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「フェルマーの最終定理」の版間の差分

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[[画像:Pierre de Fermat.jpg|thumb|ピエール・ド・フェルマー]]

[[画像:Pierre de Fermat.jpg|thumb|ピエール・ド・フェルマー]]

'''フェルマーの最終定理'''(フェルマーのさいしゅうていり、{{lang-en-short|Fermat's Last Theorem}})とは、{{math|3}} 以上の[[自然数]] {{mvar|n}} について、{{math|''x{{sup|n}}'' + ''y{{sup|n}}'' {{=}} ''z{{sup|n}}''}} となる自然数の組 {{math|(''x'', ''y'', ''z'')}} は存在しない、という[[定理]]である{{refnest|group=注釈|これに対して {{math|''n'' {{=}} 2}} のとき、{{math|''x{{sup|2}}'' + ''y{{sup|2}}'' {{=}} ''z{{sup|2}}''}} を満たす自然数の組 {{math|(''x'', ''y'', ''z'')}} は無数に存在し、[[ピタゴラスの定理#ピタゴラス数|ピタゴラス数]]と呼ばれる。}}。'''フェルマーの大定理'''とも呼ばれる。[[ピエール・ド・フェルマー]]が驚くべき証明を得たと書き残したと伝えられ、長らく[[証明 (数学)|証明]]も反証もなされなかったことから'''フェルマー予想'''とも称されたが、フェルマーの死後330年経った[[1995年]]に[[アンドリュー・ワイルズ]]によって完全に[[ワイルズによるフェルマーの最終定理の証明|証明]]され、'''ワイルズの定理'''または'''フェルマー・ワイルズの定理'''とも呼ばれるようになった<ref>[[ニュートン (雑誌)|Newton]] 2019年2月号 p86</ref>。

'''フェルマーの最終定理'''(フェルマーのさいしゅうていり、{{lang-en-short|Fermat's Last Theorem}})とは、{{math|3}} 以上の[[自然数]] {{mvar|n}} について、{{math|''x{{sup|n}}'' + ''y{{sup|n}}'' {{=}} ''z{{sup|n}}''}} となる自然数の組 {{math|(''x'', ''y'', ''z'')}} は存在しない、という[[定理]]である{{refnest|group=注釈|これに対して {{math|''n'' {{=}} 2}} のとき、{{math|''x{{sup|2}}'' + ''y{{sup|2}}'' {{=}} ''z{{sup|2}}''}} を満たす自然数の組 {{math|(''x'', ''y'', ''z'')}} は無数に存在し、[[ピタゴラスの定理#ピタゴラス数|ピタゴラス数]]と呼ばれる。}}。'''フェルマーの大定理'''とも呼ばれる。[[ピエール・ド・フェルマー]]が驚くべき証明を得たと書き残したと伝えられ、長らく[[証明 (数学)|証明]]も反証もなされなかったことから'''フェルマー予想'''とも称されたが、フェルマーの死後330年経った[[1995年]]に[[アンドリュー・ワイルズ]]によって完全に[[ワイルズによるフェルマーの最終定理の証明|証明]]され、'''ワイルズの定理'''または'''フェルマー・ワイルズの定理'''とも呼ばれるようになった<ref>[[ニュートン (雑誌)|Newton]] 2019年2月号 p86</ref>。


なお,証明は極めて容易である。



== 概要 ==

== 概要 ==


2023年1月13日 (金) 04:53時点における版

フェルマーの解説、特に「フェルマーの最後の定理」(Observatio Domini Petri de Fermat) を含む1670年版ディオファントスの『算術』。
ピエール・ド・フェルマー

: Fermat's Last Theorem3  nxn + yn= zn (x, y, z) [ 1]3301995[1]

概要


171607 - 1665

481670[ 2][ 3]

282[ 4]
Cubum autem in duos cubos, aut quadratoquadratum in duos quadratoquadratos, et generaliter nullam in infinitum ultra quadratum potestatem in duos eiusdem nominis fas est dividere cuius rei demonstrationem mirabilem sane detexi. Hanc marginis exiguitas non caperet.[4] 立方数を2つの立方数の和に分けることはできない。4乗数を2つの4乗数の和に分けることはできない。一般に、(べき)が2より大きいとき、その冪乗数を2つの冪乗数の和に分けることはできない。この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。

[ 5]

個別研究の時代

n が具体的な値を取るいくつかの場合についてはさまざまな証明が与えられた。

n = 4:フェルマー

1670年に発行されたディオファントスの『算術』(338–339頁)には、フェルマー自身が記した n=4 の場合の無限降下法を用いた最終定理の証明が収録されている。

45[5]使[6]

 x4+ y4= z4 (x2)2 + (y2)2 = (z2)2 

x, y, z

22

x z, y





[7]

n = 4  n[8]n n = pqr  p(xqr)p + (yqr)p = (zqr)p  n= pqr n 4020 n= 4m  (xm)4 + (ym)4 = (zm)4 2 n= 4m+2  n= 2(2m+1)  n 2m+1  2m+1 

n = 3:オイラー


1753 n= 3 [9]1760[10]1770Vollständige Anleitung zur Algebra2 a+b3  [11] 3  13   使

n = 5:ジェルマン、ディリクレ、ルジャンドル

1823年ソフィ・ジェルマンは、フェルマー予想を奇素数 p に対して、 xp + yp = zp において、

第一の場合
x, y, z のいずれも p で割り切れない
第二の場合
x, y, z のいずれかが p で割り切れる

という2つのケースに分類し、p2p+1 が共に素数の場合について、「第一の場合」に関してはフェルマー予想が正しいことを証明した[12]

ソフィ・ジェルマンの定理 ― p2p+1 も素数であるような奇素数とする.このときフェルマーの大定理の第一の場合は指数 p に対して正しい.


