古来、日本ではヤマイヌ︵狼︶に対して﹁イエイヌ﹂︵家犬︶と言っていた。英語名 domestic dog は、伝統的な学名 C. familiaris︵家族の-犬︶を英訳にしたもので、日本では domestic dog の訳語として古くから既にあったイエイヌの語をあてるようになった。
また、広義の﹁イヌ﹂は広くイヌ科に属する動物︵イエイヌ、オオカミ、コヨーテ、ジャッカル、キツネ、タヌキ、ヤブイヌ、リカオンなど︶の総称でもあるが、日本ではこの意味での言葉の用法、用例は一般的ではなく欧文翻訳の際は、イヌ科動物を表す dogs や canine の訳語として当てられるときも﹁イヌ類﹂などとしてイエイヌと別の呼び方をするのが普通である。以下ではイヌ︵ヤマイヌなどを除くイエイヌ︶について解説する。
イエイヌは人間の手によって改良されて生まれたものである。最も古くに家畜化されたと考えられる動物であり、現代でもイエネコと並んで代表的なペットまたはコンパニオンアニマルとして、広く飼育され、親しまれている。比較されるネコと違って、種の性格として人間にとって人懐っこいイメージがある。
野生化したものを野犬といい、日本語ではあたかも標準和名であるかのように片仮名で﹁ノイヌ﹂と表記されることも多いが、ノイヌとはノライヌの一部で鳥獣保護法において狩猟対象を規定する用語である。いずれにせよヒトに飼われているか否かという違いであって、分類学上は種や亜種としてイエイヌとは区別されない。
2022年4月地点、ジャパンケネルクラブ︵JKC︶では、国際畜犬連盟︵FCI︶が公認する355犬種を公認し、そのうち206犬種を登録してスタンダードを定めている。 なお、非公認犬種を含めると約700 - 800の犬種がいるとされている[2]。 また、頭数については世界全体では4億匹の犬がいると見積もられている。血液型は8種類と犬種の数に比べれば少ないがヒトよりも多い。
イエイヌはオオカミを祖先とすることからその亜種Canis lupus familiarisとされるが、野生種と家畜化された種をそれぞれ別の種名とする考えもあり、その場合の学名はCanis familiarisとなる。
オーストラリア大陸と周辺地域に生息するディンゴと、ニューギニア島に生息するニューギニアン・シンギング・ドッグは、人類によって数千年前に持ち込まれたイヌと考えられ、オオカミの亜種またはイエイヌとみなされている。
イヌの属するイヌ科は、森林から開けた草原へと生活の場を移して追跡型の狩猟者となった食肉類のグループである。待ち伏せ・忍び寄り型の狩りに適応したネコ科の動物に対して、イヌ科の動物は、細長い四肢など、持久力重視の走行に適した体のつくりをしている︵発汗できる種がヒトだけであるように、哺乳類の持久力走行は短距離走行に比べ難しく、稀である︶。
また、イヌは古くから品種改良が繰り返されて、人工的に改良された品種には、自然界では極めて珍しく難産になるものも多い。品種によっては、出産時に帝王切開が必要不可欠となる︵主にブルドッグ︶。
抜け毛が少ないシングルコートを持つポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
犬の毛の生え方や長さには、犬種によって様々な特徴がある。犬の毛の成長サイクルは、犬種や生活環境によって大きく変化する。
皮膚を保護するオーバーコート(ガードヘア(英語版))と体温調節を担うアンダーコートの2層構造を持つ犬種ダブルコートは、子犬のパピーコートを除き、春と秋の2回の換毛期に一か月程度かけて生え変わる。オーバーコートだけのシングルコートの犬種では、換毛期がなく一年を通して徐々に更新される[3][4]。
また、夏には飼い主によってサマーカットと呼ばれるトリミングが行われるが、冷えやすくなり虫刺され・紫外線などの刺激を受けやすくなるなどのデメリットもある[5]。
犬のボディコンディションスコア(BCS)と体型。腰のくびれ方や触ったときの肋骨の感触などから理想体型か痩せ気味か肥満かなど分類。
イヌの歩き方は、指で体を支える趾行︵しこう︶性で、肉球︵4つの指球︵趾球︶と1つの掌球︵蹠球︶︶と爪が地面につく。爪は先が尖っており、走るときにスパイクのような役割をする。ただし、ネコ科のものほど鋭くはない。爪を狩りの道具とするものが多いネコ類とは異なり、イヌ科の動物は爪を引っ込めることができず、各指はほとんど広げることができない。ネコ類と同じく、第3指︵ヒトでいう中指︶と第4指︵薬指︶の長さが同じである。後肢の第1趾は退化して4本趾の構造となっているが、たまに後肢が5本趾のイヌもいる︵こうしたイヌの後肢の第1趾は﹁狼爪﹂と称する︶。前肢は5本指の構造となっているが、やはり、その第1指︵親指︶も地面には着かない。一部のイヌは狼爪が2本あるものもある。狼爪は幼少時に切除される場合が多いが、一部の犬種は切除しない。
前肢はほとんど前後にしか動かず、鎖骨は退化して失われている。逆に股関節は、靭帯による制約が少ないために、他の家畜類に比べて可動性が広く、後肢を頭を掻くのに用いたりし、また、雄は排尿時に高く持ち上げる。反面、靭帯が少ないことは、しばしば股関節脱臼を起こす原因ともなっており、高齢犬や著しく体重が増えた犬、大型犬でその傾向が高い。
肋骨は13対で、ヒトより1対多く、走るのに必要な肺と心臓は、体のわりに大きい。心臓は食肉目の他のグループの動物と違って球形に近く、特に左心室が非常に大きい。
尾は走行中の方向転換で舵として働くが、オオカミなどと比べると細く短くなっており、また、日本犬に多く見られるように巻き上がっているものがあるのは、筋肉の一部が退化して弱くなっているためである。
生まれて間もないころは、歯は生えていない。3週間頃から乳歯が生えて、3か月ごろから乳歯から生え変わり、生後1年で全部が永久歯となる[6]。
乳歯は全部で28本である。
永久歯の歯式は 3/3・1/1・4/4・2/3=42 で歯は42本︵21対︶ある。ヒトの32本︵16対︶、ネコの28 - 30本と比べると、顎が長い分多い。
ヒト︵2/2・1/1・2/2・3/3=32︶と比較すると、切歯が上下各3本、前臼歯︵小臼歯︶が各4本と多く、後臼歯︵大臼歯︶は上顎で2本︵下顎は3本︶と少ない。イヌ型亜目に共通の身体的特徴として、犬歯︵牙︶のほかに、裂肉歯と呼ばれる山型にとがった大きな臼歯が発達している。この歯は鋏︵はさみ︶のようにして肉を切る働きをもつ。裂肉歯は、上顎の第4前臼歯と、下顎の第1大臼歯である。食物はあまり咀嚼せずに呑み込んでしまう。
ウェットフード、人の食べ物、間食は歯周病罹患率を上げる[7]。また、人間のように過剰歯、すきっぱ、抜歯、埋伏歯、あごの骨の骨折など歯並びが悪くなる不正咬合となる場合もあるが、短頭種犬のように顎が短いと歯の異常や歯周病を起こしやすい[8]。
