COBALT HOUR
『COBALT HOUR』 | ||||
---|---|---|---|---|
荒井由実 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1975年3月1日 - 4月25日 | |||
ジャンル | ニューミュージック | |||
時間 | ||||
レーベル | EXPRESS | |||
プロデュース |
村井邦彦 川添象郎 | |||
チャート最高順位 | ||||
荒井由実 アルバム 年表 | ||||
| ||||
『COBALT HOUR』収録のシングル | ||||
|
﹃COBALT HOUR﹄︵コバルト・アワー︶は、荒井由実︵現‥松任谷由実︶の3枚目のオリジナルアルバム。オリジナルは1975年6月20日に東芝EMIからリリースされた︵LP‥ETP-72071、CT‥ZA-1555・ZT25-325︶。
一時期、音源の原盤権の都合でアルファレコードより発売されたこともある[注釈 1]。2000年4月26日にLPのブックレットを復刻し、バーニー・グランドマンによるデジタルリマスタリングで音質が向上したリマスタリングCD︵TOCT-10713︶をリリース。2005年3月10日より音楽配信された。
解説[編集]
- 音楽配信を機に本人監修のもと、全曲の英語表記が公式に発表された[1]。
- 初期のカセット(規格品番:ZA-1555)では、LPと別ミックスと思われる収録曲があったが、再発版のカセットやCDではLPと同じオリジナル音源が使用されており、現在では入手困難である。
収録曲[編集]
CD[編集]
全作詞・作曲: 荒井由実、全編曲: 松任谷正隆。 | ||
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「COBALT HOUR」 | |
2. | 「卒業写真 -Graduation Photograph-」 | |
3. | 「花紀行 -Traveling Through Scatter Petals-」 | |
4. | 「何もきかないで -Don't Ask Me Anything-」 | |
5. | 「ルージュの伝言 -Lipstick Message-」 | |
6. | 「航海日誌 -Logbook-」 | |
7. | 「CHINESE SOUP」 | |
8. | 「少しだけ片想い -I Love You More Than You Love Me-」 | |
9. | 「雨のステイション -Rainy Station-」 | |
10. | 「アフリカへ行きたい -Take Me To Africa-」 |
楽曲解説[編集]
(一)COBALT HOUR
●歌詞に出てくる﹁ベレG﹂はいすゞ自動車の乗用車、ベレットGTのことである。首都高速1号横羽線を通って湘南と横須賀を通るルート。歌詞にも﹁Shonan﹂が出てくる。
●カバー‥NOKKO︵1999年︶、クレイジーケンバンド︵2002年︶[2]、高野千恵︵2009年︶
(二)卒業写真
●ハイ・ファイ・セットへの提供曲。現在では卒業ソングの定番曲の一つとなっているが、歌詞の内容は卒業後のことを歌っている。
●カバー‥︵楽曲参照︶
●1980年に再発されたシングル﹁あの日にかえりたい﹂のB面に収録された。
(三)花紀行
●金沢の浅野川をイメージした曲。
●カバー‥平川地一丁目、村上ゆき︵2006年︶
(四)何もきかないで
●5枚目のシングル﹁ルージュの伝言﹂B面。
●カバー‥岡崎友紀︵1975年︶、小野リサ︵2013年︶
(五)ルージュの伝言
●5枚目のシングル。1989年に宮崎駿監督のアニメ映画﹃魔女の宅急便﹄にも使用された。元々はシングルではB面になる予定だったが、松任谷正隆の提案でA面として発売された。また、本人が言うには、作詞は30分で完成したという。1991年TBS系の同名のドラマシリーズにてドラマ化された︵第18話、主演は賀来千香子︶。