p = 5 2p+1 = 11  n= 5 

1825 n= 5 [13]

n = 3 n = 4 

n = 14 :ディリクレおよび n = 7 :ラメ、ルベーグ


1832 n= 14 [14] n n= 7  n= 7 18391840[13]

1847 xn+ yn= zn[15]

n = 7  n= 11  13[13]

クンマーの理想数


[16]n [17][ 6] 100 37, 59, 673[19]100  n 100  n

1857181618503000[20]1874 101  163  101, 103, 131, 149, 157 5[21]

1994



 p< 8.8×1020



 p< 4000000

[22]

近代的アプローチへ

モジュラー形式

アンリ・ポアンカレ上半平面上の関数についての研究から、モジュラー形式を案出する。

モーデル予想


1983 xn+ yn= zn 0 

谷山–志村予想


19559

1954


フライ・セール予想


1984 an+ bn= cn

y2 = x(x  an)(x + bn)

1986



(一)

(二)

(三)

(四)

(五)

(=) - -

最終的解決

アンドリュー・ワイルズ

 (Iwasawa main conjecture) 101986

-71993621233使

11199491994101995Annals of Mathematics1995213[23]360

証明した論文

エピソード




使400 n= 4 Newton

n = 3n [24]

NBG (class)  ZFCZFC NBG ZFCZFCZFC 

1

1988西

1908200791310 (Wolfskehl-Preis)50019976500

SF[25]

[ 7]

202011[26]

フィクション

偽の反例


1998102[27];

(a=3987,b=4365,c=4472,n=12)



398712 = 16134474609751291283496491970515151715346481

436512 = 47842181739947321332739738982639336181640625

398712 + 436512 = 63976656349698612616236230953154487896987106 6.4×1043



447212 = 63976656348486725806862358322168575784124416  6.4×1043

10

398712 + 436512 - 447212 = 1211886809373872630985912112862690

1.212×1033



(398712 + 436512)1/12 = 4472.000000007059290738213529241449409

4472.000000007059290738213529241449409/ 4472 = 1.000000000001578553

1.58×10-12

脚注

注釈



(一)^  n= 2 x2 + y2= z2 (x, y, z) 

(二)^ 1621[2][3]

(三)^ 48 (1986)

(四)^  ax2 + y2= a21

(五)^ 1995

(六)^ 1915[18]

(七)^ 

    1997920ISBN 4-10-519203-5pp. 108ff

出典

  1. ^ Newton 2019年2月号 p86
  2. ^ 足立 1995, pp. 40f
  3. ^ 足立 2006, pp. 17, 87–95
  4. ^ Panchishkin & Manin 2007, p. 341
  5. ^ 足立 2006, pp. 93–95
  6. ^ 足立 2006, pp. 99–101
  7. ^ 足立 2006, pp. 137–139
  8. ^ 足立 2006, pp. 139–140
  9. ^ 足立 2006, p. 140
  10. ^ 足立 2006, p. 148
  11. ^ 足立 2006, pp. 140–148
  12. ^ 足立 2006, pp. 150–156
  13. ^ a b c 足立 2006, p. 150
  14. ^ 足立 2006, p. 231
  15. ^ 足立 2006, pp. 156–165
  16. ^ 足立 2006, pp. 166–218
  17. ^ 足立 2006, p. 215
  18. ^ 足立 2006, pp. 217, 227
  19. ^ 足立 2006, pp. 223–224
  20. ^ 足立 2006, p. 220
  21. ^ 足立 2006, pp. 215, 226
  22. ^ 足立 1995, pp. 17, 128
  23. ^ 1995年2月の毎日新聞縮小版より
  24. ^ 『Newton別冊 数学の世界[増補第3版]』ニュートンプレス、2019年11月5日、156頁。 
  25. ^ 新スタートレック』38話「ホテル・ロイヤルの謎」など
  26. ^ SHINICHI MOCHIZUKI (30 November 2020). Explicit Estimates in Inter-universal Teichm¨uller Theory (PDF) (Report). 京都大学数理解析研究所. 2020年12月5日閲覧 {{cite report}}: 不明な引数|coauthors=は無視されます。(もしかして:|author=) (説明)
  27. ^ Singh, Simon (2013) (英語). The Simpsons and Their Mathematical Secrets. A&C Black. pp. 35–36. ISBN 978-1-4088-3530-2. https://books.google.com/books?id=feg_AQAAQBAJ&pg=PA35 

参考文献


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Panchishkin, Alexei A.; Manin (April 2007), Introduction to Modern Number Theory: Fundamental Problems, Ideas and Theories, Springer, ISBN 978-3-540-20364-3, https://books.google.co.jp/books?id=wvK586IxaxwC&pg=PA341 

関連文献


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小説


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まんが版


   PHP200912ISBN 978-4-569-77520-3 

  (1) ︿MF 2011423ISBN 978-4-8401-3793-5 

  (2) ︿MF 2012223ISBN 978-4-8401-4422-3 

  (3) ︿MF 2013323ISBN 978-4-8401-5015-6 

さらに進んだ書物


 1  Fermat ︿1181996107ISBN 4-00-010631-7 

 2   ︿1191998107ISBN 4-00-010643-0 
 I  Fermat 200517ISBN 978-4-00-005527-7  - ,  &  (1996),  &  (1998)

1︿2009129ISBN 978-4-00-006617-4 

Fermat 1︿9112000328ISBN 4-00-010659-7 

Fermat 2︿1212200828ISBN 978-4-00-010662-7 
200926ISBN 978-4-00-005958-9  -  (2000) (2008)

関連項目


ABC - n  62abc-tripleABC

 - 






外部リンク