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'''地理学''' |
{{読み仮名_ruby不使用|'''地理学'''|ちりがく|{{Lang-en-short|geography}}、{{Lang-fr-short|géographie}}、{{lang-it-short|geografia}}、{{Lang-de-short|Geographie (-fie)}} または {{lang|de|Erdkunde}}}}は、[[地球]]表面の自然・人文事象の状態と、それらの相互関係を研究する学問<ref>﹁[https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-h140930-7.pdf 報告 大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 地理学分野]﹂平成26年︵2014年︶9月30日 日本学術会議 地域研究委員会・地球惑星科学委員会合同 地理教育分科会 2023年1月15日閲覧</ref>。[[地域]]や空間、場所、[[自然環境]]という[[物理学]]的存在を対象の中に含むことから、<!--ここから出典あり-->[[人文科学]]、[[社会科学]]、[[自然科学]]のいずれの性格も有する<ref name="ajg18">{{Cite web|和書|url=http://www.ajg.or.jp/wp-content/uploads/2018/03/shin_vision.pdf|title=公益社団法人日本地理学会﹃新ビジョン︵中期目標︶﹄|format=PDF|accessdate=2018-07-07}}</ref>。広範な領域を網羅する。また﹁地理学と[[哲学]]は諸科学の母﹂と称される<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.hosei.ac.jp/bungaku/gakka/geography/naiyo.html|title=地理学科の内容|文学部|法政大学|accessdate=2018-09-21}}</ref>。
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元来は[[農耕]]や[[戦争]]、[[統治]]のため、各地の[[情報]]を[[調査]]しまとめるための研究領域として成立した。 |
元来は[[農耕]]や[[戦争]]、[[ガバナンス|統治]]のため、各地の[[情報]]を[[調査]]しまとめるための研究領域として成立した。 |
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==名称== |
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===「地理」の語源と語義=== |
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⚫ | [[ファイル:AvHumboldt.jpg|thumb|150px|right|「近代地理学の父」アレクサンダー・フォン・フンボルト]] |
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地理学の﹁地理﹂は、古代[[中国]]で記された﹃[[易経]]﹄の﹁[[周易]]﹂本文に対する[[孔子]]の[[注釈]]、﹁十翼﹂中の一篇﹁繋辭上傳﹂に由来する{{Sfn|益田|2018|p=19}}。ただし、易経における﹁地理﹂について、辻田右左男は﹁ただちに今日的意味で理解するのはやや早計﹂としており{{Sfn|辻田|1971|p=52,55}}、海野一隆は後世における使用例から、客観的な[[地誌]]的記述と[[占い]]的な[[風水]]的記述をあわせ持った曖昧な概念であると指摘する{{Sfn|海野|2004|p=48}}。実際に、当時の﹁地理﹂の語義は﹁周易﹂に施された無数の注釈において様々に論じられており、[[漢字文化圏]]において geography{{refnest|group=注釈|英語のgeograhyは、古代ギリシア語のgeographiaが語源である。geographiaはgeo(=土地)とgraphia(=記載する)が合わさった語で、﹁地球とその住民に関することを記載する﹂という意味であった。地理学が学問としてまだ体系化されていない古代では、多くの自然・人文事象を個別的に記載するなど百科事典的であった{{Sfn|日本地誌研究所|1989|p=466}}。}}が﹁[[風土記]]﹂ではなく﹁地理学﹂と訳された要因もこうした注釈書に求められる{{Sfn|益田|2015|p=1}}。
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辻田によれば、現代の「地理学」の語源である「地理」概念を分析するのであれば、その学史的な淵源に遡る必要があり、その淵源は少なくとも合理的な[[朱子学]]的教養を備えた[[江戸時代]]の[[儒学者]]に求められるという{{Sfn|辻田|1971|p=52,55}}。これを受け、益田理広は、朱子学における「地理」の語義の把握に努めた。益田によると、『易経』の注釈において定義されなかった[[唐]]以前、「地理」は漠然と[[地形]]や[[植生]]を表す語に過ぎなかった。しかし唐代に入ると、「地理」は①地形や植生間の規則的な構造([[孔穎達]]による)、②知覚可能な物質現象たる「気」の下降運動([[李鼎祚]]による)とする二説により明確に定義される。続く[[宋 (王朝)|宋]]代には「地理」の語義も複雑に洗練され、「地理」を①位置や現象の構造とする説、②認識上の区分に還元する説、③形而上の原理の現象への表出とする説、④有限の絶対空間とする説などが相次いで生まれた{{Sfn|益田|2018|p=40,41}}。また、唐代においては風水思想を扱うものも「地理書」の呼称を得ており、宋代には地誌に当たらない「地理書」の存在も一般化している{{Sfn|益田|2018|p=41}}。このように、唐以降の中国では「地理」概念を巡って多様な議論が展開された。 |
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﹁地理﹂概念と同様に、﹁地理学﹂に対する解釈も多様である。地理学は時代によって、概念や扱う領域が大きく変わってきたことで、現在でも一定の定義を与えることは困難である。実際、地理学は﹁[[人類]]の[[生態学]]﹂、﹁分布の[[科学]]﹂、﹁[[土地]]と[[人間]]の関係学﹂であると主張する者もいる{{Sfn|日本地誌研究所|1989|p=466}}。オックスフォード地理学辞典によれば、地理学が辿った紆余曲折を統括できる定義を見出すのは無謀とするものの、[[ラルフ・リントン]]が唱えた﹁地理学は﹃[[景観]]の研究﹄である﹂という見解が[[地理学者]]の関心を最も統合できると述べている{{Sfn|田辺|2003|p=211}}。他方で地理学辞典では、多くの地理学者は﹁[[地球]]表面を、その地域的差異という観点から研究するのが地理学﹂という思想に一致するという{{Sfn|日本地誌研究所|1989|p=466}}。また、最新地理学用語辞典では地理学を﹁地表の自然・人文にわたる諸現象を、環境・地域・空間などの概念に基づいて解明しようとする学問﹂とする{{Sfn|浮田|2003|p=191}}。
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このような地表の諸現象を究明しようとする[[系統地理学]]の方向性に対して、﹁自然・人文にわたる諸現象の相互関係を総合的に研究して、地域的性格を究明する[[地誌学]]が真の地理学である﹂と主張する者もいる{{Sfn|日本地誌研究所|1989|p=466}}。同様に、20世紀以降の[[フランス地理学派]]や[[バークレー学派]]も地理学を﹁地域の研究である﹂とみなし、常に人間と物理的環境との相互作用に重点を置いていた{{Sfn|田辺|2003|p=211}}。この系統地理学と地誌学の定義を統合して、例えば[[広辞苑]]では地理学を﹁地球の表面と住民の状態ならびにその相互作用を研究する学問﹂としている{{Sfn|広辞苑|2018|p=1920}}。
