主な出演作[編集]
歌舞伎の当り役[編集]
●﹃白浪五人男﹄の弁天小僧菊之助 ●﹃鏡獅子﹄の小姓弥生 ●﹃京鹿子娘二人道成寺﹄の白拍子花子 ●﹃助六由縁江戸桜﹄の揚巻 ●﹃伽羅先代萩﹄の政岡 ●﹃摂州合邦辻﹄の玉手御前新作歌舞伎[編集]
●﹃NINAGAWA十二夜﹄の琵琶姫/獅子丸 ●﹃極付印度伝 マハーバーラタ戦記﹄の迦楼奈/シヴァ神 ●﹃風の谷のナウシカ﹄のナウシカ[注 1] ●﹃ファイナルファンタジーX﹄のティーダその他の舞台[編集]
●﹃ライル﹄︵1990年︶ - ジョッシュ役 ●﹃グリークス﹄︵2000年︶ - オレステス役 ●﹃疾風のごとく﹄︵2002年︶ - 日野小太郎役 ●﹃若き日のゴッホ﹄︵2003年︶ - フィンセント・ファン・ゴッホ役 ●﹃わが魂は輝く水なり﹄︵2008年︶ - 斎藤五郎役映画[編集]
●﹃水の旅人 侍KIDS﹄︵1993年︶ - 一寸法師役 ●﹃四十七人の刺客﹄︵1994年︶ - 大石主税役 ●﹃犬神家の一族﹄︵2006年︶ - 犬神佐清役 ●シネマ歌舞伎﹃日高川入相花王﹄︵2006年︶ - 人形遣い役 ●シネマ歌舞伎﹃京鹿子娘二人道成寺﹄︵2007年︶ - 白拍子花子役 ●﹃怪談﹄︵2007年︶ - 新吉役 ●﹃ナルニア国物語/第2章: カスピアン王子の角笛﹄︵2008年︶ - カスピアン王子役︵吹き替え︶ ●﹃THE CODE/暗号﹄︵2009年︶ - 探偵507役 ●﹃ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島﹄︵2011年︶ - カスピアン王子役︵吹き替え︶[22] ●﹃映画 イチケイのカラス﹄︵2023年︶ - 三田村武晴 役[23]テレビドラマ[編集]
●大河ドラマ︵NHK︶ ●葵 徳川三代︵2000年︶ - 豊臣秀頼 役 ●西郷どん︵2018年︶ - 月照 役[24] ●坂の上の雲︵2009年 - 2011年、NHK︶ - 明治天皇 役[25] ●鬼平犯科帳 THE FINAL︵2016年12月2日・3日、フジテレビ︶ - 石動虎太郎 役 [26] ●オリガミの魔女と博士の四角い時間︵2017年3月12日 - 、NHK教育︶ - オリガミの魔女 役︵声の出演︶[27] ●下町ロケット2︵2018年10月 - 12月、TBS︶ - 伊丹大 役[28] ●下町ロケット 特別編︵2019年1月2日︶ ●グランメゾン東京︵2019年10月20日 - 12月29日、TBS︶ - 丹後学 役[29] ●スペシャルドラマ グランメゾン東京︵2024年冬放送予定、TBS︶[30] ●刑事アフター5︵2020年10月1日、テレビ朝日︶ - 主演・広橋航 役[31] ●連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ︵2021年11月1日 -、NHK︶ - 桃山剣之介、桃山団五郎 役︵一人二役︶[32] ●家電侍スペシャル ストップ!忠臣蔵︵2023年1月4日、BS松竹東急︶ - 大石内蔵助良雄 役 ●探偵ロマンス︵2023年1月21日 - 2月11日、NHK総合︶ - 住良木平吉 役[33]CM[編集]
●ライオン ﹁ホワイト&ホワイトライオン﹂︵1983年 - 1987年︶ ※両親・姉と出演 ●ペリエ・ジャポン ●日本総合信用 ●ソニー ●ハウス食品 ●アサヒビール﹁アサヒスーパードライ﹂ ●ヤクルト﹁ヤクルト1000﹂ナレーション[編集]
●再春館製薬所・ドモホルンリンクル︵TV-CM︶ ●Audible・国宝 上・下-吉田修一(オーディオブック読み上げ)脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
(一)^ “古典的で新しい冒険 尾上菊之助 - 歌舞伎 - 文化・芸能”. 朝日新聞 (2007年6月29日). 2012年3月3日閲覧。
(二)^ abcdef﹃読売年鑑2005 別冊.分野別人名録﹄︵読売新聞東京本社,2005年3月13日発行,ISBN 4643050012︶p.437より
(三)^ “菊之助﹁カムカム﹂モモケン﹁朝ドラで知っていただけて良かった﹂”. デイリースポーツ online (2022年2月11日). 2022年2月11日閲覧。
(四)^ 月刊演劇界発行﹃最新歌舞伎俳優名鑑﹄ ①2006年2月特別増刊 のP.174には 身長173cm・体重60kg・血液型B型/②2015年9月号特別付録 のP.28には 身長173cm・体重67kg・血液型B型 と各々掲載
(五)^ “尾上菊之助が神田明神で挙式﹁最高におめでたい婚です﹂ファン500人が祝福”. マイナビニュース (2013年2月27日). 2017年2月5日閲覧。
(六)^ “尾上菊之助:波野瓔子さんと神田明神で結婚式”. 毎日新聞デジタル. (2013年2月26日) 2021年12月29日閲覧。
(七)^ “尾上菊之助、愛息誕生に歓喜 ﹁和史﹂と命名”. ORICON NEWS (2013年11月29日). 2017年2月5日閲覧。
(八)^ “尾上菊之助に第2子長女誕生”. ORICON NEWS (2015年7月17日). 2015年7月17日閲覧。
(九)^ “尾上菊之助に第3子誕生!次女新ちゃんは父親似?”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2017年9月5日) 2017年9月5日閲覧。
(十)^ “﹁令和の丑之助誕生です﹂尾上菊之助の長男、堂々の初舞台 歌舞伎座で7代目襲名”. スポーツ報知. 報知新聞社. (2019年5月3日) 2019年5月3日閲覧。
