知覚(読み)チカク(英語表記)perception(英・仏),Wahrnehmung(独)

デジタル大辞泉 「知覚」の意味・読み・例文・類語

ち‐かく【知覚/×智覚】

[名](スル)
思慮分別をもって知ること。「物の道理を―する」
感覚器官を通して外界の事物や身体内部の状態を知る働き。
[類語]感覚官能五感体感肉感感触感じセンス錯覚幻覚感ずる

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精選版 日本国語大辞典 「知覚」の意味・読み・例文・類語

ち‐かく【知覚・智覚】

 

(一)  
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(一)[](1530)
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(三) 
(一)[](123538)
(四) 
(一)[](1820)
(二)(1910︿)


(1)
(2) gevoel 
 

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最新 心理学事典 「知覚」の解説

ちかく
知覚
perception(英・仏),Wahrnehmung(独)

 
姿

 sensation

 illusionoptical illusion19Charpentier's illusionhallucination

 brightness constancylightness constancysize constancyshape constancyloudness constancyconstancy phenomenonperceptual constancy

 synesthetic tendencyaffectemotionKansei

 cognition使attention

 sensory deprivation

 

 PlatonideaschemaAristotelesfive senses

 Newton,I.7color mixtureOpticks1704The Rays are not colouredRed-making RayLocke,J.1706Molyneux,W.Barkley,G.A essay towards new theory of vision17091empiricism

 19Young,T.32Helmholtz,H.L.F.von1860-Young-Helmholtz trichromatic theoryMüller,J.P.1838die Lehre von den spezifischen Sinnesenergientheory of the specific energies of sensesfeature detectorKant,I.1781nativismWeber,E.H.1852sensory circle2Lotze,H.R.1852Lokalzeichenlocal signHering.E.1864unbewusster Schlussunconscious inferenceGregory,R.L.1998Wundt,W.1896Bewusstseinconsciousness使reine Empfindungpure sensationeinfaches Gefühlsimple feelingpsychisches Gebildepsychical elementPrinzip der schöpferischen Syntheseprinciple of creative synthesisTitchener,E.B.1910imagecontext theory of meaning

 20Gestalt psychologyGestaltWertheimer,M.191222Scheinbewegungapparent motion22Köhler,W.1920調psychophysical isomorphism theoryfigural aftereffectWatson,J.B.1913behaviorismTolman,E.C.1932neo-behaviorism

 20Bruner,J.S.1951Neisser,U.1967expectationhypothesisschemacognitive psychologyGibson,J.J.1979ecological approachinvariantaffordance

 elementismwholismbottom-up processingtop-down processing

 

 19SelbstbeobachtungintrospectionFechner,G.T.1860psychophysical methodDonders,F.C.1869reaction time methodsubjectobserverparticipant

 experimental phenomenologyGoethe,J.W.vonKatz,D.1911Flächenfarbefilm colorOberflächenfarbesurface colorRaumfarbevolume colorErscheinungsweise der Farbemode of appearance of colorRubin,E.J.1921Figur und Grundfigure and ground使

 discriminationFrisch,K.von1927Graham,C.H.195050thresholdpoint of subjective equalityanimal psychophysicsinfant psychophysics

 使

 functional Magnetic Resonance ImagingfMRI           
   

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「知覚」の意味・わかりやすい解説

知覚
ちかく
perception


impulsecognition

西

知覚の構造


proximal stimulusdistal stimulussegregationfigure-ground articulationprinciple of Prägnanz