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== 歴史 == |
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⚫ | [[ファイル:AvHumboldt.jpg|thumb|150px|right|「近代地理学の父」[[アレクサンダー・フォン・フンボルト|フンボルト]]]] |
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{{Main|地理学の歴史}} |
{{Main|地理学の歴史}} |
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地理学誕生の地は、[[古代ギリシア]]である。学問としては、[[博物学]]の部門に属した。その源流は、各地の様子を記載する[[地誌学]]的なものと、[[気候]]や[[海洋]]について研究する[[地球科学]]的なものとに見ることができる。<!--ここから出典あり-->中世では停滞していた{{Sfn|中村ほか|1988|p=174}}ものの、[[ルネサンス]]期における[[地誌]]の拡大{{Sfn|中村ほか|1988|p=174}}や、[[18世紀]]以降、[[産業革命]]後の[[自然科学]]の発達と観測機器の発達は近代地理学の成立へと導いた{{Sfn|野間ほか|2017|p=212}}。現在見ることのできる科学的な地理学の源流は |
地理学誕生の地は、[[古代ギリシア]]である。学問としては、[[博物学]]の部門に属した。その源流は、各地の様子を記載する[[地誌学]]的なものと、[[気候]]や[[海洋]]について研究する[[地球科学]]的なものとに見ることができる。<!--ここから出典あり-->中世では停滞していた{{Sfn|中村ほか|1988|p=174}}ものの、[[ルネサンス]]期における[[地誌]]の拡大{{Sfn|中村ほか|1988|p=174}}や、[[18世紀]]以降、[[産業革命]]後の[[自然科学]]の発達と観測機器の発達は近代地理学の成立へと導いた{{Sfn|野間ほか|2017|p=212}}。
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現在見ることのできる科学的な地理学の源流は19世紀初頭の[[ドイツ]]でおこり、[[アレクサンダー・フォン・フンボルト]]と[[カール・リッター]]により成立した{{Sfn|野間ほか|2017|p=213}}。彼らは﹁近代地理学の父﹂とされており{{Sfn|中村ほか|1988|p=174}}、なかでもフンボルトが自然地理学の始祖とされるのに対し<ref>﹁マシューズ&ハーバート 地理学のすすめ﹂p27-28 ジョン・A・マシューズ、デイヴィット・T・ハーバート著 森島済・赤坂郁美・羽田麻美・両角政彦訳 丸善出版 平成27年3月25日発行</ref>、リッターは人文地理学の創始者とされている<ref>﹁世界市民の地理学 Geographies for Cosmopolitan﹂p7-8 [[野尻亘]]・[[古田昇]]著 晃洋書房 2006年4月10日初版第1刷発行</ref>。彼らは地誌的な記述ばかりではなく、様々な地理的な現象に内的連関を認め、地理学においてその解明の重要性を説いた。
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19世紀後半には、[[フリードリヒ・ラッツェル]]が自然地理の条件に人類は強く影響を受けると唱え、のちにこれは[[環境決定論]]と呼ばれるようになる。一方、[[ポール・ヴィダル・ドゥ・ラ・ブラーシュ]]は自然は人類の活動に可能性を与えているものと定義し、これは[[環境可能論]]と呼ばれるようになる<ref>﹁地理学概論﹂︵地理学基礎シリーズ1︶p4 [[上野和彦 (地理学者)|上野和彦]]・[[椿真智子]]・[[中村康子]]編著 朝倉書店 2007年4月25日初版第1刷</ref>など、[[系統地理学]]が整備された。[[アルフレート・ヘットナー]]や[[リチャード・ハーツホーン]]は地域の解明を重視し、地誌学に大きな足跡を残した<ref>﹁地理学概論﹂︵地理学基礎シリーズ1︶p5 上野和彦・椿真智子・中村康子編著 朝倉書店 2007年4月25日初版第1刷</ref><ref>﹁世界市民の地理学 Geographies for Cosmopolitan﹂p13-14 野尻亘・古田昇著 晃洋書房 2006年4月10日初版第1刷発行</ref>。またこの時期、[[日本]]など世界各国に地理学が移入された。
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この時期までの地理学の中心は地誌学であったが<ref>﹁地誌学概論 第2版﹂p3 矢ヶ崎典隆・加賀美雅弘・牛垣雄矢編著 朝倉書店 2020年2月1日第2版第1刷</ref>、1950年以降、[[アメリカ合衆国]]が中心になって[[コンピュータ]]や統計データなどを用いて、計量的な地理学が世界中に急速に普及した{{Sfn|野間ほか|2017|p=216}}。この計量革命によって、それまでの地誌学は個性記述的・非科学的であるとして衰退していった<ref>﹁地誌学概論 第2版﹂p3 矢ヶ崎典隆・加賀美雅弘・牛垣雄矢編著 朝倉書店 2020年2月1日第2版第1刷</ref>。1970年代後半以降、北米を中心に地理学は一旦は衰退したが、[[地理情報システム]]︵GIS︶や地球環境に関連した応用的な研究が盛んになった<ref name="ajg18" />。また1960年代から1970年代にかけて計量地理学への反動から、[[ラディカル地理学]]や[[人文主義地理学]]が成立した<ref>﹁地理学概論﹂︵地理学基礎シリーズ1︶p5-6 上野和彦・椿真智子・中村康子編著 朝倉書店 2007年4月25日初版第1刷</ref>。
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地理学は、大きく[[系統地理学]]と[[地誌学]]に分類され、系統地理学はさらに[[自然地理学]]と[[人文地理学]]に分けられ{{Sfn|中村ほか|1988|p=ii}}{{Sfn|野間ほか|2017|p=52}}、それぞれがまた細かく分類される。ただし、自然地理学の諸分野は[[地球科学]]の影響を受け、その中でも時に[[生態学]]や[[気象学]]、[[地質学]]などと連携されることが多い。人文地理学は[[歴史学]]・[[社会学]]・[[経済学]]などの近隣分野の影響を受け、それらの知識ならびに隣接分野の理論の十分な理解が要求される学問である。また、自然地理学・人文地理学ともに現地調査︵[[フィールドワーク]]︶や[[エクスカーション]]︵巡検とも呼ぶ︶を実施し、実地調査に基づく観察を重視する傾向があるのが特徴である。
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地理学は、大きく[[系統地理学]]と[[地誌学]]に分類され、系統地理学はさらに[[自然地理学]]と[[人文地理学]]に分けられ{{Sfn|中村ほか|1988|p=ii}}{{Sfn|野間ほか|2017|p=52}}、それぞれがまた細かく分類される。ただし、自然地理学の諸分野は[[地球科学]]の影響を受け、その中でも時に[[生態学]]や[[気象学]]、[[地質学]]などと連携されることが多い。人文地理学は[[歴史学]]・[[社会学]]・[[経済学]]などの近隣分野の影響を受け、それらの知識ならびに隣接分野の理論の十分な理解が要求される学問である。また、自然地理学・人文地理学ともに現地調査︵[[フィールドワーク]]︶や[[エクスカーション]]︵巡検とも呼ぶ︶を実施し、実地調査に基づく観察を重視する傾向があるのが特徴である。
