新選組!

新選組!︵しんせんぐみ︶は、NHKが2004年に放送したNHK大河ドラマである。放送期間は2004年 1月11日～12月12日。作・脚本は三谷幸喜。主演は香取慎吾。香取が言うには最後に﹁っ﹂を入れて欲しいらしい。

作品背景と反響

脚本家の三谷が近藤勇を主人公に幕末動乱と新選組を題材に描いた。近藤と坂本龍馬や桂小五郎が江戸で知り合っているなど、史実をもとに様々な脚色を施し娯楽性やストーリー性を高めている。大河ドラマとしては11年ぶりにテーマ曲に歌詞がつけられた。この歌詞は脚本の三谷が手がけた。放送の途中の回からは歌詞に字幕が表示されるようになった。積極的に若手や舞台俳優を起用し、また大河ドラマとしては異色な面白さから根強いファンを得たが、従来の大河ドラマの視聴者層である高齢者層からはあまり受け入れられなかった。平均視聴率は17.4%と低迷に苦しんだが、従来の大河ドラマと異なり、一人一人のキャラクターを丁寧に、心をこめて描いた点では大変な評価に値する。新選組!のその後︵戊辰戦争︶のストーリーが2006年1月1日放送予定の正月スペシャルドラマとして、大河ドラマでは異例の続編の制作予定が発表された。作・脚本は三谷幸喜。主演は山本耕史。香取慎吾も出演する予定。香取が出演するテレビ朝日の番組﹃SmaSTATION-4﹄に出演者が︵新選組隊士と三谷︶集合し、トークをするという異例のこともあった。﹃SMAP×SMAP﹄や﹃森田一義アワー笑っていいとも!﹄で香取が新選組の格好で登場したこともある︵前者では、三谷が台本を書いた﹁局長！﹂というコントまで作られた︶。この作品をきっかけとし、堺雅人や山本耕史などの劇団出身の俳優が注目を集めた。

スタッフ

脚本・・・三谷幸喜
音楽・・・服部隆之　
テーマ音楽演奏・・・NHK交響楽団
テーマ音楽指揮・・・広上淳一
テノール独唱・・・ジョン・健・ヌッツォ
演奏・・・フェイス・ミュージック
時代考証・・・大石学、山村竜也
建築考証・・・平井聖
衣装考証・・・小泉清子
音楽考証・・・奥中康人
殺陣武術指導・・・林邦史朗
所作指導・・・西川箕乃助
邦楽指導・・・本条秀太郎
資料提供・・・三野行徳
題字・・・荻野丹雪
版画・・・木田安彦
京ことば指導・・・井上裕季子
土佐ことば指導・・・岡林桂子
薩摩ことば指導・・・西田聖志郎
御所ことば指導・・・堀井令以知
協力・・・京都府、京都市、東京都調布市・日野市、茨城県、千葉県、神奈川県小田原市、大本山金戒光明寺
制作統括・・・吉川幸司
演出・・・放送日程に記載
語り・・・小寺康雄（オープニング）、伊東敏恵（本編後の新選組を行く）

出演　

新選組

新選組

局長島崎勝太→近藤勇（大久保大和）（香取慎吾）
副長土方歳三（内藤隼人）（山本耕史）
副長→総長山南敬助（堺雅人）
一番組長沖田惣次郎→沖田総司（田辺季正→藤原竜也）
二番組長永倉新八（山口智充（DonDokoDon））
三番組長山口一→斎藤一（オダギリジョー）
六番組長井上源三郎（小林隆）
八番組長藤堂平助（中村勘太郎）
十番組長原田左之助（山本太郎）
四番組長松原忠司（甲本雅裕）
五番組長武田観柳斎（八嶋智人）
七番組長谷三十郎（まいど豊）
副長助勤尾形俊太郎（飯田基祐）
伍長島田魁（照英）
伍長葛山武八郎（平畠啓史（DonDokoDon））
監察山崎烝（桂吉弥）
勘定方河合耆三郎（大倉孝二）
大阪屯所隊長谷万太郎（若松力）
平隊士谷昌武→谷周平⇔近藤周平（浅利陽介）
諸士取扱・監察大石鍬次郎（根本慎太郎）
副長助勤浅野薫（中村俊太）
諸士取扱・監察尾関雅次郎（熊面鯉）
副長助勤安藤早太郎（河西祐樹）