 perceptual constancy

 new look psychology

西

知覚研究の歴史

(1)構成主義的知覚理論 19世紀後半、ドイツ人ブントによって出発した科学的な心理学は、構成主義的心理学であり、心理現象を単純な基本要素の結合によって説明しようとした。この立場の知覚研究は知覚表象を純粋感覚に分析し、その結合法則を考察することであり、ティチナーによってさらに強く主張された。(2)ゲシュタルト理論 構成主義的心理学では知覚を要素過程に分析しようとした結果、素朴な知覚経験の現実性が失われた。これに対してカッツやルビンは心理現象をあるがままにとらえることを主張して、日常空間での色の見え方や図・地の反転現象を詳細に記述した。この立場は実験現象学experimental phenomenologyとよばれ、ゲシュタルト心理学に組み入れられた。ゲシュタルト心理学は構成主義、連合主義をモザイク説として退け、知覚を含む心理現象は体制化された全体構造によって規定されるという全体論的立場を主張した。たとえば、メロディーは個々の音の総和以上の全体的特徴をもつし、構成要素である個々の音を一定音階だけ変化させても同じメロディーとしての特徴は保たれる。すなわち移調transposition可能である。心理現象はもっとも単純で安定した体制に落ち着くように自動的に変化する、というプレグナンツの原理が、ゲシュタルト心理学の基本原理である。ゲシュタルト心理学は、ウェルトハイマーの仮現運動apparent movementを起点とし、ケーラーの心理物理同型論psychophysical isomorphism、コフカらの図形残効figural aftereffect研究、レビンの心理学的場理論に発展していった。(3)現代の知覚研究 ゲシュタルト心理学においてはその研究の多くが図形を暗室で提示するというように、実生活空間から離れた環境で行われた。この点を批判してギブソンは、自然環境のなかでの通常の観察による知覚を重視した。視空間は「面」「線」「距離」の諸特性をもつが、彼はこれらを網膜像における勾配(こうばい)に関係づけたので勾配説gradient theoryといわれる。近接刺激のなかに、知覚の成立に必要な情報が含まれるとする考えである。ブルンスウィクE. Brunswik(1903―55)は、知覚を環境に対する適応の手掛りとしてとらえ、その生態的妥当性ecological validityを問題にして、遠刺激、近刺激、知覚の三者関係をレンズ・モデルlens modelで示した。またエームズA. Ames Jr.に代表されるトランスアクション説transaction theoryにおいては生活体と環境との力動的相互関係が重視され、過去経験によって生まれた仮説が知覚を導くと考える。

 このほか、ゲシュタルト心理学ではあまり取り上げられなかった欲求、期待、性格といった生活主体の要因を重視したのが、ニュールック心理学である。ブルーナーらの貨幣の見かけの大きさと貧富の差との関係を調べた実験などがある。

 以上のような機能主義的傾向とは別に、ヘッブの細胞集成体説は知覚過程に対応した神経生理学的過程の成立メカニズムを想定する。しかしモデルの実証性はまだ十分ではない。現代の知覚研究にあって生理心理学的研究は目覚ましく進展している。ヒューベルD. H. Hubelによって発見された、図形特徴を選択的に検出する神経細胞feature detector、マッハ現象Mach phenomenaを説明する側抑制(そくよくせい)lateral inhibitionのメカニズムは知覚研究に大きな影響を与えている。

 さらに精神物理学がフェヒナーによって創設されて以来、彼の考案した測定法は改良を加えられながら今日、調整法method of adjustment、極限法method of limits、恒常法constant methodとして心理量の評価のうえで重要な役割を果たしている。スティーブンスによって定義された四つの尺度やべき関数、通信工学で生まれた信号検出理論の精神物理学への適用など、心理量の測定法には飛躍的な発展がみられる。

[西本武彦]

哲学における知覚




 1807wahr-nehmen西perceptio

 

 1940()



 1981RL1972JE19811969197179196774

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改訂新版 世界大百科事典 「知覚」の意味・わかりやすい解説

知覚 (ちかく)


︿︿西Joseph HavenMental Philosophy1857218691875-79perception使perceptionWahrnehmungperception︿︿per︿capereWahrnehmung︿wahraware︿nehmen︿︿︿

 ︿︿︿︿︿︿︿︿︿︿

 ︿︿︿︿︿︿︿

 ︿︿




 W.E.B.M.W.19122psychophysical isomorphism

E.Land

D.H.HubelT.N.Wiesel1963S.Zeki419805MT姿FM


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普及版 字通 「知覚」の読み・字形・画数・意味

【知覚】ちかく

 
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「知覚」の意味・わかりやすい解説

知覚
ちかく
perception

 
 

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百科事典マイペディア 「知覚」の意味・わかりやすい解説

知覚【ちかく】

感覚

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世界大百科事典(旧版)内の知覚の言及

【感覚】より


【哲学における感覚】
 仏教用語としては古くから眼識,耳識,鼻識,舌識,身識(これらを生じさせる五つの器官を五根と称する)などの語が用いられたが,それらを総称する感覚という言葉はsensationの訳語として《慶応再版英和対訳辞書》に初めて見える。日常語としては坪内逍遥《当世書生気質》などに定着した用法が見られ,また西田幾多郎《善の研究》では知覚と並んで哲学用語としての位置を与えられている。 哲学史上では,エンペドクレスが感覚は外物から流出した微粒子が感覚器官の小孔から入って生ずるとしたのが知られる。…

※「知覚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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