出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンシェヌマン︵仏: enchaînement︶はフランス語において複数の語が連鎖した場合に、語末子音が直後の語頭母音と結びつき、一体化して発音される調音現象。一体化した語末子音と語頭母音は一音節を構成するので、語の区切りと音節の区切りが一致しなくなる。
●動詞 "avoir"︵英語の have に相当︶の直説法現在三人称単数の活用 "il a" および "elle a" は、﹁イル・ア﹂﹁エル・ア﹂ではなく﹁イラ﹂﹁エラ﹂と発音される。
●名詞 "amie"︵女性の友人︶に不定冠詞 "une" を付した "une amie" は、﹁ユヌ・アミ﹂ではなく﹁ユナミ﹂と発音される。
●複合語 "arc-en-ciel"は、﹁アルク アン シエル﹂ではなく、﹁アルカンシエル﹂と発音される。また、"Aix-en-Provence"は﹁エクス アン プロヴァンス﹂ではなく、﹁エクサンプロヴァンス﹂と発音される。
アンシェヌマンとリエゾンとの違い[編集]
先行する語の語末子音と後続する語の語頭母音が連結して1音節を作る点は同じであるが、先行語を単独で発音する場合に、語末の子音字を発音するのがアンシェヌマン、発音しないのがリエゾンである。
●アンシェヌマン‥ il a︵イラ︶に対し、il 単独なら﹁イル﹂。lは発音される。
●リエゾン‥ vous aimez︵ヴゼメ︶に対し、vous 単独なら﹁ヴ﹂。sは発音されない。
関連項目[編集]
●リエゾン
●エリジオン
●連声