豚足を食べるゴールデン・レトリバー
イヌ科グループの他の動物と同様、イヌは基本的には肉食であるが、植物質を含む様々な食物を好む雑食性である。消化管はそれほど長くないが、腸の長さが体長︵頭胴長︶の4から4.5倍程度であるオオカミに対して、イヌのほうは5から7倍と、いくらか長くなっており、これも植物質の消化に役立っている。肉食獣の中には盲腸を持たない種も存在するが、イヌはそれほど大きくないものの5から20cm程度の盲腸を持つ。
オオカミとイヌの違いとして、脳機能に関する遺伝子および消化酵素をコードする遺伝子の相違が報告されている[9]。報告によれば、イヌではデンプンの分解酵素の一つであるアミラーゼ遺伝子のコピー数が多く、その活性はオオカミの28倍である。同じくデンプンの分解酵素であるマルターゼ遺伝子の場合、コピー数に大きな違いは無いが、イヌのマルターゼ遺伝子配列は長いタイプであり草食動物のものに近いという。このような違いはイヌの進化における家畜化・雑食化の過程の一つと考えられる。
したがって、犬の唾液は独特の複雑さを持っており、また食物連鎖上、生態系の上位に属すること、オオカミの時代の狩りの方法が集団的であったこと︵匂いの少ない猫類と異なる︶など様々な要因の結果もあって、匂いを有し結果として独特の口臭を持つことにつながる。
犬は水を飲む時、舌を裏に巻くようにして水をすくって飲む特徴がある[10][11][12]。
イヌの耳下腺は、副交感神経性の強い刺激を受けると、ヒトの耳下腺の約10倍のスピードで唾液を分泌する。唾液は浅速呼吸︵喘ぎ︶により、口の粘膜と舌の表面から蒸散する。激しい運動のあと、イヌが口を開け、舌を垂らしてさかんに喘いでいるのはこのためである。イヌの体には汗腺が少ないが、この体温調節法は汗の蒸発による方法と同じくらい効果的であるという。
肛門には肛門嚢︵こうもんのう︶と呼ばれる一対の分泌腺があり、縄張りのマーキングに使われるにおいの強い個体識別のもとにもなる分泌液はここから出ている。ジャコウネコやハイエナのように外に直接開いてはおらず、細い導管で肛門付近に開口している。なお、イヌが雨に濡れたときなどに特に匂う独特の強い体臭は、主に全身の皮脂腺の分泌物によるものである。
柴犬の鼻づら
警察犬の遺留品捜査や災害救助犬の被災者探索などでよく知られるように、イヌの感覚のうち最も発達しているのは嗅覚であり、においで食べられるものかどうか、目の前にいる動物は敵か味方かなどを判断する。また、コミュニケーションの手段としても、ここはどのイヌの縄張りなのかや、相手の犬の尻のにおいを嗅ぐことで相手は雄か雌かなどを判断することでも嗅覚は用いられたりする。そのため、イヌにとっては嗅覚は独自性を主張する重要な器官である。
イヌの嗅覚はヒトの数千から数万倍とされるが、その能力は有香物質の種類によっても大きく異なり、酢酸の匂いなどはヒトの1億倍まで感知できる。嗅覚は鼻腔の嗅上皮︵英語版︶にある嗅覚受容神経︵嗅覚細胞︶によって感受されるが、ヒトの嗅上皮が3 - 4cm²なのに対し、イヌの嗅上皮は犬種によって異なるが15 - 150cm²である[13]。また、嗅覚受容体遺伝子は、ヒトで396個、イヌで811個であり嗅覚受容体の種類の豊富さにより匂いを感じ取るレパートリーが人間より広い[13]。
嗅上皮の粘膜を覆う粘液層中に分布する、﹁嗅毛﹂と呼ばれる線毛は、においを感覚受容器に導く働きをするが、イヌの嗅毛は他の動物のそれより本数が多く、長い。嗅細胞の層も、ヒトでは1層であるのに対して、イヌでは数層になっており、ヒトの500万個に対し、2億5千万から30億個あると推定されている。鼻腔の血管系もよく発達している。ヒトが顔や声について特別な記憶力をもつように、イヌは匂いについての優れた記憶力を持ち、久しぶりに会うヒトやイヌなどの個体識別ができる。イヌを含む動物群の鼻先のいつも湿っている無毛の部分を﹁鼻鏡﹂と呼ぶが、これもイヌのすぐれた嗅覚を保つのと同時に風の向きを探る働きをすると考えられる。
イヌが嗅覚に優れていることは事実であるが、イヌ同様に探索目的での使役が多いブタ︵イノシシ類︶も引けを取らないと考えられているし、クマの研究者によればクマ類の嗅覚はイヌ︵イエイヌ︶の約7倍とされている。ゾウは嗅覚細胞の総量から言っても、能力においてイヌやクマを遥かに上回る動物として知られている。なお、魚類ではウナギの嗅覚がイヌの嗅覚に匹敵するとされる[14]。
一方、イヌの嗅覚は人間の抱えるストレスを人間の汗や息の中に含まれる物質の変化から嗅ぎ分けることが可能である事実が、英国のクイーンズ大学ベルファスト校とニューカッスル大学の研究者たちの調査と研究で明らかにされている。この新研究の発表はオンライン科学雑誌﹃プロスワン﹄に掲載されている[15]。
2020年の研究で、犬の鼻に熱源を感知する能力が発見された[16][17]。哺乳類としては、吸血蝙蝠として知られるナミチスイコウモリに次いで二例目となる[18]。
イヌは聴覚も比較的鋭い。また可聴周波数は40から47,000Hzと、ヒトの20から20,000Hzに比べて高音域で広い。超音波を発する笛である犬笛︵約30,000Hz︶はこの性質を利用したもの。聴力において、犬種による違いはほとんど見られない。ただし人間同様に加齢によって聴力が衰える事は一緒である。
犬の眼球
優れた動体視力を持っており、1秒間に30フレームを表示するテレビ画像などはコマ送りにしか見えない。たとえばフリスビーなどを跳び上がってキャッチできるのは、四肢の運動能力と動体視力ゆえである。一方、イヌの眼には赤色に反応する錐体細胞の数が非常に少ないといわれ、明るいときには赤色はほとんど見えていない可能性が高い。色の明暗は認識できるが、全色盲に近いと考えられている。交通信号機だけは識別できるとされていたが、実はこれも灯火の点灯順序と人間の動きを関連づけて学習していたに過ぎない事が確認されている。ネコやキツネの瞳孔が縦長であるのに対し、イヌの瞳孔は収縮しても丸いままである。人間には存在しない神経回路として、視覚野と嗅覚葉を直接つなぐ回路が発見されている。
眼底には輝板︵タペタム層︶があり、入射した光と眼底で反射した光を受け取れることから暗所では人間より物が見えやすい[20]。
1909年の研究結果から近視とされていたが、その後の研究からほとんどの犬は正視から、やや遠視だという研究結果が優勢である。しかし、その一方、ジャーマンシェパード、ロットワイラー、ミニチュアシュナウツァーは近視が多いという研究もある[21]。
視野は、人間では両目で約200°とされるのに対して、中頭種の犬では視野は240‐250°で、視角で狩りを行うサイトハウンドのような顔や鼻の長い長頭種はより広い視野角を持ち、パグのような短頭種は人間に近い視野であると推測されている[21]。