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=== 系統地理学 === |
=== 系統地理学 === |
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==== 自然地理学 ==== |
==== 自然地理学 ==== |
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[[自然地理学]]に該当するもの。 |
[[自然地理学]]に該当するもの。[[大気圏]]を扱う気候学、[[水圏]]を扱う水文学、地表圏を扱う地形学、[[生物圏]]を扱う生物地理学、[[土壌圏]]を扱う土壌地理学、そして[[雪氷圏]]を扱う雪氷地理学といった専門分野に分かれており、また第四紀学のように学際的な研究分野も多く存在する<ref>﹁マシューズ&ハーバート 地理学のすすめ﹂p44-47 ジョン・A・マシューズ、デイヴィット・T・ハーバート著 森島済・赤坂郁美・羽田麻美・両角政彦訳 丸善出版 平成27年3月25日発行</ref>。いずれの場合も、学問上で厳格な線引きは存在せず、例えば[[気候地形学]]のような自然地理学の中でも分野のまたがった研究も往々にされている。ほとんどの場合、これらの学問成果をあげるには、現地調査︵フィールドワーク︶が要求される。
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; [[気候学]] |
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: 主に[[気候]]と人々との関係を考察する。[[都市気候]]、[[ヒートアイランド |
: 主に[[気候]]と人々との関係を考察する。[[都市気候]]、[[ヒートアイランド]]、[[エルニーニョ]]などもこの分野で扱う。 |
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: [[湖沼]]や[[川]]、[[地下水]]を主な研究対象とする。 |
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: あらゆる[[地形]]の成因、変遷などを考察。対象は[[山地]]、[[丘陵 |
: あらゆる[[地形]]の成因、変遷などを考察。対象は[[山地]]、[[丘陵]]、[[平野]]など。
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: [[植生]]分布に関する地理学。フィールドワークによる場合と、[[花粉]]分析法を用い、泥層などから採取した花粉の[[年代測定]]をし、解明していく方法がある。 |
: [[植生]]分布に関する地理学。フィールドワークによる場合と、[[花粉]]分析法を用い、泥層などから採取した花粉の[[年代測定]]をし、解明していく方法がある。 |
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; [[土壌地理学]] |
; [[土壌地理学]] |
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: [[土壌]]に関する地理学。第四紀学などと連携を密にすることが多い。 |
: [[土壌]]に関する地理学。第四紀学などと連携を密にすることが多い。 |
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==== 人文地理学 ==== |
==== 人文地理学 ==== |
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[[人文地理学]]に該当するもの。これらもほとんどの場合、学問成果をあげるには、現地調査︵フィールドワーク︶が要求される。いずれの場合も、学問上で完全に独立しているわけではなく、例えば都市地理学と経済地理学の複合分野を研究対象にするということも可能である。
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[[人文地理学]]に該当するもの。これらもほとんどの場合、学問成果をあげるには、現地調査︵フィールドワーク︶が要求される。いずれの場合も、学問上で完全に独立しているわけではなく、例えば都市地理学と経済地理学の複合分野を研究対象にするということも可能である。
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; [[経済地理学]] |
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: [[経済]]活動の空間的異質性を説明する地理学。各種[[産業]]に注目した[[産業地理学]]︵[[農業]]を扱う[[農業地理学]]、[[工業]]を扱う[[工業地理学]]、[[商業]]を扱う[[商業地理学]]などがある︶、[[消費者]]行動に注目した[[消費地理学]]、産業等の[[立地]]展開に注目した[[経済立地論]]などが主要なテーマ。これらは、人文地理学の中でも議論されることが多い分野である。そのほかの分野として、近年、英米の地理学者を中心に、[[小売 |
: [[経済]]活動の空間的異質性を説明する地理学。各種[[産業]]に注目した[[産業地理学]]︵[[農業]]を扱う[[農業地理学]]、[[工業]]を扱う[[工業地理学]]、[[商業]]を扱う[[商業地理学]]などがある︶、[[消費者]]行動に注目した[[消費地理学]]、産業等の[[立地]]展開に注目した[[経済立地論]]などが主要なテーマ。これらは、人文地理学の中でも議論されることが多い分野である。そのほかの分野として、近年、英米の地理学者を中心に、[[小売]]の立地的側面、[[金融]]的側面、消費者行動的側面など小売業を多面的に扱った新しい[[小売業の地理学]]や、経済活動の[[文化_(代表的なトピック)|文化]]的側面に注目する傾向、そして、グローバルな経済活動がもたらすさまざまの問題を[[帝国主義]]や世界覇権とのかかわりで論ずる[[批判地理学]]が現れている。だが日本ではこの分野の研究者は少なく、発展途上の段階にある。経済地理学は地理学の専売特許ではなく、[[経済学]]においても研究されている。
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: [[社会階層]]や[[社会構造]]など[[社会学]]に関するテーマに対する地理学。具体的には、[[民族]]問題や[[過疎]]・過密、[[女性]]問題や[[ |
: [[社会階層]]や[[社会構造]]など[[社会学]]に関するテーマに対する地理学。具体的には、[[民族]]問題や[[過疎]]・過密、[[女性]]問題や[[共同体]]の問題などを扱う。 |
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; [[政治地理学]] |
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: [[政治]]に関する地理学。過去には、[[軍事]]侵略や[[植民地]]に関するテーマを扱っていた。現在は、学区域の問題や[[国政]]や地方行政や[[国際関係]]と地理との関係を主流にする。最近では、地理学で政治を扱うと、学問の性質上、[[地方自治]]に |
: [[政治]]に関する地理学。過去には、[[軍事]]侵略や[[植民地]]に関するテーマを扱っていた。現在は、学区域の問題や[[国政]]や地方行政や[[国際関係]]と地理との関係を主流にする。最近では、地理学で政治を扱うと、学問の性質上、[[地方自治]]に焦点があてられることが多いので、この分野を敢えて[[行政地理学]]という表現をすることもあったが、近年では、国際的な政治の問題も、新しい[[地政学]]などとしてしばしば取り上げられる。
