FCC (スペインの企業)
マドリードのメインオフィス | |
種類 | 公開会社 |
---|---|
市場情報 | BMAD: FCC |
本社所在地 |
スペイン 08007 Calle Balmes, 36, バルセロナ |
設立 | 1900年 |
業種 | 建設 |
代表者 | パブロ・コリオ(CEO) |
売上高 | €6,158 million(2020年) |
従業員数 | 59,746人(2020年) |
外部リンク | コーポレートサイト(英語)(スペイン語) |
FCC︵西: Fomento de Construcciones y Contratas, S.A.︶は、スペイン・バルセロナに本拠を置く総合建設会社である。
概要[編集]
正式名称はフォメント・デ・コンストルクシオネス・イ・コントラータス。メインオフィスはマドリードとバルセロナにある[1]。ヨーロッパや南北アメリカを中心に、環境サービス、統合水管理、インフラストラクチャーなどの事業を展開。2016年まではスペイン株式市場において最も重要な取引指標であるIBEX 35の銘柄の1社であった。マドリード証券取引所上場企業︵BMAD: FCC︶。沿革[編集]
1900年、フォメント・デ・オブラス・イ・コンストルクシオネス︵FOCSA︶が建設会社として設立。1911年にバルセロナで下水道の浄化・保守サービスで環境サービス事業に参入。1992年、コンストルクシオネス・イ・コントラータスと合併し、フォメント・デ・コンストルクシオネス・イ・コントラータス︵FCC︶となった[2]。 ●1900年 フォメント・デ・オブラス・イ・コンストルクシオネス︵Fomento de Obras y Construcciones、FOCSA︶がバルセロナで設立。建設事業を開始 ●1911年 バルセロナで下水道の浄化・保守サービスを開始し、環境サービス事業に参入 ●1925年 ポルトランド・バルデリーバス︵Portland Valderrivas︶がマドリードでセメント事業を開始 ●1944年 コンストルクシオネス・イ・レパラシオネス︵Construcciones y Reparaciones︶がマドリードで設立 ※後のコンストルクシオネス・イ・コントラータス︵Construcciones y Contratas︶ ●1991年 ガリシア州のビーゴにて、統合水管理事業に参入 ●1992年 FOCSAとコンストルクシオネス・イ・コントラータスが合併し、フォメント・デ・コンストルクシオネス・イ・コントラータス︵Fomento de Construcciones y Contratas、FCC︶となる。 ●2002年 ポルトランド・バルデリーバスを統合事業内容[編集]
主に、環境サービス︵売上高の47%︶、統合水管理︵同19%︶、インフラストラクチャー︵建設︵同26%︶、セメント︵同6%︶︶の3部門から成る[3]。環境サービス[編集]
FCCメディオ・アンビエンテ︵FCC Medio Ambiente‥スペイン、ポルトガル︶、FCCエンバイロンメント︵FCC Environment‥イギリス︶、FCCエンバイロンメントCEE︵FCC Environment CEE‥中欧・東欧︶、FCCエンバイロンメンタル・サービシズ︵FCC Environmental Services‥アメリカ︶などの子会社を通じて事業展開。都市ごみ収集、街路清掃、産業廃棄物処理・リサイクル、下水道網のメンテナンスなどを実施[3][4][5]。 スペイン、ポルトガル、イギリス、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキア、ルーマニア、セルビア、アメリカで事業展開。廃棄物処理事業者として世界7位、スペインで1位、中欧・東欧で1位、イギリスで5位[3]。 ●事業開始‥1911年 ●従業員‥40,332人 ●地域別売上比率‥スペイン60%、イギリス21%、中欧16%、アメリカ・その他3%統合水管理[編集]
アクアリア︵Aqualia︶のブランドで事業展開。生活用水から工業・農業用水に至る水利用サービスの統合管理、運用・保守・技術支援サービス、水インフラの設計・建設・資金調達などを実施[3][4][5]。 スペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、チェコ、ルーマニア、アルジェリア、チュニジア、エジプト、サウジアラビア、UAE、カタール、オマーン、メキシコ、コロンビア、エクアドル、チリで事業展開。世界10位、ヨーロッパで4位、スペインで1位[3]。 ●事業開始‥1991年 ●従業員‥10,525人 ●地域別売上比率‥スペイン66%、中欧9%、その他ヨーロッパ6%、ラテンアメリカ5%、中東・北アフリカ14%インフラストラクチャー[編集]
