酒見賢一
誕生 |
1963年11月26日![]() |
---|---|
死没 | 2023年11月7日(59歳没) |
最終学歴 | 愛知大学文学部哲学科東洋哲学専攻 |
ジャンル | 歴史小説、ファンタジー小説、SF小説 |
代表作 | |
主な受賞歴 |
日本ファンタジーノベル大賞(1989年) 中島敦記念賞(1992年) 新田次郎文学賞(2000年) |
酒見 賢一︵さけみ けんいち、1963年11月26日 - 2023年11月7日[1]︶は、日本の小説家。
経歴・人物[編集]
福岡県久留米市出身。福岡県立明善高等学校卒業。1988年、愛知大学文学部哲学科東洋哲学専攻卒業[2]。 1989年︵平成元年︶に﹃後宮小説﹄で第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー[3]。デビュー作は王朝も人物もすべて架空の中国史小説風ファンタジーという異色作だったが、その後は実際の中国史から題材をとることが多い。 中国史を踏まえながら奔放な想像力で描く作品群には定評がある[3]。また作品がアニメ化や漫画化されたり、映画が制作されたりするなど、他分野からの注目度も高い[3]。﹃墨攻﹄については、スタジオジブリが押井守監督で映画化を検討したことがあり、近藤勝也によるイメージボードも制作されたが、実現しなかったという[4][5]。 2023年11月7日午前4時45分、呼吸不全のため死去。59歳没[6][7]。略歴[編集]
●1989年 - ﹃後宮小説﹄で第1回日本ファンタジーノベル大賞受賞 ●1990年 - ﹃後宮小説﹄第102回直木賞候補 ●1991年 - ﹃墨攻﹄第104回直木賞候補 ●1992年 - ﹃墨攻﹄﹃陋巷に在り﹄﹃ピュタゴラスの旅﹄で歿後五十年中島敦記念賞受賞[8] ●2000年 - ﹃周公旦﹄で第19回新田次郎文学賞受賞作品リスト[編集]
小説[編集]
●﹃後宮小説﹄︵新潮社、1989年︶/︵新潮文庫、1993年︶ ●﹃聖母の部隊﹄︵徳間書店、1991年︶/︵トクマ・ノベルズ、1996年︶/︵ハルキ文庫、2000年︶ ●﹃ピュタゴラスの旅﹄︵講談社、1991年︶/︵集英社文庫、2001年︶ ●﹃墨攻﹄︵新潮社、1991年︶/︵新潮文庫、1994年︶/︵文春文庫、2014年︶ ●﹃陋巷に在り﹄全13巻︵1992-2002年︶ ●﹃陋巷に在り︿1﹀儒︵じゅ︶の巻﹄︵新潮社、1992年︶/︵新潮文庫、1996年︶ ●﹃陋巷に在り︿2﹀呪︵じゅ︶の巻﹄︵新潮社、1993年︶/︵新潮文庫、1997年︶ ●﹃陋巷に在り︿3﹀媚︵び︶の巻﹄︵新潮社、1994年︶/︵新潮文庫、1998年︶ ●﹃陋巷に在り︿4﹀徒︵と︶の巻﹄︵新潮社、1995年︶/︵新潮文庫、1998年︶ ●﹃陋巷に在り︿5﹀妨︵ぼう︶の巻﹄︵新潮社、1995年︶/︵新潮文庫、1999年︶ ●﹃陋巷に在り︿6﹀劇︵げき︶の巻﹄︵新潮社、1996年︶/︵新潮文庫、1999年︶ ●﹃陋巷に在り︿7﹀医︵い︶の巻﹄︵新潮社、1997年︶/︵新潮文庫、2002年︶ ●﹃陋巷に在り︿8﹀冥︵めい︶の巻﹄︵新潮社、1997年︶/︵新潮文庫、2003年︶ ●﹃陋巷に在り︿9﹀眩︵げん︶の巻﹄︵新潮社、1998年︶/︵新潮文庫、2003年︶ ●﹃陋巷に在り︿10﹀命︵めい︶の巻﹄︵新潮社、1999年︶/︵新潮文庫、2003年︶ ●﹃陋巷に在り︿11﹀顔︵がん︶の巻﹄︵新潮社、2000年︶/︵新潮文庫、2004年︶ ●﹃陋巷に在り︿12﹀聖︵せい︶の巻﹄︵新潮社、2001年︶/︵新潮文庫、2004年︶ ●﹃陋巷に在り︿13﹀魯︵ろ︶の巻﹄︵新潮社、2002年︶/︵新潮文庫、2004年︶ ●﹃童貞﹄︵講談社、1995年︶/︵講談社文庫、1998年︶ ●﹃語り手の事情﹄︵文藝春秋、1998年︶/︵文春文庫、2001年︶ ●﹃周公旦﹄︵文藝春秋、1999年︶/︵文春文庫、2003年︶ ●﹃泣き虫弱虫諸葛孔明﹄全5巻︵2004 - 2017年︶ ●﹃泣き虫弱虫諸葛孔明 第壱部﹄︵文藝春秋、2004年︶/︵文春文庫、2009年︶ ●﹃泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部﹄︵文藝春秋、2007年︶/︵文春文庫、2011年︶ ●﹃泣き虫弱虫諸葛孔明 第参部﹄︵文藝春秋、2012年︶/︵文春文庫、2015年︶ ●﹃泣き虫弱虫諸葛孔明 第四部﹄︵文藝春秋、2014年︶/︵文春文庫、2017年︶ ●﹃泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部﹄︵文藝春秋、2017年︶/︵文春文庫、2020年︶ ●﹃分解﹄︵ちくま文庫、2010年︶エッセイ[編集]
●﹃中国雑話 中国的思想﹄︵文春新書、2007年︶原作提供[編集]
映画[編集]
●﹃墨攻﹄︵2006年︶ 日中韓の合作映画。アジアでは2006年、日本では2007年2月3日に劇場公開された[9]。森秀樹のコミックス版をもとにした映画化[9]。アニメーション[編集]
●﹃雲のように風のように﹄︵1990年︶ ﹃後宮小説﹄のアニメ化作品。1990年3月21日に日本テレビ系列局で放送された[10]。漫画[編集]
●﹃墨攻﹄全11巻︵作画‥森秀樹、シナリオ協力‥久保田千太郎︶ ﹃墨攻﹄のコミカライズ作品。﹃ビッグコミック﹄︵小学館︶において1992年から1996年にかけて連載された。途中から原作を膨らませたオリジナルストーリーとなる。 ●﹃D'arc ジャンヌ・ダルク伝﹄2巻まで︵原作‥酒見賢一、画‥近藤勝也︶ 原作小説のない漫画オリジナル作品。﹃アニメージュ﹄︵徳間書店︶において、1994年8月号から1995年8月号まで連載されたのち、中断。未完。 ●﹃陋巷に在り-顔回伝奇﹄全3巻︵原作‥酒見賢一、漫画‥羽生生純︶ ﹃陋巷に在り﹄のコミカライズ作品。月刊WEBコミック誌﹁デジコミ新潮com2︵コム・コム︶﹂︵新潮社︶にて2007年より連載。 ●﹃泣き虫弱虫諸葛孔明﹄全3巻︵原作‥酒見賢一、漫画‥緒里たばさ︶ ﹃泣き虫弱虫諸葛孔明﹄のコミカライズ作品。﹃月刊!スピリッツ﹄︵小学館︶にて2017年12月号から2019年7月号まで連載された。脚注[編集]
出典[編集]
(一)^ “作家の酒見賢一さん死去”. livedoor news (2023年11月15日). 2023年11月15日閲覧。
(二)^ 2006年度 愛知大学後援会課外活動奨励賞授与式
(三)^ abc“酒見賢一 ﹃後宮小説﹄ - 新潮社”. 新潮社. 2022年10月1日閲覧。
(四)^ 誰も語らなかったジブリを語ろう 2017, p. 411.
(五)^ “VR展覧会 近藤勝也e-museum”. にいはま紀行. 愛媛県新居浜市 (2021年10月1日〜2021年10月31日). 2022年9月30日閲覧。
(六)^ “﹁後宮小説﹂﹁墨攻﹂など 作家の酒見賢一さん死去”. 産経新聞. (2023年11月15日) 2023年11月15日閲覧。
(七)^ “作家の酒見賢一さん死去、59歳 代表作に﹁後宮小説﹂など”. サンスポコム. 産経デジタル (2023年11月15日). 2024年3月29日閲覧。
(八)^ “横浜生まれの文学賞 歿後五十年中島敦記念賞”. 神奈川県横浜市 (2019年1月10日). 2022年9月30日閲覧。
(九)^ ab“﹃墨攻﹄アンディ・ラウ 単独インタビュー”. シネマトゥデイ. 株式会社シネマトゥデイ (2007年1月18日). 2022年9月30日閲覧。
(十)^ “雲のように風のように”. 株式会社ぴえろ 公式サイト. 2022年9月30日閲覧。
参考文献[編集]
- 押井守『誰も語らなかったジブリを語ろう』徳間書店、2017年10月20日。ISBN 978-4198645021。