自由ソフトウェアライセンス

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FSF

FSF[]


FSF[1]GNU General Public LicenseFSF

[]


1980GNU1989GNU General Public License (GPL) 11991GPL2

1990[2]

1990GNU GPL 20063[3]

2000TiVo[4]

GNU GPL 2GNU GPL gpl-violations.orgifrOSS (Institut für Rechtsfragen der Freien und Open Source Software) MySQL

[]


使

使[]


[5][6]FSFOSIDebianBSD

FSF[7]

コピーレフト[編集]

リチャード・ストールマンが1980年代中ごろに書いたフリーソフトウェアライセンス群は、コピーレフトという概念のさきがけである。コピーレフト条項では、自由ソフトウェアの改変版を配布する際に元のソフトウェアと同じ条件下で配布されなければならないことを述べている。したがってコピーレフトのソフトウェアに対する全ての改良や機能追加もまた、自由ソフトウェアとして配布されなければならない。これを "share and share alike"(均等分配)あるいは "quid pro quo"(代償)などと呼ぶこともある。

製品にGPLのコードを使う開発者は、たとえそのオブジェクトコードが対価を要求する製品であっても、そのソースコードを誰でも入手可能にしておかなければならない。その場合、そのソースコードにはその開発者が加えた全ての改変を含める必要がある。GPLのコードを使ったとしても、それを何らかの形で配布するのでなければ、改変部分を他者に明らかにする必要はない。したがって、開発者や組織が私的目的(つまり、そのコードやプロジェクトが販売や配布を目的としていない場合)でGPLのコードを改変した場合、その改変の内容を公けにすることは要求されない。

GPL支持者は、派生著作物もフリーであり続けるよう命じることで、自由ソフトウェアの成長を促進し、全ての利用者の参加を要求することになると主張している。

特許報復条項[編集]

1990年代末以降に書かれた新しい自由ソフトウェアライセンスには、特許報復条項が含まれているものが多い。これは、ライセンス対象のソフトウェアに対して特許権を行使しようとした場合、場合によってはそのライセンスに基づく権利(再配布する権利など)を停止するなどの規定である。例えば、Apple Public Source License では、特許侵害訴訟を起こした場合にそのユーザーのそのライセンス下の権利を停止することがあるとしている。特許報復条項は、ソフトウェア特許の濫用への対策として生まれた。

TiVo化[編集]


GNU GPL 3 (DRM) DRMTiVo

[]


GNU GPL 2

実際上の問題[編集]

ライセンスの互換性[編集]

ソフトウェアパッケージ群のそれぞれのライセンス間で要求に矛盾があると、それらのソースコードをまとめて新たなソフトウェアパッケージを作ることはできない[8]

例えば、あるライセンスで「改変版では、広告で開発者に言及しなければならない」とし、別のライセンスでは「改変版には追加の帰属条項を含めてはならない」とある場合、両方のライセンスのソフトウェアをまとめようとすると、両方の要求を同時に満たすことができないため、再配布できないことになる。したがって両者のライセンスは非互換である[9]

ライセンスの氾濫[編集]

ライセンスの氾濫はライセンスの非互換問題を複雑化させる。ソフトウェア開発者やディストリビュータは、読まなければならない法律文書が増え、負担を強いられる。ライセンスの氾濫は1990年代末ごろその動きが見られるようになり、2000年代初めにさらに増大した。2005年にはこの現象が問題として認識されるようになり、新たなライセンスを作ることは不適切と言われるようになった。

ライセンス感染[編集]


[10]

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BSD[]


BSDGNUGNU General Public License (GPL) [11]GPLGPLGPLBSDBSD使BSD使WindowsmacOSBSD

BSDGPLBSD使GPL[12]GPLGPL

BSDGPLGPLBSD2GPL

BSDGPLGCCGPLOpenBSDGPLBSD

Debianライセンス[編集]

Debianプロジェクトでは、Debianフリーソフトウェアガイドライン (DFSG) という判定基準を採用している。Debianとフリーソフトウェア財団が合意していないケースとして、Artistic LicenseGNU Free Documentation License がある。Artistic License については、Debianは承認しているが、FSFは承認していない。しかし Artistic License は通常 GNU General Public License とのデュアルライセンスの形で使うことが多いため、あまり問題にはなっていない。

GNU Free Documentation License については、Debianはディストリビューション内の文書についてもDFSGを適用すると決めた。FSFは、文書はソフトウェアとは質的に異なるため、要求も異なってしかるべきだとしている。長い議論の末、Debianプロジェクトでの投票が行われ[13]、改変できない部分(GFDLではこれを "invariant section" と呼ぶ)を含まない場合に限ってGFDLをフリーと認めることになった。GNU文書の多くは invariant section を含んでいる。

オープンソースライセンス[編集]


1998 Open Source Initiative (OSI) OSIFSF使Open Source Initiative (CC0WTFPL) 

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Apple Public Source License 1.xOSIFSFDebianRealNetworks Public Source License OSIFSFDebian2007Common Public Attribution LicenseOSI[14]

脚注・出典[編集]



(一)^ Various Licenses and Comments about Them - GNU Project - Free Software Foundation (FSF)

(二)^  Report of License Proliferation Committee and draft FAQ.  Open Source Initiative. 201159

(三)^ GPLv3 - Transcript of Richard Stallman from the fifth international GPLv3 conference, Tokyo, Japan; 2006-11-21

(四)^ Richard Stallman discusses changes in GPLv3. 2009116 a new method of trying to deprive the users of freedom. In broad terms we refer to this as tivoisation.

(五)^ HESSLA licence - GNU Project comments

(六)^ GPLv3 - Transcript of Richard Stallman from the third international GPLv3 conference, Barcelona; 2006-06-22

(七)^ The Free Software Definition - GNU Project - Free Software Foundation (FSF)

(八)^ How GPLv3 tackles licence proliferation. 20125252012525

(九)^ Stallman explains licence compatibility while discussing GPLv3. 2009116

(十)^ Nikolai Bezroukov (2000). Comparative merits of GPL, BSD and Artistic licences (Critique of Viral Nature of GPL v.2 - or In Defense of Dual Licensing Idea). 200112222018227

(11)^ OpenBSD Copyright Policy. 2009106 the restriction that source code must be distributed or made available for all works that are derivatives [...] As a consequence, software bound by the GPL terms can not be included in the kernel or "runtime" of OpenBSD

(12)^ Freedom or Power? by Bradley Kuhn and Richard Stallman. 2009116

(13)^ :  GNU Free Documentation License  Debian main . 2009116

(14)^ Open-source badgeware. 2009116

参考文献[編集]

  • Rosen, Lawrence. Open Source Licensing: Software Freedom and Intellectual Property Law. Prentice Hall. ISBN 0131487876 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]