イヌの呼吸は﹁パンティング︽panting︾︵浅速呼吸︶﹂と呼ばれ、俗に﹁喘ぎ呼吸﹂とも呼ばれる。イヌは足の裏の肉球以外には汗腺を持たない動物であり、肉球からの発汗による体温調節の効率は人間の130分の1程度しかなく、ヒトとは異なり発汗で体温調節を図ることが出来ない。その為、熱の発散の唯一の手段は口からの呼吸しかなく、汗をかく代わりに舌を出しハアハアと喘ぐように呼吸することで、そこから染み出す唾液を始め口内や喉の水分を蒸発させて熱を放出し体温調節を図っている。汗腺が身体のごく一部にしかないイヌにとっては、その呼吸や行為自体がヒトを含む他の動物以上に命に関わる重要な行動となる[注釈2][25]。なお、パンティングの頻度は大型犬に多いことが判明している。
メスの発情周期は6~8か月であるが、犬種により差がある。発情期間は約3ヵ月で、この期間のうち前期1ヵ月の間が実際に交尾により繁殖が行える可能性のある期間である。発情期に入ると、メスは性器を自ら舐める仕草が多くなり始める。この時期からメスは性器からフェロモンを発して周囲のオスに発情期を察知させるようになっている為、他のオスを興奮させない意味でも、ドッグランなど不特定多数のイヌがいる場所に発情期に入ったメスを連れ出す事は控える事が望ましい。次いで性器が充血して出血(生理)が始まる時期に移行する。この期間は概ね10日前後で、この時期にパートナーとなるオスと同居させる事で交配が行われる[26]。
交尾の際には他のイヌ科の動物と同様に交尾結合が見られる。オスは陰茎が勃起する前に挿入し、挿入後に勃起する[27]。陰茎骨があるため勃起前に挿入できる[27]。後背位で結合した後にオスがメスの尻を跨いで反対向きとなり、尻同士を向かい合わせた状態で長い時は30分以上交尾が継続する。結合中は陰茎が勃起し、根元付近が特に大きく膨らみメスの膣から抜けなくなる為、射精が終了するまでは人の手でも引き離すことは難しい[26]。ブリーダーによる血統証明書︵英語版︶の申請の際には、この﹁尻を向かい合わせた姿勢﹂の写真を根拠として交配証明書を作成することが一般的である[28]。
排卵期が過ぎた後の残りの2ヵ月余りは、メスの体内では黄体ホルモンが分泌されており、妊娠の有無に関わらず乳房の肥大や母乳の分泌、地面に穴を掘る営巣行動などが見られる場合がある。こうした状況は偽妊娠︵想像妊娠︶と呼ばれ、この期間が後述の実際の妊娠期間とほぼ重なる為、妊娠の真偽判定が難しくなる場合がある[26]。その一方で、偽妊娠期間中で母乳が出るメスは他の子犬へ授乳する乳母の役目を果たせるため、ネグレクトなどの何らかの理由で子犬への生母からの授乳が期待できない場合に、こうしたメスに授乳を行わせる場合もある[29]。同種族のみならず、ネコ科の動物など全く異なる種族の授乳や育児を行なった事例もある[30][31]。妊娠期間は50~70日。1~12子を一度に出産するため、乳房を左右に5対持っているのが一般的である。生誕6~12か月目で成犬の大きさになり、その後の2~3か月目で性成熟する。これはオオカミの2年に比べて早熟である。小型犬は成犬に達するのが早いが成熟も早い。
イヌは10歳になると老犬の域になり、12歳から20歳程度まで生きる。ただし犬種や生育環境によっても異なり、基本的に大型犬のほうが小型犬よりも短命である。また、一般的には屋外飼育よりも室内犬のほうが長命の傾向がある。歳を取るスピードは若いほど早く成犬となってからは緩やかになる。イヌの年齢をヒトの年齢に換算する方法は諸説あるが、科学的根拠に基づいたものではなく必ずしも正確ではない。目安として、小型犬は生後1年でヒトの約17歳、生後2年で約24歳、大型犬は生後2年で約20歳、それ以降は小型犬で1年につきヒトの4歳程度分、大型犬は5から6歳程度分、歳を取ると考えられる。転じて、情報技術︵IT︶が普及した2000年前後には、ITの進化の目まぐるしさをイヌの1年がヒトの人生の数年分であることのようだと言うたとえから﹁ドッグイヤー﹂という比喩が使われた[32]。
飼育環境の改善や犬フィラリア症予防などの動物医療の普及などによって、犬の平均寿命は伸びる傾向にある。
ギネスブックは2023年2月、世界最高齢の犬、かつ史上最高齢の犬として、ポルトガルで飼われている当時30歳とされたラフェイロ・ド・アレンティジョの﹁ボビ﹂を認定した[33]。﹁ボビ﹂は同年5月11日に31歳を迎え、同年10月21日に31歳と165日で死亡した。しかし人間に換算すえば200年も生きたことになるこの記録については直後より疑問が呈され、ギネスブックは記録の精査を開始[34]。2024年1月16日には記録に疑義が生じたとして記録を一時停止とした[35]。なおボビに続く最高齢の記録は、1939年に29歳5ヶ月で死去したオーストラリアの牧畜犬﹁ブルーイ︵英語版︶﹂である[34]。
2010年10月から2011年12月にかけて、生存する世界最高齢の犬と認定されていた日本の栃木県の雑種犬﹁ぷースケ﹂[36]は、2011年12月5日の死没時点で26歳9ヶ月[37]であり、人間の年齢で換算すると125歳以上と推定された。
尻を嗅ぐことでイヌは互いの性別や若さ、強弱などが分かるという
イヌの特徴としてヒトと同じく社会的動物であることが挙げられる。意思疎通をするための感情や表情も豊かで、褒める、認める、命令するなどの概念を持っている。ヒトに飼われているイヌは、人間の家族と自身を1つの群れの構成員と見なしていると考えられ、群れの中の上位者によく従い、その命令に忠実な行動を取る。この習性のおかげでイヌは訓練が容易で、古くからヒトに飼われてきた。最古の家畜とする説が有力である。子犬を入手して飼う場合には、親犬の元での犬社会に対する社会化教育と新しい飼い主と家庭および周囲環境への馴化︵じゅんか︶との兼ね合いから、ほぼ6週齢から7週齢で親元より直接譲り受けるのが理想的とされる。
全般的に高い知能を有する。また、品種によってはより優れた学習能力を示す。総じて記憶力も高く、例えば狂犬病の予防接種を受けた犬は次年度の狂犬病予防接種に行く際、パニックを起こす事がある。試行錯誤を行う事もあり、例えば脱走するために首輪のフックを地面にこすりつけて外れないかどうか試行したり、室内で粗相をしたときは何か他のものをのせて大便を隠し、とぼけたりするなどの行動を行う事もある。他の犬に対して関心を示し、威嚇する行動を取る品種とそうでないものがある。他の犬への関心の示し方、攻撃性は、躾︵しつけ︶によっても抑えることがある程度可能である。なお、犬自体の﹁人間に対しての関心の示し方や接し方﹂は現時点において未知のものが多く、その解明の為の研究が今も進められているが、近年の研究では飼い主側の人間が示す﹁声を荒げて叱る﹂などの態度に対して敏感な反応を示すことが明らかになっている[38]。加えて、英オンライン科学誌﹃サイエンティフィック・リポーツ﹄において、犬が﹁意思疎通の手段﹂として使う目的で顔の表情をコントロールしている可能性があることが論文で掲載されている[39]。
