殺し屋
殺し屋︵ころしや、英: assassin, hitman; 仏: tueur︶とは、殺人を請け負うことで金銭的利益を得る者[1]。正規の裁判に基づいた処刑に携わる死刑執行人は含まれない。
違法性[編集]
殺し屋の﹁業務﹂たる殺人は一部を除いて時代と場所を問わず犯罪である。 殺し屋が﹁稼業﹂としてでも成り立つかどうかは、その国の治安状況と、警察の捜査能力に依拠している。すなわち法治国家においては、実行後に逮捕された場合、営利目的の殺人は極めて厳しい刑罰が科せられることになる。従ってこのリスクが高い日本や先進諸国においては、1回仕事をしただけでも懲役数十年 - 死刑の実刑を覚悟しなければならず、ビジネスとしては基本的に成り立たないことになる。殺人依頼に対する違法性・危険性[編集]
また、殺し屋を雇う者︵依頼者、殺し屋から見た﹁クライアント﹂︶は殺人教唆で常に同様(場合によってはそれ以上)の重罪と判断される。日本では殺し屋に殺人を依頼し、殺し屋が殺人の実行行為に着手すれば、依頼主は殺人の教唆犯として扱われ︵共犯従属性説︶、刑法に基づいて処罰される。 また、雇った殺し屋が、別件であれ何らかのことで逮捕・尋問された場合には、その自白により依頼者も逮捕される危険性を常に抱えることになる。 2019年、中国の南寧市で、依頼者が200万元で依頼した殺人の依頼を次々と下請けに丸投げし、10万元で依頼を受けた5次下請けの男が割に合わないと標的の男に死んだふりをさせ逮捕され、依頼者と、下請けを含め依頼を受けた者の6人全員が実刑判決を受けた[2]。殺し屋の一例[編集]
1970年代に実在したとされるマフィアの殺し屋の自叙伝﹁KILLER﹂には、以下のような説明がある。 ﹁殺し屋はフリーランサーと特定の組織にフルタイムで雇われている場合に分けられる。フリーの場合、すべて契約から始まり、報酬は前金で支払われる。プランは三つの方法が選択される。 (一)相手の決まった行動を知らされる。 (二)殺し屋が相手を研究して決まった行動を自分で見つける。 (三)あらかじめ決められた場所に関係者が相手を連れてくる。 計画が完璧であるとはっきりすると仕事が実施される。凶器の用意以外に必要な準備はほとんどないが、目撃されて逃走する可能性がある場合は盗難車を用意しておく。運転手や見張りがつく場合もあるが大抵は一人で行う。ただし、人混みのなかで仕事をする場合は、盗難車と追ってくる車に偶然を装ってぶつかり、足止めするための﹁衝突車﹂が使われる。仕事の後にすべき処理は凶器の片付けであり、その後は記憶はしているが仕事を忘れて日常生活に戻ることで終わる。もし目撃者がいた場合も、それぞれが巻き添えを恐れ、裁判で証人になろうというほど意識の高いケースはほとんどない。 次に警察だが、警察は殺人事件の犯人を知っていても組織暴力のケースでは証人が得られないとあまり努力はしないが、第三者を巻き込んだ場合はその限りではない。そのため仕事では相手を一人にさせることが重要となる。最後に死体の処理だが、契約において﹁現場に残す﹂場合と﹁死体をなくす﹂場合が指定される。なくす場合は農園、建築現場が使われる﹂とこの殺し屋は示唆している。公務員の殺し屋[編集]
政府が政治的目的で秘密警察や情報機関を用いて殺人者を養成する場合もあると考えられる[注釈 1]。フィクションにおいてはCIAの殺し屋は隠語で﹁ウェットボーイ﹂と言うとされるがその実態は不明である[3]。マルコ・ポーロは﹃東方見聞録﹄において、暗殺者教団について記述しているがその真偽は不明である。詳細は暗殺教団を参照。題材とした作品[編集]
殺し屋を主題とした作品、主役または重要人物に殺し屋が登場する作品を記述する。小説[編集]
- 池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安』
- 新堂冬樹『アサシン』
- 深見真『ヤングガン・カルナバル』
- 伊坂幸太郎『グラスホッパー』、『ラッシュライフ』
- 山田正紀『殺人契約 殺し屋・貴志』
- 西尾維新『戯言シリーズ』
- 野沢尚『殺し屋シュウ』
- 大石圭『人を殺す、という仕事』
- 小竹清彦『アップルジャック』
- ヒキタクニオ『凶気の桜』、『消し屋A』、『遠くて浅い海』 - 「消し屋」と称する殺し屋が登場。
- フレデリック・フォーサイス『ジャッカルの日』
- 逢坂剛『百舌シリーズ』
- 木内一裕『神様の贈り物』
- 矢月秀作『D1 警視庁暗殺部』
- 司馬遼太郎『十一番目の志士』
- 七尾与史『死亡フラグが立ちました』
- 赤川次郎『寝台車の悪魔』
- 平山夢明 『DINER』
- 大沢在昌『新宿鮫 毒猿』
- 木崎ちあき『博多豚骨ラーメンズ』
- 藤村いずみ『あまんじゃく』
