ヒマラヤ山脈(読み)ヒマラヤサンミャク(英語表記)Himalaya

デジタル大辞泉 「ヒマラヤ山脈」の意味・読み・例文・類語

ヒマラヤ‐さんみゃく【ヒマラヤ山脈】

ヒマラヤ

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改訂新版 世界大百科事典 「ヒマラヤ山脈」の意味・わかりやすい解説

ヒマラヤ[山脈]
Himalayas


沿西

 200m8848m西西西西湿2


︿Himālayahimaālaya︿︿Himavat︿︿︿西︿︿


西西2400km200300km

 西8000m

 51 550km2 320km3 800km西8000m104 400km5 400km15

70008000m10004000m1000m

 5000m︿湿

 2西調

 西西

 

湿西12345西6911

 湿1200m12001900m19002500m西25003000m30003800m3800m5500m

 15%29003300m35004300m37005300m3000m500700m

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 西西

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17160224西18貿使1774G.83S.使W.使176519︿18521830-43G.19Joseph Dalton Hooker1848-50西1854-577355m6784m

 W.W.18836864m99A.F.1892M.99D.W.20T.19077000m7120m09K27500m11921-3878500m32-39531F.S.36H.W.7000m36

 28000m508000m53E.P.56648000m7000m


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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒマラヤ山脈」の意味・わかりやすい解説

ヒマラヤ山脈
ひまらやさんみゃく
Himalaya


()西西2400himaalaya西西

 


山脈の区分

長大なヒマラヤ山脈は、記述の便宜上、次のように区分するのが普通である。

[金子史朗]

アッサム・ヒマラヤ

ヒマラヤ山脈最東部、ブラマプトラ川の屈曲点から、西方はブータンを含めた区域。夏の季節風の影響で多雨であり、山麓(さんろく)は熱帯性雨林が覆う。最高峰ナムチャ・バルワ(7756メートル)のほか、いくつかの7000メートル峰が知られている。ブータンは1974年まで外国人の入国が禁止されていた事情もあり、将来の有望な探検地帯といえる。

[金子史朗]

シッキム・ヒマラヤ

ブータンとネパール間にあるヒマラヤ山脈の区分のうち、いちばん狭い区域。チュンビ渓谷は古くからチベットへの通路となっていたため、ヒマラヤのなかではもっとも早くから知られていた。カンチェンジュンガ山(8586メートル)やジャヌー山(7710メートル)などが個性的な山として知られている。

[金子史朗]

ネパール・ヒマラヤ

ネパール領内にある区域で、ヒマラヤ山脈のほぼ中央、その2分の1を占める。世界の最高峰エベレスト山(8848メートル)をはじめローツェ山、マカルー山、ダウラギリ山、チョー・オユー山、マナスル山、アンナプルナ山など、8000メートル級高峰7座がある。長い間ネパールは鎖国を敷いていたが、1949年の開国とともにヒマラヤ登山の黄金時代を迎えた。一方、自然科学的にも人文系科学的にも、この地域でもっとも調査が集中して進められ、山岳研究のメッカとなった。

[金子史朗]

ガルワール・ヒマラヤ

ネパール西部国境から、インダス川の支流サトレジ川の間の区域。ナンダ・デビ山(7816メートル)が最高峰で、ナンダ・コート山は、1936年日本最初のヒマラヤ遠征で登頂された記念すべき山である。

[金子史朗]

パンジャーブ・ヒマラヤ

サトレジ川とインダス川本流との間を占める区域。多くの犠牲者を出し「魔の山」とよばれるナンガ・パルバト山(8125メートル)のみが8000メートル峰で、ヌン山も有名である。

[金子史朗]

カラコルム

インダス川の北方に位置し、地質構造上はチベット帯に属する。この名称は中国とインドを結ぶカラコルム峠に由来し、「黒い岩」の意味がある。世界第二の高峰K2峰(8611メートル)以下、8000メートル峰が4座あり、また長大な谷氷河の存在でも知られる。登山家を魅了した峻峰(しゅんぽう)を数多くもつ点ではネパール・ヒマラヤに引けをとらない。

[金子史朗]

地質


346714()

 ()()()()2500()5

 310001

 ()退退調調()


気候

ヒマラヤの気候を左右するのは、夏と冬とで交代するモンスーンである。大陸内部に低圧部ができる夏半年には、インド洋やアラビア海から湿った気流(団)が北上する。これがヒマラヤの障壁に遮られて強制上昇する際、高所では強風や激しい降雨、降雪となる。夏半年とくにその前半は雨期となるわけである。その開始は東部ヒマラヤでは6月初旬、西部ヒマラヤでは1か月ほど遅れる。冬の季節風は風向きは反対で乾燥する。したがってヒマラヤ登山は、季節風開始前のプレ・モンスーンの好天を利用するか、季節風の終わったポスト・モンスーンに選ばれる。このほか高度の増加による気温の減少(100メートルにつき0.5℃前後)があり、山地斜面による日射量の違いも大きい。これは土地利用、居住、作物栽培にいろいろな制約を与えている。