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; [[都市地理学]] |
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: [[都市]]特有の現象を扱う地理学。[[交通網]]・移動、[[犯罪]]・[[非行]]や、[[都心]]・[[郊外]]に関するテーマなどを扱う。経済地理学・社会地理学と連携を密にすることが多い。また、[[都市計画学]]、[[都市工学]]、[[都市社会学]]などの分野ともしばしば連携される。
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: [[都市]]特有の現象を扱う地理学。[[交通網]]・移動、[[犯罪]]・[[非行]]や、[[都心]]・[[郊外]]に関するテーマなどを扱う。経済地理学・社会地理学と連携を密にすることが多い。また、[[都市計画学]]、[[都市工学]]、[[都市社会学]]などの分野ともしばしば連携される。
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; [[歴史地理学]] |
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: 地理学では、通常時間軸は現在であるが、歴史地理学は過去である。歴史的な現象・事柄の[[文献学]]的な意義のみならず、地理学的な意義を求める分野である。[[歴史学]]の一分野としても扱われるが、通常は地理学の分野である。[[民俗学]]と連携をとることもある。
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: 地理学では、通常時間軸は現在であるが、歴史地理学は過去である<ref>﹁人文地理学﹂p181-182 竹中克行・大城直樹・梶田真・山村亜紀編著 ミネルヴァ書房 2009年10月30日初版第1刷発行</ref>。歴史的な現象・事柄の[[文献学]]的な意義のみならず、地理学的な意義を求める分野である。[[歴史学]]の一分野としても扱われるが、通常は地理学の分野である。[[民俗学]]と連携をとることもある。
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: [[文化]]や[[風俗]]を扱った地理学。宗教施設や、[[祭り]]などを考察対象とする。民俗学・[[文化人類学]]・社会学などとの連携をとることもある。
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: [[宗教]]に関する地理学。地理学では、多くは宗教の[[教義]]や[[思想]]的なアプローチは行わず、宗教の社会的・文化的役割とその関係を見ることがほとんどである。上記、文化地理学の一分野でもある。
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: [[宗教]]に関する地理学。地理学では、多くは宗教の[[教義]]や[[思想]]的なアプローチは行わず、宗教の社会的・文化的役割とその関係を見ることがほとんどである。上記、文化地理学の一分野でもある。
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; [[人口地理学]] |
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: 人口現象の地理的分布や移動から[[地域構造]]を理解することを目標とする{{Sfn|日本地誌研究所|1989|p=320}}。[[人口分布]]︵人口規模の空間的パターン︶、人口構造の空間的パターン、人口変動の空間的パターン、[[人口移動]]などを研究対象とする{{Sfn|人文地理学会|2013|p=562}}。
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: [[人口]]問題・人口移動・人口政策などを扱った地理学。単独ではなく、社会地理学や経済地理学の一分野にされることもある。 |
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; [[集落地理学]] |
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: 人間の居住形態である[[集落]]というものに対する地理学。大きな括りをすれば、農村地理学や都市地理学もこの一分野である。 |
: 人間の居住形態である[[集落]]というものに対する地理学。大きな括りをすれば、農村地理学や都市地理学もこの一分野である。 |
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; [[交通地理学]] |
; [[交通地理学]] |
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: [[交通]]に関する地理学。交通網の発達と立地展開の関係、日々の人々の移動に関する研究などを扱う。計量的に分析することが多く、[[鉄道網]]や[[道路網]]に対する知識や関心はその前提と見なされている。都市地理学や経済地理学などとの連関が多い。 |
: [[交通]]に関する地理学。交通網の発達と立地展開の関係、日々の人々の移動に関する研究などを扱う。計量的に分析することが多く、[[鉄道網]]や[[道路網]]に対する知識や関心はその前提と見なされている。都市地理学や経済地理学などとの連関が多い。 |
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; {{仮リンク|医学地理学|en|Medical geography}} |
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; [[病理地理学]]または疾病地理学 |
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: [[伝染病]]・[[風土病]]などの[[疾病]]の地理的な分布・伝播を扱った地理学。[[医学]]の専門的な知識を求められるため、地理学の一部門でありながら、人文地理学で論じられることは稀である。 |
: [[伝染病]]・[[風土病]]などの[[疾病]]の地理的な分布・伝播を扱った地理学。[[医学]]の専門的な知識を求められるため、地理学の一部門でありながら、人文地理学で論じられることは稀である。 |
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; [[言語地理学]] |
; [[言語地理学]] |
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=== 地誌学 === |
=== 地誌学 === |
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[[地誌学]]︵[[地域地理学]]︶は、ある特定された地域内における地理学的事象を自然地理・人文地理両方の見地から研究する学問である。自然地理・人文地理にかかわらず、実際に研究する際は、具体的な地域を選定しなくてはならないため、ひとつの専門分野というよりは地理学の共通基礎部分と認識されている。[[文学]]や[[国際関係学]]方面の[[地域研究]]︵学︶との共通点もある。
