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曲の構成[編集]
●第1楽章 - Andante 変ロ長調、4分の3拍子。ソナタ形式。
第1主題は4分の3拍子を基本としながらも、実際は変拍子に近い。同時に旋律も様々な楽器に受け継がれていく。第2主題は4分の4拍子で、構成面・音響面ともに第1主題と対比されている。
●第2楽章 - Allegro marcato ニ短調、4分の4拍子。三部形式。
プロコフィエフの得意な弦楽器のスケルツォ。オスティナート的な弦楽器のスタッカートに載って、軽快な主題とリズムが展開される。トリオはニ長調となり、その主部は4分の3拍子でさらに軽快である。回帰したスケルツォでは、はじめに比べ調の変化が激しい。最後はその勢いを保ったまま強奏で終わる。
●第3楽章 - Adagio ヘ長調、4分の3拍子。三部形式。
前楽章とは対照的に抒情的で落ち着いた歌謡的な主題を持つ。主部は広い音域をもった美しい旋律で、長いフレーズの中で様々な楽器に紡がれてゆく。中間部は第55小節から始まり、葬送行進曲風の楽節を内包している。
●第4楽章 - Allegro giocoso 変ロ長調、2分の2拍子。ロンド形式。A-B-A-C-A-Coda
序奏の後、第1楽章の主題を4声のチェロで回想され、生き生きとした主部に入る。第1副主題はフルートにより奏される。第二副主題部では、ブラームスの交響曲第1番終楽章のフーガにも似た展開が行われる。コーダでは、この楽章の3つの主題が展開され、終わり直前に突然各楽器を1人に絞って音量を絞ったのち、一気に盛り上げて変ロのトゥッティで終わる。
(一)^ 田代薫訳﹃プロコフィエフ 自伝/随想集﹄音楽之友社、2010年、223ページ
外部リンク[編集]
●交響曲第5番 作品100の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト。PDFとして無料で入手可能。