一方で、ある調査結果からは﹁人間の恐怖心﹂の有無を感じ取れる知性を持つことが判明しており、この内容は﹃Journal of Epidemiology and Community Health﹄︵2018年2月1日付オンライン版︶にて掲載されている[40]。さらには、犬自体にも人間同様に嫉妬の感情を持つ可能性があるとする研究結果が発表されており、これらの研究結果は﹃Psychological Science﹄へ2021年4月7日付で掲載されている[41]。
また、イヌ自体にも感情の昂りがあり、感極まると涙を流すことを日本の麻布大学の研究チームが確認・発表している[42][43]。
イヌは他者の情動を読み取るだけでなく、視線を読み取ることで﹁きっとこの人はこう考えているのだろう﹂と他者の意図を推測する社会的知能がある[44]。この他者の視点に立ち適切な判断を下す能力を共同注視(joint attention)といい、心の理論の基礎をイヌが備えていると考えられる要素のひとつとなっている[44]。また、イヌは他者の顔から視線を追跡し、対象物について予測した後に再度視線を合わせようとする交互凝視(gaze attention)という動作を見せる。ペットのイヌが空の餌皿を見た後に飼い主を見上げてくるという動作を繰り返す、などがよくある交互凝視の例として挙げられる。ヒトの交互凝視は相手が何を見ているかの確認の伝達から、自分の視線の意味を相手に理解させようとする催促、自分の感情を伝える共感へと段階的に高度になるが、イヌは催促の段階までは使いこなしていると考えられている[44]。
イヌは最も古くに家畜化された動物であり、手に仔犬︵イヌかオオカミかはっきりしない︶を持たせて埋葬された1万2千年ほど前の狩猟採集民の遺体がイスラエルで発見されている。分子系統学的研究では1万5千年以上前にオオカミから分化したと推定されている。イヌの野生原種はオオカミ︵Canis lupus︶の亜種のいずれかと考えられている。イヌのDNAの組成は、オオカミとほとんど変わらない。イヌがオオカミと分岐してからの1万5千年という期間は種分化としては短く、イヌを独立種とするかオオカミの亜種とするかで議論が分かれているが、交雑可能な点などから亜種とする意見が優勢となりつつある。本項の分類もそれに従っている。イヌとオオカミの交雑に関しては、別項﹁狼犬︵ハイブリッドウルフ︶﹂も参照のこと。
元来は、住居の見張り︵番犬︶、次いで狩猟の補佐などのために家畜化されたと考えられるが、現在は、都市部を中心に主として愛玩用に、住居のまばらな地方の戸建て住居等では番犬として飼われている。長い年月をかけて交配が試みられ、ダックスフンド、トイ・プードル、ブルドッグなど、用途に応じたさまざまな品種が開発されてきた。19世紀に生まれたケネルクラブによって、外形、気質などにより犬種の人為的な選別が進んだが、20世紀以降に生まれた新犬種の多くは、見た目だけのために作られたものが多い。イヌは人間によって最も人為的改良をくわえられた動物であると言え、﹁シェイプシフター﹂︵変身動物︶と呼ぶ研究者がいるように、小さなチワワから大型のセント・バーナードまで、幅広いサイズと形態をもつに至った。
犬と飼い主との関係の有無などを基準に分類すると、おおむね以下のような状態の犬がいる。
●飼い犬: 飼い主がいる状態の犬。
●迷い犬: 飼い主とはぐれた犬。飼い主の側も犬の側も、望んでいるのに互いを見つけられなくなっている状態。
●捨て犬: 飼い主に捨てられた犬[80]。飼い主が︵なんらかの理由で︶飼育することを放棄した犬。
●野良犬: 飼い主がいなくなり、人家の周りをうろついて残飯などを食って生きている犬[81]。
●野犬 : 一般には、人から離れて山野に住み着くようになり、鳥獣を捕食するようになった野生化した犬[81]。月日がたつうちに住宅街などからも離れて、行動範囲を主に野原や森や山などに移し、自力で鳥や小動物などを捕えて食べて生きている。野犬生活が長引くと、荒々しい性格になってゆく。野犬の親犬から生まれ、人とまったく交流がない状態で成犬となった個体は﹁飼い犬﹂的な性質はほぼ無く、人に対して強い警戒心や敵対心を抱き、人に懐きにくい。オーストラリア大陸のディンゴなども世代を重ねた野犬の一種である。
●保護犬 : さまざまな事情で﹁施設﹂に保護されている犬[82]。たとえば捨て犬、迷い犬、野良犬、野犬、さらにはブリーダーが飼いきれなくなり︵野良犬や野犬にならぬよう︶意図的に保護団体に引き渡した犬などが保護犬となる[82]。新たな飼い主︵=里親︶となることを望む者が名乗り出て諸条件を満たしていれば、引き取られてゆく。だが、保護の状態や期間は﹁施設﹂の種類により異なっている。
イヌは、下記のような形で人間に使役犬として訓練され、あるいは人間と関わってきた。
放牧された羊の番をするボーダーコリー
米国ノースカロライナ州はハンタースヴィル︵en︶の、ルーラルヒル農場にて。
●家畜の群れの誘導や監視。羊飼いや牛飼いなどが口笛や声で与える指示に沿って、ヒツジやウシなどの群れなどの周囲を走り回ったり吠えて誘導する。︵コーギー、ボーダーコリー、オールド・イングリッシュ・シープドッグなど︶
●牧羊犬、牧畜犬
●荷物を運ぶ︵犬ぞりは現代でも使われて人々に広く知られているが、昔は小さめの荷車を引かせることもあった。︶
●寒冷地で犬ぞりを引く︵そり犬︶。特に氷上や大量の積雪の上を引く際に、他の動物よりも、聴覚、嗅覚を駆使して、氷の割れや雪の崩落を察知できることから選ばれている。
●荷車を引く
●人間の住居などを見張り、野獣や不審者の接近・侵入を防ぐ
●番犬
●愛玩動物︵ペット︶、コンパニオン・アニマル︵伴侶動物︶として飼育される
●愛玩犬︵英語版︶愛玩用小型犬種︵トイドッグ︶
●伴侶犬︵英語版︶
●TVのCMやドラマなどで視覚的にかわいがられる。あるいは﹁癒し﹂の提供。ペットフードのイメージ提供。
●タレント犬、モデル犬、
●病院、監獄などの各種施設で、患者などの心理面のケア。︵セラピー犬︶
●体の不自由な人を助ける︵主にラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーなど︶
●身体障害者補助犬︵身体障害者補助犬法︶
●盲導犬、聴導犬、介助犬
アメリカ海兵隊の爆発物探知犬︵2012年、アフガニスタン︶
●すぐれた嗅覚を活かし何かを探す、探知する、あるいは追跡する
