Wikipedia:多重アカウント

半永久的に半保護されているページ

ウィキペディアの編集者は原則として一つだけのアカウントで編集(ログイン推奨)することが期待されています。アカウントを一つだけ用いることは、編集履歴の継続を維持し、透明性(公明性)を向上させ、コミュニティの信頼を高めて、百科事典としての長期的な安定を築くのに役立ちます。ウィキペディア上で複数のアカウントを維持するべき適正な理由もいくつかありますが、複数のアカウントやIPアドレスで他の編集者を欺いたり、議論を撹乱したり、意見の一致を捻じ曲げたり、制裁を回避したり、履歴を分断したりと言った、コミュニティの規範に反するようなこと、つまり「ソックパペット行為(多重アカウントの不正使用)」や「履歴分断(複数のアカウント・IPアドレスを用いて自身の投稿履歴を隠匿する行為)」は禁じられています。

ソックパペットにはいくつかの形態があります:

  • 別人を装うために新しいアカウントを作る
  • ログアウトしてIPアドレスで問題のある編集を行う
  • 古い使っていないアカウントを引っ張り出して別人を装う
  • 友人知人を口説いてアカウントを作らせ論争の一方に肩入れさせる(ミートパペット)

多重アカウントの不正使用は、コミュニティの信頼への重大な裏切りだと考えられています。不正使用の結果として、関連する全てのアカウントのブロックと、アカウントの持ち主の追放、ウィキペディアおよび姉妹プロジェクトで用いられた全てのアカウントとIPアドレスの公開、また、さらなる不正使用防止のためには「現実」での活動や個人情報の公開の可能性もあります[注 1]

適切な理由があって複数のアカウントやIPアドレスを使いたい編集者は、自身の投稿群に関してどれが自身の投稿であるのかを明示することが推奨されます。例えば2つ以上のアカウントを使用するのであれば、それらアカウントの利用者ページ同士をリンクで結んで(#副アカウントの告知を参照)、それぞれのアカウントの使用目的や関係の説明を添えるべきです。望むなら、片方の利用者ページと会話ページをもう一つのアカウントのそれへのリダイレクトにすることもできます。リンク付けなしに複数アカウントを使用する編集者や、アカウントとは別にIPアドレスでも編集する編集者は、記事やトピックの編集が重複することを避けなければいけません。なぜなら、推敲、ウィキ化、リンク付けのような当たり障りのない編集でもソックパペット行為であると考えられる場合があり、悪気はなかったという言い訳がいつも受け入れられるとは限らないからです。

副アカウントの不適切な使用(多重アカウント使用が禁止される行為)

編集者は、多重アカウントを用いて、ミスリードしたり、欺いたり、荒らしたり、コンセンサスを捻じ曲げたりしてはいけません。具体的には以下のようなケースです(ただしこれらだけとは限りません):

