北原保雄
北原 保雄︵きたはら やすお、1936年8月4日[1] - 2024年2月22日︶は、日本の国語学者・言語学者。位階は従三位。学位は文学博士︵筑波大学・1981年︶︵学位論文﹁日本語助動詞の研究﹂︶。筑波大学名誉教授・元学長[2]。新潟産業大学名誉学長。独立行政法人日本学生支援機構元理事長、文化審議会委員︵国語分科会会長︶。
日本語文法と語彙の研究を基盤に、言葉の変遷を丹念に見つめ、多くの辞典の編纂に携わる。現代語への提言も多い。著書に﹃日本語助動詞の研究﹄(1981年)、﹃問題な日本語﹄(編著 2004年)、﹃日本語の形容詞﹄(2010年)など。
略歴[編集]
新潟県柏崎市出身。新潟県立柏崎高等学校、1960年東京教育大学卒業。1968年東京教育大学大学院文学研究科国語学博士課程中退。東京都公立学校教員、和光大学講師、助教授を経て、1974年に筑波大学文芸・言語系助教授。1981年﹁日本語助動詞の研究﹂で筑波大学より文学博士の学位を取得。1984年に同大学教授に就任。1993年から1997年まで筑波大学附属図書館長、1998年から2004年まで同大学学長。2004年名誉教授[3]。 その後、独立行政法人日本学生支援機構の初代理事長を約4年半務めた後、2013︵平成25︶年4月から5年間新潟産業大学の学長を務めた。退任後の2018(平成30)年6月に名誉学長の称号を授与された。また、2008︵平成20︶年12月から学長を退任するまでの9年以上にわたり、経営母体である学校法人柏専学院の理事、評議員も務めた︵うち2016︵平成28︶年12月から2017︵平成29︶年3月までは理事長︶[4]。 日本語に関する単著や監修を務めた著書が多数あり、中でも﹃問題な日本語﹄は70万部を超えるベストセラーである。明鏡国語辞典編著者。TBS系列で放送されたバラエティ番組﹃クイズ!日本語王﹄では御意見番として出演していた。2012年春瑞宝重光章叙勲[5]。 2024年2月22日、間質性肺炎のため千葉県柏市の病院で死去した[6]。87歳没。死没日付をもって従三位に叙された[7]。著書[編集]
単著[編集]
●﹃きのふはけふの物語研究及び総索引﹄(大東急記念文庫蔵) (笠間書院) (1973年) ●﹃日本語の世界6日本語の文法﹄︵中央公論社︶(1981年) ●﹃日本語助動詞の研究﹄(大修館書店) (1981年) ●﹃日本語文法の焦点﹄(教育出版) (1984年) ●﹃文法的に生きる 日本語の表現と文法﹄(大修館書店) (1984) ●﹃表現文法の方法﹄︵大修館書店︶(1996) ●﹃青葉は青いか 日本語を歩く﹄︵大修館書店︶(1997) ●﹃達人の日本語﹄︵文春文庫)、(2005年︶ ●﹃北原保雄の日本語文法セミナー﹄︵大修館書店︶(2006) ●﹃日本語どっち!?﹄(金の星社) (2006) ●﹃類義の日本語 ビミョウに異なる﹄︵小学館文庫) (2007年︶ ●﹃言葉美人の知的な敬語﹄ベストセラーズ (2008年) ●﹃14歳からの日本語の基本。その日本語、間違っていませんか? 45分でわかる!﹄マガジンハウス 2009年 ●﹃言葉の化粧 働く女性のすてきな会話術﹄ホーム社 2009年 ●﹃日本語の形容詞﹄大修館書店 2010年 ●﹃ことばの教育 北原保雄トークアンソロジー﹄勉誠出版 2011年 ●﹃日本語とともに 北原保雄トークアンソロジー﹄勉誠出版 2011年 ●﹃日本語の常識アラカルト﹄︵文春文庫、2011年︶ ●﹃岐点の軌跡、わが歩み来し道﹄︵勉誠出版、2011年︶ ●﹃勘違いの日本語、伝わらない日本語﹄︵宝島社新書、2013年︶ ●﹃日本語の助動詞 二つの﹁なり﹂の物語﹄大修館書店 2014 ●しっくりこない日本語 (2017年) ●続 岐点の軌跡―老いてなお岐点あり (2020年) ●改めたい文法の非常識 主語の解体と文の構造 (2022年)監修・編著[編集]
