MOTHER3
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MOTHER3 | |
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ゲーム | |
ゲームジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | ゲームボーイアドバンス |
開発元 | 任天堂 東京糸井重里事務所 HAL研究所 ブラウニーブラウン |
発売元 | 任天堂 |
監督 | 監修: 糸井重里 音楽: 酒井省吾 |
プロデューサー | 宮本茂 岩田聡 田邊賢輔 |
メディア | 256Mbitロムカセット バックアップフラッシュメモリ搭載 |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | ![]() |
売上本数 | 36万8585本 |
レイティング | CERO: A(全年齢) |
その他 | 主題歌 大貫妙子「MOTHER3 愛のテーマ」 タイトルの移り変わり 『MOTHER3 キマイラの森』 →『MOTHER3 奇怪生物の森』 →『MOTHER3 豚王の最期』 →『MOTHER3』 プラットフォームの移り変わり スーパーファミコン →NINTENDO64 →64DD →NINTENDO64 →ゲームボーイアドバンス |
アルバム | |
サウンドトラック | |
テンプレート - ノート |
概要
MOTHERシリーズの3作目にしてシリーズの完結編。
開発は任天堂、東京糸井重里事務所、HAL研究所、ブラウニーブラウン。前作﹃MOTHER2﹄まではHAL研究所などが糸井重里と独自に開発していたが、本作は任天堂の開発部署︵田邊賢輔とその開発チーム︶が主に開発を担当した。
開発期間は12年。日本一難産だったゲームソフトとしても知られる。
キャッチコピーは﹁奇妙で、おもしろい。そして、せつない。﹂。前作までと同様、ゲームデザインの糸井が担当した。
プロモーションは糸井主宰のウェブサイト﹃ほぼ日刊イトイ新聞﹄︵以下﹃ほぼ日﹄︶を中心に展開された。テレビコマーシャルには柴咲コウが出演、任天堂スポンサー番組を中心に流された。内容は柴咲が本作の感想を語る、というもの。
カートリッジに256Mbitロムカセットが採用されている。
また、ニンテンドーDSでプレイした際にバグを避けるため、バッテリーバックアップではなくバックアップ用フラッシュメモリが搭載されている。
年譜
●1994年末 - 1995年頃‥スーパーファミコン用ソフトとして製作開始。
●1997年‥NINTENDO64用ソフト﹃MOTHER3 キマイラの森﹄として発表。その後64DD用ソフトとなり、タイトルも﹃MOTHER3 奇怪生物の森﹄に変更。
●1999年‥﹁任天堂スペースワールド'99﹂で﹃MOTHER3 豚王の最期﹄としてプレイ可能な状態で公開。﹁2000年5月発売予定﹂と告知。
●2000年8月22日‥開発6年目を迎える段階においても完成の目処が立たず、企業判断により開発見送り、発売中止を発表。
※以後2003年までの間、ファン有志の署名活動などがネットで行われた。
●2003年4月‥ゲームボーイアドバンス用ソフトとして開発再開を発表。
●2005年10月下旬‥﹃ほぼ日﹄の﹁今日も金魚は﹂で、突如金魚カメラ前にどせいさんの人形が置かれ、その後カメラの半分を占めるほどになる。また同時期に、任天堂と東京糸井重里事務所、HAL研究所とブラウニーブラウンが特許を出願。
●2005年11月‥正式タイトル﹃MOTHER3﹄として発表。﹃MOTHER1+2﹄のCMで、ゲームボーイアドバンス用ソフトとして﹃MOTHER3﹄を開発していることを発表。
●2005年11月16日‥﹃ほぼ日﹄の﹁今日のダーリン﹂で、ブラウニーブラウンスタッフの門井元がMOTHER3作画のチームの一員であるが明かされた。
●2006年1月24日‥﹃ほぼ日﹄の﹁今日のダーリン﹂で発売日が2006年4月20日と発表。27日には任天堂からも公式発表された。
●2006年4月20日‥発売。
●2006年11月2日‥音楽CD﹃MOTHER3+﹄発売。
●2007年2月7日‥iTunes限定配信サウンドトラック﹃MOTHER3i﹄発売。
システム
サウンドバトル
