認める（読み）ミトメル

デジタル大辞泉 「認める」の意味・読み・例文・類語

みと・める【認める】

 
﹇動マ下一﹈﹇文﹈みと・む﹇マ下二﹈
1 目にとめる。存在を知覚する。気づく。﹁人影を―・めた﹂﹁どこにも異常は―・められない﹂
2 見て、また考えて確かにそうだと判断する。﹁有罪と―・める﹂﹁頭がよいと―・める﹂
3 正しいとして、また、かまわないとして受け入れる。﹁自分の非を―・める﹂﹁試験に教科書の持ち込みを―・める﹂
4 能力があると判断する。﹁世に―・められる﹂
5 気をつけて見る。じっと見る。
﹁五百の仏を心静かに―・めしに﹂︿浮・一代女・六﹀
[類語]︵1︶見る・目撃する・確認する・認知する・看取する・見て取る・見取る・見掛ける・見受ける・見える・目に入る・目にする・目に留まる・目に付く・目を射る／︵2︶見なす・判断する・判定する・認定する／︵3︶承認する・同意する・肯定する・うべなう・うけがう・是認する・容認する・認容する・許容する・許可する・認許する・認可する・公認する・許す・受け入れる・聞き入れる・聞き届ける・承諾する・受諾する・受け付ける・心得る・応じる・承る・承服する・黙認する・自認する・約諾する・快諾する・内諾する・甘受する・オーケーする・受容する・見逃す・見過ごす・大目に見る・目をつぶる・目こぼしする・見て見ぬ振りをする／︵4︶買う・評価する・一目置く  
 

したた・める︻▽認める︼

 
﹇動マ下一﹈﹇文﹈したた・む﹇マ下二﹈
1 書き記す。﹁手紙を―・める﹂
2 食事をする。
﹁夕餉を―・めに階下へ下りる頃は﹂︿梶井・冬の日﹀
3 整理する。処理する。
﹁万の事ども―・めさせ給ふ﹂︿源・須磨﹀
4 支度する。
﹁河中の橋を踏まば落つるやうに―・めて﹂︿平家・五﹀
[類語]︵1︶書く・記す・書き表す・書き立てる・記する・書き記す・書き綴る・書き込む・書き入れる・記入・記載・筆記・記帳・記録・速記／︵2︶食べる・食う・食(しょく)する・喫する・食らう・平らげる・ぱくつく・頰(ほお)張(ば)る・掻(か)き込む・つつく・賞味する・味わう・口にする・箸(はし)を付ける  

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精選版 日本国語大辞典 「認める」の意味・読み・例文・類語

したた・める【認】

 

(一)〘 他動詞 マ行下一段活用 〙 
[ 文語形 ]したた・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
 (二)① 整理する。処理する。処置する。かたづける。また、管理する。
(一)[初出の実例]﹁ふばこには、唐の色紙を二つに折りて、葉(えふ)したためて﹂(出典‥延宝版宇津保︵970‐999頃︶蔵開中)
 (二)﹁国の政をしたためおこなひ給あひだ﹂(出典‥宇治拾遺物語︵1221頃︶九)
 (三)② ととのえる。用意する。準備する。特に、食事の支度をする。料理をする。
(一)[初出の実例]﹁まかり下るべき程いと近し。したたむべき事共のいと多かるを﹂(出典‥落窪物語︵10Ｃ後︶四)
 (二)﹁侍ども寄りあひて、大鴈を食はんとて、したためける所へ﹂(出典‥古今著聞集︵1254︶一八)
 (四)③ 食事をする。食べる。
(一)[初出の実例]﹁かくて夜明にければ、物食ひしたためて、出てゆくを﹂(出典‥宇治拾遺物語︵1221頃︶一)
 (二)﹁菓子ども引き寄せて、思ふ様にしたためて、居たる所に﹂(出典‥義経記︵室町中か︶五)
 (五)④ 煮るの意の女房詞。
(一)[初出の実例]﹁またはくよりかまほこ、はまあふり、ことやうしたためておひらもまいる﹂(出典‥御湯殿上日記‐明応九年︵1500︶四月二九日)
 (六)⑤ 書きしるす。
(一)[初出の実例]﹁よみし経をよくしたためてとらせんと仰られて﹂(出典‥讚岐典侍︵1108頃︶下)
 (二)﹁あすは古郷に返す文したためて﹂(出典‥俳諧・奥の細道︵1693‐94頃︶市振)
  
 

み‐と・める︻認︼

 

(一)〘 他動詞 マ行下一段活用 〙 
[ 文語形 ]みと・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
 (二)① 見て知る。見て尋ねあてる。よくよく気をつけて見る。見きわめる。見定める。
(一)[初出の実例]﹁且追二海上一、認二其泊処一﹂(出典‥古事談︵1212‐15頃︶四)
 (二)﹁副艦長のすぐゆくを 痛むまなこにみとめけん﹂(出典‥勇敢なる水兵︵1895︶︿佐佐木信綱﹀)
 (三)② 目にとめる。見て気がつく。
(一)[初出の実例]﹁坐中を見廻し立ち上りぬる気色、見とめる人も無く﹂(出典‥浮世草子・好色一代女︵1686︶三)
 (四)③ 見て判断する。また、判断して受け入れる。認識する。
(一)[初出の実例]﹁去るとては、落ちつきたる仕方なりと、見とめし諸人、これを誉めざるはなし﹂(出典‥浮世草子・男色大鑑︵1687︶五)
 (二)﹁好意は認(ミト)めながら彼は時々腹を立てた﹂(出典‥暗夜行路︵1921‐37︶︿志賀直哉﹀一)
 (五)④ 見て許可する。かまわないとして許す。承認する。また、容認する。
(一)[初出の実例]﹁ええ、私達認めましたわ。一つだけ義務を負はせて﹂(出典‥若い人︵1933‐37︶︿石坂洋次郎﹀上)
 (六)⑤ 価値があるものとして受け入れる。見所があるものとして注目する。評価する。
(一)[初出の実例]﹁眼中には丸で小説の存在を認めて居ない﹂(出典‥草枕︵1906︶︿夏目漱石﹀九)
  

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