出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…フランスでは,ユゴー,ラマルティーヌ,ビニーらロマン派の中心的大作家,大詩人たちは幻想文学に特に見るべき作品を残さず,むしろマイナー・ポエットたち,〈小ロマン派petits romantiques〉のボレルらによって,時代精神を極度に圧縮しつつ逆にその反時代性をあらわにする幻想小説の佳品が作られている。ネルバルは,生前はそれら群小詩人の一人としかみなされなかったが,《幻想詩編》をはじめとする彫琢をきわめた深遠な詩編,《オーレリア》を頂点とする夢と狂気に満ちた小説群は20世紀になってきわめて高い評価を受け,19世紀を代表する幻想文学の巨匠と見なされるにいたった。19世紀フランスを代表するリアリズムの大作家バルザックにも《セラフィータ》《サラジーヌ》のような幻想的作品があり,モーパッサンにも怪談《オルラ》がある。…
…現存在分析を創始したスイスの精神医学者ビンスワンガーの主著で,1957年に単行本の形で刊行された。5例の精神分裂病のくわしい症例研究からなるが,30年代に著者が独自の人間学的方法を確立したのち,数十年にわたる臨床活動の総決算として44年から53年にかけて集成したもの。ここでは,分裂病は人間存在に異質な病態としてではなく,人間から人間へ,現存在から現存在への自由な交わりをとおして現れる特有な世界内のあり方として記述される。…
※「ネルバル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
タコノキ科の常緑高木。小笠原諸島に特産する。幹は直立して太い枝をまばらに斜上し,下部には多数の太い気根がある。葉は幹の頂上に密生し,長さ1〜2m,幅約7cmで,先は細くとがり,縁には鋭い鋸歯(きょし)...