建設事業 FCCコンストルクシオン︵FCC Construcción︶を通じて事業展開。鉄道・空港・港湾・水管理インフラなどの設計・開発・保守、コンセッションに加え、ユニークな建造物・スポーツ施設・医療機関など、高度な専門性が求められる建設プロジェクトにも多数参画[3][4][5]。 スペイン、ポルトガル、イギリス、アイルランド、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、ノルウェー、ルーマニア、エジプト、サウジアラビア、カタール、アメリカ、カナダ、メキシコ、コスタリカ、パナマ、コロンビア、ペルー、チリ、ブラジルで事業展開。建設会社としてヨーロッパで15位、スペインで4位[3]。 ●事業開始‥1900年 ●従業員‥7,323人 ●地域別売上比率‥スペイン53%、その他ヨーロッパ24%、南北アメリカ8%、中東・北アフリカ15% セメント事業 上場子会社のポルトランド・バルデリーバスを通じて事業展開。マドリードにある生産プラント﹁エル・アルト︵El Alto︶﹂は、ヨーロッパで2番目に大きいセメント工場である[3][4][5]。 スペイン、イギリス、チュニジア、アメリカで事業展開。スペインにおける生産量は1位、チュニジアでも上位[3]。 ●事業開始‥1925年 ※ポルトランド・バルデリーバスとして ●従業員‥1,036人 ●地域別売上比率‥スペイン62%、チュニジア15%、その他23%国際展開[編集]
世界30ヵ国以上に拠点を置き、売上高の40%︵イギリス11%、その他ヨーロッパ18%、南北アメリカ4%、中東・北アフリカ7%︶はスペイン国外からのものである。1990年代の終わり頃から本格的に国際展開を推進し、現在ではイギリス、ポルトガル、メキシコ、中米諸国、ペルー、サウジアラビア、カタール等で大きな存在感を示している。近年成長している市場は、ラテンアメリカ、アメリカ、中東、アフリカである[6]。主なプロジェクト[編集]
リヤド地下鉄︵サウジアラビア︶ ●FCC︵35.8%︶主導のコンソーシアムが事業推進。リヤド地下鉄の4号線、5号線、6号線の建設︵総距離65キロメートル、25駅、高架橋24ヵ所︶[7]。4号線はリヤド国際空港まで延伸工事中。スペインの建設プロジェクト史上最大級の契約。 パナマ地下鉄︵パナマ︶ ●FCC︵50%︶主導のコンソーシアムが事業推進。地下ルートの設計にはバルセロナ地下鉄、セネール︵SENER︶、アジェサ︵Ayesa︶も参画︵総距離13.7キロメートル、13駅︶[7]。 エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ︵スペイン︶ ●レアル・マドリードのホームスタジアムであるサンティアゴ・ベルナベウの改修工事。ヨーロッパにおける最大級のスポーツインフラプロジェクト。 ダブリン空港︵アイルランド︶ ●ダブリン空港の北側に10L/28R滑走路を建設中︵全長3,110メートル︶。 ●5,000立方メートルの容量を有する3つの二重壁貯蔵タンクの建設。脚注[編集]
(一)^ “FCC - Contact”. FCC. 2021年6月閲覧。
(二)^ “FCC - History”. FCC. 2021年6月閲覧。
(三)^ abcdefghi“Corporate presentations 2021”. FCC. 2021年6月閲覧。
(四)^ abcd“FCC - Presentation”. FCC. 2021年6月閲覧。
(五)^ abcd“FCC - Strategy”. FCC. 2021年6月閲覧。
(六)^ “FCC - Global presence”. FCC. 2021年6月閲覧。
(七)^ ab“スペインの企業が世界を造る”. スペイン国政府・外務協力省. 2014年11月閲覧。
外部リンク[編集]
- コーポレートサイト(英語)(スペイン語)
- FCC (@fcc_group) - X(旧Twitter)(英語)(スペイン語)
- FCC - YouTubeチャンネル(英語)(スペイン語)
- FCC (@fcc_group) - Instagram(英語)
- Portland Valderrivas(英語)(スペイン語) - セメント事業を運営する子会社