公開放送
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公開放送︵こうかいほうそう︶とは、テレビ、ラジオ番組において観客を集めて生放送、録画、録音を行うこと。番組収録を行う場合には公開録画[注 1]︵テレビ︶、公開録音︵ラジオ︶とも呼ばれ、放送業界ではそれを略して、俗に公録︵こうろく︶とも呼ばれる事もある。
概要[編集]
1960年代〜1980年代のバラエティ番組では、自社のスタジオや自前のホール︵ABCホールなど︶よりも、首都圏・関西圏の都道府県や自治体が管理する公会堂やホールで公開放送される番組がたくさんあった[注 2]。当時は﹃番頭はんと丁稚どん﹄︵毎日放送︶に代表されるように﹁局舎のスタジオ不足を補うため、外部の映画館等を借りる﹂といった事情も多く見られた。 ただ、放送中のトラブルが多発したことや警備上の問題等もあり、1990年代以降テレビ局関連施設以外の公会堂・ホールでの公開放送は減少傾向にある。有名なものではTBSの﹃8時だョ!全員集合﹄があり、2020年現在では﹃笑点﹄︵日本テレビ︶がこの方式を採用している。 現行のテレビ番組などでは毎回の収録毎に観客を集めて番組収録を行う事は珍しくないが、一般の番組観覧の観客の他に番組側で手配したエキストラ[注 3] を観客として入れて、番組にとって必要な箇所で笑わせて声を収録するパターンも多い。 首都圏の民放ラジオ局の場合、スタジオの収容人数や保安上の問題により不特定多数の大人数を集めての公開放送が行われる事は少ない。そのため番組の節目や何等かのイベント等開催の際、事前に募集した観客を少人数ながら収容できる局内の一番広いスタジオ[注 4] やライブハウス、多目的ホール等のイベント用施設を用意して公開放送を行う。地方の民放AMラジオ局には大人数を収容しての公開放送を目的として作られているラジオスタジオを所有している所も多い。 また、商業施設︵ショッピングセンター、デパートなど︶やショールーム、学校[注 5] で公開放送を行う場合には、関連した企業、団体などが番組スポンサーになっていたり、あるいは番組スポンサーが運営している施設で公開放送が行われる場合が多い。 一部の番組にはガラス張りで道路に面したスタジオ︵主にサテライトスタジオ︶で生放送もしくは収録を行い、通行人が収録の様子を見学できるものがあるが、これは通常公開放送とは呼ばれない。 過去の公開録音で最も大規模となったのは﹁関ジャニ∞のレコメン!史上最大の公開ラジオスペシャル﹂(2015年1月10日、京セラドーム大阪)で、約4万人を動員したイベントとなった[1][2]。 NHKでは通常、スタジオ︵みんなの広場ふれあいホール含む︶やNHKホール、NHK大阪ホールで公開生放送/収録している番組を、随時地方都市の公会堂・音楽ホール・体育館などに出張して、そこから公開放送をする番組を﹁公開派遣番組﹂としている[3]主な公開放送番組︵収録も含む︶[編集]
※...自社及び関連施設以外で行なわれるテレビ[編集]
●NHK紅白歌合戦︵総合テレビ、BS2、BS hi、ラジオ第1放送、NHKワールド、NHKワールド・ラジオ日本) ●NHKのど自慢︵総合テレビ、BS2、ラジオ第1放送、NHKワールド・ラジオ日本︶※[注 6] ●スタジオパークからこんにちは︵総合テレビ︶ ●NHK歌謡コンサート︵総合テレビ︶︵年数回※︶ ●鶴瓶の家族に乾杯︵総合テレビ︶ ●ザ少年倶楽部︵総合テレビ︶︵年数回※︶ ●ごきげん歌謡笑劇団︵総合テレビ︶※ ●着信御礼!ケータイ大喜利︵総合テレビ︶︵年数回※︶[注 7] ●みんなDEどーもくん︵BSプレミアム︶︵年数回※︶[注 8] ●BS日本のうた→新・BS日本のうた︵BSプレミアム︶※[注 9] ●クラシック倶楽部︵BSプレミアム︶︵年数回※︶ ●24時間テレビ ﹁愛は地球を救う﹂︵日本テレビ︶※ ●欽ちゃんの仮装大賞︵日本テレビ︶※ ●笑点︵日本テレビ︶※ ●おもいッきりDON!