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[[地誌学]]︵[[地域地理学]]︶は、ある特定された地域内における地理学的事象を自然地理・人文地理両方の見地から研究する学問である<ref>﹁地誌学概論 第2版﹂p1 矢ヶ崎典隆・加賀美雅弘・牛垣雄矢編著 朝倉書店 2020年2月1日第2版第1刷</ref>。自然地理・人文地理にかかわらず、実際に研究する際は、具体的な地域を選定しなくてはならないため、ひとつの専門分野というよりは地理学の共通基礎部分と認識されている。[[文学]]や[[国際関係学]]方面の[[地域研究]]︵学︶との共通点もある。
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== 研究方法 == |
== 研究方法 == |
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{{節スタブ|1=分布図の作成後の研究法(分析方法の概説など)|date=2018年9月}} |
{{節スタブ|1=分布図の作成後の研究法(分析方法の概説など)|date=2018年9月}} |
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地理学では地域差があるものを取り扱うため、[[地図]]が必須であるとともに、地図を用いて事象の分析や原因の考察を行うことができる{{Sfn|中村ほか|1988|p=1}}{{refnest|group=注釈|[[アレクサンダー・フォン・フンボルト|フンボルト]]は気象や植生が高度により遷移することを観察し、縦軸を高度、横軸を緯度として[[分布 (生物)#水平分布と垂直分布|垂直分布]]を図化して表現した。また、世界中の約58地点の年平均気温の情報をもとに[[等温線]]をひき、等温線と[[緯線]]が平行ではない理由を考察する研究課題を提示した。[[中村和郎]]によると、地理学の考察における[[等値線]]の導入は非常に有意義なことと言及していて、また[[等値線図]]は[[地形図]](標高)や[[天気図]](気圧配置)などでも利用されている{{Sfn|中村ほか|1988|p=7}}。}}。事物の分布を考察するにあたって、[[分布図]]の作成が挙げられる。分布図では、事物の位置や多寡、偏りの程度が表現されるため、分布について深く考察するうえで有効であり、このことによって地理的事象の地域性や一般性の解明につながる{{Sfn|中村ほか|1988|p=23-24}}。分布の性質を分析してきた研究の代表例として、[[高橋伸夫 (地理学者)|高橋伸夫]]は『地理学への招待』にて[[チューネン]]の[[孤立国]]と[[クリスタラー]]の[[中心地理論]]を提示している{{Sfn|中村ほか|1988|p=25}}。 |
地理学では地域差があるものを取り扱うため、[[地図]]が必須であるとともに、地図を用いて事象の分析や原因の考察を行うことができる{{Sfn|中村ほか|1988|p=1}}{{refnest|group=注釈|[[アレクサンダー・フォン・フンボルト|フンボルト]]は気象や植生が高度により遷移することを観察し、縦軸を高度、横軸を緯度として[[分布 (生物)#水平分布と垂直分布|垂直分布]]を図化して表現した。また、世界中の約58地点の年平均気温の情報をもとに[[等温線]]をひき、等温線と[[緯線]]が平行ではない理由を考察する研究課題を提示した。[[中村和郎]]によると、地理学の考察における[[等値線]]の導入は非常に有意義なことと言及していて、また[[等値線図]]は[[地形図]]︵標高︶や[[天気図]]︵気圧配置︶などでも利用されている{{Sfn|中村ほか|1988|p=7}}。}}。事物の分布を考察するにあたって、[[分布図]]の作成が挙げられる。分布図では、事物の位置や多寡、偏りの程度が表現されるため、分布について深く考察するうえで有効であり、このことによって地理的事象の[[地域性]]や一般性の解明につながる{{Sfn|中村ほか|1988|p=23-24}}。分布の性質を分析してきた研究の代表例として、[[高橋伸夫 (地理学者)|高橋伸夫]]は﹃地理学への招待﹄にて[[チューネン]]の[[孤立国]]と[[クリスタラー]]の[[中心地理論]]を提示している{{Sfn|中村ほか|1988|p=25}}。
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== 日本の地理教育・研究 == |
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{{Main|地理学 |
{{Main|日本の地理学}} |
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=== 高等教育 === |
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{{Main|地理学科|地学科}} |
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日本では主に[[文学部]]で地理学が教育・研究されている{{Sfn|野間ほか|2017|p=24}}。[[東日本]]の国公立大学では[[理学部]]で教育・研究を行う大学もある{{Sfn|野間ほか|2017|p=23}}。また、[[教育学部]]にも設置されている{{Sfn|野間ほか|2017|p=23}}。
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== 教育上の問題点 == |
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地理学がカバーする範囲は極めて広く、大学において「地理学科」や「地学科」という名称でなくても改称したり分野別に再編したりして実質的に地理学教育を行っている学科・専攻は少なくない。 |
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⚫ | 地理学の学際性から、[[大学院生]]や[[大学教員]]レベルになると複数の[[学会]]に所属している者が多い。近年は[[地理情報システム]](GIS)を用いた解析や一部モデリングが盛んに行われているほか、社会的課題が複雑化する中において地域を多角的・総合的に理解する学問分野として注目されている。 |
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日本における地理学系学会としては、1925年に[[日本地理学会]]が設立されたのを皮切りに、1948年に[[人文地理学会]]、1954年に[[経済地理学会]]が設立されるなど、多くの学会が存在する。これらの学会は、日本地理学会の﹁[[地理学評論]]﹂や人文地理学会の﹁[[人文地理 (雑誌)|人文地理]]﹂といった[[学術雑誌|学術誌]]を定期的に発行している<ref>﹁人文地理学﹂p4-5 竹中克行・大城直樹・梶田真・山村亜紀編著 ミネルヴァ書房 2009年10月30日初版第1刷発行</ref>。
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=== 初等・中等教育 === |
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{{Main|地理教育}} |
{{Main|地理教育}} |
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現在の日本の[[高等学校]]においては、[[1989年]]告示の[[学習指導要領]]以降、﹁[[地理 (科目)|地理]]﹂が必修でなくなり、﹁[[世界史]]﹂が必修になった影響で﹁地理﹂を選択する生徒が減少し、地理学へ興味・関心を持つ機会が減少している。しかし、﹁大都市圏への一極集中と地方の過疎化﹂﹁農業のグローバル化﹂﹁新興国︵中国やインド︶の発展による世界情勢の変化﹂﹁地球温暖化による異常気象・ヒートアイランド現象﹂﹁自然災害︵地震や津波、洪水︶﹂など地理学がカバーする範囲は極めて広く、大学において﹁地理学科﹂や﹁地学科﹂という名称でなくても改称したり分野別に再編したりして実質的に地理学教育を行っている学科・専攻は少なくない。