戦闘システムは﹁サウンドバトル﹂という本作独自のものになっている。
サウンドバトルとは、戦闘BGMに刻まれたモンスターの鼓動に応じてリズムよくボタンを押すことで、最大16回の連続攻撃ができるシステム。判定は若干シビアだが、連続攻撃を成功させると最大2.5倍の威力となる。
全ての戦闘BGMにサウンドバトルのリズムが個別に設定されており、同じようなメロディーでも途中でテンポが変化するものもある。
リズムは単調な拍子から1137拍子など不規則なものまで多種多様である。また敵を眠らせるとリズムを聴き取りやすくなる。
ダッシュ
Bボタンをしばらく押し続けて離すと﹁ダッシュ﹂ができる。高速移動ができるだけではなく、弱い敵を﹁体当たり﹂で弾き飛ばすことが可能。
サウンドプレーヤー
本編未使用曲を含む250曲のBGMを聴ける﹁サウンドプレーヤー﹂が用意されている。なお、本編で使用されているが収録されていない曲もある。
注意‥以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
ストーリー
その場所も、時代も、その世界が地球かどうかもわからない、全てが謎に包まれたノーウェア島という島にある唯一の村・タツマイリ村が舞台。前作までの旅情感から一転し、本作では1つの舞台にストーリーを蓄積させていく様式を取っている。
ゲーム内容は章立てになっており、章ごとに主人公が変わる。物語が進むにつれ、別の章で冒険をしていた主人公たちが合流・離別する。
タツマイリ村に住むフリント一家の双子の兄弟リュカとクラウスが、祖父のアレックのもとに母親のヒナワと遊びに行ったところから始まる。
シナリオ
第1章 とむらいの夜︵Chapter 1‥Night of the Funeral︶
主人公はフリント。平和なタツマイリ村を火事が襲い、燃え盛るライタの家にフエルが取り残される。 鎮火した後、フリントは家族が家に帰ってないことに気づく。
第2章 泥棒アドベンチャー︵Chapter 2‥Thief Adventure︶
主人公はダスター。﹁あるじゅうようなもの﹂を探しにオソヘ城へ行く。
第3章 謎の行商人︵Chapter 3‥The Mysterious Peddler︶
主人公はサルサ。時間軸は第2章と同時進行。﹁さるじち﹂のサルコのため、サルサは仕方なくヨクバの言うことを聞く。
第4章 チチブーの劇場︵Chapter 4‥Titiboo Theater︶
主人公はフリントの息子、リュカ。3年後、タツマイリ村は近代化していた。ダスターがクラブ・チチブーにいるという噂を聞き、リュカはボニーとともにクラブ・チチブーへ乗り込む。そこにはタメキチというベーシストと、ヨシコシという人気ウェイトレスがいた。
第5章 イカヅチの塔︵Chapter 5‥Tower of Thunder︶
ハミングバードの卵を追って、ハイウェイ、そして雷を落としているイカヅチタワーに潜入する。
第6章 ひまわりの高原︵Chapter 6‥Field of Sunflowers︶
一面ヒマワリだらけの高原。リュカはそこである人の後ろ姿を追う。
第7章7つの針︵Chapter 7‥Seven needles︶
マジプシーによって知らされたこの島の針の謎。ノーウェア島各地に散らばる針を抜くため、離れ離れになった仲間を捜しながらマジプシーの家を訪れる。しかし、ブタマスクたちも狙いは同じであった。
第8章 なにもかも なにもかも︵Chapter 8‥Everything, Everything︶
ニューポークシティに連れてこられたタツマイリ住人と主人公たち。﹁リーダー﹂なる人物によって世界の真実を知らされ、エンパイアポーキービルで真実を見ることに。
ノーウェア島の主な町・地点
タツマイリ村︵Tatsumairi Village︶
フリント一家が暮らす村。時間が経つにつれ、村人たちや村の様子が徐々に変化していく。
平和で欲を持たない人間が集まっている村とされる。動物たちも仲がいい。
オオウロコ海岸︵Coast of Ouroko︶
タツマイリ村の西側にある海岸。第3章まではハトがたくさんいるが、第4章からは若者が多く集まるように。
NINTENDO64版は﹁オオウロコ村﹂というタツマイリ村から独立した村だった。
クロスロード︵Crossroads︶
ミソシレ墓場の前にある十字路。リダの鐘突き台がある。