[金子史朗]

生活

ヒマラヤ山脈では、南のヒンドゥー系、イスラム系と、北のチベット系文化が、それぞれ固有の文化圏をもち、高度によって重層的になっている。ネパールでは、標高2000メートルを境として、高所は牧畜(クロウシ、ヤク、ゾウ―ウシとヤクの雑種)の比重の高いチベット文化圏で、大麦、小麦、ソバをつくる。これより低所は水稲、シコクビエ、トウモロコシを主としたヒンドゥー系文化圏に属し、耕作にはウシを使い乳用の水牛が飼育されている。近年、山地内部での人口増加に伴い、山地斜面の開墾は、より上方高所へと拡張され、加えて薪炭不足のための森林伐採も進み、ネパール国内の山村生活に限っても自然環境は以前に増して悪化してきた。ヒマラヤ登山、トレッキング人口の増加が、自然の破壊に拍車をかけ憂慮されている。1920年代にイギリスのエベレスト遠征隊に人夫として採用されたネパールの住民のシェルパは、現在、この地方の登山、旅行に欠くことのできない存在となっている。

[金子史朗]

植生

インド亜大陸とチベット高原を境するヒマラヤ山脈は全長2400キロメートル、幅100キロメートル、標高差6000~8000メートルで、ほぼ北西から南東へと連なる。標高に伴う大きな環境傾度をもつ山脈は、一般に生物分布の障壁や経路となる。ヒマラヤ山脈も南北方向は巨大な分布の障壁となるため、熱帯性の生物にとっては北限、温帯性の生物にとっては南限となっている。一方、東西方向からは、東アジアの湿潤要素と南西アジアの乾性要素が複雑な地形に伴って、多様な生育立地をすみ分けながら入り込んでいる。ヒマラヤにおいては、これら熱寒、乾湿という地球の生物分布を支配する温度と水分の二つの環境傾度が交差し、地球上でもっとも多様な生物要素がみられる地域の一つとなっている。このことは、逆にいえば、ヒマラヤには固有の生物が少ないということになる。ヒマラヤから中国南西部に種分化の中心をもつシャクナゲ、サクラソウ類などのグループを除けば、ほとんどの植物は周辺地域に本拠をもつ植物相に含まれ、ヒマラヤは、その重なり合いのなかにある。垂直分布帯でみると、ヒマラヤ北西部では全般に刺(とげ)低木植生のほか、マツ林などの半乾燥性植生が卓越しているが、ヒマラヤ南東部では湿潤条件下で高度による植生帯の分化がより発達している。低地から1000メートル付近までは熱帯性の常緑樹林、半常緑樹林、モンスーン林が分布する。さらに、1000~2500メートルまでは亜熱帯ないし暖温帯性常緑広葉樹林(照葉樹林)、2500~3000メートルはツガ林やカエデが優占する落葉広葉樹林、3000~4000メートルはモミ、トウヒなどの常緑針葉樹林と続き、その上限は森林限界となる。4000メートルから上は高山帯であるが、高等植物は6000メートル付近まで分布する。これ以上はエオリアン帯とよばれる、一次生産者としての高等植物を欠いた生態系となり、さらにその上は氷雪帯となる。

[大澤雅彦]

登山


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒマラヤ山脈」の意味・わかりやすい解説

ヒマラヤ山脈
ヒマラヤさんみゃく
Himalaya Range

 
西 himaālaya西 2500km 200400km 7000m8000m西2 K2湿湿西791 5000m19調1850 6000m20 7000m8000m 1950195319561964 110 7000m1970  

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世界大百科事典(旧版)内のヒマラヤ山脈の言及

【アルプス・ヒマラヤ地帯】より

…アルプス山脈付近から西アジアを経て,ヒマラヤ,インドネシアに続く地球上最大の山脈系の一つ。その西端はスペイン・フランス国境のピレネー山脈や北アフリカのアトラス山脈で,これからアペニノ山脈,アルプス山脈,カルパチ山脈,ディナル・アルプス山脈,小アジア半島,カフカス山脈,ザーグロス山脈,ヒンドゥークシュ山脈と続いて,ヒマラヤ山脈に至る。…

【インド】より


西()7()

【登山】より

…19世紀の終りに活躍したイギリスの登山家A.F.ママリーはより困難なルートからの登山を提唱し,スポーツ登山はその困難さの中に喜びを見いだすと説き,これはママリズムとして近代のアルピニズムのおもな思想となった。 ヒマラヤは,18世紀ごろからキリスト教の宣教師やインドの測量局員などが足を踏み入れていたが,純粋な登山を目的にヒマラヤを訪れたのはイギリスのW.W.グレアムで,1883年ガルワールおよびシッキムの7000m近い数峰を登り,95年にはママリーがナンガ・パルバット(8125m)で消息を絶った。92年イギリスのM.コンウェーのカラコルム遠征隊は,パイオニア・ピーク(6888m)に登り,99年イギリスのD.W.フレッシュフィールドはカンチェンジュンガの山麓を一周した。…

※「ヒマラヤ山脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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