御雇外国人(読み)オヤトイガイコクジン

デジタル大辞泉 「御雇外国人」の意味・読み・例文・類語

おやとい‐がいこくじん〔おやとひグワイコクジン〕【御雇外国人】

明治初期、西洋の技術・学芸を摂取するため、官公庁・学校などで雇った外国人

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精選版 日本国語大辞典 「御雇外国人」の意味・読み・例文・類語

おやとい‐がいこくじんおやとひグヮイコクジン【御雇外国人】

 

(一)   
(一)[]︿   (1872)
 

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改訂新版 世界大百科事典 「御雇外国人」の意味・わかりやすい解説

御雇外国人 (おやといがいこくじん)


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御雇外国人」の意味・わかりやすい解説

御雇外国人
おやといがいこくじん

日本の近代化に貢献すべく招聘された欧米先進国の専門家たちのことで,広義には日本政府のみならず,日本の民間機関に雇われた人々まで含む。その職種は,政策顧問,教師,技術家などに分類される。活動の時期は安政年間 (1854~60) にさかのぼるが,おもに明治維新以降,1900年頃までが最盛期であった。明治政府の「富国強兵」政策は,ほとんどあらゆる側面で実質的に西洋化政策の実施であり,したがって欧米専門家たちの協力が切望された。他方,欧米列強にとっても,日本の近代化は通商の拡大につながるので,各国政府や駐日現地当局は,意欲的に日本政府の人選依頼に応じた。この結果,政治,法制,軍事,教育,産業技術,財政金融,文化,自然科学,医学など各分野に長じた専門家グループが各国から少くとも 800人以上にのぼり明治政府に続々と雇用された。彼らは,あるいは助言者として憲法制定や重要政策,文書の立案,作成など,国政の枢機にたずさわり,あるいは教育家として東京大学そのほか主要教育機関で各専門分野の学術を指導,開発し,あるいは技術家として産業,工業技術を日本に移植した。彼らのうち,日本政府から大臣・高官並みの俸給を受けた者も少くなかったが,それだけに専門家としての質も平均して高く,日本の近代化を促進させる熱意と使命感も概して強かった。また,彼らのもつ知識,技術は効率よく日本側エリート官僚,学生らにより摂取されたので,日本の西洋化は急激に早まった。反面,彼らの役割があくまで使用人,助言者の域にとどまったので,西洋文明の創造性や本質は,日本に定着しなかった。

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百科事典マイペディア 「御雇外国人」の意味・わかりやすい解説

御雇外国人【おやといがいこくじん】

 
西500  

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「御雇外国人」の解説

御雇外国人
おやといがいこくじん

幕末~明治期に,欧米の近代文明や技術を短期間に摂取するため,幕府や藩,明治政府,民間会社などが臨時的に高給で雇い入れた外国人教師。幕末期には,1855年(安政2)長崎海軍伝習所で雇ったオランダ人をはじめ,おもに軍事分野でフランス人やイギリス人などが雇われた。明治期に入ると,政府は近代化政策を推進するため,政府雇外国人を急増させた。74年(明治7)には858人(英433人・仏145人・米94人・独62人など)に達している。この時点では工部省の392人が圧倒的で,文部省は107人,兵部省は142人であった。しかし政府雇外国人の数は同年をピークとして94年には77人にまで急減し,明治20年代で彼らの指導的役割は終わった。一方,私雇外国人は以後も増加を続け,88年に588人,97年には765人を記録している。

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旺文社日本史事典 三訂版 「御雇外国人」の解説

御雇外国人
おやといがいこくじん

明治初年,近代技術・制度移入のため雇用された外国人
明治維新前後,幕府・諸藩が外国人を招いたが,廃藩置県(1871)後は政府・府県・民間団体が引き継いだ。官庁御雇外国人教師は1872年214人,'75年には527人にも達し,日本の近代化に寄与した。

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とっさの日本語便利帳 「御雇外国人」の解説

御雇外国人

明治初期、政治、経済、技術、軍事、教育など広い分野にわたり、知識・技術導入のために政府や民間の機関に雇われた外国人のこと。先進国の知恵、事例に学びつつ、日本社会の現実に応じた制度や運用方式を編み出していく上で欠かせぬ人材だった。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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