佐藤誠実
佐藤 誠実︵さとう じょうじつ/のぶざね、1839年12月28日︵天保10年11月13日︶- 1908年︵明治41年︶3月31日︶は、幕末から明治時代の国学者である[1][2]。幼名は造酒、号は黙齋[1][2]。
経歴・人物[編集]
江戸の浅草︵東京市浅草区北清島町、現在の台東区︶の浄土真宗大谷派正行寺にて生まれる[2][3]。幼年期より同寺院の住職となった[4]。後に和漢の学問について学び始め[2]、漢学を安積艮斎に、国学を黒川春村から学んだ[3][1][2]。 明治維新により1872年︵明治5年︶に文部省︵現在の文部科学省︶に入省し[1]、後に帝国議会の前身である元老院で勤め始めた[4]。1880年︵明治13年︶には廣池千九郎らと共に﹃古事類苑﹄全355冊の編纂に携わり[3]、1895年にこの事業が神宮司庁に継承されたことで編纂長となり[3][1][2]、元老院生への編纂の指導に携わった[2][4]。後にこの百科事典︵正しくは類書というべき[5]︶は、1907年︵明治41年︶に完成させている[4]。この業績により、1899年︵明治32年︶には文学博士に認定された[4]。 これより先、1883年に東京大学︵1886年に帝国大学令によって東京帝国大学となる︶古典科講師嘱託、1891年に東京音楽学校教授として古典科で教鞭を執った[3][1][2]。著書[編集]
単著[編集]
●﹃日本教育史﹄ - 師範学校の教科書として作成された[6]。全2巻からなる。 ●﹃日本教育史 修訂 巻上﹄十一組出版部、1943年。doi:10.11501/1461357。 ●﹃日本教育史 修訂 巻下﹄十一組出版部、1943年。doi:10.11501/1461357。 ●瀧川政次郎 編﹃佐藤誠実博士律令格式論集﹄汲古書院、1991年。doi:10.11501/13097740。ISBN 9784762924323。 ●﹃語学指南 巻1﹄1879年。doi:10.11501/992000。 ●﹃語学指南 巻2﹄1879年。doi:10.11501/992001。 ●﹃語学指南 巻3﹄1879年。doi:10.11501/992002。 ●﹃語学指南 巻4﹄1879年。doi:10.11501/992003。雑誌[編集]
●“訓点之誤”. 大八州学会雑誌 61: 20 - 26. (1891). doi:10.11501/1557984. ●“慥字考”. 大八州学会雑誌 146: 26 - 31. (1891). doi:10.11501/1535011. ●“慥字考補正”. 大八州学会雑誌 151: 18 - 21. (1891). doi:10.11501/1535016. ●“続日本紀を上る表の約解”. 國學院雜誌 5 (9): 35 - 43. (1899). doi:10.11501/3364698. ●“続日本紀を上る表の約解︵承前︶”. 國學院雜誌 5 (10): 23 - 30. (1899). doi:10.11501/3364699. ●“続日本紀を上る表の約解︵承前︶”. 國學院雜誌 5 (11): 54 - 62. (1899). doi:10.11501/3364700. ●“続日本紀を上る表の約解︵承前・完︶”. 國學院雜誌 5 (12): 29 - 37. (1899). doi:10.11501/3364701. ●“律令考”. 國學院雜誌 5 (13): 1 - 11. (1899). doi:10.11501/3364702. ●“律令考︵承前︶”. 國學院雜誌 5 (14): 14 - 24. (1899). doi:10.11501/3364703. ●“律令考︵承前︶”. 國學院雜誌 6 (1): 40 - 51. (1900). doi:10.11501/3364704. ●“律令考︵承前︶”. 國學院雜誌 6 (2): 1 - 13. (1900). doi:10.11501/3364705. ●“律令考︵承前、完結︶”. 國學院雜誌 6 (3): 1 - 6. (1900). doi:10.11501/3364706. ●“律令考”. 國學院雑誌 68 (8): 8 -38. (1967). doi:10.11501/3365370. ●“文武天皇即位前紀約解”. 國學院雜誌 6 (6): 63 - 72. (1900). doi:10.11501/3364709. ●“官曹事類考、天長格抄考”. 