●狩猟での獲物の存在の探知、追跡。鳥が猟銃で撃たれ草むらなどに落ち見つかりにくい時の発見。猟犬︵鳥猟犬、獣猟犬︶︵犬種はセッター、ポインターなど︶。けものに遭遇した時には威嚇したり直接咬みつくこともある。
●食材の探知犬。高級食材のトリュフを探すための専用犬、ポルチーニ茸を探すための専用犬などがいる。特定の食材の匂いを覚えており、場所を見つけ︵食材を食べないで︶飼い主に知らせるような訓練を受ける。
●麻薬探知犬︵世界的にはビーグルが多く、他にジャーマン・シェパード、ラブラドルレトリバー。ビーグルが選ばれる理由としては、犬の中でも優れた嗅覚を有しているから︵小さいのでかわいらしく、旅客にとっての印象も良い。︶。日本では主にジャーマン・シェパードとラブラドルレトリバー︶。
●警察犬。容疑者や被害者が身につけていたものや足跡の匂いなどを追跡する。︵ジャーマン・シェパード・ドッグ、ドーベルマンなど︶。容疑者を見つけた場合に、容疑者が逃亡しようとしたり襲ってくる場合は腕などに咬みつく訓練も受けている。
●遭難者の発見・救助。建物倒壊、雪崩、海洋遭難などが発生した時に活躍する︵災害救助犬 海難救助犬︶。
●爆発物探知犬。DVD探知犬
噛みつく訓練を受けた犬
●戦闘犬︵英語版︶(攻撃犬とも称される)
●軍犬︵自衛隊は警備犬と呼ぶ。航空自衛隊は元々﹁歩哨犬﹂と呼んでいたが改称された。︶︵ジャーマン・シェパード・ドッグ、ドーベルマン、ベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノアなど。︶
●対戦車犬︵ソビエト軍がナチスドイツ戦車軍の対抗策としたが自軍にも被害を及ぼし失敗︶
●馬車の護衛として馬と共に併走する︵グレート・デーン、ダルメシアンなど︶
●食用‥犬食︵チャウチャウ、ヌロンイなど︶。
●中国東北部・南部、チベット、朝鮮半島、東南アジア、太平洋島嶼、スイス、アフリカ、アメリカ原住民など
イヌの肉は数千年前から食用とされてきた。アジアでは今も年間1600万匹の犬が消費されており、特に中国ではよく食べられている。韓国でも伝統的に犬を食べる習慣があり、年間消費量は100万匹。フィリピンでは1998年にイヌ肉食が禁止されたが今も食べられている。コンゴ川の流域では、肉を柔らかくするためイヌをじわじわとなぶり殺しにするという話がある。食用とされる犬の数字についてアジアにおいて年間3000万という主張もあり︵アジア動物親善連盟、2019年︶、この場合は中国1500万、韓国700万、ベトナム500万ほかという内訳である[86]。
現代日本では﹁牛、馬、豚、めん羊、山羊、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる、哺乳類、鳥類、人が所有する哺乳類、鳥類、爬虫類﹂と同等の扱いであるため食用は可能だが、﹁と畜場法﹂により獣畜を屠畜場以外で殺すことを禁止しているため、ペットでも自分で屠畜して食べることはできない[87]。
●競技や曲芸などの娯楽に用いられる︵闘犬、ドッグレースなど︶
●競走犬、演技犬
●実験動物
●系統管理されたビーグルが使われることが多い
たいていの国に、動物の飼育に関する法規があり、イヌの飼育をする場合もそれを遵守しつつ行うことが求められる。
狂犬病予防法
1950年制定。現在に至るまで、飼主には以下が義務付けられており、これらの義務を怠った場合は、 20万円以下の罰金が科せられる[88]。
(一)生後91日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること
(二)飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること[注釈3][89]
(三)犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること︵※未装着の犬は捕獲、抑留の対象となり、最終的には殺処分となる。[90]︶
動物愛護管理法
1973年に制定。以降数度にわたり改正が行われている。
●愛護動物[注釈4]をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役、または、500万円以下の罰金。︵2020年6月~︶[91]
●愛護動物をみだりに虐待、遺棄[注釈5]したものには、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金。︵2020年6月~︶[92]
●獣医師は、その業務を行うに当たり、みだりに殺されたと思われる動物の死体又はみだりに傷つけられ、若しくは虐待を受けたと思われる動物を発見したときは、遅滞なく、都道府県知事その他の関係機関に通報しなければならない。︵2020年6月~︶[91]
●ブリーダーやペットショップ等で販売される生体には、マイクロチップ装着を義務とし、購入の際は、飼い主も氏名や住所、電話番号などを30日以内に登録しなければならない。他者から犬を譲り受け、その犬に飼主自身が獣医師に依頼してマイクロチップを装着した場合は、自身の情報の登録が必要である[93][94]。︵※既に個人の所有する犬は、マイクロチップを装着するよう努める︽努力義務︾︶。︵2022年6月~︶[95]
イヌの一般家庭における飼育は、大きく分けると屋外飼育と屋内飼育がある。
発展途上国などでは法規がそもそも整備されていなかったり法規があってもそれが守られていなくて、﹁イヌを飼っている﹂と言ってもエサだけ与えて綱や鎖でつないだりケージに入れることもしないで そのイヌが勝手に近所や街中を歩きまわっている場合もあるが、先進国では通常はそうしたことを禁止する法律が制定されている。日本では動物愛護法に﹁︵3︶動物︵=イヌ︶の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない﹂とあるように、屋外飼育であれ屋内飼育であれ、自分が飼うイヌが敷地の外に逃げ出して戻ってこなくなる事態は防がなければならない。︵そのために、綱や鎖につないだり、ケージ︵檻︶に入れたり、フェンスで囲ったり、屋内に飼って出入り口のドアを閉めたりする。︶
屋外飼育
屋外飼育は庭や玄関や軒下などの屋外に住まわせる方法。たとえば次のような方法がある。
●小ぶりの犬小屋を設置し、首輪と鎖や綱などで行動範囲を限定する方法。
●かなり大きな﹁犬小屋﹂︵犬を飼うための小屋なので定義上﹁犬小屋﹂だが、人も暮らせるほどの大きさの﹁小屋﹂︶を設置し、その中で暮らさせ、食事や排せつもその中でさせる方法
●自宅敷地︵庭︶の一部を高い柵︵フェンス︶などで囲い、その中限定で一種の﹁放し飼い﹂にする方法︵あまり多くはないが、広い敷地を所有する人などがまれにとる方法︶。設置する犬小屋はさまざまなサイズがありうる。