ミソシレ墓場︵Misoshire Cemetery︶
ニッポリートが墓守を務めている。
オソヘ城︵Osohe Castle︶
ハミングバードの卵、そしてエオリアの守る針がある場所。オソヘ王とセナカ皇后は行方不明となっており、オバケが住み着いている。
オールドマンズパラダイス︵Oldman's Paradise︶
3年後、ウエスがヨクバに騙されて家と土地を奪われた跡地に建てられた老人ホーム。ほとんど金をかけていないので、雨漏りがあったり穴が開いていたりととても老人のことを考えて作ったとは思えない﹁老いぼれ隔離施設﹂的な建物。
タツマイリ駅︵Tatsumairi Station︶
第4章以降、クロスロードの中央部に作られた駅。封鎖されていた道が線路になっていて、線路がコーバへ通じている。
テリの森︵Teri Forest︶
タツマイリ村の北西にある森。第4章からはキマイラだらけの森と化す。
NINTENDO64版は﹁キマイラの森﹂だった。
オリシモ山︵Orishimo Mountain︶
大岸壁、アレックの家がある大きな山。
ドラゴ台地︵Drago Plateau︶
ドラゴの住む場所。エオリアの家の裏の洞窟から行ける。
アレックの家︵Alec's House︶
リュカ・クラウスの祖父、ヒナワの父アレックのログハウス。よく双子が遊びに行く。
デス砂漠︵Death Desert︶
第3章序盤で舞台となる砂漠。ここの建物からカマキュラ地下道を通ってミソシレ墓場に行ける。
コーバ︵Kōba︶
タツマイリ村の東にある村。電車で行くのが一般的だが、線路上を歩いていく者もいる。
ネンド人のための土を掘るための作業場があり、村人は昼はここでバイトをし、夜はここで貰ったチケットでクラブ・チチブーへD.C.M.C.のライブを見に行く。クラブ・チチブー目当てで働く人間も多い。とは言え土を掘る作業のほとんどネンド人が行っていて、村人は調子の悪くなったネンド人を運んだりとサポートを行っている。
ムラサキの森︵Purple Forest︶
コーバの北の森。近くにキマイラ研究所があるせいかキマイラが多い。ここのロープウェイでクラブ・チチブーへ向かう。ドリアが針を守っている場所。
カエリベの滝の奥はモグラが3年かけて掘った穴がいくつも開いていて非常に複雑になっている。
クラブ・チチブー︵Club Titiboo︶
大人気バンドグループD.C.M.C.のライブが行われるクラブ。ウェイトレスは語尾に必ず﹁うっふん﹂と付けなければならないという変な決まりがある。未成年やペット連れはお断りだが、簡単な変装で抜けられる。
屋根裏の一角にはネズミの老夫婦が住み着いている。
キマイラ研究所︵Chimera Laboratory︶
キマイラの開発・製造を行っている施設。不気味なモニュメントや標本が数多く陳列されている。
ハイウェイ︵Highway︶
ムラサキの森の奥にある巨大な高速道路。キマイラやロボットがうろうろしている。パーキングエリアもある。
イカヅチタワー︵Thunder Tower︶
ハイウェイにそびえ立つ巨大建造物。人工的に落雷を発生させることができる。電力源はナマズ。
向日葵の高原︵Field of Sunflowers︶
第6章の舞台。リュカとボニーがイカヅチタワーから落ちてくる場所。
シログネ山︵Shirogune Mountain︶
大きな雪山。リディアが針を守っている場所。
オケラホール︵Okera Hall︶
ムラサキの森、カエリベの滝にあるオケラにより掘られた地下居住地。非常に複雑な構造になっている。
ゴマフ火山︵Gomafu Volcano︶
フリギアが針を守っている場所。
どせいだに︵Dosei Valley︶
ハイウェイのトンネルを抜けた先にある谷。どせいさんの村があり、すぐ近くにゴマフ火山がある。
タネヒネリ島︵Tanehineri Island︶
オオウロコ海岸から海底ダンジョンを通っていく小さな島。ミクソリディアが針を守っている場所。
ヨーネル曰く別名﹁ぶきみじま﹂で、トラウマやネガティブな幻覚を見せるキノコがあったり、キマイラが住み着いていたりする非常に恐ろしい島。ゴージャスな温泉があるが、幻覚を見ている間に入ってしまうと後でひどく後悔させられる。
海底ダンジョン︵Ocean Floor Dungeon︶
タネヒネリ島へ通じる唯一のダンジョン。﹁さんそほきゅうマシン﹂を使って進んでいく。酸素が無くなるとオオウロコ海岸まで戻される。
