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「運命の力」の版間の差分

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2012年1月25日 (水) 15:49時点における版

『運命の力』第4幕フィナーレの、1919年-20年のメトにおける舞台写真。カルーソー(アルヴァーロ:中央)とポンセル(レオノーラ:右)

La Forza del Destino 418621869

La Forza del Destino

Don Alvaro, o La Fuerza del Sino Wallenstein Lager 



186211101029

1869227

作曲の経緯


185921861

ロシアからの委嘱

エンリーコ・タンベルリック

18616C2Ruy Blas 1791 - 1865

『運命の力』


18352使

1850185218562椿

作曲作業


椿

鹿Imbecille 2

32Wallenstein Lager 18618

「原典版」の完成


186111112212

Inno delle Nazioni 

18629

初演

サンクトペテルブルクでの初演時に配布された、イタリア語/ロシア語のリブレット表紙

186211101029Journal de St Petersburg3

31868 - 1869

18632

18651867

改訂作業


3鹿1863

186518678

186881869201845Giovanna d'Arco 1845

1824

3

1869227

編成

主な登場人物




 

 





Padre Guardiano




楽器編成


33222423425 24 2

演奏時間

約2時間50分:改訂版(各25分、50分、55分、40分)、原典版は約2時間40分(各20分、50分、60分、30分)

舞台構成

全4幕

  • 序曲
  • 第1幕 カラトラーヴァ侯爵の居城
  • 第2幕 
    • 第1場 ホルナクエロス村の宿屋
    • 第2場 同村の山中にあるデッリ・アンジェリ修道院
  • 第3幕 
    • 第1場 イタリア、ローマ近郊ヴェレートリの野戦場
    • 第2場 宿営地
  • 第4幕
    • 第1場 修道院の中庭
    • 第2場 洞穴の前

あらすじ






18

第1幕

レオノーラとドン・アルヴァーロは相思相愛の仲であるが、アルヴァーロがインディオの血を引いていることを理由に父カラトラーヴァ侯爵は結婚に反対しており、レオノーラは家族愛と恋愛の板ばさみの悲嘆に暮れている。居城に忍び込んだアルヴァーロは駆落ちを提案、レオノーラが決心を固めたその刹那、侯爵が2人を発見する。アルヴァーロは抵抗の意思のないことを示すため所持していた短銃を捨てるが、それは暴発し侯爵に致命傷を与える。侯爵は娘を呪いつつ死に、レオノーラとアルヴァーロは過酷な運命を嘆く。

第2幕

第1幕から18か月後。

第1場

村の宿屋で人々が食事をとっている。カラトラーヴァ侯爵の息子ドン・カルロは学生に変装し仇敵を追ってこの村までやってきた。ジプシー女プレツィオジッラは男たちに「イタリアでの戦争に参加して軍功を立てろ」と説いて回っている。カルロは「自分はドン・カルロの友人で、一緒に侯爵殺しのアルヴァーロを探していた。カルロ君は新大陸まで彼を追って行った」と自分の身の上話(もちろん作り話だが)を一同に聞かせる。実はレオノーラも男性に変装して当地に宿泊していたのだが、カルロの姿を認め、その話を聞くと慌てて逃亡する。

第2場

深夜、修道院の中庭。男装したままのレオノーラがやってくる。カルロの話から、アルヴァーロは自分を捨ててアメリカへ帰ったと思い込んだ彼女は絶望の余りこの修道院を訪ねてきたのだった。彼女はドアを叩き、出てきたメリトーネ修道士にグァルディアーノ神父に会わせてくれるよう依頼する。レオノーラはグァルディアーノ神父に自分の素性を明かし、この修道院の山裾の洞穴で、世を捨てた男性修道士として余生を過ごさせて欲しい、と懇願する。神父はその願いを聞き、修道士たちを招集、以後、この悩める者の住む洞穴に近寄る者は天罰が下るであろう、と厳かに宣言、レオノーラは一同と共に神に祈りを捧げる。

