GNU/Linux
GNU/Linux(ないしGNU/Linuxオペレーティングシステム、略してGNU/Linuxシステム)は、一般に「Linux」と呼ばれているものが、GNUプロジェクトによるソフトウェアを数多く利用しており、glibcやbashのような重要なライブラリやソフトウェアはGNUが開発しているとして、その呼称としてGNUプロジェクト側が主張している呼称である。
由来[編集]
詳細は「GNU/Linux名称論争」を参照
一般にLinuxを使用する場合、﹁カーネルとしてLinuxカーネルを使用し、それ以外はGCC、GNU Binutils、GNU Core Utilitiesなどをはじめとする必須にして多数のGNUのプロダクトを使用﹂しているものがほとんどである。そのためこのようなシステムを﹁GNU/Linuxシステム﹂と呼ぶべきだとGNUプロジェクトは主張している[1]。Linuxカーネル開発者のリーナス・トーバルズはこの呼称について部分的に受け入れているが、全てのLinuxシステムに対しての呼称としては反対しており、個人的にはLinuxと呼び続ける、としている︵GNU/Linux名称論争#﹁Linux﹂支持に詳細︶。
その他[編集]
Debianはその成立経緯などから、ディストリビューションの正式名を﹁Debian GNU/Linux﹂とするなどGNUプロジェクトを尊重する立場をとっている。またDebianプロジェクトは他のプロダクトにもこの命名方式を転用しており、カーネルにGNUプロジェクト製のカーネルHurdを使用しその他のGNUプロジェクト製ソフトウェアをあわせた﹁Debian GNU/Hurd﹂や、FreeBSDのカーネルを使う﹁Debian GNU/kFreeBSD﹂などがある。 なお、逆にGNUプロジェクトのプロダクトを一切使わないLinuxシステムというものについて、具体例としてGNUプロジェクトがFAQでAndroidを挙げているという例を出す者がいるが、しかしFAQをちゃんと読むと、そもそもAndroidは一般にLinuxシステムと呼ばれているものとは全く違うものなので、AndroidをLinuxシステムと呼ぶこと自体が間違いだと述べている[2]。だいたいにおいて実際のところ、例えば、Linuxカーネルのコンパイルは、実用的には、gccでしか不可能である。gcc以外︵特にClang︶でのコンパイルは、いくつか成功したという報告はあるが、本格的なものは2016年現在LLVMLinuxというプロジェクト[3]で進行中の状態である。また、カーネルとの結びつきが特に強いコンポーネントに標準Cライブラリがあるが、それについてはGNU Cライブラリ︵glibc︶以外にmuslなどがある。関連項目[編集]
出典[編集]
(一)^ Linux と GNU GNUプロジェクトによる、LinuxカーネルとGNUとの関係についての文章。
(二)^ “GNUなしの完全なLinuxシステム[ママ]はありますか?”. リチャード・ストールマンのGNU/Linux FAQ. 2017年6月24日閲覧。 “Linuxを含みGNUではない完全なシステムはあります。アンドロイドが一つの例です。しかし、これを“Linux”システムと呼ぶことは間違いで、ちょうどGNUを“Linux”システムと呼ぶのと同じ間違いです。”
(三)^ http://llvm.linuxfoundation.org/index.php/Main_Page