チュピチュピョイ神殿︵Chupichupyoi Temple︶
オリシモ山の先にあるアウサケキ峠を抜けた先にある。時間を止めたツタによって入り口が塞がれている。イオニアが針を守っている場所。
ニューポークシティ︵New Pork City︶
タツマイリ村のほとんどの人が憧れた﹁トカイ﹂。ポーキーの欲望の全てが詰め込まれたといってもよい町。映画館、ゲームセンター、巨大ポーキー像などがある。また、ゲームセンターから下水道に入ることができ、その奥には誰も住んでいない古いアパートがある。
エンパイアポーキービル︵Empire Porky Building︶
ポーキーの本拠地で、100階まであると言われる超高層ビル。だが未完成である。
中には様々な部屋があり、D.C.M.C.もライブを行ったライブホール、カバランチャーの住む池、トイレだらけの部屋、工事中の場所、いい人温泉など多様である。
キャラクター
プレイヤーキャラ
フリント︵Flint︶
双子の父親で、ヒナワの夫。第1章の主人公。ネーミング時の説明は﹁つよくて やさしい たよれる おとうさんだ﹂。茶髪。
家族の中では﹁頼れる父親﹂と同時に﹁人間味溢れる不器用な性格﹂で、トマス曰く﹁むこうみずなナイスガイ﹂。短気で人の助けを借りない性格のせいか、人付き合いは少々苦手。森と家族を心から愛しており、それらの平和を守るために立ち上がる。そのため村人たちの信頼は厚かったが、とある出来事から心を閉ざし、山に通う日が続くようになったため、時とともに村人からの彼に対する信頼や関心は少しずつ薄くなっていった。しかしライタやニッポリートなど一部の村の人々は彼を心配し続けている。いつも帽子を被っている。
武器は棒とカクザイ。特技は﹁きあいをいれる﹂で、力任せに殴りつける、武器を振り回して全体攻撃など。攻撃・補助・回復をほぼ1人で行う。息子2人と違いPSIは使えないが、HPと攻撃力に優れている。また、補助技もある。
サウンドバトル時の音はサキソフォン。名前の由来は銃のフリントロック式から。
リュカ︵Lucas︶
フリントの息子。双子の弟。第4章以降の主人公。ネーミング時の説明文は﹁ふたごの おとうと やさしい おとこのこだ﹂。金髪︵フリント一家で唯一髪の色が違う︶。
とても泣き虫で引込思案かつ甘えん坊な性格だが、悲劇を乗り越えていくにつれたくましく成長する。しかし3章終了時から4章開始時までの3年間は、幸せの箱を求めないが故に周りのほとんどの大人たちから冷たい目で見られ、更に本来なら残されたリュカの傍にいてあげるべきだったはずの父フリントからはほとんど放任されていた。双子の兄クラウスに対しても、ひとりで山に向った兄を止められなかったことをひどく後悔している。﹁心から祈ればなんでも叶うんじゃなかったの?﹂など、ストーリーの核心を突く言葉を家族や住人にかけることがある。朝早く起きるのが苦手で、決まって寝癖が爆発する。
マジプシーでさえ使うことのできなかったPKLOVEや補助系PSIが使え、マジプシーの針を抜くことができる。彼の行動と意思はやがて﹁世界﹂を大きく変えていくこととなる。
武器はフリントと同じく、主に棒を使って攻撃する。特技は﹁PSI﹂。攻撃・回復・PSI補助・PSI攻撃など、全ての役割をこなす。攻撃力は上位クラスになるが、4人パーティになると攻撃の順番が最後に回ることが多い。
サウンドバトル時の音はギター。名前の由来はアゴタ・クリストフの三部作﹃悪童日記﹄﹃ふたりの証拠﹄﹃第三の嘘﹄に登場する双子、リュカ&クラウスから。
﹃大乱闘スマッシュブラザーズX﹄では初期から使えるプレイヤーキャラクターとして登場︵声優はレニ・ミネルラ︵Lani Minella︶︶。
独特の軌道を描く空中ジャンプや、自分にPKサンダーを当てて復帰するなど、これまで出ていたネスとは操作感覚が似ているが、全く違う体術を使って戦う。
Template:SpoilerHアドベンチャーモード﹃亜空の使者﹄ではネスと共演を果たす。荒廃した動物園にてキングのぞう︵ポーキー︶に襲われ、間一髪のところでネスに救われるが、その直後に現れたワリオの攻撃から自分をかばってフィギュアにされてしまう。その後、途方に暮れるときに出会ったポケモントレーナーと道を共にし、自分を救ってくれたネスを元に戻すため、亜空軍と戦う決心をする。のちに亜空軍のロボットであるガレオムに道連れにされそうになったとき、ポケモントレーナーをかばって守ろうとしたり、勇敢な性格へと成長した︵この時、間一発でメタナイトにより救われる︶。これによりネスが彼をかばってくれたのは、彼の成長に大きい影響を与えたと思われる。Template:SpoilerF-->