第3幕

第2幕から数年後。

第1場


22


第2場

夜の宿営地。戦傷が癒えたアルヴァーロが物思いに耽るところへカルロが現れ「もう傷は癒え、闘うことができるか」と訊ね、「我こそは高貴な家名を汚された汚辱をそそぐべく、お前を追ってきたドン・カルロ・ディ・ヴァルガス」と名乗る。アルヴァーロは自分の秘密が知られてしまったことに驚き悲しむが、いったんは義兄弟の契りを結んだ人と戦うことはできない、ましてレオノーラが死んだ今となっては、と決闘を拒絶する。カルロは、レオノーラは行方不明ではあるが生きているらしいこと、しかしアルヴァーロを討った後、自分は彼女も探し出して殺すこと、を告げる。アルヴァーロも遂には剣を抜き2人は決闘するが、巡邏兵に発見され引き離される。アルヴァーロは「もはや修道院にしかこの世での居場所はない」と剣を捨て、その場を立ち去る。

朝となり、スペイン軍に従ってやってきたプレツィオジッラ、メリトーネ修道士、スペイン兵、イタリア兵による賑やかな情景が展開される。プレツィオジッラは景気付けに軍歌を歌い、一同唱和する。

第4幕

第3幕から少なくとも5年後。

第1場

修道院の中庭。アルヴァーロも今やこの修道院に、ラファエッロ神父と名乗って暮らしている。グァルディアーノ神父とメリトーネ修道士が貧民に食べ物の施しを与えているところへカルロが登場、ラファエッロ神父に面会したいと告げる。ラファエッロ神父が現れると、カルロは「とうとう見つけた、決闘をしろ」と剣を手渡す。アルヴァーロは「今では神に仕える身ゆえ決闘はできない、君の許しを得たいと思っている」と断るが、カルロが彼を臆病者と罵り、彼の血を穢れているとさげずみ、更にはアルヴァーロの頬を平手打ちするに及び、遂にアルヴァーロも決闘を承諾、2人は決闘の場所を求めて山裾の方へ駆けていく。

第2場


2

原典版のエンディング

原典版では既述の如く、レオノーラの死を目の当たりにしたアルヴァーロは人類を呪って投身自殺し、修道士たちと村人たちが松明をかざして行列して幕となる。

有名なアリア・重唱等


Al suon del tamburo 21

Son giunta! Grazie, o Dio22

使La Vergine degli angeli22

使Oh, tu che in seno agli angeli311

Solenne in quest'ora31

!Morir! tremenda cosa - Egli è salvo!31

Rataplan32

Pace, pace, mio Dio42

序曲


1869371869

金管によるテーマ

前奏曲においても序曲にあっても、その最初は金管での3つの主音である。これをベートーヴェン交響曲第5番における「運命のフレーズ」のヴェルディ版になぞらえる分析もある。しかし、劇中でこの3主音は必ずレオノーラとともに現れ、決してドン・アルヴァーロには伴わない。その点でこのフレーズは「レオノーラのモティーフ」と考えるのが一般的である。

なお、改訂版の初演指揮者マリアーニがこの金管でのモティーフをフォルティッシモで演奏したことにヴェルディは不満であり、「このモティーフは修道士たちの敬虔な祈りを表しており、メッツァ・ヴォーチェで奏されるべきである」と述べている。実際、譜面上での指示記号は単にフォルテである。

配役

レオノーラ



アルヴァーロ



カルロ


34320196034Egli è salvo!

グァルディアーノ神父


186218691868I promessi sposi 

プレツィオジッラ


123

メリトーネ


34

日本での初演


196012262

参考文献

  • Julian Budden, "The Operas of Verdi (Volume 2)", Cassell, (ISBN 0-304-31059-X)
  • Charles Osbone, "The Complete Operas of Verdi", Indigo, (ISBN 0-575-40118-4)
  • Paul Jackson, "Sign-off for the Old Met", Duckworth, (ISBN 0-7156-2805-4)
  • 永竹由幸「ヴェルディのオペラ――全作品の魅力を探る」 音楽之友社 (ISBN 4-276-21046-1)
  • 佐川吉男「名作オペラ上演史」 芸術現代社 (ISBN 4-87463-173-8)
  • 日本オペラ振興会(編)「日本のオペラ史」 信山社 (1986年刊。書籍情報コードなし)
  • リコルディドーヴァー社の全曲スコア