視覚(読み)シカク(英語表記)vision (英・仏),Gesichtssinn (独)

デジタル大辞泉 「視覚」の意味・読み・例文・類語

し‐かく【視覚】

 

[]  

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精選版 日本国語大辞典 「視覚」の意味・読み・例文・類語

し‐かく【視覚】

  1. 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] gezigt の訳語 ) 目を受容器として生ずる感覚の総称。光が網膜上にある感覚細胞を刺激して生じる。明暗覚、色覚、形態覚、運動覚などが含まれる。視感。〔和蘭字彙(1855‐58)〕

視覚の語誌


使

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最新 心理学事典 「視覚」の解説

しかく
視覚
vision (英・仏),Gesichtssinn (独)

 
3retinal imagevisual information processingvisual system便visual world

 1foveaoptic disk23homunculus退

 belief prediction errorFriston,K.neural correlate of consciousnessNCC

 23ill-posed problemnatural constraint2perceptual constancyprior probability

 Fodor,J.spatial visionform visionactionrecognition

 ophthalmological opticslow-level visionhigh-level vision

 grating acuity1°調spatial frequency沿調

 調spatial contrast sensitivity function35cpdcycles per degreespatial-frequency channel

 simultaneous contrast調perceptual filling-inTroxler effect

 visual illusiongeometrical illusion

 調temporal contrast sensitivity function5155060critical flicker frequency調color critical flicker frequency15

 successive contrastnegative aftereffect

 2

 binocular rivalrycontinuous flash suppressioninattentional blindnesschange blindness

 vestibulo-ocular reflexoculogyral illusionvection姿

 ventriloquism effectvisual capturedouble-flash illusion122

 cornealens調vitreous bodyphotoreceptor

 photopigmentconerod25605304253photopic vision4951scotopic vision111-1GMP/1mesopic vision

 bipolar cellOFFONretinal ganglion cellOFFONhorizontal cellamacrine cell1

 lateral geniculate nucleusLGNpulvinarprimary visual areaV1

 LGNintrinsically photosensitive retinal ganglion cellipRGC調

 LGNV14Cα4Cβ13V1V2,V3,V4,etc.MTMSTLIPdorsal pathwayMishkin,M.whereV4ITLOCFFAPPAEBAventral pathwaywhat24822binding problem

 receptive field-ITITFFA

 amblyopialow vision

 調調            
   

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改訂新版 世界大百科事典 「視覚」の意味・わかりやすい解説

視覚 (しかく)
visual sensation




 

 1.00.010.11270100Hz150Hz300Hz

 visual cell3

 沿

 A1

 調


12

10011調

 ︿

 10

 





 使

便

 26調

 
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「視覚」の意味・わかりやすい解説

視覚
しかく


()


目の通光学

視覚の受容器細胞は眼球の内面を覆っている網膜にあり、網膜中の視細胞(錐状体(すいじょうたい)と桿状体(かんじょうたい))によって光の刺激を感受する。このため、他の眼球を構成する組織は、物体の像を正しく網膜に結ばせるための通光学的装置といえる。光線を屈折させる装置を外側からあげると、涙液、角膜、前眼房水、水晶体、および硝子体(しょうしたい)の五つがある。このうち水晶体の屈折率がもっとも大きく、光の屈折はおもに水晶体を通して行われている。正常眼では、眼前約6メートル以上の距離にある物体は屈折させることなく網膜上に正しく結像するが、これより手前にある物体は網膜の後方に像を結ぶため、屈折力を増加させなくては正しく結像しない。このように、近い物を明視する(はっきりと見る)ために目の屈折力を増すことを「目の遠近順応」という。無順応眼(遠近順応を行わない目)で明視できるもっとも遠くにある点を遠点、最大に遠近順応を行った目で明視できるもっとも近くにある点を近点という。近点以内の物体は明視できない。

 屈折力の増大は水晶体を厚くすること(とくにその前面の彎曲(わんきょく)度を増すこと)によってもたらされるが、年齢とともに水晶体が硬化して肥厚しにくくなると、遠近順応力もそれに伴って減退してくる。したがって、近点は年齢とともに遠ざかることになる。たとえば、20歳の近点は眼前約10センチメートルであるが、40歳では約20センチメートル、60歳では約80センチメートルに遠ざかる。このように40歳代以降になって近点が遠ざかることを老視(老眼)という。また、眼球の前後軸が正常より長い目では、平行光線が網膜より前方で結像する。これを近視(近眼)といい、凹レンズで矯正する。これに対して、眼球の前後軸が正常より短すぎる目では網膜より後方で結像する。これを遠視といい、凸レンズで矯正する。また角膜の曲率が一様でない場合には屈折度も異なるため、角膜のある経線上の光線と別の経線上の光線は別々の深さで結像し、像はぼやけて見える。これを乱視という。