クラウス︵Claus︶
フリントの息子。双子の兄。ネーミング時の説明文は﹁ふたごの おにいさん げんきな おとこのこだよ﹂。茶髪。物語全体を通してリュカと双璧をなす実質的な主人公的存在である。
性格はリュカとは対照的に、やんちゃでちょっとあわてん坊。早起きで朝からドラゴとよく遊ぶ。心より力を求める傾向があり、危なっかしい無鉄砲さがある。その性格が仇となり、1人で山へ行ったきり行方不明になってしまう。リュカが再び彼と再会する時、物語は大きく揺れ動くことになる。
ちなみに、大乱闘スマッシュブラザーズのリュカのコスチュームのカラーチェンジの中にクラウスの姿と思われるものが含まれている。
サウンドバトル時の音はシタールだが、クラウスをプレイヤーキャラとして戦闘でつかえるのは、最初のオケラとの1戦のみである。
ボニー︵Boney︶
フリント家の愛犬。ネーミング時の説明文は﹁ゆうかんで りこうな イヌ﹂。
とても賢く、リュカ達と意思の疎通が出来る。嗅覚でいろんな物を見つける。ペット連れ込み禁止のクラブ・チチブーに入るために服を着て二足歩行させられたり、アンドーナッツ博士に囮にされそうになったりと、酷い目に遭うことが多い。何故かイオニア関係のことに敏感に反応する。3年前から変わらずにリュカの傍にいる家族でもあり、一家を引き裂いた悲劇の後もずっと彼を見守ってきた。
武器は基本的にはなしだが、首輪を装備することで防御力と攻撃力が上がる。装備の少なさ故に戦闘力は低めだが、スピードが高い。特技は﹁においをかぐ﹂で、敵の弱点や分類を調べることができる。﹁においをかぐ﹂や攻撃アイテム、回復アイテムなどを使ったサポート役に適している。ただし、回復アイテムを使う際に時々ボニー自身が食べてしまうことがある。サウンドバトルは決めやすい。
サウンドバトル時の音は犬の鳴き声。
ダスター︵Duster︶
何も盗まないドロボーの青年。第2章の主人公。ネーミング時の説明文は﹁かわりものだが ナイスガイ いがいなとくぎも あるよ﹂。茶髪。
けだるさが強調している性格で、鏡を見ると髭が伸びていることを気にする。どちらかというと昼よりも夜うろうろすることが多く、NINTENDO64版でも夜に起きて﹁寝起きにカクテルを飲む﹂キャラクターという設定だった。
第1章においてカベホチでフリントを崖に登らせるまでは村では地味な男だった。かなり貧乏臭く、足が臭くて口臭が少しキツいが、父・ウエスから学んだ様々なドロボー術を駆使して冒険の役に立ってくれる。子供の頃、ドロボー術の訓練中での事故が原因で左足が不自由になる。そのため、走るときや蹴るときに足を引きずるような感じになるが、障害は感じさせない。だが、足が不自由になってしまったのをウエスが気にしているんじゃないかと思っている。一応クマトラの家臣ということになっている。
第2章の終盤で記憶喪失になり、その3年後にはアフロのカツラを被り、D.C.M.C.のベーシストタメキチとして活躍していた。自身の記憶を探るためにリュカと同行することになるが、物語を進めるうちに性格も明るくなり、パーティーの頼れる兄貴分になっていく。リュカのことは弟のように慕っており、記憶を取り戻してからは改めて彼の力となることを決意する。
武器は主に靴︵足技︶。特技は﹁ドロボーグッズ﹂。スピードはボニーと同レベルで、オフェンスやHPも高い。敵にぶつかったり背後を回られた時、後ろ蹴りを食らわせたり逆に背後に回り込んだりも出来る。主に攻撃と戦闘補助に適している。サウンドバトルは比較的決めやすい。また後ろを振り向かせる﹁サイレンクワガタ﹂が使えるので﹁たたかいのきおく﹂コンプリートに欠かせない存在。
サウンドバトル時の音はウッドベース。名前の由来は作業用のぼろ布︵ダスター︶。
クマトラ︵Kumatora︶
オソヘ城のお姫様である少女。今作のヒロイン的存在。ネーミング時の説明文は﹁つよくて かしこい おとこまさりの おんなのこ﹂。赤髪。