  • 支持されているという幻想を作り出すこと : 実際より多くの支持を得ているという印象を与えるために副アカウントを使ってはいけません。
  • 運営ページを編集すること : 公表していない副アカウントで方針、ガイドラインおよびそのトークページを編集してはいけません。コメント依頼やブロック依頼にコメントしてもいけません。管理者への依頼、削除議論、選挙に投票してもいけません[注 2]
  • 方針違反回避や制裁回避 : 方針はアカウントごとではなく、アカウントの使用者ごとに適用されます。スリー・リバート・ルールのような方針はアカウントの使用者ごとの編集に適用されます。第2のアカウントを方針破りに使った場合、すべてのペナルティがあなたの主アカウントにも及びます。制裁、追放、ブロックを逃れようとした場合、適用期間が振り出しに戻ります。Wikipedia:投稿ブロックの方針#投稿ブロック回避も参考にしてください。
  • 複数のアカウントで同一ページの編集や議論に参加すること : 複数の人間がいるように装って、同一のページ編集や議論に複数アカウントでかかわってはいけません。明示的に結び付けられた複数アカウントならば、同じページを編集することも禁じられていません(たとえば、同じページを主アカウントと共有PC用のアカウントで編集することや、あなたのボットアカウントが編集したページを主アカウントでも編集することなど)。
  • 監視逃れ(投稿記録の分断): 明示的・完全に公開されていない複数のアカウントやIPアドレスを用いてあなたの投稿記録を分断することは、他の編集者があなたの投稿パターンを把握できなくなることを意味します。このような行為は、特定の状況下では許されていますが(適正な用法を参照)、あなたの投稿記録を精査しようとする適正な関心を持つ他の利用者を混乱させたり、欺いたりするために複数のアカウント・IPアドレスを使うことは、この方針に反する行為です(アカウントやIPアドレスを切り替えることによるクリーン・スタートの不正使用や、監視を妨げるような形でクリーン・スタートを隠蔽することもまた、この方針違反とみなされるでしょう。特段の理由なく多数のアカウントを作成する行為も、監視逃れ目的の「投稿履歴の合理的な理由なき分断」を準備する行為として、この方針違反とみなされるでしょう)。
    • 動的IPアドレスを経由した非ログイン投稿について : 非ログイン時におけるIPアドレスでの投稿に際して、主に市街地等での公共の通信環境を経由して投稿を行う際、そのIPが「動的IPアドレス」である場合、再接続を行ったり、一定時間が経過したりするごとにアドレス番号が変更され、場合によってはそれが過去に他の誰かが使用したものと重複する事があります。これは通信環境を提供するプロバイダ側による、数に限りのあるIPアドレスを活用するために用いられている仕様ですが、これはウィキペディアのメンテナンス作業の過程においては投稿記録の透明性が低下するため、個々の投稿の大元の投稿者に対する対応のコストを肥大化させ、場合によっては後からその動的IPアドレス一帯が規制されるという結果を招く可能性もあります。
    従来は動的IPアドレスを経由しての投稿に関しては、IPの変動は仕様の範囲として基本的に問題視されませんでしたが、しかしながら特定の動的IPアドレスに関してこの仕様が悪意をもって使用される、あるいはこの仕様を隠れ蓑に説明責任を放棄する形での投稿が継続された場合、そのIPアドレス帯域は問題のある投稿を行うユーザーが使用する帯域として規制を受ける可能性があります。もしあなたがどうしても動的IPアドレスの環境下において非ログインでの投稿を行いたい場合には、あなた自身の不利益を防ぐ上でも自身の使用する帯域について然るべき場所で申告を行う、Wikipedia:コメント依頼のサブページ等を他ユーザーとの対話の窓口として活用するなどして、あなた自身の編集状況に関して説明責任を担保する手段を用意することも検討してみてください。
  • 「善玉と悪玉」アカウント(「よい手と悪い手」アカウント): 一つのアカウントを「クリーン」に保ちながら、ほかのアカウントで混乱を引き起こすこと(つまり、一つのアカウントで良質投稿を行いながら、もう一つのアカウントで他者への攻撃や付きまといやダブルスタンダードをバレなくするためのような使用方法などコミュニティーを疲弊・混乱させるような破壊的編集を行うこと)。
  • ロールアカウント : アカウントはあなたの編集を「特定の一人」として代表するものなので、「ロールアカウント」―複数人により共有されているアカウント―は原則として禁じられておりブロックされます。あなたが何らかの組織のために編集する場合、 利用者名に関するガイドラインをご覧ください。なお、主な内部メーリングリストへのウィキメール受付窓口となる編集しないアカウント(例:利用者:Oversight-JAWP)、財団に承認されているアカウント(メタウィキを参照)、複数人による運営が認められているボットは例外的に認められています。
  • コミュニティを欺いて信任が必要な地位を求めること : 過去のアカウントを隠して信任の必要なポスト(管理者など)に立候補してはいけません。管理者信任はアカウントではなく個人に対してのコミュニティの信任を反映します。それゆえ、管理者に立候補するときには過去のアカウントを公開するか、(プライバシー上の問題があるなら)チェックユーザー(英語版では裁定委員会)にメールで報告することが期待されています。過去のアカウントを開示することなく管理者になった場合、特に過去のアカウントがわかっていれば管理者信任投票の結果を左右していたかもしれない場合には、解任されるリスクがあります。
  • 管理者ソックパペット(複数のアカウントで管理者になること): 編集者は二つ以上の管理者アカウントを持ってはいけません(管理者権限付きのボットをのぞく)。ウィキペディアを去った管理者が、新しい名前で復帰して、再び管理者に推薦された場合、昔のアカウントの管理者権限を返上しなければいけません。財団スタッフは、二つ以上の管理者アカウントを運用することを許されていますが、それがどのアカウントであるか明確にしなければなりません。たとえば、前ボランティア・コーディネータBastiqueは財団スタッフとしての目的にはCary Bassを用いていました。
  • 中立的なコメント者を装う : 同じ人が自分のアカウントについての議論で副アカウントを用いること。
  • 多重投票
  • 自分で作ったページを別アカウントで巡回
  • ストローマン(藁人形論法): 別アカウントを作って論争の一方の側からわざと非論理的、もしくは攻撃的な議論を展開し、そちらへの賛成意見を変えさせる。
  • ミスリードするためにログアウトする : 複数のIPアドレスで編集することも、他者を偽ったり上記原則に抵触しないために使われる場合、多重アカウント編集と同様に扱われることがあります。間違ってログアウトして編集してしまった場合、管理者やオーバーサイト係に連絡して誤解がないように確認してほしいと希望してもかまいません。

