奥会津
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奥会津︵おくあいづ︶は、福島県会津地方のほぼ南西半分、会津盆地西部の七折峠より西、または盆地南部の博士山より南の山間地を指す広域地名である。もともと奥会津という表現はなかったが、会津地方が観光地化されるのに伴い、旧南山お蔵入地付近を会津盆地や耶麻郡と区分する必要から呼ばれるようになったと思われる。現在では地元側も、観光客誘致などで﹁奥会津﹂を自称して連携するようになっている[1]
範囲としては、只見川電源流域流域振興協議会︵後述︶が制作した﹃奥会津の旅﹄や、同協議会が事務局を担う﹁奥会津ミュージアム﹂では、7町村︵柳津町、三島町、金山町、昭和村、只見町、南会津町、檜枝岐村︶としている[1][2]。
このうち南会津地方は北関東に近く、野岩鉄道会津鬼怒川線 - 東武鬼怒川線ルートが栃木県北部との間で開通した後は会津高原という表現が多用されている。また檜枝岐村と群馬県や新潟県にまたがる高原地帯は尾瀬として知られる。このため、本項では阿賀川の支流である只見川沿いを中心に述べる。西会津町は耶麻郡であるが、七折峠より西に位置するので奥会津に含めることもある。
沼沢湖とその周辺
越後山脈の一部をなし、国内でも有数の豪雪地帯であることから、アバランチェ・シュート︵avalanche chute、雪食地形︶と呼ばれる急峻な崖が只見川沿いに発達している。秋には、奥会津を東西に貫いているJR東日本只見線と紅葉、川面の見事なコントラストが形作られる。只見川およびその支流である伊南川、野尻川の流域沿いには、柳津町︵河沼郡︶、三島町、金山町、昭和村︵以上は大沼郡︶、只見町、檜枝岐村および南会津町[3]︵以上は南会津郡︶の自治体があり、水力発電が盛んなことから只見川電源流域振興協議会を構成している。
只見川沿いの自治体は電源地帯として歩んできたが、現在は超高齢化と過疎化が進み、限界集落も数多く抱えている。しかし、江戸時代から会津藩と越後国︵新潟県︶、上野国︵群馬県︶、下野国︵栃木県︶を結ぶ交通の要所であり、各街道沿いには宿場町も整備されていた。
檜枝岐村以外の自治体は、過疎地域自立促進特別措置法による過疎地域に指定されている。
尾瀬国立公園、越後三山只見国定公園と、2014年に指定された只見ユネスコエコパークを擁する。