屋内飼育
屋内飼育は家の中に住まわせる。近年では﹁犬用トイレ﹂というものがペットショップなどで販売されており、これにより屋内飼育が容易になった。たとえば次のような方法がある。
屋内でイヌが眠る場所としては、イヌ専用のマットやクッション類を置き﹁イヌのベッド﹂とする方法、特に何もおかずカーペットやソファの上などで自由に眠らせる方法、飼い主のベッドの足元などで眠らせる、などの方法がある。また室内に、さらにケージ︵柵︶を設けて、就寝時などには行動範囲を制限させる飼い方も行われている。
注意点
●公園や河川敷など、囲われた所有地以外で飼い犬のリードを外して放し飼いにする者も少なくないが、たとえ短時間であろうともこれは条例違反であり、罰金刑が課せられることもあり得る。
●千葉県市川市市議会は2009年9月11日条例改正を可決し、2010年4月から路上などの犬の糞の放置や不始末に過料2,000円を科すとした[96]。
●日本では1990年代から犬猫のメンタルケアが開始され、飼い主から犬の精神疾患を相談する件数は軒並み増加している[97] 。その理由として、屋内飼育が増え、人間との距離が接近して攻撃行動、常同障害[注釈6]、分離不安などにかかりやすい環境[98]、インターネット普及による飼い主の認知能力向上が指摘されている︵武内ゆかり教授・東京大学大学院獣医動物行動学研究室︶。また、犬の大脳皮質コントロールが人間より脆弱で、気分が神経伝達物質の影響を受けやすいとされる︵和田秀樹・精神科医︶[99]。加えて、過体重の犬は食事制限をしている犬に比べて寿命が平均で1.3年短いことが明らかとなっており、去勢によって過体重や肥満のリスクが3倍高くなることがコペンハーゲン大学の研究で明らかにされている[100][注釈7]。
●イヌは愛玩動物として飼育されている数が多い分、人間による虐待、虐殺により、命を落とすものや、捨て犬として不法に遺棄されるもの、あるいは飼い主やその家族の身勝手無責任な理由によって保健所に送られるものも少なくない。例年、非常に数多くのイヌや猫たちが、全国の保健所施設で殺処分されている︵2006年度で犬86,000頭余︶。特定の動物の遺棄や虐待は動物愛護法で処罰されることがある。
●生活騒音として発せられる音源として、犬の鳴き声はもっとも大きい。環境省、都道府県、保健所、市区町村などでこのことへの対応がある。
●離島などで野生化した野犬の存在は、野猫や人為的に持ち込まれたマングースとともに、絶滅が危惧される小動物や陸地に営巣する鳥類にとって、大きな脅威となっている。鳥獣保護法においては、野犬は狂犬病の感染防止と特定鳥獣の保護の観点からハンターによる銃・わな猟での狩猟対象となっているものの、飼い犬や野良犬との厳密な区別が極めて難しい為に、極端な大規模集団となった野犬群を自治体などからの依頼で猟友会が駆除する場合を除き、積極的に野犬を狩猟対象とするハンターは殆ど居らず、対策は可能な限り野犬を発生させない=飼い主に最後まで責任を持って飼育させる以外には無い。
愛犬の健康のために、︵リードをはずして︶走り回る場所を提供するドッグランの設置も増えてきている。飼い主が旅先に飼い犬を︵やむなく︶連れてゆくことができない場合にイヌを預かってくれるサービスも増えている。また愛犬と旅行中に一緒に泊まれるペンションやホテルなども増えている。
最近では、愛犬と飲食できるドッグカフェ、愛犬を癒すためのドッグセラピーもある。最近では、多くの施設でルールを細かく設定しているのにも拘らず、犬、飼い主同士のトラブルも少なくなくない。そのため、これらの施設を利用する前に安全上のきまりやルールを、飼い主自身で確認しておくことが大切である[101]。
﹁動物の愛護及び管理に関する法律﹂の第七条に﹁動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性などに応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努める﹂とあり、イヌの健康(や安全︶の保持にも努めるべきであり、イヌの健康を害するようなものを与えないようにしなければならない。
イヌの健康に影響を与える食べ物については、それが良い影響なのか悪い影響なのかを問わず、科学的にすべてが解明されているわけではない。現在、健康によい、もしくは無害とされている食べ物でも、将来的に悪影響が判明したり長期的な調査によって長期間の摂取が好ましくないとされたりする可能性がある。
以下に挙げる物は健康への悪影響が判明している食べ物であり、これらのものを好んで食べるイヌもいるため、飼い主が与えない、もしくは、拾い食いさせないように注意されている。
●チョコレート
これは、チョコレート類に含まれるテオブロミンという成分によって中毒を起こすためである。体重10kgのイヌが約100g食べた場合でも発症のおそれがある。2009年度では、215件の中毒事例が報告されている[102]。ネコも同様の理由で悪影響を受ける。
●ネギ類︵ネギ、タマネギ、ニンニク、ニラなど︶
これは、ネギ類に含まれる成分︵アリルプロピルジスルファイドなど︶がイヌの赤血球を溶かし、貧血を起こすためである︵タマネギ中毒︶[103]。
●鶏の骨
噛み砕いた際にササクレ状に割れるため飲み込んで消化管穿孔の原因になることがあるため、生の鶏を与える際は飼い主が注意深く観察することは大事。特に加熱されたものは更に骨が硬くなり危険[104]。
●牛乳
他の哺乳類と同様に生育にしたがい、腸内のラクターゼが失われて授乳に含まれる乳糖の分解が困難になり、下痢などを発症する乳糖不耐症を指す。これは犬に限らず健康な哺乳類全般で見られる。ただし、牛乳は犬の母乳に比べて乳糖の割合が高いことには留意すべきである[注釈8]。幼犬で発症する場合は不耐ではなく個体ごとのアレルギーを疑うべきである。
●キシリトール
インスリンの過剰分泌による低血糖や肝障害を引き起こす。人とは異なり犬に対しては、キシリトールはインスリンを分泌させる力が強いため、血糖を異常に低下させてしまう。血糖低下による、意識低下、脱力、昏睡、痙攣、肝障害が起こる可能性がある[105]。
キシリトールを0.1g/kg以上︵体重10kgの犬で1g︶摂取してしまった場合には要治療であるとの報告がある[105]。
埼玉県獣医師会では、犬にキシリトールを食べさせないように、中毒を起こした場合はすぐに獣医師の診察を受けるよう注意を呼び掛けている[106]。
厚生労働省の資料によると104週間の高濃度投与で肝臓への影響が確認できるが、単回投与における毒性は極めて低いとされる[107]。
●アボカド
果肉や皮に毒素が含まれており、下痢や嘔吐を起こす危険性がある。種を誤食する恐れもあるので、イヌの届く場所に置かない[108]。
