西山温泉 (福島県)
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西山温泉 | |
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温泉情報 | |
所在地 | 福島県河沼郡柳津町 |
交通 |
車:磐越自動車道会津坂下ICより約40分 鉄道:只見線会津柳津駅より路線バスで約30分。滝谷駅より路線バスで約15分(会津乗合自動車) |
泉質 | 塩化物泉、含塩硫化水素泉 |
西山温泉︵にしやまおんせん︶は、奥会津、福島県河沼郡柳津町︵旧国陸奥国、明治以降は岩代国︶にある温泉である。
奥会津は福島県会津地方の西南部の新潟県と接する、柳津町、三島町、金山町、昭和村、只見町、南会津町、桧枝岐村の7町村を指し、いわゆる秘湯が多いことで知られる。なかでも西山温泉は、多田三川の支流・滝谷川沿いに湧く閑静な山村の趣の秘湯らしさを残す。開湯は奈良時代初期まで遡るといわれ、﹁神の隠れ湯﹂の温泉信仰を今なお色濃く残す[1]。なお、山梨県南巨摩郡早川町にも同名の温泉︵西山温泉 (山梨県)︶がある。
柳津西山地熱発電所
福島県道32号柳津昭和線から滝谷川へ向かって下った先に5軒の旅館と日帰り温泉施設が存在する。8本の源泉から豊富に湯が湧き出し、旅館ごとにそれぞれ異なる源泉を持つのが特徴。特に昔ながらの湯治宿の趣を残す﹁老沢温泉旅館﹂は、つげ義春のイラストに描かれ、﹃つげ義春の温泉﹄の表紙を飾った混浴浴場を持つ純木造旅館である。温度が異なる3つの浴槽を持ち、その奥には温泉神社が鎮座する[1]。
3種類の源泉を引く﹁旅館 中の湯﹂は本館と別館からなり、開湯1200年以上の歴史を持つ。別館には開放感がある檜の内湯と露天風呂を持ち、貸切り利用も可。泉質は老沢温泉旅館と共に、含硫黄‐ナトリウム‐塩化物泉で美肌の湯とされる。この宿にはつげ義春が宿泊している[1]。
日帰り入浴施設である柳津町営の﹁せいざん荘﹂は温泉街から若干離れた場所にある。
地熱が高い地域であり、温泉街からせいざん荘方面に走った道の先には、柳津西山地熱発電所も存在する。
温泉街[編集]
歴史[編集]
古くは湯治場として栄えた。この地にある8つの源泉に順番に入浴すると、万病に効くと言われた事から、﹁神の湯﹂の異名でも呼ばれていた。 柳津町の中心地に柳津温泉が開かれた際、当地から源泉を送った。現在では柳津温泉が独自源泉を有しているため、送湯は行われていない。泉質[編集]
含硫黄‐ナトリウム‐塩化物泉[1] 呼吸器系に対する効能が強いことから、﹁たん切りの湯﹂と呼ばれている。その他[編集]
●つげ義春著﹃つげ義春の温泉﹄︵カタログハウス︶2003年1月発行の表紙を飾ったことでも知られる。木造板張りの小さな湯治場らしい雰囲気の浴槽に少女が一人腰かけている印象的なイラストであった[2]。 ●昭和時代後期に野口冬人が、会津の小さな食堂で手にしたタウン誌の中に、背後に奉納幟が何枚もかけ連ねられた温泉神社が祀られたいかにも湯治場然とした湯船の写真を見つけ興味を持つ。幟には﹁老沢温泉﹂と書かれていたが、温泉通の野口も聞いたことがない。地図を探すもついに見つけられなかった。ところが翌日、柳津温泉に一泊した際に柳津温泉の湯が西山温泉から引湯されていることを知り、確認のため西山温泉に向かったところ、偶然﹁老沢温泉﹂の看板を偶然に見つける。﹁老沢温泉﹂とは西山温泉の6つの旅館のうちのひとつ老沢温泉旅館のことであった[3]。アクセス[編集]
●車‥磐越自動車道会津坂下ICより約40分。 ●鉄道‥只見線会津柳津駅より路線バスで約30分。滝谷駅より路線バスで約15分︵会津乗合自動車︶。脚注[編集]
- ^ a b c d “サライ - 会津西山温泉|秘湯の宝庫・奥会津の“神の隠れ湯”【魅惑の温泉案内 Vol.95】2016/3/6”. 2018年8月6日閲覧。
- ^ "何処かへ蒸発して流浪して生きていきたい「写真家」つげ義春は温泉エッセイストでもあった" 久保隆[1]
- ^ 野口冬人著『湯治の宿』(読売旅行出版社)(1979年9月20日発行)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 柳津温泉・西山温泉 湯めぐり - 柳津観光協会
- 柳津町商工会 柳津温泉・西山温泉案内 - ウェイバックマシン(2015年11月12日アーカイブ分)
- ふくしま湯けむり探訪:柳津町・西山温泉 - 福島民友新聞