ギンヌンガガプ
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ギンヌンガガプ[1]︵Ginnungagap[2]、ギンヌンガ・ガップとも︶とは、北欧神話に登場する、世界の創造の前に存在していた巨大で空虚な裂け目のことである。
日本語訳ではギンヌンガの淵︵ギンヌンガのふち︶、ギンヌンガの裂け目︵ギンヌンガのさけめ︶という表記もみられる。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8b/Imir.jpg/180px-Imir.jpg)
殺害されたユミル。︵イメージイラスト︶
ギンヌンガガプの北からは激しい寒気が、南からはムスペルヘイムの耐え難い熱気が吹きつけている。世界の始まりの時において、寒気と熱気がギンヌンガガプで衝突した。熱気が霜に当たると、霜から垂れた滴が毒気 (Eitr) となり、その毒気はユミルという巨人に変じた。このユミルは全ての霜の巨人︵ヨトゥン︶たちの父となり、またのちに殺され彼の肉体によって世界が形作られることとなる。滴からは牝牛のアウズンブラも生まれ、ユミルはアウズンブラから流れ出る乳を飲んで生き延びた。アウズンブラは氷をなめ、そのなめた部分からブーリが生まれた。北欧神話の主神であるオーディンはブーリの孫にあたる。のちにオーディンらによってユミルが殺されたときに、ギンヌンガガプはユミルの血で満たされたという。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8b/Imir.jpg/180px-Imir.jpg)
脚注
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(一)^ ﹁ギンヌンガガプ﹂の表記は菅原 (1984) p. 319︵索引︶などにみられる。谷口訳 (1973) p. 227, 230, 236︵ ﹃ギュルヴィたぶらかし﹄第5章、第8章、第15章︶; p. 9︵﹃巫女の予言﹄第3詩節︶などでは﹁奈落の口﹂と訳出されている。
(二)^ “ginnungagap sb. n. (ONP)”. Dictionary of Old Norse Prose. コペンハーゲン大学. 2023年10月8日閲覧。
参考文献
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●Kevin Crossley Holland ﹃The Norse Myths﹄
●G・ネッケル; H・クーン; A・ホルツマルク; J・ヘルガソン 編、谷口幸男 訳﹃エッダ 古代北欧歌謡集﹄新潮社、1973年8月30日。ISBN 978-4-10-313701-6。
●菅原, 邦城﹃北欧神話﹄東京書籍、1984年。全国書誌番号:85011498。