[市岡正道]

網膜の働き

物体の像を結ぶ網膜は10層の細胞層からなり、視細胞である桿状体(桿体)と錐状体(錐体)とは最外層に位置している。桿状体は網膜の周辺部に多く分布し、光に対する感受性が高く、暗い所で明暗の差を感知できる。錐状体は網膜の中心部に多く分布し、光に対して閾値(いきち)(感覚をおこすに有効な最小値)が高く、明るい所で色を感知する。両者にはそれぞれ特有の感光性色素が含まれており、光が当たると化学変化をおこす。これが「視細胞の興奮」である。

 この両視細胞は、双極細胞を介して神経細胞に連なっている。神経細胞の軸索(神経細胞より出る長い突起)は眼球を出ると視神経となり、視神経交叉(こうさ)を経て視索に続き、外側膝状体(しつじょうたい)に達する。視神経交叉では、両眼の網膜の左半分に由来する視神経線維は左側の、右半分に由来する視神経線維は右側の膝状体に達している。外側膝状体から発する視神経線維は視放線となり、同側の後頭葉の視覚領に終わる。視神経の軸索の枝は視索から離れて上丘に達し、視覚に基づくいろいろな反射(たとえば瞳孔(どうこう)反射や眼球運動反射など)を行っている。

 なお網膜は、細動脈が直接観察できる身体唯一の場所である。このため、糖尿病、高血圧、その他の血管の疾患の診断や病状判定には、検眼鏡による網膜の細動脈観察が重要な意味をもっている。

[市岡正道]

明暗感覚と色覚


10203

 550510Purkinje phenomenon1825


視知覚


2261()1241

 3570

 ()


動物の視覚

ヒトに限らず、動物一般についても、光によって生ずる感覚を視覚という。通常は、広義の光感覚と区別し、特定の光受容器である目の働きによる感覚をさすが、光感覚と同義に用いられることも多い。視細胞に光が当たると、細胞に含まれる感光色素タンパク質(視物質)の光化学作用によって視細胞に電気的な応答が引き起こされる。脊椎(せきつい)動物の視細胞では、網膜の桿状体細胞と錐状体細胞に生ずる変化は、膜を横切って流れるナトリウム電流の低下による過分極であるが、無脊椎動物における変化は脱分極である。視覚は主として目の構造に応じて発達し、明暗、光のくる方向、物体の動き、形や遠近などが識別されるようになる。また異なる波長の光を吸収する視物質の組合せによって波長の差が識別される。脊椎動物や棘皮(きょくひ)動物の視細胞は、繊毛軸糸をもった繊毛型であるが、節足動物や軟体動物の視細胞は、微絨毛(びじゅうもう)の配列する感桿型である。節足動物では多くの個眼が集合した複眼をもつが、軟体動物と脊椎動物は発達したカメラ眼による形態視を行う。

[村上 彰]


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百科事典マイペディア 「視覚」の意味・わかりやすい解説

視覚【しかく】

 
()()
 

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「視覚」の意味・わかりやすい解説

視覚
しかく
vision

 
 ( 380760nm)  ()  ()   

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普及版 字通 「視覚」の読み・字形・画数・意味

【視覚】しかく

見る感覚。

字通「視」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「視覚」の解説

視覚

 物をみる感覚.

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世界大百科事典(旧版)内の視覚の言及

【光学】より


17 ()

【心身問題】より


︿

【知覚】より

…ケーラーは,あらゆる知覚現象には必ずそれに対応する脳の生理的過程があるという心理物理同型論psychophysical isomorphismの立場から,仮現運動が実際の運動と等しい生理過程を大脳皮質にひき起こすのであろうと考えた。最近の神経生理学的研究によると,実際にネコやサルの視覚野とその周辺で記録される運動感受性細胞は,連続的な運動だけでなく仮現運動にもよく反応する。したがって今日では,知覚は受容器でとらえた感覚信号の空間的・時間的パターンから,中枢神経系で何段階かの情報処理を経て読み取られた,あるまとまった意味のある情報であると理解されている。…

【中脳】より

…上丘はその構造に対応していろいろの機能を行っている。最も重要なものは視覚に関係するものである。上丘は,大脳の後頭葉にある後頭眼野や前頭葉にある前頭眼野などの目の動き(眼球運動)をコントロールしている部分から司令を受けている。…

※「視覚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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