典型的な男勝りで、女であるにも関わらず一人称は﹁オレ﹂ガサツな印象が強いが、見ず知らずのサルサを助けたりする、とても優しい心の持ち主。また、少し粗暴な言動とは裏腹に頭もいい。ダスターとの初対面時は真っ先に口臭を気にし、チチブーの汚い地下通路を通った後は真っ先にシャワーを浴びたりするなど少し潔癖性気味。仲間との出会いにロマンチックなものを感じていたりと、随所で女の子らしい面を見せている。マジプシーのイオニアが育ての親であり、ダスターの父・ウエスはかつて彼女の養育係だった。非常にナイーブな一面も持っており、﹁自分が本当にお姫様なのか﹂というジレンマが心の奥で渦巻いている。
第4章以降では﹁ひかりのタマゴ﹂の行方と、行方不明となっているダスターの手掛かりをつかむために、ヨシコシという偽名でクラブ・チチブーでウェイトレスとして働いていた。[1]イオニアからちゃんと礼儀作法は学んでいたようで、客からの評判は良く、彼女のファンもいる。しかし活発な性格ゆえか、ウェイトレスの制服はあまり好きではなかったらしい。最初は成り行きに近い形でパーティに参加するが、リュカの宿命や7つの針のことを知ると、今度は自分の意思で仲間達と共に歩むことを誓った。
武器は手袋。特技は﹁PSI﹂。PSIの才能はパーティで最も秀でており、強力な攻撃系PSIが使える。ただし打撃による攻撃力は低め。PPが特に高く、主にPSI攻撃とPSIでの戦闘補助に適している。SE音量が高いため、サウンドバトルで16HITを出すのは少々難しく、上級者向け。
サウンドバトル時の音はエレキギター。
サルサ︵Salsa︶
様々な﹁サルげい﹂ができるサル。第3章の主人公。ネーミング時の説明文は﹁こいびとおもいで がまんづよい おサルだ﹂。
ヨクバに﹁恋サル﹂のサルコを﹁さるじち﹂に取られ、刃向かうと電気ショックを浴びせられる首輪オシオキマシンをつけられ言いなりになっている。その扱いは笑顔を忘れるほどだった。ヨクバだけでなくブタマスクからも散々足蹴にされていた。とても忍耐強い。﹁シアワセのハコ﹂をちゃんと指定された場所まで運んだりと、非常に賢い。リュカとクマトラに助けられるが、その後も恋サルを助けるために再び捕まる。3年経っても仲間たちのことを覚えていて恩を感じており、今度は彼がリュカ達に恩返しをすることになる。
武器はなし。特技は﹁サルげい﹂。戦闘力は低め。ウエスのものとは微妙に違うが、扉のダンスも踊れるようになる。
サブキャラクター
ヒナワ︵Hinawa︶
リュカとクラウスの母親。ネーミング時の説明文は﹁だいすきな おかあさん!﹂。茶髪。年齢不詳だが、夫のフリントと同年代と思われる。
優しく温和な性格で、ヒマワリを好む︵その次に好きな花はタツマイリガーベラ︶。家族からだけでなく村の人たちにも愛されている。リサとは昔からの親友。リサ曰く﹁けっこう抜けているところがある﹂。彼女が作るふわふわオムレツは家族の好物となっている。よく村人たちにも料理の作り方を教えている。
本作のCDでは大貫妙子が﹁愛のテーマ﹂で彼女の役割を演じている。
名前の由来は火縄銃から。
アレック︵Alec︶
ヒナワの父で、リュカとクラウスの祖父。年齢不詳。
陽気な性格でよくギャグを言い、リラックスが何より大事だと思っている。タツマイリ村の北にある山小屋で一人暮らしをしているが、リュカやクラウスはヒナワに連れられ度々遊びに行っている。イオニアとも知り合い。腰痛を気にしている。ヨクバに対して強い嫌悪感を持っており、﹁シアワセのハコ﹂を貰わなかった。家に3年間で100万回も雷が降りそそぎ、3年後は家に雷が落下して住めなくなったため老人ホームに移るが、あまりにも不自然すぎる落雷の数のため疑問を持っている。老人ホームに移った後ウエスと仲良くなる。
ノンプレイヤーキャラクター︵以下NPC︶として戦闘に参加する。戦闘では薬草を使って回復をしてくれる。攻撃力は低く、腰痛で動けないことも多い。戦闘中フリントが寝てしまったときは起こしてくれる。
ウエス︵Weste︶
ダスターの父であると同時に師匠。年齢不詳。
時が来るのに備えてダスターを鍛え続けたドロボー術の達人。第2章でダスターに、第3章でクマトラとサルサに同行する。おもわず笑ってしまう発言や扉を開けるダンスなど、ギャグ面が非常に強いキャラ。自分の息子をよく﹁あほ﹂呼ばわりするが、父としての愛情と師弟愛の裏返しである。ダスターが行方不明になった後も、表にあまり出さなかったが3年間ずっと彼を心配し続け、戻ってきたことを誰よりも喜んだ。ヨクバやブタマスクに最初から嫌悪感を持つ人物の一人。老人ホームに移ってからはアレックと仲良しになっている。かつてはクマトラの養育係であり、オソヘの重鎮に近い存在だったらしいが、本人はうろ覚えで信憑性に乏しい。