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明治維新後、近代学制が整備される中で、地誌を中心とする地理学は[[ナショナル・アイデンティティ|国民意識]]を形成するために重視され、初等・中等教育の科目の1つとされた。これは第二次世界大戦後も変わらず、地理は小学校および中学校では[[社会 (教科)|社会科]]のうちの1つに位置づけられ、高等学校でも科目名に変遷はあれど1つの科目として地理は存在し続けている<ref>﹁地誌学概論 第2版﹂p3-4 矢ヶ崎典隆・加賀美雅弘・牛垣雄矢編著 朝倉書店 2020年2月1日第2版第1刷</ref>。
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⚫ | 地理学の |
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[[高等学校]]においては長らく﹁[[地理 (科目)|地理]]﹂は必修であったが、1970年告示の[[学習指導要領]]以降選択科目の1つとなり、さらに[[1989年]]告示の学習指導要領において﹁[[世界史]]﹂が必修になるとその影響で﹁地理﹂を選択する生徒が減少し、地理学へ興味・関心を持つ機会が減少していた。しかし、2018年告示の学習指導要領において、2022年4月より再び﹁地理﹂が必修化された<ref>https://www.kawai-juku.ac.jp/highschool/analysis/geography-history/geography-01/ ﹁2018︵平成30︶年3月に告示された高等学校学習指導要領の分析報告﹂河合塾 2023年6月23日閲覧</ref>。
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{Reflist|group=注釈}} |
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=== 出典 === |
=== 出典 === |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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*Spiegelman, M. 1968. Introduction to demography. Cambridge, Mass.: Harvard University Press. |
*Spiegelman, M. 1968. Introduction to demography. Cambridge, Mass.: Harvard University Press. |
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*Stamp, D. 1966. Glossary of geographical terms. London: Longmans. |
*Stamp, D. 1966. Glossary of geographical terms. London: Longmans. |
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* {{Citation|和書|author=Susan Mayhew(編)、田辺裕(監訳)|date=2003|title=オックスフォード地理学辞典|publisher=朝倉書店|ref={{SfnRef|田辺|2003}} }} |
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*Thomas, T. L. Jr., ed. 1956. Man's role in changing the face of the earth vols. 2. Chicago: University of Chicago Press. |
*Thomas, T. L. Jr., ed. 1956. Man's role in changing the face of the earth vols. 2. Chicago: University of Chicago Press. |
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*Watts, D. 1971. Principles of Biogeography. Maidenhead : McGraw-Hill. |
*Watts, D. 1971. Principles of Biogeography. Maidenhead : McGraw-Hill. |
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*Wagner, P. L. and Mikesell, M. W. 1962. Readings in cultural geography. Chicago: University of Chicago Press. |
*Wagner, P. L. and Mikesell, M. W. 1962. Readings in cultural geography. Chicago: University of Chicago Press. |
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*{{ |
* {{Citation|和書|author=浮田典良 編|date=2003|title=最新地理学用語辞典|publisher=大明堂|ref={{SfnRef|浮田|2003}} }} |
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* {{Citation|和書|author=海野一隆|date=2004|title=東洋地理学研究 大陸編|publisher=清文堂出版|ref={{SfnRef|海野|2004}} }} |
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⚫ | *{{Cite book|和書|editor=[[野間晴雄]]・[[香川貴志]]・[[土平博]]・[[山田周二]]・[[河角龍典]]・[[小原丈明]]|year=2017|title=ジオ・パルNEO 地理学・地域調査便利帖|edition=第2版|publisher=海青社|isbn=978-4-86099-315-3|ref={{Sfnref|野間ほか|2017}}}} |
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* {{Cite book|和書|editor=[[人文地理学会]]|year=2013|title=人文地理学事典|publisher=丸善出版|isbn=978-4-621-08687-2|ref={{SfnRef|人文地理学会|2013}}}} |
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* {{Citation|和書|author=新村出 編|date=2018|title=広辞苑|edition=第7版|publisher=岩波書店|ref={{SfnRef|広辞苑|2018}} }} |
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* {{Citation|和書|author=辻田右左男|date=1971|title=日本近世の地理学|publisher=柳原書店|ref={{SfnRef|辻田|1971}} }} |