●たけのこ
結石症のリスクを高めるシュウ酸を多く含み、与えない方がいい。味付けメンマは塩分も高く、与えない方がいい[108]。
●ブドウ︵葡萄︶︵生ブドウ及び干しブドウ︶
腎尿細管壊死を起こす可能性がある。
犬の嫌いな言葉
2021年、情報サイトINUNAVIが全国の犬の飼い主672人に実施したアンケート調査によると、﹁飼い犬の苦手な言葉や嫌いな単語はあるか﹂という質問に対し﹁ある﹂と答えた回答者は49.1%であった。また、ランキング1位は﹁お風呂﹂2位は﹁病院・先生・お医者さん﹂3位は﹁お散歩﹂であった[109]。
2022年トリミングサロンStar seaが運営する犬の情報サイトドッグフードベストわんが全国の愛犬家100人に「愛犬が触られて1番喜ぶ場所は?」というアンケートを行ったところ1位「お腹」2位「頭」3位「背中」となった[111]
さまざまな犬種ごとのイヌを繁殖させて販売する業者をイヌのブリーダーといい、各ブリーダーの犬舎を、しばしば﹁ケンネル﹂や﹁ケネル﹂とも呼ぶ︵英語 kennel から︶。犬種の管理などを行う蓄犬団体は﹁ケネルクラブ﹂と称す。各国にケネルクラブがあり、日本にも社団法人ジャパンケネルクラブがある。
近年高まるペットブームの中、一部の業者によって人気品種の乱繁殖が行われている。日本ブリーダー協会は近親交配の結果、先天的障害を持つ犬が増加していると警告している。生まれながら障害を発症している犬は処分されることが多い。国はこうした障害犬の増加を受け、動物管理法を改正し悪質業者を処分できるようになった。しかし、結局のところ消費者の意識が変わらなければ障害犬を産む乱繁殖をとめることは難しい。
犬の鳴き声を、現代日本では、一般的に﹁わんわん︵ワンワン︶﹂﹁きゃんきゃん︵キャンキャン︶﹂などの擬音語︵オノマトペ、声喩︶で表されるのが普通である。そのため、これらの語を元にして犬のことを﹁ワンちゃん﹂﹁わんこ︵ワンコ︶﹂﹁わん公︵ワン公︶﹂などとも俗称する。なお、日本語では擬音語が発達しており、他にも﹁ぐるるる︵グルルル︶﹂﹁うぉーん︵ウォーン︶﹂﹁くーん︵クーン︶﹂﹁きゃいーん︵キャイーン︶﹂など、犬の感情の機微を捉えようとする多様な表現が生み出されている。
歴史的には﹁ひよひよ﹂﹁べうべう﹂などと書いて﹁ビョウビョウ﹂︵研究者によっては﹁びよびよ﹂と表現[要ページ番号]︶と発音していた期間が長く、狂言の台詞などにその名残を見て取れる。江戸時代になって﹁わんわん︵ワンワン︶﹂が現われ、しばらくの間は従来語と共存していた[要ページ番号]。
英語では bow-wow ︵仮名転写﹇以下同様﹈‥バウワウ︶、bark ︵バーク︶、howl ︵ハウ︶など、ロシア語では Гав-гав ︵ガフガフ︶、中国語では﹁汪汪︵ワンワン︶﹂と鳴くとされる。
人間との共生が最も古い動物故に多くの犬たちが名犬とされてきた。
ノンフィクションの分野でも、忠犬ハチ公や南極物語などのように、実在した犬にまつわるエピソードや芸術作品などが数多く存在。
︵以下の犬たち以外にも名を残したのも多くいる。︶
●50年頃?︵垂仁天皇87年︶ 足往︵あゆき︶ - 名前が記録に残る日本最古の犬。むじなを殺して出て来た勾玉が献上された。︵日本書紀・垂仁天皇の条︶
●587年 名前不明︵白犬︶- 記録に残る日本最古の忠犬︵日本書紀・崇峻天皇の条︶。物部守屋の家来・捕鳥部万の飼い犬。朝敵として晒される主人の遺骸を餓死するまで護り、朝廷に自分と主人を墓に葬らせた。
●1700年代
●1781年 名前不明︵狆︶ - 酒井忠以の愛犬。光格天皇より六位の位を下賜された︵﹃耳嚢﹄︶。
●1880年代
●1889年 ツン︵薩摩犬︶ - 西郷隆盛のウサギ狩時の愛犬である雌犬。上野恩賜公園に立てられた銅像にその銅像が寄り添って立てられた︵製作者は後藤貞行、モデルは仁礼景範海軍中将の飼い犬である雄犬︶。
●1895年 オウニー︵雑種︶ - 1888年に米国のニューヨーク州の郵便局のマスコットとなり、郵政長官から旅行許可証を貰い、船に乗って世界一周をした。
●1900年代
●1900年 ニッパー︵フォックス・テリア︶ - 円盤式蓄音器の発明者エミール・ベルリナーが感動した以前の飼い主の声に耳を傾ける肖像画を商標登録し、現在でも日本ビクターなどで使われている︵His Master's Voice, HMV の商号はこれによる︶。
・1902年 名前不明 - ロシアの生理学者イワン・パブロフ博士の飼い犬で、条件反射の実験に使われ、以降、﹁パブロフの犬﹂といえば条件反射のことを指すようになる。
・1923年 ボビー︵コリー種︶ - 米国インディアナ州で飼い主とはぐれ、6か月でおよそ4000kmを歩き、離れた飼い主の住むオレゴン州まで戻ってきた。
・1930年代
●1934年4月 忠犬ハチ公︵秋田犬︶ - 主人︵東京帝国大学農学部教授の上野英三郎︶の帰りを渋谷駅においてその死後も待ち続ける姿が話題となり、同駅前に銅像が立てられた。
●1939年 ブルーイ︵オーストラリアン・キャトル・ドッグ︶ - ギネス公認の世界最長寿記録の犬。老衰により29歳で死亡︵1910年6月7日 - 1939年11月14日︶。
・1940年代
●ブロンディ︵ジャーマン・シェパード・ドッグ︶ - ナチスドイツの総統ヒトラーの愛犬。1945年ベルリンの防空壕で主人と運命をともにした。
●チップス︵雑種︶ - 第二次世界大戦中数々の勇敢な行為により、アメリカ陸軍から二つの勲章を授与された。
・1950年代
●1957年11月3日 クドリャフカ︵ライカ︶ - 旧ソ連が宇宙に打ち上げたスプートニク2号に搭乗した。
●1958年 タロ、ジロ︵樺太犬︶ - 南極越冬隊の犬ぞり用に南極に連れて行かれ、かの地で生き延びた。当時使われ、現在船の科学館に係留展示されている南極観測船﹁宗谷﹂、また東京タワーに銅像がある。
・1980年代
●サーブ︵ジャーマン・シェパード・ドッグ・盲導犬︶ - 飼い主をかばい足に怪我を負った事故をきっかけに、自賠責保険の支払いが盲導犬に対しても行われるよう法改正が行われた。
・2000年代
●2008年 ベラ︵シープドッグ系雑種︶ - ギネス非公認の世界最高齢記録保持犬。3歳の時に保護されたが、正式な出生証明書が無かった為、ギネス記録として公認されず。2008年、老衰により29歳で死亡。
●2009年 シャネル︵ワイアーヘアード・ミニチュア・ダックスフント︶ - ギネス公認の世界最高齢記録を保持していた犬。生後6か月の時、収容施設から保護された。2008年8月28日、老衰により21歳で死亡。
●2011年 プースケ - ギネス公認の世界最高齢記録を保持していた日本の犬。2011年12月5日、老衰により26歳で死亡。世界歴代記録としては第9位。