- マーク・グリーニー『グレイマン・シリーズ』
- ウォード・ラーセン『スラトンシリーズ』
- 西村京太郎『十津川警部「友への俛歌」』
- 石持浅海『殺し屋、やってます』
- 藤崎翔『お隣さんが殺し屋さん』
映画[編集]
- からっ風野郎 (1960年)
- 黄線地帯 (1960年)
- 乾いた花 (1964年)
- 網走番外地 望郷編 (1965年)
- ある殺し屋 (1967年)
- 荒野のダッチワイフ (1967年)
- 殺しの烙印 (1967年)
- 狼の挽歌 (1970年)
- 狼やくざ 殺しは俺がやる (1971年)
- ジャッカルの日 (1973年)
- ゴルゴ13 (1973年)
- 殺人拳シリーズ
- 直撃! 地獄拳 (1974年)
- ゴルゴ13 九竜の首 (1977年)
- ザ・サイレンサー MAGNUM357 (1995年)
- 暗殺者 (1995年) - 殺し屋同士の新旧対決を描く。
- 処刑人 (1999年)
- ウォンテッド
- ニキータ
- ザ・シークレット・サービス
- レオン
- コラテラル
- Mr.&Mrs. スミス
- 隣のヒットマン/隣のヒットマンズ 全弾発射
- スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい
- キル・ビル
- パルプ・フィクション
- ノーカントリー
- ヒットマン
- ザ・マジックアワー
- ローグ・アサシン
- IZO - 幕末の岡田以蔵をモデルとしている。
- ジャッキー・コーガン
- 天使の処刑人 バイオレット&デイジー
- グラスホッパー
- コロンビアーナ
- ジョン・ウィック
- THE ICEMAN 氷の処刑人
- メランコリック
●ベイビーわるきゅーれ
●名探偵コナン ハロウィンの花嫁
ドラマ[編集]
●女殺し屋 花笠お竜 ●必殺シリーズ ●MOZU ●BARCON[要出典] ●ボクの殺意が恋をしたオリジナルビデオ[編集]
●KOROSHI 殺し︵2000年︶ - 小林政広監督作品。石橋凌主演。出演‥大塚寧々、緒形拳、光石研。漫画[編集]
●AKAGI FAMILIA︵中西達哉︶
●アカメが斬る!
●悪魔のリドル
●アサシンichiyo︵信濃川日出雄、細野不二彦︶
●アラクニド
●暗殺教室
●異世界日本~暗殺一家の三男は異界化した日本で無双する~︵中村優児︶
●イフリート〜断罪の炎人〜
●Wallman -ウォールマン-︵Boichi︶
●エンジェル・ハート
●オメガ7 - 殺し屋というよりは﹁死の部隊﹂を描いた作品。
●家庭教師ヒットマンREBORN!
●GUNSLINGER GIRL
●君は冥土様。︵しょたん︶
●CANDY & CIGARETTES
●9番目のムサシ
●今日からヒットマン
●KILLING SPREE︵まがりひろあき︶
●キルアオ︵藤巻忠俊︶
●キルミーベイベー
●この恋はこれ以上綺麗にならない。
●CØDE:BREAKER
●ゴルゴ13
●殺し屋1
●殺し屋、お母さんやってます。︵りんご村みさと︶
●殺し屋さん
●殺し屋の推し
●殺し屋麺吉
●殺し屋やめたい!︵外木寸︶
●SAKAMOTO DAYS
●“殺医”ドクター蘭丸
●ザ・ファブル
●幸せカナコの殺し屋生活
●ジーザス
●J⇔M ジェイエム︵大武政夫︶
●しすばれ -Sister bullet-
●シティーハンター
●始末人シリーズ︵明智抄︶
●職業・殺し屋。
●親愛なる殺し屋様
●スズキさんはただ静かに暮らしたい
●SPY×FAMILY
●長男の時代︵川崎のぼる、小池一夫︶
●ツーリング・エクスプレス
●TISTA
●デストロ246
●トリアージX
●忍者と殺し屋のふたりぐらし︵ハンバーガー︵漫画家︶︶
●バイオレンスアクション
●拝啓…殺し屋さんと結婚しました︵高坂曇天︶
●ブラック・エンジェルズ
●BLACK CAT
●BLACK LAGOON
●ベアゲルター
●魔王 JUVENILE REMIX
●マーダーライセンス牙
●魔弾の射手
●Mr.Perfect︵真弓和丸︶
●ミッドナイトパンサー
●MIND ASSASSIN
●MURCIELAGO -ムルシエラゴ-
●女豹︵鬼窪浩久︶
●闇狩人
●湯けむりスナイパー
●夢みる惑星
●Luck Stealer
アニメ[編集]
ゲーム[編集]
音楽[編集]
- K DUB SHINE『アウトロー』
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ 殺し屋とは コトバンク
- ^ 「5次請け」の殺し屋、報酬安すぎで手抜きし事件発覚 中国 - AFPBB、2019年10月27日
- ^ 映画『ザ・シークレットサービス』より。