ドイツ観念論(読み)ドイツカンネンロン(英語表記)German idealism 英語

デジタル大辞泉 「ドイツ観念論」の意味・読み・例文・類語

ドイツ‐かんねんろん〔‐クワンネンロン〕【ドイツ観念論】

《〈ドイツ〉deutscher Idealismus》18世紀後半から19世紀初めにかけて発展したドイツ哲学の総称。カントに始まり、フィヒテシェリングを経てヘーゲルによって完成される。自然に対し精神を優位とする立場をとり、世界を普遍的理念による体系として構築し、把握しようとする傾向を持つ。ドイツ理想主義

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精選版 日本国語大辞典 「ドイツ観念論」の意味・読み・例文・類語

ドイツ‐かんねんろん‥クヮンネンロン【ドイツ観念論】

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] deutscher Idealismus の訳語 ) カント哲学のあとをうけて、一九世紀の前半にドイツで開花した一連の哲学。代表者はフィヒテ、シェリング、ヘーゲル。その特色は、カント哲学に存する感性界と超感性界、自然界と精神界の二元論的な立場を超えて、これを絶対者の概念を媒介として統一しようとした点にある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドイツ観念論」の意味・わかりやすい解説

ドイツ観念論
どいつかんねんろん
German idealism 英語
der deutsche Idealismus ドイツ語
idéalisme allemand フランス語


der deutsche Idealismus33()()


時代と傾向


1786871800180819

 ()


カントの克服

ラインホルトは、カント哲学にはすべての学説を導き出すもとになる「ただ一つの原理」が欠けている、哲学が真の学問、「第一哲学」となるためには、こうした原理が発見されなければならない、と説いた。ここに(1)カント哲学の重点を道徳、宗教思想に置いて、(2)感性界と英知界、自然と自由、実在論と観念論、つまり客観と主観の二元的対立の統一を、(3)唯一の根本原理を基にする「哲学体系」の展開によって行う、という「ドイツ観念論」の根本目標が設定された。

[加藤尚武]

観念論と実在論




 (1)(2)(3)


神と人間




 調

 (1)(2)(3)


神即自然


(1)(2)(3)宿


神即歴史





自由の深淵






19751979R19821984

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改訂新版 世界大百科事典 「ドイツ観念論」の意味・わかりやすい解説

ドイツ観念論 (ドイツかんねんろん)
deutscher Idealismus[ドイツ]


︿19

 西︿︿︿︿

 ︿︿退︿︿︿︿L.A. 

 ︿Karl Leonhard Reinhold1758-1823︿︿︿︿TathandlungAA︿︿AA使︿

 ︿︿


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百科事典マイペディア 「ドイツ観念論」の意味・わかりやすい解説

ドイツ観念論【ドイツかんねんろん】

 
deutscher IdealismusIdealismus︿︿調︿︿
 

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイツ観念論」の意味・わかりやすい解説

ドイツ観念論
ドイツかんねんろん
deutscher Idealismus; German idealism

カントからヘーゲルにいたる思潮を中核に,18世紀後半から 19世紀なかばにかけてドイツを中心に展開された観念論的思想運動,現代にいたるまでその影響は大きい。カントは人間の本来的な認識能力の批判的分析により,独断的形而上学を排し真の形而上学を樹立しようとした。フィヒテはカントの純粋統覚の概念を自我と結びつけ,外的世界を非我とし,この自我と非我との弁証法において絶対自我が得られるとして,絶対的観念論の基礎を築いた。さらにシェリングは外的世界をも絶対自我の弁証法的自己展開の一契機と考え,同一哲学を形成した。このシェリングの意図を弁証法的論理をもって完成させたのはヘーゲルである。自我は理念として,現象世界を自己疎外と自己止揚の反復を介して展開し,最後に自己自身へ回帰する。ここにドイツ観念論はその体系的完成をみるにいたった。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ドイツ観念論」の解説

ドイツ観念論(ドイツかんねんろん)
deutscher Idealismus

カントに始まりフィヒテシェリングをへてヘーゲルに至る一連の哲学。この4者とも相互に体系的連関を持っている。観念=理性を根本原理とみるもので,しだいに理性の能力が拡大,神化されて,ヘーゲルの絶対精神の哲学となった。市民社会を基盤とする近代人の自我が哲学的に自覚され,ドイツ観念論となったといえよう。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ドイツ観念論」の解説

ドイツ観念論
ドイツかんねんろん
deutscher Idealismus

イギリス経験論とフランス合理論を総合した19世紀ドイツ哲学の主流
カントに始まり,フィヒテ・シェリングをへてヘーゲルで完成。18世紀の啓蒙主義の自然主義的・功利主義的性格に抗し,精神的実在を追究しようとした。「理想が現実を支配する」という考え方を基本にもち,後進国ドイツが上からの近代化を進める中で誕生した。

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世界大百科事典(旧版)内のドイツ観念論の言及

【ドイツ神秘主義】より


143Mechthild von Magdeburg(12108294)3

【ヘーゲル】より

…近代ドイツ最大の哲学者。ドイツ観念論を集大成したともいわれる。さらに,ドイツ観念論の限界を超えて,社会的現実における人間の学へと一歩を進め,フォイエルバハ,マルクスに大きな影響を与えた。…

※「ドイツ観念論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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