エイル
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エイル︵古ノルド語: Eir︶は、古ノルド語で﹁援助﹂や﹁慈悲﹂[1]
という意味のある、北欧神話に登場するアース神族の女神である[2]。古エッダでは﹁最良の医者﹂とされている。エイルはまたワルキューレの一人でもあり、死者を蘇らせる能力と結びつけられている。彼女は全ての治療に精通しているが、特に薬草に詳しく、死者を復活させることもできたという。また彼女はリュヴィヤ山 (Lyfjaberg) に住み、フリッグの召使もしていた。また古エッダに収められる﹃スヴィプダーグの歌﹄(en)という詩では、霜の巨人メングロズ(en)の召使とされている。
医師の長として、エイルは医療従事者の後援者となっていた。彼女は、肉体的な治療だけではなく、精神、感情、霊的な治療も行っていたとされる。彼女は、訪ねてくる全ての患者に治療を施したが、秘術を授けたのは女性だけだった。そのため、スカンディナヴィアでは女性だけが治療術を知ることとなった。
エイルはスノッリ・ストゥルルソンの﹃エッダ﹄にも少しだけ触れられている。彼女は、女神が列挙される中でも3番目に名前を挙げられ、﹁すぐれた医者﹂だと紹介される[2]。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- G. ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
- Orchard, Andy (1997). Dictionary of Norse Myth and Legend. Cassell. ISBN 978-0-304-34520-5.