水戸

筆頭局長芹沢鴨（佐藤浩市）
局長→副長新見錦（相島一之）
副長助勤平間重助（剛州）
副長助勤平山五郎（坂田聡）
副長助勤野口健司（岡本幸作）
副長助勤佐伯又三郎（松谷賢示）

御陵衛士

参謀伊東大蔵→伊東甲子太郎（谷原章介）
九番組長三木三郎（平泉陽太）
伍長加納鷲雄（小原雅人）
監察篠原泰之進（小梶直人）
監察服部武雄（梶浦昭生）

浪士組

浪士組同志殿内義雄（生瀬勝久）
浪士組同志家里次郎（おおた慶文）
浪士組同志根岸友山（奥村公延）
浪士組同志粕谷新五郎（伊吹吾朗）
浪士組同志祐天仙之助（渡部雄作）
浪士組同志大村達尾（江畑浩規）
浪士組同志池田徳太郎（野中功）
浪士組同志村上俊五郎（立川政市）
浪士組同志阿比留鋭三郎（矢部太郎）（カラテカ）

※映画『壬生義士伝』で佐藤浩市は斎藤一を、堺雅人は沖田総司を演じている。堺雅人の本作山南役のオファーは映画撮影中であった。

多摩の人々

近藤勇の養父近藤周助→近藤周斎（田中邦衛）
近藤勇の養母近藤ふで（野際陽子）
近藤勇の妻近藤つね（田畑智子）
近藤勇の娘近藤たま（山城毬花→鎗田千裕→松元環季）
沖田総司の姉沖田みつ（沢口靖子）
沖田総司の義兄沖田林太郎（日野陽仁）
近藤勇の兄宮川音五郎（阿南健治）
多摩の名主小島鹿之助（小野武彦）
土方歳三の兄土方為次郎（栗塚旭）
土方歳三の義兄佐藤彦五郎（小日向文世）
土方歳三の姉佐藤のぶ（浅田美代子）
近藤勇の幼馴染滝本捨助（中村獅童）
滝本捨助の父滝本繁蔵（沼田曜一）
土方歳三の行商仲間ひも爺（江幡高志）
つねの父松井八十五郎（浅沼晋平）
つねの母松井きぬ（芦沢孝子）
ふでの古い友人なつ（岩崎加根子）
土方歳三の元彼女おしず（乙葉）
紅組総大将萩原糺（榎木兵衛）
土方歳三の許婚お琴（田丸麻紀）
沖田の療養先植木屋平五郎（島田順司）

※滝本捨助は実在の人物・松本捨助をモデルにしている

※土方歳三の兄を演じた栗塚旭と沖田の療養先の植木屋を演じた島田順司は以前NET･東映の『新選組血風録』でそれぞれ土方歳三と沖田総司を演じている。

京の人々

壬生の郷士八木源之丞（伊東四朗）
源之丞の妻八木雅（松金よね子）
雅の母八木久（正司歌江）
源之丞の娘八木ひで（八木秀二郎）（吹石一恵）
源之丞の息子八木為三郎（巻嶋一将）
八木家奉公人房吉（星ルイス）
医師孝庵（笹野高史）
西本願寺僧侶（大門伍朗）
西本願寺侍臣西村兼文（本間憲一）

※八木家には子女がいたらしいが、この娘は亡くなっている。その時の葬儀において、近藤と芹沢が帳場をしきった、という記録があるので、この子女と、エピソードを元に﹁ひで﹂と﹁久﹂が誕生したと思われる。また、﹁ひで﹂が男装した時に名乗った﹁八木秀二郎﹂は、八木源之丞の長男の名で、実在の人物。

京の女衆

近藤勇の愛人お幸⇔深雪太夫（枚田菜々子→優香）
桂小五郎の妻幾松（菊川怜）
坂本龍馬の妻おりょう（麻生久美子）
寺田屋女将お登勢（戸田恵子）
芹沢鴨の愛人お梅（鈴木京香）
原田左之助の妻まさ（はしのえみ）
永倉新八の愛人小常→おその（小西美帆）
山南敬助の愛人明里（鈴木砂羽）
千波甲太郎の妻お初（清水美那）
深雪太夫の妹お孝（金子莉菜→優香）