適正な使用(多重アカウント使用が認められる行為)


使稿稿使

 : PC:Mickey:Mickey ():Mouse使

 :  使#

 : 使

 : Wikipedia:Bot/使 Wikipedia:Bot

ドッペルゲンガー・アカウント(分身アカウント): ドッペルゲンガー・アカウントは、成りすましを防ぐために主アカウントとよく似た利用者名で作成されたアカウントです。このようなアカウントは編集に用いるべきではありません。分身アカウントには{{Doppelganger}}のようなタグをつけておく(もしくは主アカウントページへのリダイレクトとする)とよいでしょう。
  • 危うくなったアカウント(Compromised accounts: 今あるアカウントのパスワードをなくした場合、あるいは他人に乗っ取られたかパスワードを推測された(またはその恐れがある)場合、新しいパスワードで新しいアカウントを作るのがよいかもしれません。そのような場合、両方の利用者ページに同一人物のアカウントであることを書き、古いほうのアカウントは管理者に頼んでブロックしてもらうこともかまいません。英語版では、このようなまれな状況が生じないように、まえもってen:WP:Committed identityを利用しておくことが提案されています。
  • クリーンスタート(新しい名前で再出発): もし再出発しようと決めたなら、古いアカウント(群)の使用継続をやめて新しいアカウントを作り、それだけを使うようにすることができます。再出発用のアカウントは、以前に問題があるとされた分野や、編集パターン、振る舞いなどに立ち返ってはなりませんし、監視逃れと受け取られうるようなことをしないように注意が必要です。再出発が許されるのは、旧アカウントに対して現在有効な追放、ブロック、制裁措置が無い場合だけです。旧アカウントの使用停止とは、それを二度と使わないことを意味します。その切り替えがソックパペットの企てと見なされないように、旧アカウントの利用者ページに、これは活動していないと、{{retired}} タグなどで表明しておくべきです。管理者そのほかの地位に立候補する場合はその前に、旧アカウントの存在をチェックユーザー係に(英語版では裁定委員会に。望むならごく内密に。)知らせておくことが強く推奨されます。そうしておかないと、コミュニティを欺こうとしていると見なされる可能性が高まります(Wikipedia:再出発の方針を参照)。
  • 副アカウントの告知

