蒜山高原
蒜山高原︵ひるぜんこうげん︶は、岡山県真庭市北部の蒜山地方に位置する高原である。
概要[編集]
標高500 mから600 m程度の高原地帯であり、西日本を代表するリゾート地の一つである︵関西︵中国︶地区の軽井沢とも呼ばれる︶。また、日本有数の飼育数を誇るジャージー牛の牧場もある[1]。週末やシーズンには京阪神・中国地方・四国地方方面からの観光客で大変賑わう。一帯は1936年2月1日に大山国立公園︵現在の大山隠岐国立公園︶に指定されている。 蒜山高原は、東西20 km、南北10 kmのなだらかな高原であり、成り立ちは、約100万年前の活発な火山活動により蒜山三座と呼ばれる山々が誕生し、そのため日本海に向かう川の流れが北から西に変わり、その後約35万年前の大山を中心とした噴火により西に向いた流れがせき止められ古蒜山原湖︵こひるぜんばらこ︶が誕生し、その後、大山を中心とする噴火活動により湖面の水が南に流れだし更新世中期の後半に干上がってできたものである。[2] 大変風光明媚な場所だが、かつては軍用地︵昭和初期の陸軍の射爆演習場︶であった。 天候がよければ、北北西の方角に中国地方一の標高を持つ名峰、大山を見ることが出来る。名物・特産品[編集]
珪藻土 珪藻土は、古蒜山原湖の誕生により寒冷期において珪藻が発育したものが温暖期を迎えて死滅し堆積したものと考えられており、昭和5年に八束村︵現真庭市︶花園に昭和化学工業株式会社が設立され始めて採掘を行って以来[3]、現在も採掘され濾過助剤等として利用されている。 蒜山大根 戦後の1947年からの開墾後、ダイコンの培栽に取り組み﹁蒜山大根﹂の名前で多いときには約250戸の農家が東は名古屋、西は九州まで出荷していた。2017年時点は、15戸が1,100トンを大阪や岡山、山陰の市場へ出荷している[4]、2018年(平成30年)4月30日現在、真庭市が野菜生産出荷安定法︵昭和41年法律第103号︶に基づいた夏、秋冬だいこんの指定産地となっている[5]。 ジャージー牛製品妖怪伝承[編集]
スイトン 蒜山高原には﹁スイトン﹂と呼ばれる妖怪が出没すると言い伝えられている。スイトンは﹁悪人などのところに“スイー”っとやってきて、一本足で“トン”とその場に立ち、その場にいる悪人を引き裂き、食い殺す﹂と言われている[12]。このスイトンを模した像は高原のいたるところに置かれており、いかに縁が深い妖怪かよくわかる。 一貫小僧 蒜山高原には﹁一貫小僧﹂︵いっかんこぞう︶という妖怪の伝承もある。袈裟を着て数珠を持った小坊主のような者が、登山者の前に経文を唱えながら現われ、言葉を一言交わすと姿を消すという[12]。主な観光施設[編集]
●ひるぜんジャージーランド ●蒜山ホースパーク ●岡山県道702号八束川上自転車道線︵蒜山高原自転車道︶ ●ひるぜんベアバレースキー場 ●蒜山高原キャンプ場 ●蒜山ハーブガーデン ハービル ●塩釜の冷泉 ●WOOD PAO ●ヒルゼン高原センター ●休暇村蒜山高原 ●道の駅蒜山高原︵ホテル蒜山ヒルズ︶ ●道の駅風の家ひるぜんジャージーランド
アルプホルンの演奏(ひるぜんジャージーランド)
塩釜の冷泉
ヒルゼン高原センター
道の駅蒜山高原
ホテル蒜山ヒルズ
道の駅風の家
交通[編集]
国道482号と国道313号が高原を通過している。米子自動車道の蒜山ICからアクセスできる︵同道路に蒜山高原SAがある︶。但し鉄道が通っておらず、バスの本数も少ないため公共交通機関でのアクセスは不便である。公共交通機関でのアクセスは以下のとおり。
●JR姫新線中国勝山駅より真庭市コミュニティバス﹁まにわくん﹂蒜山・久世ルートに乗車、蒜山高原︵休暇村前︶下車。
●JR山陽本線岡山駅から運行されている高速バス︵中鉄北部バス﹁勝山~岡山線﹂︶が終点の中国勝山駅にて上記バスに接続している。
●JR山陰本線倉吉駅から日本交通バス関金行に乗車、関金温泉にて真庭市コミュニティバス﹁まにわくん﹂中曽・関金ルートに乗り継ぎ、蒜山高原︵休暇村前︶下車。
●大阪難波︵OCAT︶から高速バス︵日本交通﹁米子~神戸・大阪線﹂米子行き︶に乗車、湯原・蒜山︵二川BS)にて真庭市コミュニティバス﹁まにわくん﹂湯原・蒜山︵二川BS)ルートに乗り継ぎ、蒜山高原下車。当ルートは高速バス・コミュニティバスとも予約制。
エピソード[編集]
1986年7月27日に蒜山高原で行われた﹁蒜山ミュージックフェスティバル﹂での聖飢魔IIの黒ミサ︵人間界で言うライブないしコンサート︶のオープニングにて、ボーカルのデーモン閣下が野外ステージの屋根から登場したが、屋根にぶら下がった状態からステージに飛び降りた際、機材セットにぶつかって左脚を骨折した。しかし、1曲目の﹁THE END OF THE CENTURY﹂歌唱直後のMCで、信者︵ファン︶に対して﹁蒜山高原の諸君、元気か?︵歓声︶吾輩は元気でなくなってしまった。急に﹂と発し、激痛に耐えながら公演を全うした。脚注[編集]
出典[編集]
(一)^ “日本のジャージーの現況” (PDF). 日本ジャージー登録協会 (2016年8月16日). 2018年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月17日閲覧。
(二)^ “まにわブックス-デジタルブックレットVol.1-”. 真庭市教育委員会. 2018年8月10日閲覧。
(三)^ 植物研究雑誌第32巻第3号岡山県八束村及び川上村の珪藻土について(3︶、1957年3月株式会社ツムラ発刊、90頁
(四)^ “大地と人が育てる 地区の歴史を見つめてきた特産大根”. JA真庭. 2018年8月10日閲覧。
(五)^ “野菜指定産地の県別一覧︵岡山県︶”. 中国四国農政局. 2018年8月17日閲覧。
(六)^ “真庭市の概要”. 真庭市. 2018年8月17日閲覧。
(七)^ “蒜山そば”. グリーンピア蒜山. 2018年8月11日閲覧。
(八)^ “作物統計調査 平成29年産市町村別データ 4 そば”. 農林水産省. 2018年8月11日閲覧。
(九)^ “B-1グランプリ優勝の岡山県﹁ひるぜん焼そば﹂、その魅力を求めて名店巡り”. マイナビニュース. (2013年10月9日) 2018年9月15日閲覧。
(十)^ “ひるぜん焼そば”. 蒜山観光協会. 2018年9月15日閲覧。
(11)^ ab“ご当地グルメ﹁ひるぜん焼そば﹂って?”. ひるぜん焼そば好いとん会. 2018年9月15日閲覧。
(12)^ ab村上健司編著﹃日本妖怪大事典﹄角川書店︿Kwai books﹀、2005年、32-185頁。ISBN 978-4-04-883926-6。