当時の著名な人物

土佐藩士坂本龍馬（江口洋介）
長州藩士桂小五郎→木戸貫治→木戸孝允（石黒賢）
兵学者佐久間象山（石坂浩二）
福井藩士橋本左内（山内圭哉）
水戸脱藩広岡子之次郎（橋本じゅん）
出羽郷士清河八郎（白井晃）
おその許婚市川宇八郎→芳賀宜道（八十田勇一）
土佐藩士武市半平太（デビット伊東）
土佐脱藩望月亀弥太（三宅弘城）
長州藩士久坂玄瑞（池内博之）
久留米脱藩真木和泉（大谷亮介）
土佐脱藩北添佶磨（松井工）
肥後脱藩宮部鼎蔵（四方堂亘）
近江郷士古高俊太郎（中山俊）
長州藩士吉田稔麿（佐藤一平）
薩摩藩士大島吉之助→西郷吉之助（宇梶剛士）
肥後藩士河上彦斎（高杉亘）
長州藩士寺島忠三郎（加藤大治郎）
長州藩士入江九一（渡辺航）
長州脱藩千波甲太郎（宅間孝行）
薩摩藩士大久保一蔵（保村大和）
土佐脱藩中岡慎太郎（増沢望）
薩摩藩士黒田了介（峯尾進）
薩摩藩士有馬藤太（古田新太）
新政府軍・軍監香川敬三（松本きょうじ）
土佐藩士谷守部（粟根まこと）
絵師板倉槐堂（舟田走）

※坂本龍馬役の江口洋介は、三谷幸喜原作・脚本：映画「竜馬の妻とその夫と愛人」で竜馬にあこがれ、竜馬にそっくりの愛人・虎蔵を演じており、「新選組!」で龍馬役に抜擢された際、「やっと本人になれた」と言っている。

会津藩

京都守護職・会津藩主松平容保（筒井道隆）
会津藩小用方広沢富次郎（矢島健一）
会津藩小用方秋月悌次郎（堀部圭亮）
会津藩小用人小森久太郎（荒木優騎）
京都所司代・桑名藩主松平定敬（高橋一生）

幕府

京都見廻組隊長佐々木只三郎（伊原剛志）
海軍総裁勝海舟（野田秀樹）
幕臣山岡鉄太郎→山岡鉄舟（羽場裕一）
浪士組取扱鵜殿鳩翁（梅野泰靖）
講武所教授方→浪士組取扱松平主税助→松平上総介（藤木孝）
大坂西町奉行所与力内山彦次郎（ささきいさお）
幕府医師松本良順（田中哲司）
大目付永井尚志（佐藤B作）
第15代将軍徳川慶喜（今井朋彦）
海軍奉行榎本武揚（草彅剛）（友情出演）
菜葉隊隊長・小松（ビビる大木）（友情出演）