●カバー‥岡崎友紀︵1975年︶、手塚さとみ︵1976年︶、川島なお美︵1982年︶、つじあやの︵2008年︶、柴咲コウ︵2011年︶
(六)航海日誌
●歌詞は航海日誌ではなく﹁後悔日誌﹂となっている。また本人が言うには、死生観のようなものを曲に込めている。
●カバー‥ティン・パン・アレー︵1977年︶
(七)CHINESE SOUP
●軽快な曲調とは裏腹に、本人が言うには内容は﹁女の持っている無意識な残酷性とか、ぬるい頽廃みたいなものが書きたかった﹂とのこと。そのためか新井素子の小説﹃ひとめあなたに…﹄[注釈 2]に登場人物の鼻歌で使用されている。メロディは京王線に乗っている時に思いついたもので本人が言うには﹁電車のリアリズム﹂とのこと。
●2007年フジテレビ系﹃ママが料理をつくる理由﹄挿入歌。1991年TBS系﹃ルージュの伝言﹄にてドラマ化された︵最終話、主演は宮崎萬純︶。
●カバー‥吉田美奈子︵1975年︶、桃井かおり︵1994年︶、原田知世︵2002年︶[2]、手嶌葵︵2008年︶
(八)少しだけ片想い
●コーラス男声は山下達郎、女声は吉田美奈子。後に6枚目のシングル﹁あの日にかえりたい﹂のB面へシングルカットされた。
●カバー‥岡崎友紀︵1975年︶、三木聖子︵1976年︶
(九)雨のステイション
●著書﹃ルージュの伝言﹄によると[3][4]﹁ステイション﹂はJR青梅線の西立川駅を歌っていて、西立川にはこの歌の記念碑も建てられ、2006年には駅の発車メロディにも採用された。本人が言うには、この歌での雨は、どちらかというとシトシトした雨のイメージとのこと。
●カバー‥ハイ・ファイ・セット︵1977年︶、heaco︵2000年︶
(十)アフリカへ行きたい
●林立夫と細野晴臣が、当初オーソドックスに演奏していたが、細野が﹁1拍目と3拍目をあべこべにしてみよう﹂と提案し、実際に3拍目から始めたらリズムがすごくおもしろくなったので、そのアイデアを採用したという[5]。
●のちに本人はパリ・ダカールラリーを観戦した。ラストの飛行機のSEは1曲目の﹁COBALT HOUR﹂の冒頭に繋がる。
参加ミュージシャン[編集]
●エレクトリック・ベース‥細野晴臣 ●エレクトリック・ギター、アコースティックギター‥鈴木茂 ●ドラム‥林立夫 ●アコースティック・ピアノ、フェンダー・ローズ・ピアノ、クラヴィネット、モーグ・シンセサイザー、ハモンドオルガン‥松任谷正隆 ●パーカッション‥斉藤ノブ ●ハーモニカ‥松田幸一 ●フィドル‥松任谷愛介 ●バリトン・サックス‥原田忠幸 ●トランペット‥福島てるよし、篠原国俊 ●トロンボーン‥新井英治& his fellows ●ストリングス‥玉野嘉久& his fellows ●フルート‥山田やすひろ、早樫じゅんじ、相馬充 ●ハープ‥今道美樹子 ●コーラス‥ハイ・ファイ・セット、吉田美奈子、大貫妙子、山下達郎、伊集加代子脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
(一)^ COBALT HOUR iTunes
(二)^ ab松任谷由実のトリビュート・アルバム﹃Queen's Fellows:yuming 30th anniversary cover album﹄に収録。
(三)^ ︵各駅停話︶西立川駅 ユーミンの歌詞に原風景 朝日新聞デジタル、2014年11月10日
(四)^ 青梅線﹁西立川駅﹂の発車メロディー変更について JR東日本ニュース 2006年3月23日
(五)^ ﹃僕の音楽キャリア全部話します﹄松任谷正隆、新潮社、2016年10月31日、ISBN-10: 4103504811、ISBN-13: 978-4103504818、71頁。
外部リンク[編集]
- 松任谷由実オフィシャルサイトによる紹介ページ