︵日本テレビ︶ ●世界の果てまでイッテQ!︵日本テレビ︶ ●ものまねバトル︵日本テレビ︶ ●おしゃれイズム︵日本テレビ︶ ●SUPER SURPRISE︵日本テレビ︶ ●99プラス︵日本テレビ︶ ●エンタの神様︵日本テレビ︶ ●行列のできる法律相談所︵日本テレビ︶ ●深夜の音楽会︵日本テレビ︶ ●幸せの黄色い仔犬︵中京テレビ︶ ●8時だョ!全員集合︵TBS︶※ ●突撃!ヒューマン!!︵日本テレビ︶※ ●世界・ふしぎ発見!︵TBS︶ ●関口宏の東京フレンドパークII︵TBS︶ ●アッコにおまかせ!︵TBS︶ ●さんまのSUPERからくりTV︵TBS︶ ●ぴったんこカン・カン︵TBS︶ ●オレたち!クイズMAN︵TBS︶ ●ザ・イロモネア︵TBS︶ ●A-Studio︵TBS︶ ●クイズ ALL FOR ONE︵TBS︶ ●痛快!明石家電視台︵毎日放送︶ ●笑っていいとも!︵フジテレビ︶※ ●ライオンのごきげんよう︵フジテレビ︶※[注 10] ●HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP︵フジテレビ︶ ●クイズ$ミリオネア︵フジテレビ︶ ●爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル︵フジテレビ︶ ●新堂本兄弟︵フジテレビ︶ ●クイズヘキサゴン2︵フジテレビ︶ ●ペケポン︵フジテレビ︶ ●さんまのまんま︵関西テレビ︶ ●スタイルプラス︵東海テレビ︶[注 11] ●題名のない音楽会︵テレビ朝日︶ ●MUSIC STATION︵テレビ朝日︶ ●さまぁ〜ず×さまぁ〜ず︵テレビ朝日︶ ●クイズプレゼンバラエティーQさま!!︵テレビ朝日︶ ●雨上がり決死隊のトーク番組アメトーーク!︵テレビ朝日︶[注 12] ●新婚さんいらっしゃい!︵ABC︶ ●探偵!ナイトスクープ︵ABC︶ ●開運!なんでも鑑定団︵テレビ東京︶ ●BS日本・こころの歌︵BS日テレ︶[注 13]ラジオ[編集]
●ラジオ体操 夏期・特別巡回ラジオ体操︵ラジオ第1放送︶※[注 14] ●ラジオ深夜便︵ラジオ第1放送、NHK-FM放送︶※[注 15] ●ここはふるさと 旅するラジオ︵ラジオ第1放送、NHK-FM放送、NHKワールド・ラジオ日本︶※[注 16] ●民謡をたずねて︵ラジオ第1放送、NHK-FM放送、NHKワールド・ラジオ日本︶※ ●歌の散歩道︵ラジオ第1放送、NHKワールド・ラジオ日本︶年数回※[注 17] ●真打ち競演︵ラジオ第1放送︶※[注 18] ●ふるさと自慢歌自慢&ふるさと自慢コンサート︵ラジオ第1放送︶※ ●上方演芸会︵ラジオ第1放送︵大阪放送局制作︶︶※[注 19] ●かんさい土曜ほっとタイム︵ラジオ第1放送︵大阪放送局制作︶︶[注 20] ●文芸選評/歌の日曜散歩︵ラジオ第1放送︶︵年数回※︶[注 21] ●毒蝮三太夫のミュージックプレゼント︵TBSラジオ︶ ●ラジオ・チャリティー・ミュージックソン︵ニッポン放送︶ ●ヤングタウンTOKYO︵TBSラジオ︶ ●ロッテヤンスタNo1︵ニッポン放送︶ ●ニッポン放送 THEラジオパークin日比谷︵ニッポン放送︶ ●ラジオ寄席︵TBSラジオ︶※[注 22] ●林原めぐみのTokyo Boogie Night︵TBSラジオ︶[注 23] ●林原めぐみのHeartful Station︵ラジオ関西︶[注 23] ●ららぽーとMUSIC JAM︵ベイエフエム︶[注 24] ●ウイークエンドバラエティ 日高晤郎ショー (STVラジオ)[注 25]主な出来事・事件[編集]
