北アメリカ航空宇宙防衛司令部
座標: 北緯38度44分40秒 西経104度50分48秒 / 北緯38.744331度 西経104.84668度
北アメリカ航空宇宙防衛司令部 (NORAD) | |
---|---|
創設 | 1958年5月12日 |
国籍 |
アメリカ合衆国 カナダ |
タイプ | 二国間連合司令部 |
任務 | 北米の防衛のための航空宇宙空間警戒、制御、および海上警戒 |
基地 | 米宇宙軍ピーターソン宇宙軍基地[注 1] |
指揮 | |
現司令官 | グレゴリー・ギロットアメリカ空軍大将 |
識別 | |
バッヂ | |
北アメリカ航空宇宙防衛司令部︵きたアメリカこうくううちゅうぼうえいしれいぶ、英: North American Aerospace Defense Command、略称:NORAD、ノーラッド︶は、アメリカ合衆国とカナダが共同で運用している連合防衛組織[1]で、北アメリカ︵アメリカ合衆国とカナダ︶の航空や宇宙に関して、観測または危険の早期発見を目的として設置されている[1]。24時間体制で人工衛星の状況の観測、地球上の核ミサイル・弾道ミサイルの発射警戒や、戦略爆撃機の動向監視などを行っている。1958年5月、CONAD︵Continental Air Defense Command、大陸防空司令部︶を改組し設置された。
ピーターソン空軍基地内の指令センター
NORADの各管区
NORADの指揮監督はアメリカ合衆国大統領とカナダ首相が共同で行っている[1]。司令部はコロラド州コロラドスプリングスのピーターソン宇宙軍基地に所在する︵2006年から︶[1]。地下司令部がシャイアン・マウンテン空軍基地にある。地域別に3個管区が置かれており、アラスカ管区(Alaskan NORAD Region, ANR)はアラスカ州エルメンドルフ空軍基地、アメリカ本土管区(Continental U.S. NORAD Region, CONR)はフロリダ州ティンダル空軍基地、そしてカナダ管区(Canadian NORAD Region, CANR)はマニトバ州ウィニペグ空軍基地に各管区の指揮所が所在する[1]。
慣例的に、NORADの司令官はアメリカ軍において北米地域を管轄する地域別統合軍であるアメリカ北方軍︵USNORTHCOM︶司令官︵大将︶が兼任し、副司令官はカナダ空軍の将官︵中将︶が務める。
NORADおよびアメリカ北方軍は国土安全保障省とは直接の指揮関係は無いが、どちらの機関とも常々危機管理に対して対策検討している。
指揮系統[編集]
サンタクロースの追跡[編集]
「NORADのサンタ追跡」も参照
ノーラッドはクリスマスになると﹁ノーラッド・トラックス・サンタ﹂︵NORAD Tracks Santa︶として、毎年サンタクロースを追跡している。冷戦の真っ只中の1955年から、CONADが開始したものを受け継ぎ、2004年で50周年を迎えた[2]。
きっかけは、コロラドの百貨店・総合スーパーのシアーズ (Sears) が、子供向けにサンタクロース・ホットラインを開設したときの広告に誤植があり、誤った電話番号を載せてしまったことから始まる。その番号は偶然にも当時のCONAD司令長官席へのホットラインで[2]、子供からの電話を受けたハリー・シャウプ大佐︵1917年9月29日 - 2009年3月14日︶が﹁レーダーで調べた結果、サンタが北極から南に向かった形跡がある﹂とユーモアを込めて回答して以来、クリスマスの恒例行事になった。
1998年から毎年クリスマス・イヴになると、サンタクロースの出発を﹁レーダーで確認﹂、その飛行を﹁偵察衛星とイージス艦とサンタカメラネットワークで追跡﹂し、戦闘機をカナダのユーコンからメキシコのメキシコ・シティーまで飛ばして、﹁アメリカの領域内にいるサンタを追跡﹂する[3]。これらの情報を提供するために、多くの軍事スタッフや民間人職員らがボランティアとして、電子メールや電話等の応対を務めている[4]。
インターネットが普及して以降は、公式サイトにて、クリスマス・イヴの夜から行なっている追跡の模様を、動画を用いて中継している。2006年の日本地域の中継では﹁新幹線や富士山と比較し速度検証した結果、サンタクロースの速度は新幹線の100倍﹂と言及した。
サンタ追跡には多くの企業が協力しており、2004年から追跡プロジェクトに関わっていたGoogleは[5]、2007年から2011年にかけてノーラッドの公式パートナーとして、Google Earthを用いての現在位置ストリーミング表示やモバイル版Google マップによる携帯端末からの位置確認などのサービスを提供[6][7]。2012年はマイクロソフトを公式パートナーとして地図サービスにBing Mapsを使用している[8][9]。
カナダ空軍では領空内でサンタをエスコートするCF-18 ホーネットのパイロットや整備員を毎年選出しメディアに発表している[10]。
なお、シーズン以外の公式ウェブサイトには、休暇中のサンタクロース画像が表示される。
フィクション[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 1958~1966年までシャイアン・マウンテン空軍基地の地下司令部にあった。
出典[編集]
(一)^ abcdeNorth American Aerospace Defense Command (2013年4月25日). “North American Aerospace Defense Command”. 2013年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月1日閲覧。
(二)^ ab“サンタを追跡する理由”. NORAD Tracks Santa. 2012年12月24日閲覧。
(三)^ “サンタの追跡方法”. NORAD Tracks Santa. 2012年12月24日閲覧。
(四)^ “よく尋ねられる質問と回答︵FAQs︶”. NORAD Tracks Santa. 2012年12月24日閲覧。
(五)^ “Googleと宇宙防衛司令部が協力してまたまたサンタクロースの地球再訪を追跡”. TechCrunch (2011年12月24日). 2012年12月24日閲覧。
(六)^ “米Google‥クリスマス恒例の﹁サンタ追跡サイト﹂に協力”. SourceForge.JP Magazine (2007年12月3日). 2012年12月24日閲覧。
(七)^ “今年もやります!NORAD によるサンタの追跡”. インターネットコム (2011年12月2日). 2012年12月24日閲覧。
(八)^ “NORAD Tracks Santa with the Help of Partners”. The Official Microsoft Blog (2012年12月11日). 2012年12月24日閲覧。
(九)^ “サンタ追跡がGoogle Maps離れ──Microsoftに乗り換え”. ITmediaニュース (2012年12月14日). 2012年12月24日閲覧。
(十)^ NORADのサンタ追跡、カナダ軍のエスコートパイロット決定 | おたくま経済新聞
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- North American Aerospace Defense Command (NORAD) (英語)
- カナダ空軍ホームページ、北米防衛について (英語、仏語)
- ノーラッド・トラックス・サンタ (英語、日本語など)