ヘルヘイム
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/bd/Hermodr.jpg/250px-Hermodr.jpg)
ヘルヘイム︵古ノルド語: Helheim︶は、北欧神話に登場する世界のひとつで、ロキの娘・ヘルが治め、ユグドラシルの地下にあるといわれる死者の国。三層構造の世界の一番下の層である。
時に﹁ヘル﹂︵﹃アルヴィースの言葉﹄第32節[1]など︶、﹁ニヴルヘル﹂︵﹃ヴァフスルーズニルの言葉﹄第43節[2]など︶とも呼ばれる。
ヘル︵ヘルヘイム︶は霧の世界であるニヴルヘイムの一部だが、ニブルヘイム全体と同一視されることもある。
注意すべき点は、英語のヘル︵地獄︶とは違い、北欧神話のヘル︵ヘルヘイム︶は、あくまでヴァルハラに行か︵け︶なかった一般的死者︵病気や老衰や無抵抗で殺された者=﹁藁の上の死﹂という不名誉な死に方をした者︶が赴く冥府であり、刑罰がある地獄ではないということである。
ニブルヘイムの中央には、煮えたぎるフウェルゲルミルの泉があり、怪物ニーズホッグがいる。泉からは、スヴォル川、グンスラー川、フィヨルム川、フィンブルスル川、スリーズ川、フリーズ川、シュルグ川、ユルグ川、ヴィーズ川、ギョッル川、が流れ出ている。
このうちギョッル川には、︵暗く深い谷から続く先にある︶黄金の橋が架かっており、モーズグズという処女の門番が見張りをしている。死者達は皆この橋を渡ってヘル︵ヘルヘイム︶に赴く。
ヘル︵ヘルヘイム︶はそこからさらに下って北方にある。そこに女神ヘルの住むエリューズニルという巨大な館がある。館は高い垣根で囲まれており、垣根の入り口には大きな門があり、ガルムという怪物の番犬がいる。この垣根の内側が︵狭義の︶ヘル︵ヘルヘイム︶である。
ヘル︵ヘルヘイム︶のさらに下には、ニヴルヘルという冥界があり、悪い人間が死後に送られるとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。