●1960年︵昭和35年︶3月2日 -横浜歌謡ショー将棋倒し事故が発生。ラジオ関東が横浜市内で行った公開録音で発生した事故。死者12人、重軽傷者14人[4]。脚注[編集]
注釈[編集]
(一)^ 1980年代までは中継録画という言い方もしていた。
(二)^ 年に数回で地方のネット局︵殆どが収録する都道府県を対象とするネット局の5年毎の節目による開局記念であった︶や日本国外での収録もあった。
(三)^ 専門会社に登録する事でエキストラになる事ができ、番組によっては謝礼をもらえる場合もある。
(四)^ 都内ではニッポン放送のイマジンスタジオなど。
(五)^ 学園祭やオープンキャンパスなど。
(六)^ 年1回・3月第1土曜︵原則︶の年度グランドチャンピオン大会に限りNHKホールで収録
(七)^ 不定期的に﹃着信御礼!ケータイ大喜利全国ツアー﹄として地方での公開録画を行っている。
(八)^ 不定期的に地方での公開録画を行っている。
(九)^ 番組開始当初はNHKホールや放送センター公開スタジオから生放送していたが、のちに一部の回を除き地方での公開収録となった
(十)^ 不定期で地方での公開放送あり。
(11)^ 年に数回のみ。
(12)^ DVD特典等、地上波で放送できない企画の場合は無観客で収録されることがある。
(13)^ ﹃こころの歌コンサート︵西暦︶﹄と題して年1回ほどホールでの公開放送を行う場合がある。
(14)^ 1953年7月12日に全国巡回放送を開始
(15)^ ﹁ラジオ深夜便のつどい﹂として全国で不定期的に公開録音。
(16)^ 原則として放送局のスタジオは使わず、ラジオカー﹁80ちゃん号﹂が毎週1都道府県の特定の場所に出張して無料公開放送。金曜と夏季・春季の一部特定期間のみアンコールアワー。
(17)^ 年に数回、全国各地から公開生放送。
(18)^ 年数回NHK放送センター公開スタジオ︵みんなの広場ふれあいホール含む︶での収録あり
(19)^ 年数回、NHK大阪ホールでの﹁上方落語を聞く会﹂や、NHK大阪放送局公開スタジオでの収録もある
(20)^ 毎月第三週の土曜日はBKプラザから公開生放送。
(21)^ 原則として土曜日は出張先の放送局公開スタジオから無料・自由見学による公開放送。日曜日は出張先のホール・体育館などで事前申し込みでの招待性による公開放送であるが、まれに土・日とも事前申し込みが必要なもの、申し込み不要なものもある
(22)^ 基本的にはTBSラジオ公開スタジオからの収録であるが、年数回、主に協賛社﹁美酒爛漫﹂のある東北地方を中心に、現地の放送局の公開スタジオやホール・体育館で公開収録する場合もある
(23)^ ab通算放送回数が100回を達成するごとに公開録音を行っている。
(24)^ ららぽーとTOKYO-BAYセンターコートでの公開録音。
(25)^ 通常放送時はスタジオに20名ほどの観覧客を入れている。半年に1回程度、STVホールで約300名ほどの観覧客を招待した公開放送が行なわれる。
出典[編集]
(一)^ “関ジャニ∞ ラジオ史上最大の公開録音”. デイリースポーツ (神戸新聞社). (2015年1月10日). オリジナルの2015年1月10日時点におけるアーカイブ。 2017年2月19日閲覧。
(二)^ “関ジャニ ラジオ史上最大の公開録音”. デイリースポーツ (神戸新聞社). (2015年1月11日). オリジナルの2015年1月11日時点におけるアーカイブ。 2016年2月19日閲覧。
(三)^ NHK﹁よりよい番組を制作・送出する﹂︵1頁﹁音楽番組の製作﹂にそのことが言及されている︶
(四)^ 日外アソシエーツ編集部編 編﹃日本災害史事典 1868-2009﹄日外アソシエーツ、2010年、142-143頁。ISBN 9784816922749。