文春文庫
文春文庫︵ぶんしゅんぶんこ︶は、株式会社文藝春秋が発行している文庫レーベル。毎月の刊行が新潮文庫と同様に多い。
概要[編集]
文藝春秋は従来、文庫レーベルを持たず、作品再刊時には他社の文庫に収録されてしまっており、その対策として、同様の事情で創刊した講談社文庫や中公文庫に少し遅れて1974年に創刊。 創刊ラインナップは、五木寛之﹃青年は荒野をめざす﹄、北杜夫﹃怪盗ジバコ﹄、柴田翔﹃されどわれらが日々﹄、石川達三﹃花の浮草﹄、井上靖﹃おろしや国酔夢譚﹄、司馬遼太郎﹃最後の将軍 徳川慶喜﹄、松本清張﹃象の白い脚﹄、小林秀雄﹃考えるヒント﹄、畑正憲﹃ムツゴロウの青春記﹄、J・アダムソン/藤原英司訳﹃野生のエルザ﹄の10点[1] 当初から五木寛之、松本清張、井上靖、司馬遼太郎、永井路子といった人気作家の作品を収録している。 創刊当時は紙の質が悪く、新品でも早くに変色しやすかった。これは当時、オイルショックの影響で、良質の紙の確保ができなかったので、電話帳の紙を使ったためであった[2]。この状況は数年後に解消された。 ノンフィクションに強い文庫という自負の下、毎月多くの作品を収めている。小説では池波正太郎﹃鬼平犯科帳﹄、平岩弓枝﹃御宿かわせみ﹄シリーズ、宮城谷昌光の主要作品でも知られる。 海外エンターテイメント文学の翻訳作品を毎月数点文庫化しており、特にスティーヴン・キング・ジェフリー・ディーヴァーのラインナップが際立っている。初翻訳作品も多く、その中の1つであるピエール・ルメートル﹃その女アレックス﹄は、55万部を超えるヒット作となっている[3]。歴史[編集]
- 1974年 6月 - 創刊
- 1985年11月 - 「文春文庫ビジュアル版」創刊(1999年11月に終了)
- 2001年 1月 - 「文春文庫PLUS」創刊(2009年3月に終了)
- 2013年 4月 - 「文春ジブリ文庫」創刊[4]
- 2013年10月 - 「文春学藝ライブラリー」創刊
関連項目[編集]
脚注[編集]
(一)^ “危機感からの創刊、 そして読者層の拡大へ 座談会(1) 文春文庫の1970年代”. 文藝春秋 (2014年4月9日). 2016年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月16日閲覧。
(二)^ 文藝春秋HP|本の話より|岡崎武志著
(三)^ “WAY ショップ情報 WAKAYAMA MIO 和歌山ミオ”. 2015年8月23日閲覧。
(四)^ 鈴木敏夫インタビュー ジブリの全映画作品が一堂