古代より、犬と人は生活していたため、慣用句に多く使われる。一方で、﹁〇〇の犬﹂﹁負け犬﹂などの悪い意味で使われる場合が古今東西において多い。
[113][114]
五十音順に並べる。
●赤犬が狐追う
●一犬影に吠ゆれば万犬声に吠ゆ
●一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う
●一犬吠形百犬吠聲 - 王符﹃潜夫論﹄賢難
●〇〇の犬
●犬一代に狸一匹
●犬が西向きゃ尾は東
●犬が星見る
●犬腹︵いぬっぱら︶
●犬に肴の番
●犬になっても大家の犬
●犬になるなら大所の犬になれ
●犬にも食わせず棚にも置かず
●犬に論語/犬に念仏猫に経
●犬の川端歩き︵犬川︶/犬の子の徒歩き
●犬の糞で敵を討つ
●犬の遠吠え/負け犬の遠吠え
●犬の蚤の噛み当て
●犬は三日の恩を三年忘れず
●犬骨折って鷹の餌食/犬骨折って鷹に捕らる
●犬も歩けば棒に当たる
●犬も頼めば糞食わず
●犬も朋輩、鷹も朋輩
●犬を喜ばせる
●飢えた犬は棒を恐れず
●兎を見て犬を放つ
●内は犬の皮、外は虎の皮
●粤犬︵えっけん︶雪に吠ゆ
●粤犬吠雪/越犬吠雪
●大犬は子犬を責め、子犬は糞を責める
●尾を振る犬は打てず/尾を振る犬は叩かれず
●飼い犬に手を噛まれる
●垣堅くして犬入らず
●画虎類狗/画虎成狗/描虎類狗
●食いつく犬は吠えつかぬ
●狗緇︵くし︶衣に吠ゆ
●狗吠緇衣
●狗頭角を生ず
●狗頭生角
●狗尾続貂
●暗がりの犬の糞
●鶏犬の声相聞こゆ
●鶏犬も寧︵やすら︶かならず
●鶏犬不寧
●鶏鳴狗盗
●桀の犬尭に吠ゆ
●桀犬吠尭
●犬猿の仲/犬と猿/犬と猫
●犬牙相制す
●犬馬の心
●犬馬の年/犬馬の齢
●犬馬の養い
●犬馬の労を取る
●犬羊の質
●狡兎死して走狗烹︵に︶らる - 司馬遷﹃史記﹄﹁越王句踐 世家﹂
●狡兎死 走狗烹
●狡兎走狗
●狡兎死して良狗烹︵に︶らる。- 司馬遷﹃史記﹄﹁︵韓信︶淮陰侯 列伝﹂→ 韓信、范蠡
●狡兎死 良狗烹
●狡兎良狗
●米食った犬が叩かれず、糠食った犬が叩かれる/笊︵ざる︶舐めた犬が科かぶる
●蜀犬︵しょっけん︶日に吠ゆ
●蜀犬吠日
●姑への怒りに犬のわき腹を蹴る[115]
●棄犬︵すていぬ︶に握り飯
●跖狗吠尭
●喪家の狗
●鼠窃狗盗
●打落水狗/水に落ちた犬は打て
本来の諺は﹁不打落水狗﹂︵水に落ちた犬は打つな︶であり、これを打落水狗としたのは魯迅の過激発言である。日本や韓国では、魯迅の発言の方が有名な諺になっている。
●泥車瓦狗
●陶犬瓦鶏
●唐犬額
●夏の風邪は犬もひかぬ
●夏の蕎麦は犬も食わぬ
●白衣蒼狗/蒼狗白衣
●飛鷹走狗
●夫婦喧嘩は犬も食わぬ
●吠える犬は噛まぬ
●煩悩の犬追えども去らず
●邑犬群吠
●鷹犬之才
●羊頭狗肉/羊頭を懸げて狗肉を売る
●楊布之犬
●狼心狗肺
●驢鳴犬吠/驢鳴狗吠
●淮南之犬
●犬去りて、豚来たる
(一)^ 既知の有力説の一つを記載。異説多数あり。
(二)^ この行為は恐怖を感じた時にも行なう場合がある。
(三)^ 産経新聞による厚生労働省への取材では、接種率は2020年の犬の登録総数の7割にとどまっている。未登録犬を含めると、接種率は実質4割程度に留まっていると推測される。本邦においては狂犬病は100%根絶されたと認識されがちであるが、2006年、2020年と狂犬病による死者は国内にて発生している。
(四)^ 愛護動物とは、牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる。人が占有している動物で哺乳類、鳥類、爬虫類に属するもの。
(五)^ 身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であって疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であって自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待
(六)^ 同じ行動を過度に繰り返す症状。自分の尻尾を追うようにぐるぐる回るなど。
(七)^ この論文は、学術誌﹁プリベンティブ・ベテリナリー・メディスン︵Preventive Veterinary Medicine︶﹂に掲載されている。
(八)^ 母乳中の乳糖の割合は、イヌで3.1%、ウシで4.7%、人間ではさらに高く6.1 - 6.8%も含んでいる。
(一)^ abAnthea Gentry, Juliet Clutton-Brock, Colin P. Groves, “The naming of wild animal species and their domestic derivates,” Journal of Archaeological Science, Volume 31, Issue 5, Elsevier, 2004, Pages 645-651.
(二)^ “世界の犬”. 一般社団法人ジャパンケネルクラブ. 2023年8月20日閲覧。
(三)^ “季節の変わり目に起こる﹁換毛期﹂”. 東福岡たぬま動物病院 (2023年3月28日). 2023年7月19日閲覧。
(四)^ “犬の換毛期はいつ?時期はずれにも毛が抜ける理由や抜け毛対策をご紹介”. Honda公式サイト. 2023年7月19日閲覧。
(五)^ “暑さ対策に効果的? 犬のサマーカットって実際どうなの?|いぬのきもちWEB MAGAZINE”. dog.benesse.ne.jp (2019年7月2日). 2023年7月19日閲覧。
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(七)^ 田村, 和也﹁犬の歯周病病態進行に対する食性の影響の検討﹂2021年10月10日、doi:10.11266/jpan.24.2_S23。
(八)^ “欠歯・埋伏歯<犬の病気>”. みんなのどうぶつ病気大百科. 2023年7月19日閲覧。
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●松井章 著﹁狩猟と家畜﹂、上原真人・白石太一郎・吉川真司・吉村武彦 編﹃列島の古代史 ひとものこと﹄2巻、岩波書店、2005年。ISBN 4000280627。
●山口仲美﹃犬は﹁びよ﹂と鳴いていた-日本語は擬音語・擬態語が面白い-﹄光文社︿光文社文庫﹀、2002年8月。ISBN 4334031560。
●“あなた、愛犬にあいされてます?”. ニューズウィーク日本版(2023年5月30日号). CCCメディアハウス. (2023-5-30).
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