國學院雜誌 6 (7): 65 - 68. (1900). doi:10.11501/3364710. ●“弘仁格式序約解”. 國學院雑誌 6 (10): 25 - 36. (1900). doi:10.11501/3364713. ●“弘仁格式序約解︵承前、完結︶”. 國學院雑誌 6 (11): 35 - 48. (1900). doi:10.11501/3364714. ●“貞觀格序約解”. 國學院雑誌 6 (12): 21 - 27. (1900). doi:10.11501/3364715. ●“貞観格序約解︵承前、完︶”. 國學院雑誌 7 (1): 47 - 56. (1901). doi:10.11501/3364716. ●“延喜格序約解”. 國學院雑誌 7 (2): 27 - 33. (1901). doi:10.11501/3364717. ●“延喜格序約解︵承前、完︶”. 國學院雑誌 7 (3): 37 - 45. (1901). doi:10.11501/3364718. ●“紀長谷雄”. 史学雑誌 12 (4). (1901). ●“貞観式序約解”. 國學院雑誌 9 (7): 付録 1 - 8. (1903). doi:10.11501/3364747. ●“貞観式表約解”. 國學院雑誌 9 (8): 付録 1 -. (1903). doi:10.11501/3364750. ●“上延喜格式表約解”. 國學院雑誌 9 (10): 1 -. (1903). doi:10.11501/3364750. ●“上延喜格式表約解︵終︶、延喜式序約解”. 國學院雑誌 9 (11). (1903). doi:10.11501/3364751. ●“延喜式序約解”. 國學院雑誌 9 (11): 付録 11 -. (1903). ●“延喜式序 解”. 國學院雑誌 10 (1): 付録 - 17. (1903). doi:10.11501/3364753. ●“延喜式序約解余論”. 國學院雑誌 10 (4): 1 - 11. (1904). doi:10.11501/3364756. ●“韓国名義考”. 國學院雑誌 14 (1): 4 - 10. (1908). doi:10.11501/3364803. ●“韓国名義考︵二︶”. 國學院雑誌 14 (2): 12 - 25. (1908). doi:10.11501/3364804. ●“字躰考”. 如蘭社話 (11). (1915). ●“字躰考”. 如蘭社話 後編 (12). (1915). ● 字音考. (1915). ●史学会, ed (1992). “白鳳・朱雀并法興元考”. 史学雑誌 (史学会) 11 (11). doi:10.11501/11199272. ● 假名新説. ● 外交國号考. ● 國名名義考.脚注・参考文献[編集]
参考文献[編集]
●松本愛重 (1908). “古事類苑編纂苦心談”. 國學院雑誌 14 (5): 63 - 68. doi:10.11501/3364807. ●山本毅堂 (1908). “文学博士佐藤誠実先生小傳”. 國學院雜誌 14 (4): 68 - 69. doi:10.11501/3364806. ●嵐義人﹃瀧川博士と考証学﹄講談社︿日本法律史話 (講談社学術文庫)﹀、1986年、357頁。doi:10.11501/11932361。 ●瀧川政次郎﹃佐藤誠実博士﹁律令考﹂解題﹄國學院大學︿國學院雑誌﹀、1967年、1 - 7頁。doi:10.11501/3365370。 ●瀧川政次郎﹃﹃古事類苑﹄法律部と佐藤誠実﹄吉川弘文館︿古事類苑月報﹀、1968年。 ●瀧川政次郎 編﹃佐藤誠実博士 律令格式論集﹄律令研究会 / 汲古書院、1992年。doi:10.11501/13097740。 ●虎尾俊哉﹃瀧川政次郎 編﹁佐藤誠實博士律令格式論集﹂﹄山川出版社︿史学雑誌 101-3﹀、1992年。 ●荊木美行﹃瀧川政次郎 編﹁佐藤誠實博士律令格式論集﹂﹄古代学協会︿古代文化 45-1﹀、1993年。 ●佐藤誠実﹃日本教育史 修訂﹄、緒言頁。 ●佐藤誠実﹃日本教育史 修訂﹄、著者小伝頁。 ●藤本, 灯、林, 禔映、田中, 草大、平能, 一創﹁東京大学国語研究室蔵 黒川文庫目録し・す﹂2013年3月25日。脚注[編集]
関連項目[編集]
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