デジタル大辞泉 「溢れる」の意味・読み・例文・類語 あふ・れる【×溢れる】 ﹇動ラ下一﹈﹇文﹈あふ・る﹇ラ下二﹈ 1 水などがいっぱいになって外にこぼれる。﹁コップに―・れるほど注ぐ﹂﹁川が―・れる﹂﹁涙が―・れる﹂ 2 人や物が入りきらないではみだす。また、入りきらないほど多くある。﹁通路まで人が―・れる﹂﹁スタンドに―・れる観衆﹂ 3 感情・気力・才気などがいっぱいに満ちている。﹁意欲―・れる作品﹂﹁夢と希望に―・れる青春﹂ →零(こぼ)れる﹇用法﹈ [類語]︵1︶こぼれる・溢れ出る・溢れ出す・満ち溢れる・はみ出る・はみ出す・湧き上がる・込み上げる・湧き起こる・湧く・横(おう)溢(いつ)・充(じゅ)溢(ういつ)・飽和・ぼとぼと・ぼたぼた・ぽたぽた・ほろほろ・ぽろぽろ・ぽとぽと・ぼろぼろ・たらたら・だらだら・はらはら・ぽつぽつ・ぱらぱら・ばらばら・ぽろり・ほたほた・ぽつり・ぽつりぽつり・ぽつん・はらり・ぱらり・ほろり・ぽたり・どくどく・たらり・ちょろちょろ・ちょろり・とくとく・したたり・だくだく・ぽとり・滴る・滴り落ちる・垂らす・垂れる・ほとばしる/︵3︶沸(ふつ)沸(ふつ)・澎(ほう)湃(はい)・燃え上がる・旺盛・沸き上がる・沸き立つ・込み上げる・たぎる・みなぎる・みなぎらす・高ぶる・発揚・燃える・燃え立つ・鼻息が荒い・血気に逸(はや)る・奮い起こす・奮い立つ あぶ・れる︻×溢れる︼ ﹇動ラ下一﹈﹇文﹈あぶ・る﹇ラ下二﹈︽﹁あふれる﹂と同語源。余ってはみ出る意︾ 1 仕事にありつけなくなる。﹁雨で仕事に―・れた﹂ 2 狩猟や釣りで、獲物がない状態になる。﹁今日は―・れて一匹も釣れない﹂ 3 はみ出て、散らばっている。 ﹁大原、静原、芹生の里と―・れゐたるつはものども﹂︿平家・二﹀ 4 落ちぶれてさまよう。零落する。 ﹁また見苦しきさまにて世に―・れむも﹂︿源・東屋﹀ [類語]免職・解任・解職・罷免・無職・無業・離職・失業・解雇・馘首・首切り・くび・失職・食い上げ・お払い箱・食いはぐれる・路頭に迷う・破門・お役御免・リストラ・免ずる・解く・暇を出す・暇を遣る・首になる・首を切る・首が飛ぶ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「溢れる」の意味・読み・例文・類語 あふ・れる【溢】 (一)〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]あふ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ( ﹁あぶれる﹂とも ) (二)① 水などがいっぱいになってこぼれる。 (一)[初出の実例]﹁大中姫の捧げたる鋺(まり)の水溢(アフレ)て腕(たぶさ)に凝(こ)れり﹂(出典‥日本書紀︵720︶允恭元年一二月︵図書寮本訓︶) (二)﹁血溢(アブ)れて注ぐが如く﹂(出典‥造化妙々奇談︵1879‐80︶︿宮崎柳条﹀二編) (三)② こぼれるかと思われる程にいっぱいになる。また、感情や才気などがいっぱいに満ちている。 (一)[初出の実例]﹁あぶれゐたる兵共﹂(出典‥平家物語︵13C前︶二) (二)﹁眉や目の間に才気が溢(アフ)れて見える﹂(出典‥ぢいさんばあさん︵1915︶︿森鴎外﹀) (四)③ 余り者になる。おちぶれる。零落して放浪する。 (一)[初出の実例]﹁見苦しきさまにて世にあふれんも知らず顔にて聞かんこそ心苦しかるべけれ﹂(出典‥源氏物語︵1001‐14頃︶東屋) (五)④ 法を外れた言動をする。無法なふるまいをする。 (一)[初出の実例]﹁浪花(なには)の市中をあぶれありく五人男といふ者あり﹂(出典‥浄瑠璃・蝶花形名歌島台︵1793︶七) (六)⑤ 仕事、獲物などにありつけない結果になる。 (一)(イ) 余されて使ってもらえなくなる。仕事にありつけなくなる。買い手がつかないで残る。 (一)[初出の実例]﹁おちゃをひくをあふれるといふはあまれるなり﹂(出典‥随筆・麓の色︵1768︶三) (二)﹁職業紹介所からあぶれて来た老人連が﹂(出典‥高架線︵1930︶︿横光利一﹀) (二)(ロ) 狩猟や釣りで、獲物がとれない。 (一)[初出の実例]﹁他所で聞いたのとはまるで反対に、何処の漁場もみんなひどくアブれてゐた﹂(出典‥澪︵1911‐12︶︿長田幹彦﹀三) あぶ・れる【溢】 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]あぶ・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ⇒あふれる(溢) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例