ラクダ(読み)らくだ(英語表記)camel

翻訳|camel

改訂新版 世界大百科事典 「ラクダ」の意味・わかりやすい解説

ラクダ (駱駝)
camel


CamelusC.bactrianusC.dromedarius22.23.5m55cm1.82.1m450690kg4

 ︿1160km130180kg5km135kg140km340尿11l40%1092l

 6121513300m300500

 37044011245寿50

 CamelidaeLama guanicoeL.glamaL.pacosVicugnavicugna


湿西

 西

 3000

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラクダ」の意味・わかりやすい解説

ラクダ
らくだ / 駱駝
camel

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ラクダ科ラクダ属に含まれる動物の総称。この属Camelusには、ヒトコブラクダC. dromedariusとフタコブラクダC. bactrianusの2種が含まれる。ヒトコブラクダの原産地は北アフリカとアラビア半島と思われるが、野生種は絶滅し、家畜化したものがインド、北アフリカ、ヨーロッパ南部、カナリア諸島などに分布している。フタコブラクダの原産地はイランから中央アジア、中国北部であるが、現在ではアルタイ山脈の麓(ふもと)のゴビ砂漠などに若干の野生種が残存するのみで、国際的に保護され、2002年には国際自然保護連合により絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。家畜種は中央アジアに分布する。

[中川志郎]

形態

ヒトコブラクダは、体長2.5~3メートル、体高1.8~2.1メートル、尾長50~70センチメートル、体重450~700キログラムで、背中の中央に大きなこぶが隆起している。指は2本で、ひづめは小さいが、足が地面につく面積は大きく弾力に富む。鼻は自由に開閉でき、内側にも毛が密生している。また、まつげや耳の周りの毛も長く、耳介の内部にも毛が密生していて、砂漠の砂嵐(すなあらし)などに適応している。体色は淡黄褐色で、体毛は、夏期は短く綿毛をもたないが、冬期は長毛で綿毛が密生している。胃は反芻(はんすう)胃であるが、四つのうち第3胃と第4胃の境があまりはっきりしないため、肉眼的には三つに分かれる。第1胃には小さな憩室があり、この中に水分の多い内容を入れるため、胃壁外面は多数のこぶ状にみえる。背中にあるこぶは、内容としては白色の光沢ある脂肪を含み、その重量は50キログラム前後に達する。

 フタコブラクダは、外見上ヒトコブラクダに類似するが、背中には2個のこぶ状隆起がある。体長2.5メートル前後、体高1.8メートル、尾長55センチメートル、体重400~600キログラムで、体毛は褐色、頸(くび)やのど、およびこぶの上には濃い長毛が生えている。飼育下の野生種は、中国の北京(ペキン)動物園や甘粛(かんしゅく)省絶滅危機動物研究センターなどで飼育されているが、家畜種に比べ四肢および頸が細長く、こぶが小さく、全体的に引き締まった体つきをしている。

[中川志郎]

生態


3613440調尿1調3513()尿1311811


用途

家畜種は、砂漠地帯では重要な財産で、荷役としては、170~270キログラムの荷を、時速4キロメートルの速さで、1日47キロメートルも運ぶことができるといわれる。また、毛、肉、乳なども利用され、糞(ふん)も乾燥して燃料として用いられている。寿命は20~25年である。

[中川志郎]

歴史


3000西使使

 59979()()()()()()()()()18214()()2()()


民俗

サウジアラビアのベドウィン、ソマリアおよびケニアのソマリ、サハラ砂漠のトゥアレグなど、砂漠地方の遊牧民にとってラクダは貴重な財であり、交通・運搬手段であり、社会生活の中心ともなっている。ソマリにおいては、スーダンの牧牛民におけるウシと同様、ラクダは結婚の際の女性への代償、殺人に対する賠償とされ、また男の一生はラクダ100頭、女性は50頭といった言い方がある。ベドウィンは、良質の乳を出す純血の雌ラクダをだいじにし、有名な血統は10代ほど前まで母系によってたどられる。ラクダは、おりおり創作され歌われる詩のテーマとなり、一頭一頭に固有名が与えられる。アラブには、「死はすべての家の戸口の前に膝(ひざ)を折る黒いラクダ」という諺(ことわざ)があるという。キリスト教の図像学においては、フランス、アミアンのカテドラルの浮彫りにみられるように、ラクダは従順さ、謙譲の美徳の象徴とされる。しかし、逆にラクダは、頑迷さ、愚鈍さ、高慢さの象徴とされる場合もある。

[渡辺公三]


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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ラクダ」の解説

ラクダ


(dromedary)(Bactrian camel)西32()2姿2()

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百科事典マイペディア 「ラクダ」の意味・わかりやすい解説

ラクダ

 
()2()()()()312m西21.92.3m  

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラクダ」の意味・わかりやすい解説

ラクダ
Camelus; camel

 
22  

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世界大百科事典(旧版)内のラクダの言及

【キャメル】より

…英語camelhair(ラクダの毛)の略。またはラクダの毛,もしくはラクダの毛にモヘア,牛毛などを混ぜて織った紡毛織物。…

【共生栄養】より


()341()()宿

【砂漠】より


沿︿1

【サハラ砂漠】より


(2)711

【トルコ族】より

… アナトリアのトルコ系遊牧民は多数の羊,ヤギを飼育し,それによって得られる乳製品,羊毛,毛皮,食肉などを都市に供給し,彼らが中央アジアからもちきたった技術を駆使したじゅうたん,キリム(平織の敷物),フェルト,毛織物は,13世紀以降アナトリアの重要な輸出品であった。また,トルクメンは,前2世紀のパルティア王国時代以来の交配技術を取り入れて,アラブのヒトコブラクダと中央アジアのフタコブラクダとの交配種であるヒトコブ半のラクダ(トルコでは,〈トゥルtulu〉ないしは〈トルクメンのラクダ〉とよばれ,夏の暑さにも冬の寒さにも耐久力をもつ)を飼養するなどして,交易・輸送に活躍した。つまり,遊牧民はその機動力によって,都市と農村を結ぶ潤滑油の役割を果たした。…

【遊牧】より

…それはたんなる草地の劣化という物質的条件への配慮からだけでなく,キャンプ地への好悪,そして長期居住による不衛生といった牧畜民のより主観的判断によってなされることもある。また乾燥した砂漠などでのラクダ遊牧民や東アフリカのサバンナでの牛遊牧民の場合,不規則な降雨によって急に緑地が出現したときなど,急きょそれを求めて移動することもある。季節的大移動に加えて,この種の不規則かつ小規模な移動を含むために,一所不定住,まさに遊牧的生活者という形容が生まれるゆえんがある。…

【輸送】より


41使130270kg

※「ラクダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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