離島防衛
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島嶼防衛︵とうしょぼうえい︶とは、島嶼部への侵攻に備えて警戒監視を行い、攻撃を受けた場合は陸上部隊が航空機や艦船と連携して水陸両用作戦を実施すること[1]。
概要[編集]
尖閣諸島を含む沖縄に対する施政権に関して、日本は尖閣諸島を﹁我が国固有の領土﹂として実効支配している[2]。これに対して、中華人民共和国と中華民国は、それぞれ尖閣諸島の領有権を主張している[3][4]。2000年代に入り、中国は軍事力を国外へ向け増強させてゆく状態にあった。中国は第一列島線に示されるようにその防衛線を周辺国に設定した。これに合わせる様に中国人民解放軍海軍は原子力潜水艦や航空母艦の整備をはじめとする水上戦闘艦艇などを増強し、中国海上治安当局の船艇が尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返すようになった。また、それまで台湾への侵攻を主目的とした上陸訓練であったが、新たな内容に尖閣諸島も侵攻の対象となった[5]。 仮に外国人が尖閣諸島への不法上陸を試みた場合、海上保安庁が海上で上陸阻止を図り、上陸した者は沖縄県警が逮捕することになっている。また、外国軍に対しては、内閣総理大臣が国会の承認を得て自衛隊に防衛出動を命令することになる。しかし、上陸した侵入者が武装漁民である場合に防衛出動の要件を満たさない問題が指摘され、離島防衛の根本的な課題となっていた[6]。 陸上自衛隊では、2013年に策定された中期防衛力整備計画に基づき水陸機動団を創設している。2024年には一部の主力部隊を海上や離島に常時展開し、中国を念頭に南西諸島有事への即応体制を整えることとした[7]。しかし、防衛省は﹁平時に自衛隊が対処すれば中国海軍が介入する口実を与える﹂と慎重である[8]。離島に不法に上陸した海上民兵を含む中国漁民への対処は、沖縄県警察に2020年に設けられた国境離島警備隊が第一義的に対処することとされている[9]。脚注[編集]
出典[編集]
(一)^ ﹁離島防衛﹂﹃静岡新聞﹄、2023年1月10日。2024年1月25日閲覧。
(二)^ “日中関係︵尖閣諸島をめぐる情勢︶”. 外務省. 2013年2月2日閲覧。
(三)^ “中国軍部、尖閣﹁自国領﹂へ介入92年領海法で明記実現︵共同通信︶”. Yahoo!ニュース. 2023年6月2日閲覧。
(四)^ “40年間続く保釣運動 漁業権も主張” (日本語). U.S. FrontLine. (2010年9月14日). オリジナルの2012年3月28日時点におけるアーカイブ。 2010年10月9日閲覧。
(五)^ “中国軍が尖閣奪取訓練、昨秋に実施…米海軍協会”. 読売新聞. (2014年2月20日). オリジナルの2014年2月25日時点におけるアーカイブ。 2023年9月21日閲覧。
(六)^ ﹁NHK長崎 五島列島で“尖閣諸島念頭”の特殊訓練~衝突は回避したい~現場の思い﹂﹃NHK長崎放送局﹄日本放送協会、2022年11月18日。
(七)^ “水陸機動団を24年春に増強へ ﹁中国との緊張高める﹂専門家指摘”. 毎日新聞. (2023年6月21日) 2021年2月17日閲覧。
(八)^ “NHK長崎 五島列島で“尖閣諸島念頭”の特殊訓練 〜衝突は回避したい〜現場の思い”. 日本放送協会. (2022年11月18日) 2022年12月17日閲覧。
(九)^ “陸上における領域警備に関する考察 -準軍事組織の創設-”. 防衛省. 2023年2月2日閲覧。