※史実上の菜葉隊は、横浜居留地の警備を担当していた旗本部隊（結成は新選組より早い）を母体とする集団であるが、ビビる大木が演じた小松は三谷の創作。

※テレビドラマ『壬生義士伝』で伊原剛志は土方歳三を演じている。

朝廷

第121代天皇孝明天皇（中村福助）
公家岩倉友山（中村有志）
第122代天皇明治天皇（中川景四）
公家中山忠能（仲恭司）
皇族中川宮（浜口悟）

町衆

ヒュースケンの恋人お富（木村多江）
大坂小野川部屋親方小野川親方（瑳川哲朗）
小野川力士熊川熊五郎（舞の海秀平）

※瑳川哲朗はNHK大河ドラマの「三姉妹」（1967年）で近藤勇を演じている。

異国人

アメリカ総領事ハリス（マーティ・キーナート）
アメリカ公使館書記ヒュースケン（川平慈英）
イギリス水兵（ケン・コーガー）
イギリス水兵（マシュー）

放送

放送日程

第1回と最終回は1時間拡大版である。第27回は参議院選挙特番のため地上波7:15～8:00の放送だった。

放送回	放送日	題	演出	視聴率（ビデオリサーチ調べ）
第1回	2004年1月11日	黒船が来た	清水一彦	26.3%
第2回	2004年1月18日	多摩の誇りとは	清水一彦	23.9%
第3回	2004年1月25日	母は家出する	清水一彦	20.3%
第4回	2004年2月1日	天地ひっくり返る	清水一彦	20.6%
第5回	2004年2月8日	婚礼の日に	清水一彦	20.4%
第6回	2004年2月15日	ヒュースケン逃げろ	伊勢田雅也	19.9%
第7回	2004年2月22日	祝四代目襲名	伊勢田雅也	19.7%
第8回	2004年2月29日	どうなる日本	伊勢田雅也	18.5%
第9回	2004年3月7日	すべてはこの手紙	伊勢田雅也	19.8%
第10回	2004年3月14日	いよいよ浪士組	伊勢田雅也	15.6%
第11回	2004年3月21日	母上行って来ます	清水一彦	17.5%
第12回	2004年3月28日	西へ！	清水一彦	14.0%
第13回	2004年4月4日	芹沢鴨、爆発	伊勢田雅也	15.6%
第14回	2004年4月11日	京へ到着	伊勢田雅也	14.4%
第15回	2004年4月18日	行くか、残るか	清水一彦	17.6%
第16回	2004年4月25日	一筆啓上、つね様	清水一彦	16.6%
第17回	2004年5月2日	はじまりの死	伊勢田雅也	15.6%
第18回	2004年5月9日	初出動！壬生浪士	伊勢田雅也	15.4%
第19回	2004年5月16日	通夜の日に	吉田浩樹	15.5%
第20回	2004年5月23日	鴨を酔わすな	吉田浩樹	15.3%
第21回	2004年5月30日	どっこい事件	清水一彦	14.2%
第22回	2004年6月6日	屋根の上の鴨	伊勢田雅也	17.9%
第23回	2004年6月13日	政変、八月十八日	伊勢田雅也	16.8%
第24回	2004年6月20日	避けては通れぬ道	清水一彦	17.8%
第25回	2004年6月27日	新選組誕生	清水一彦	19.3%
第26回	2004年7月4日	局長近藤勇	伊勢田雅也	17.4%
第27回	2004年7月11日	直前、池田屋事件	伊勢田雅也	13.4%
第28回	2004年7月18日	そして池田屋へ	清水一彦	16.6%
第29回	2004年7月25日	長州を討て	山本敏彦	14.4%
第30回	2004年8月1日	永倉新八、反乱	山本敏彦	17.6%
第31回	2004年8月8日	江戸へ帰る	伊勢田雅也	16.5%
第32回	2004年8月15日	山南脱走	伊勢田雅也	14.8%
第33回	2004年8月22日	友の死	伊勢田雅也	16.1%
第34回	2004年8月29日	寺田屋大騒動	山本敏彦	18.1%
第35回	2004年9月5日	さらば壬生村	山本敏彦	18.7%
第36回	2004年9月12日	対決見廻組！	伊勢田雅也	16.0%
第37回	2004年9月19日	薩長同盟締結！	清水一彦	15.9%
第38回	2004年9月26日	ある隊士の切腹	山本敏彦	16.2%
第39回	2004年10月3日	将軍、死す	伊勢田雅也	14.5%
第40回	2004年10月10日	平助の旅立ち	清水一彦	14.2%
第41回	2004年10月17日	観柳斎、転落	小林大児	16.0%
第42回	2004年10月24日	龍馬暗殺	清水一彦	16.5%
第43回	2004年10月31日	決戦、油小路	伊勢田雅也	19.6%
第44回	2004年11月7日	局長襲撃	土井祥平	17.9%
第45回	2004年11月14日	源さん、死す	清水一彦	16.0%
第46回	2004年11月21日	東へ	清水一彦	18.5%
第47回	2004年11月28日	再会	清水一彦	17.3%
第48回	2004年12月5日	流山	吉川邦夫	16.2%
最終回	2004年12月12日	愛しき友よ	清水一彦	21.8%

新選組！スペシャル

2004年12月26日、29日に放送された。一般に言う大河ドラマの総集編のことである。

第1部「武士になる！」
第2部「新選組誕生」
第3部「愛しき友よ」

メインの隊士達が私服で登場し対談。

あなたのアンコール2004

2004年12月30日に放送された。

どんとこい新選組！隊士座談会
新選組！友の死

堺雅人のメッセージがあった。

ソフトウェア

NHK大河ドラマ・ストーリー

新選組！　前編・後編

CD

NHK大河ドラマ新選組！　オリジナル・サウンドトラック - ユニバーサルミュージック株式会社

DVD

外部リンク

昨年:
武蔵 MUSASHI

NHK大河ドラマ一覧

次年:
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