●﹃大蔵虎明本狂言集の研究 本文篇﹄池田広司共著 表現社 1972-83 ●﹃日本文法事典﹄鈴木丹士郎、武田孝、増淵恒吉、山口佳紀共編 有精堂出版 1981 ●﹃日本語文法論術語索引﹄ 有精堂出版 1982 ●﹃狂言記の研究﹄大倉浩共著 勉誠社 1983 ●﹃続狂言記の研究﹄小林賢次共著 勉誠社 1985 ●﹃日本の古典 名著への招待﹄ 大修館書店 1986 ●﹃狂言記拾遺の研究﹄吉見孝夫共著 勉誠社 1987 ●﹃全訳古語例解辞典﹄ 小学館 1987 ●﹃反対語対照語辞典﹄東郷吉男共編 東京堂出版 1989 ●﹃延慶本平家物語﹄小川栄一[要曖昧さ回避]共編 勉誠社 1990-96 ●﹃日本語逆引き辞典﹄︵大修館書店︶1990 ●﹃狂言記新注﹄大倉浩共著 武蔵野書院 1992 ●﹃新日本古典文学大系 舞の本﹄麻原美子と校注 岩波書店、1994 ●﹃概説日本語﹄ 朝倉書店 1995 ●﹃同音語同訓語使い分け辞典﹄鳥飼浩二共編 東京堂出版 1995 ●﹃カタカナ語使い分け辞典﹄吉見孝夫共編 東京堂出版 1996 ●﹃狂言記外五十番の研究﹄大倉浩共著 勉誠社 1997 ●﹃明鏡国語辞典﹄︵大修館書店︶2002 ●﹃小学館全文全訳古語辞典﹄︵小学館︶2004 ●問題な日本語1 (大修館書店) (2004年) ●問題な日本語2 (大修館書店) (2005年) ●﹃クイズ!日本語王 日本語力測定!クイズ100問﹄ 大修館書店 2005 ●みんなで国語辞典!―これも、日本語 (2006年) ●問題な日本語3 (大修館書店) (2007年) ●﹃ことわざ成句使い方辞典﹄加藤博康共著︵大修館書店 2007︶ ●﹃KY式日本語 ローマ字略語がなぜ流行るのか﹄﹁もっと明鏡委員会﹂共編︵大修館書店︶2008 ●﹃あふれる新語 みんなで国語辞典2﹄﹁もっと明鏡﹂委員会共編 大修館書店 2009 ●﹁国語力アップ めざせ!日本語クイズマスター﹂シリーズ︵金の星社︶2009 ●問題な日本語4 (2011年) ●みんなで国語辞典3辞書に載らない日本語 (2012年) ●﹃実用早引き新国語辞典﹄︵万来舎 2013︶脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
(一)^ ﹃現代日本人名録﹄
(二)^ 学校法人 奈良学園. “北原 保雄 筑波大学名誉教授・元学長 講演会”. webcache.googleusercontent.com. webcache.googleusercontent.com. 2023年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月27日閲覧。
(三)^ [1]
(四)^ [2]
(五)^ “平成24年春の叙勲 瑞宝重光章受章者” (PDF). 内閣府. p. 1 (2012年4月). 2013年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
(六)^ “北原保雄さん死去︵新潟柏崎市出身︶ 日本語学の権威、﹁明鏡国語辞典﹂編者”. 新潟日報デジタルプラス (2024年2月27日). 2024年2月28日閲覧。
(七)^ ﹃官報﹄第1193号8頁 令和6年4月2日
外部リンク[編集]
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