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* {{Cite book|和書|editor=[[中村和郎]]・[[高橋伸夫 (地理学者)|高橋伸夫]]|year=1988|title=地理学への招待|series=地理学講座|publisher=古今書院|isbn=4-7722-1227-2|ref={{Sfnref|中村ほか|1988}}}} |
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* {{Cite book|和書|editor=日本地誌研究所|year=1989|title=地理学辞典 改訂版|publisher=二宮書店|isbn=4-8176-0088-8|ref={{SfnRef|日本地誌研究所|1989}}}} |
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⚫ | * {{Cite book|和書|editor=[[野間晴雄]]・[[香川貴志]]・[[土平博]]・[[山田周二]]・[[河角龍典]]・[[小原丈明]]|year=2017|title=ジオ・パルNEO 地理学・地域調査便利帖|edition=第2版|publisher=海青社|isbn=978-4-86099-315-3|ref={{Sfnref|野間ほか|2017}}}} |
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* {{cite journal|和書|ref={{sfnref|益田|2015}}|author=益田理広|title=中国哲学における「地理」概念の変遷―宋代易学に着目して―|journal=日本地理学会発表要旨集|volume=2015年度日本地理学会春季学術大会|issue=|pages=1|year=|issn=}} |
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* {{cite journal|和書|ref={{sfnref|益田|2018}}|author=益田理広|title=唐宋易学における「地理」の語義の変遷|journal=地理空間|volume=11|issue=1|pages=19-46|year=2018|issn=}} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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|d=Q1071 |
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* [[地図の一覧]] |
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* [[国の一覧]] |
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* [[地球科学]] |
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* [http://www.ajg.or.jp/union/ 地理関連学会連合] |
* [http://www.ajg.or.jp/union/ 地理関連学会連合] |
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* [http://www.igu-online.org/ 国際地理学連合(IGU)] |
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2024年4月27日 (土) 10:35時点における最新版
名称[編集]
﹁地理﹂の語源と語義[編集]
地理学の﹁地理﹂は、古代中国で記された﹃易経﹄の﹁周易﹂本文に対する孔子の注釈、﹁十翼﹂中の一篇﹁繋辭上傳﹂に由来する[4]。ただし、易経における﹁地理﹂について、辻田右左男は﹁ただちに今日的意味で理解するのはやや早計﹂としており[5]、海野一隆は後世における使用例から、客観的な地誌的記述と占い的な風水的記述をあわせ持った曖昧な概念であると指摘する[6]。実際に、当時の﹁地理﹂の語義は﹁周易﹂に施された無数の注釈において様々に論じられており、漢字文化圏において geography[注釈 1]が﹁風土記﹂ではなく﹁地理学﹂と訳された要因もこうした注釈書に求められる[8]。 辻田によれば、現代の﹁地理学﹂の語源である﹁地理﹂概念を分析するのであれば、その学史的な淵源に遡る必要があり、その淵源は少なくとも合理的な朱子学的教養を備えた江戸時代の儒学者に求められるという[5]。これを受け、益田理広は、朱子学における﹁地理﹂の語義の把握に努めた。益田によると、﹃易経﹄の注釈において定義されなかった唐以前、﹁地理﹂は漠然と地形や植生を表す語に過ぎなかった。しかし唐代に入ると、﹁地理﹂は①地形や植生間の規則的な構造︵孔穎達による︶、②知覚可能な物質現象たる﹁気﹂の下降運動︵李鼎祚による︶とする二説により明確に定義される。続く宋代には﹁地理﹂の語義も複雑に洗練され、﹁地理﹂を①位置や現象の構造とする説、②認識上の区分に還元する説、③形而上の原理の現象への表出とする説、④有限の絶対空間とする説などが相次いで生まれた[9]。また、唐代においては風水思想を扱うものも﹁地理書﹂の呼称を得ており、宋代には地誌に当たらない﹁地理書﹂の存在も一般化している[10]。このように、唐以降の中国では﹁地理﹂概念を巡って多様な議論が展開された。﹁地理学﹂の定義[編集]
﹁地理﹂概念と同様に、﹁地理学﹂に対する解釈も多様である。地理学は時代によって、概念や扱う領域が大きく変わってきたことで、現在でも一定の定義を与えることは困難である。実際、地理学は﹁人類の生態学﹂、﹁分布の科学﹂、﹁土地と人間の関係学﹂であると主張する者もいる[7]。オックスフォード地理学辞典によれば、地理学が辿った紆余曲折を統括できる定義を見出すのは無謀とするものの、ラルフ・リントンが唱えた﹁地理学は﹃景観の研究﹄である﹂という見解が地理学者の関心を最も統合できると述べている[11]。他方で地理学辞典では、多くの地理学者は﹁地球表面を、その地域的差異という観点から研究するのが地理学﹂という思想に一致するという[7]。また、最新地理学用語辞典では地理学を﹁地表の自然・人文にわたる諸現象を、環境・地域・空間などの概念に基づいて解明しようとする学問﹂とする[12]。 このような地表の諸現象を究明しようとする系統地理学の方向性に対して、﹁自然・人文にわたる諸現象の相互関係を総合的に研究して、地域的性格を究明する地誌学が真の地理学である﹂と主張する者もいる[7]。同様に、20世紀以降のフランス地理学派やバークレー学派も地理学を﹁地域の研究である﹂とみなし、常に人間と物理的環境との相互作用に重点を置いていた[11]。この系統地理学と地誌学の定義を統合して、例えば広辞苑では地理学を﹁地球の表面と住民の状態ならびにその相互作用を研究する学問﹂としている[13]。歴史[編集]
下位分野[編集]
地理学は、大きく系統地理学と地誌学に分類され、系統地理学はさらに自然地理学と人文地理学に分けられ[26][27]、それぞれがまた細かく分類される。ただし、自然地理学の諸分野は地球科学の影響を受け、その中でも時に生態学や気象学、地質学などと連携されることが多い。人文地理学は歴史学・社会学・経済学などの近隣分野の影響を受け、それらの知識ならびに隣接分野の理論の十分な理解が要求される学問である。また、自然地理学・人文地理学ともに現地調査︵フィールドワーク︶やエクスカーション︵巡検とも呼ぶ︶を実施し、実地調査に基づく観察を重視する傾向があるのが特徴である。系統地理学[編集]
自然地理学[編集]