NPC。戦闘ではダスターを叱ったり、クマトラの身を案じて何もしないことがあるが、他のキャラクターと比べると積極的に攻撃する。﹁ヌスット柔術の秘技﹂や﹁イカヅチ玉﹂など威力の高い攻撃をしたり、ダスターの靴下を投げて敵の動きを止めたりする。
名前の由来は工業用のぼろ布︵ウエス︶から。
D.C.M.C.︵デスペラード・クラッシュ・マンボ・カンボ、Desperado Crash Mambo Combo︶
クラブ・チチブーを拠点に演奏活動をしているR&Bバンドグループ。
リーダーのOJ・シミー・ズミズ・バッチー・マジック・タメキチの5人組で、熱狂的なファンが多い。全員記憶喪失という共通点がある。何か迷ったときには﹁ジャンケス︵ジャンケンのこと。グーがギー、チョキがチェキ、パーがぺーとなっている︶﹂で決める。音楽に酔いしれているためポーキーの洗脳の影響を受けていない。ブタマスクたちにライブを開いたりもするが、彼らに対する嫌悪・不信感は強い。
マジプシー(Magypsies)
世界にある7本の針を守る者たち。男でも女でもなく、人間でもない。寿命は1万年で、見た目はオカマ。糸井曰く﹁あの存在自体が溶け込んだキマイラみたいなもの[1]﹂。彼らが守り続けた7本の針が抜かれた時、世界は大きな変革の時を迎えるという。PKスターストームやPKLOVEなどのPSIをリュカやクマトラに伝授した。名前の由来は音楽の教会旋法。
イオニア︵Ionia︶
チュピチュピョイ神殿の針を守るマジプシー。温泉とピクルスが好きな温和な性格で、リュカとクマトラのPSIの師。お人好しで優しく、幾度も登場し手助けやアドバイスをしてくれる。マジプシーの中では一番常識人で、一部の人間からは美人に見られる。クマトラにとっては育ての親で、彼女が幼い頃から面倒を見ていた。アレックとも知り合い。化粧をしていないときを﹁イケてないとき﹂と呼び、化粧をしないで外出したがらないが、後々スッピンも良いと思うようになる。
NPC。PSIを使えるはずなのだが、たまに少しだけ回復をしてくれる程度。悲鳴を上げたり、つけまつげをぱさぱさしているばかりで直接戦闘はしてくれない。
エオリア︵Aeolia︶
マジプシーのリーダー的な存在。オソヘ城の針を守るマジプシー。少々ものぐさな性格。アフロがチャームポイント。パーティーを開くのが趣味だが、自分はお気に入りの椅子から動かない。クラウスにPSIを教えた。イオニア曰く﹁さっぱりした人﹂。針を抜かれて消える際、﹁きえたりもしてるけど、わたしはげんきです﹂と言う。
ドリア︵Doria︶
ムラサキの森の針を守るマジプシー。筋骨隆々で、ロングヘアーと皮製の大胆な服装が特徴。針は防衛のため水中に保管している。過剰なほど前向きな性格で、キマイラにも受容的である。第7章ではイカヅチタワーから落下したクマトラを助けることになる。
リディア︵Lydia︶
シログネ山の針を守るマジプシー。スキンヘッド。動物好きで命を大切にし、ブタマスクを助けるなど、マジプシーの中では心優しいと同時に一番人間臭い。針を抜かれる時を信じることができず﹁マジプシー失格かも知れない﹂と言っていた。
フリギア︵Phrygia︶
ゴマフ火山の針を守るマジプシー。寝てばかりいるが、几帳面で思ったことはすぐノートに書く。寝顔には天使が宿るらしい。
ミクソリディア︵Mixolydia︶
タネヒネリ島の針を守るマジプシー。あだ名はミッシー。自分が作った生物・けっかいトリオに針を守らせていて、巨大タコのハチを従えている。冷酷とも取れるぐらいに冷ややかな性格を持つ。キノコの影響で幻覚を見ていた仲間に治療を施す。
ロクリア︵Locria︶
闇のドラゴンの頭に刺さった針を守るマジプシー。行方不明になっている。
タツマイリ村の住人
タツマイリ村については上記の﹁ノーウェア島の主な町・地点﹂やタツマイリ村を参照。
トマス︵Thomas︶
トマスのバザールの主人。最初は無料で誰かが持ち寄った物を欲しい人にあげていたが、やがてはトカイから仕入れた物を売るようになる。そそっかしい性格で、非常に変な走り方をする。フリント家のドアノブを破壊し、ドアノブの旅の始まりを作ったのも彼。ある意味で印象深い人物。