(11)^ “<歌舞伎>尾上菊之助31歳で大役﹃先代萩﹄乳人政岡 ひたすら耐えためる演技を”. 東京新聞 (2008年10月18日). 2008年12月21日閲覧。
(12)^ “歌舞伎とシェークスピアの融合=﹁NINAGAWA十二夜﹂ロンドン公演”. 時事ドットコム (2009年3月24日). 2009年3月27日閲覧。
(13)^ “尾上菊五郎が体調不良で歌舞伎座休演 今後は未定”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2016年3月3日). 2016年3月3日閲覧。
(14)^ “尾上菊五郎が舞台復帰3日から休養、﹁胃潰瘍﹂と説明”. スポニチアネックス. スポーツニッポン新聞社 (2016年3月13日). 2016年3月14日閲覧。
(15)^ “会員一覧 | 伝統歌舞伎保存会”. www.kabuki.or.jp. 2020年10月30日閲覧。
(16)^ “第44回松尾芸能賞の大賞は市村正親、優秀賞に天海祐希・尾上菊之助ら”. ステージナタリー. ナターシャ (2023年2月13日). 2023年2月14日閲覧。
(17)^ 令和4年度︵第73回︶芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の決定について
(18)^ “尾上菊之助さんに芸術選奨文部科学大臣賞”. 歌舞伎on the web (日本俳優協会及び伝統歌舞伎保存会). (2023年3月3日) 2023年3月31日閲覧。
(19)^ “波瑠、W受賞の快挙 プライベートでの素顔は?<第46回ベストドレッサー賞>”. モデルプレス. (2017年11月29日) 2018年4月20日閲覧。
(20)^ “尾上菊之助は左肘の一部の亀裂骨折﹁幸い、大事には至っておらず﹂”. サンスポ (産経デジタル). (2019年12月8日) 2021年10月19日閲覧。
(21)^ “肘骨折の尾上菊之助が翌日に復帰、観客から大拍手”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2019年12月9日) 2021年10月19日閲覧。
(22)^ “ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島”. 金曜ロードSHOW!. 2016年7月16日閲覧。
(23)^ “映画﹃イチケイのカラス﹄吉田羊・宮藤官九郎・津田健次郎・田中みな実ら出演”. ORICON NEWS (oricon ME). (2022年11月8日) 2022年11月8日閲覧。
(24)^ “大河﹃西郷どん﹄新キャスト発表 錦戸亮、又吉直樹らが初出演”. ORICON NEWS. 株式会社oricon ME (2017年10月3日). 2017年10月3日閲覧。
(25)^ “日本の命運決定!坂の上の雲御前会議撮影”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2009年8月31日) 2021年10月19日閲覧。
(26)^ “尾上菊之助、義父・中村吉右衛門と映像初共演﹁しびれました﹂”. ORICON STYLE. (2016年9月2日) 2016年9月2日閲覧。
(27)^ “滝藤賢一、Eテレドラマ﹁オリガミの魔女と博士の四角い時間﹂制作発表で大喜び”. サンスポ (産経デジタル). (2017年3月6日) 2021年10月19日閲覧。
(28)^ “尾上菊之助﹃下町ロケット﹄新シリーズで社長役”. ORICON NEWS. オリコン (2018年9月13日). 2018年9月13日閲覧。
(29)^ “キスマイ玉森、木村拓哉と初共演 日曜劇場キャストに尾上菊之助、及川光博、沢村一樹ら”. ORICON NEWS (oricon ME). (2019年8月19日) 2021年10月19日閲覧。
(30)^ “木村拓哉主演﹁グランメゾン東京﹂完全新作SPドラマ放送、鈴木京香・玉森裕太ら再集結”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年3月13日). 2024年3月13日閲覧。
(31)^ “尾上菊之助‥ドラマ初主演で刑事役に初挑戦 残業ゼロでタンゴ習うニュータイプ刑事に”. まんたんウェブ (株式会社MANTAN). (2020年9月14日) 2021年10月19日閲覧。
(32)^ “尾上菊之助がNHK朝ドラ初出演﹁カムカムエヴリバディ﹂で銀幕スター役”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年10月19日) 2021年10月19日閲覧。
(33)^ “濱田岳が江戸川乱歩に ﹃カムカム﹄チーム集結のドラマ﹃探偵ロマンス﹄2023年1月放送”. Real Sound映画部 (blueprint). (2022年11月1日) 2022年11月1日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 音羽屋 尾上菊五郎・菊之助 公式サイト - 2023年10月、菊五郎・菊之助両名の名前により「音羽屋Official Home Pageは休止いたします。長きにわたりご覧いただきありがとうございました。」の言葉を残し、公式サイトが閉鎖された(2023年10月30日閲覧にて確認)。
- 歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 / 尾上菊之助(五代目) - 歌舞伎 on the web
- 尾上菊之助 (@onoekikunosuke) - Instagram
- 尾上菊之助 - NHK人物録
- 尾上菊之助 - 日本タレント名鑑