自然地理学に該当するもの。大気圏を扱う気候学、水圏を扱う水文学、地表圏を扱う地形学、生物圏を扱う生物地理学、土壌圏を扱う土壌地理学、そして雪氷圏を扱う雪氷地理学といった専門分野に分かれており、また第四紀学のように学際的な研究分野も多く存在する[28]。いずれの場合も、学問上で厳格な線引きは存在せず、例えば気候地形学のような自然地理学の中でも分野のまたがった研究も往々にされている。ほとんどの場合、これらの学問成果をあげるには、現地調査︵フィールドワーク︶が要求される。 気候学 主に気候と人々との関係を考察する。都市気候、ヒートアイランド、エルニーニョなどもこの分野で扱う。 水文学 湖沼や川、地下水を主な研究対象とする。 地形学 あらゆる地形の成因、変遷などを考察。対象は山地、丘陵、平野など。 植生地理学 植生分布に関する地理学。フィールドワークによる場合と、花粉分析法を用い、泥層などから採取した花粉の年代測定をし、解明していく方法がある。 動物地理学 動物の生態・分布に関する地理学。生態学と密にしている場合が多い。植生地理学などと共にしばしば生物地理学と総称されることも。 土壌地理学 土壌に関する地理学。第四紀学などと連携を密にすることが多い。 第四紀学 主に第四紀の間に起きた環境の変遷、氷期/間氷期︵第四紀氷河時代︶の問題などを取り扱う。人文地理学[編集]
人文地理学に該当するもの。これらもほとんどの場合、学問成果をあげるには、現地調査︵フィールドワーク︶が要求される。いずれの場合も、学問上で完全に独立しているわけではなく、例えば都市地理学と経済地理学の複合分野を研究対象にするということも可能である。 経済地理学 経済活動の空間的異質性を説明する地理学。各種産業に注目した産業地理学︵農業を扱う農業地理学、工業を扱う工業地理学、商業を扱う商業地理学などがある︶、消費者行動に注目した消費地理学、産業等の立地展開に注目した経済立地論などが主要なテーマ。これらは、人文地理学の中でも議論されることが多い分野である。そのほかの分野として、近年、英米の地理学者を中心に、小売の立地的側面、金融的側面、消費者行動的側面など小売業を多面的に扱った新しい小売業の地理学や、経済活動の文化的側面に注目する傾向、そして、グローバルな経済活動がもたらすさまざまの問題を帝国主義や世界覇権とのかかわりで論ずる批判地理学が現れている。だが日本ではこの分野の研究者は少なく、発展途上の段階にある。経済地理学は地理学の専売特許ではなく、経済学においても研究されている。 社会地理学 社会階層や社会構造など社会学に関するテーマに対する地理学。具体的には、民族問題や過疎・過密、女性問題や共同体の問題などを扱う。 政治地理学 政治に関する地理学。過去には、軍事侵略や植民地に関するテーマを扱っていた。現在は、学区域の問題や国政や地方行政や国際関係と地理との関係を主流にする。最近では、地理学で政治を扱うと、学問の性質上、地方自治に焦点があてられることが多いので、この分野を敢えて行政地理学という表現をすることもあったが、近年では、国際的な政治の問題も、新しい地政学などとしてしばしば取り上げられる。 都市地理学 都市特有の現象を扱う地理学。交通網・移動、犯罪・非行や、都心・郊外に関するテーマなどを扱う。経済地理学・社会地理学と連携を密にすることが多い。また、都市計画学、都市工学、都市社会学などの分野ともしばしば連携される。 歴史地理学 地理学では、通常時間軸は現在であるが、歴史地理学は過去である[29]。歴史的な現象・事柄の文献学的な意義のみならず、地理学的な意義を求める分野である。歴史学の一分野としても扱われるが、通常は地理学の分野である。民俗学と連携をとることもある。 文化地理学 文化や風俗を扱った地理学。宗教施設や、祭りなどを考察対象とする。民俗学・文化人類学・社会学などとの連携をとることもある。 宗教地理学 宗教に関する地理学。地理学では、多くは宗教の教義や思想的なアプローチは行わず、宗教の社会的・文化的役割とその関係を見ることがほとんどである。上記、文化地理学の一分野でもある。 人口地理学 人口現象の地理的分布や移動から地域構造を理解することを目標とする[30]。人口分布︵人口規模の空間的パターン︶、人口構造の空間的パターン、人口変動の空間的パターン、人口移動などを研究対象とする[31]。 集落地理学 人間の居住形態である集落というものに対する地理学。大きな括りをすれば、農村地理学や都市地理学もこの一分野である。 農村地理学 農村に関する地理学。集落地理学や農業地理学との連携が大きい。 交通地理学 交通に関する地理学。交通網の発達と立地展開の関係、日々の人々の移動に関する研究などを扱う。計量的に分析することが多く、鉄道網や道路網に対する知識や関心はその前提と見なされている。都市地理学や経済地理学などとの連関が多い。 医学地理学 伝染病・風土病などの疾病の地理的な分布・伝播を扱った地理学。医学の専門的な知識を求められるため、地理学の一部門でありながら、人文地理学で論じられることは稀である。 言語地理学 言語や方言に関する地理学。方言の分布などを探る。ただし、社会言語学的な性質が強く、人文地理学の一分野と見る論者は少ない。また、議論になることも稀である。 軍事地理学 軍事に関する地理学。第二次世界大戦で地理学の軍事作戦への応用が進み、確立される。 他分野においても、生物学の生物地理学など地理学という名をもつ学問がある。地誌学[編集]
地誌学︵地域地理学︶は、ある特定された地域内における地理学的事象を自然地理・人文地理両方の見地から研究する学問である[32]。自然地理・人文地理にかかわらず、実際に研究する際は、具体的な地域を選定しなくてはならないため、ひとつの専門分野というよりは地理学の共通基礎部分と認識されている。文学や国際関係学方面の地域研究︵学︶との共通点もある。研究方法[編集]
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日本の地理教育・研究[編集]
高等教育[編集]
初等・中等教育[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ 「報告 大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 地理学分野」平成26年(2014年)9月30日 日本学術会議 地域研究委員会・地球惑星科学委員会合同 地理教育分科会 2023年1月15日閲覧
- ^ a b “公益社団法人日本地理学会『新ビジョン(中期目標)』” (PDF). 2018年7月7日閲覧。
- ^ “地理学科の内容|文学部|法政大学”. 2018年9月21日閲覧。
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- ^ 「世界市民の地理学 Geographies for Cosmopolitan」p7-8 野尻亘・古田昇著 晃洋書房 2006年4月10日初版第1刷発行
- ^ 「地理学概論」(地理学基礎シリーズ1)p4 上野和彦・椿真智子・中村康子編著 朝倉書店 2007年4月25日初版第1刷
- ^ 「地理学概論」(地理学基礎シリーズ1)p5 上野和彦・椿真智子・中村康子編著 朝倉書店 2007年4月25日初版第1刷
- ^ 「世界市民の地理学 Geographies for Cosmopolitan」p13-14 野尻亘・古田昇著 晃洋書房 2006年4月10日初版第1刷発行
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- ^ 「地誌学概論 第2版」p3 矢ヶ崎典隆・加賀美雅弘・牛垣雄矢編著 朝倉書店 2020年2月1日第2版第1刷
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- ^ 「マシューズ&ハーバート 地理学のすすめ」p44-47 ジョン・A・マシューズ、デイヴィット・T・ハーバート著 森島済・赤坂郁美・羽田麻美・両角政彦訳 丸善出版 平成27年3月25日発行
- ^ 「人文地理学」p181-182 竹中克行・大城直樹・梶田真・山村亜紀編著 ミネルヴァ書房 2009年10月30日初版第1刷発行
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