    タグの使い方についてはWikipedia:ユーザーボックス/ウィキペディア/アカウントも参照してください。



    (一) - :Example:Example public:Example bot[3]

    (二) - 使{{User alternate acct|Example}}Example{{Public user}}PC使{{User alternative account name|Example public|Example public}}

    (三) - 

    {{User alternative account master}}    

    en:Wikipedia:Clean start

    ミートパペット行為


    使







    [4]

    IP

    ある複数の編集者がパーソナル・コンピュータやインターネット接続を共有している、あるいは公共のコンピュータまたは共有ネットワークを使用している場合、それら編集者のアカウントはチェックユーザーによって関連付けられる可能性があります。このためそのような状況にある利用者は、ソックパペットの疑いをもたれないように利用者ページでその関係を宣言した方がよいでしょう(このためのユーザーボックスとして{{User 共有IPアドレス}}があります)。

    緊密または同一の接続環境にある複数の利用者が同じ目的を持って編集した場合、ウィキペディアを使用する一人の利用者と見なされる場合があります。同じ記事を編集するとき、同じ議論に参加するとき、あるいはいかなる類のものであれ論争となるような場面において互いを支持し合うときは、緊密または同一の接続環境にあるアカウント同士はその関係を公開し、さらにWikipedia:編集合戦のような関連方針の遵守において仮に一つのアカウントであったとしても問題とならないように行動した方がよいでしょう。もし互いの関係を公開したくないなら、同じ分野で編集すること、特に論争の起きやすいトピックでの編集は避けるべきです。

    ソックパペットの疑いがある場合の扱い

    ソックパペット調査

    英語版のw:Wikipedia:Signs of sock puppetry(多重アカウントの兆候)には、多重アカウントかもしれない兆候のいくつかがリストされています。もし、だれかが多重アカウント(もしくはミートパペット)を使っていると思ったら、コメント依頼で他の編集者の意見を求めることができます(英語版では多重アカウント調査のための制度が構築されています)。Category:操り人形だと疑われるユーザーのタグつけは、対象アカウントがブロック済みで、なおかつ多重アカウントである証拠が十分にある場合以外は使用しないでください。

    チェックユーザー

    チェックユーザー係は、サーバログを見てどのIPアドレスがどのアカウントに紐付けられているか知ることができます。チェックユーザー係は、二つのアカウントが関係を持っていると確言することはできません:チェックしたときに技術的に関連があるかどうかが見られるだけです。ウィキメディア財団のプライバシー・ポリシーに従って、十分な理由があるときのみチェックが行われ、その結果はプライバシー侵害にならない範囲で公開されます。特定の利用者について、その利用者をチェックする格別の理由なくチェックを行うこと(フィッシング)は禁じられています。

    ブロック

    多重アカウントを使っていることが発覚すれば、ソックパペットは投稿ブロックの方針により無期限ブロックされるべきです。主アカウントはかかわりを持たない中立的な管理者の裁量によりブロックすることもできます。多重アカウントに利用されたIPアドレスもブロックすることができますが、無期限ブロックすることについては一定の制限があります(w:Wikipedia:Blocking IP addresses)。

    タグ付け

    英語版での対処方法については

    脚注

    注釈

    1. ^ ウィキメディア財団のプライバシー・ポリシーを参照。
    2. ^ en:Wikipedia:Requests for arbitration/Privatemusings#Sockpuppetryを参照。
    3. ^ 似ていない名前は混乱のもとになりかねず、透明性を阻害する意図を与えかねません。署名を変更しても、利用者名は編集履歴上で表示されることに留意してください。
    4. ^ 裁定例w:Wikipedia:Requests for arbitration/Regarding Ted Kennedy#Sockpuppets

    関連項目

    外部リンク