シアワセのハコの影響はあまりなく、3年後でもリュカに飲み物をおごってくれたりと基本的には良い人だが、クラブ・チチブーやゲームセンターにいたりと、遊び好きでもある。彼曰く、イオニアはきれいな人らしい。
NPC。慌てるだけで攻撃などは全くしてくれない。
リサ︵Lisa︶
井戸の近くで世間話をする井戸端会議の常連。トマスの妻。ヒナワの親友で、フリントに彼女を紹介したのもこの人。トマスには何度も世話を焼かされているようだ。少し口は悪いが、良い人である。
マイク︵Mike︶
トマスの父親。トマス不在時の主人の代理も務める。クッキーを焼くのが趣味だが、味はあまり保証できないのかそれともただ自信がないのか﹁多少不潔なあまり美味しくないクッキー﹂と言う。
老人ホームに移ってからはかなり存在が地味になっており、孫たちがほとんど来なくなったのでリュカに会うと小遣いをくれたりする。老人ホームで働くリンダに些細なことでセクハラ呼ばわりされ﹁世知辛い世の中になった﹂と嘆いている。そして寂しさを紛らわすためにシアワセのハコに入り浸っていた。
ニコル&リッチ︵Nicol & Richie︶
トマスとリサの子供。ニコルが兄、リッチが妹。双子とも仲良し。
ニコルは3年後はコーバで働くトマスの代わりに店番を勤めるしっかり者だが、あわてん坊な所は父親譲り。
ライタ︵Lighter︶
大工の親方。常に角材を持ち歩くために狭い部屋では少し危なっかしい。
男気あふれるフリントの子供の頃からの親友。息子のフエルと住み着いているネズミと一緒に森の中の家で暮らしている。フエル曰く﹁きあいでいきてるにんげん﹂で、怪我をしてもなおフリントのために倒れた木をどかし、時には息子二人の前で錯乱し暴れたフリントを角材で殴り倒した。
第1章の火事で家が全焼してしまったために新しく家を建て直したが、3年後には雷のせいで屋根が抜け落ちている箇所がある。3年後もずっとフリントを心配していた一人。ダスターにも好意的。ウエスとクマトラのことを年の離れたカップルと言ったり、ダスターにダジャレを言うなど、ジョークの上手い一面もある。
初めからブタマスクやヨクバに対して嫌悪感を持っていて、シアワセのハコも買わなかった。3年後はフエルがカロリーヌの店を手伝うことが多くなったので家族で過ごす機会がだいぶ減り、また弟子二人もコーバに行ったり、再び漫才をやり出したりで、跡継ぎが大丈夫なのか本人が気にしているかは謎である。
名前の由来はライターから。
フエル︵Fuel︶
ライタの息子。火事で逃げ遅れるがフリントに助けられた。
3年後では﹁誰かの手伝いをするのが大好き﹂といってカロリーヌのパン屋を手伝っている。フリント家の双子とも友達で、リュカをずっと心配していた。アンジーのことが好き。
NPC。非常に短い期間でしか同行する機会はないが、戦闘では幼いながらも石を敵に投げつけたり、フリントを応援して少しだけ体力を回復してくれる。
名前の由来は燃料︵Fuel︶から。
エントツ&アチャト︵Entotsu︵Chimney︶ & Archat︶
ライタの下で働く大工の見習い兼漫才コンビ。エントツがボケ、アチャトがツッコミ役。大工として働くシーンは全くなく、ほとんど漫才コンビとして登場する。常に一緒に行動している。
エントツはテッシーに憧れている一人。だが想いを告げることは全くなかった。非常にサルが嫌いらしい。テッシーのことでダスターをライバル視しているような発言もある。
アチャトはクラブ・チチブーのヨシコシのファンだが、クマトラが目の前に来ても彼女がヨシコシと同一人物であることには全然気付かない。漫才師になるのが夢かと思ったら実は大工の見習いで、かと思えば今度はコーバに行って働いている。
2人とも熱中したらのめり込む性格らしく、一時期は漫才のことを完全に忘れていた時期もあった。第7章においてコーバが閉鎖されてからは、再び漫才に情熱を見出したらしい。なぜかシアワセのハコにのめり込むことはなく、ニューポークにいった後もタツマイリの今後を憂いていた。
名前の由来は往年の漫才コンビ﹁エンタツ・アチャコ﹂。
ジャッキー︵Jackie︶
暖かみのある宿屋﹁YADO﹂の主人。気が弱い。
後に大きなホテルの主人になり、従業員も増えたためにブロンソンと一緒にコーバで働くこともある。夫婦揃ってシアワセのハコの影響は少ない。タメキチがダスターであることにも気づいたが、3年後に村で評判が悪くなっているリュカやダスターが来ることをあまり快く思っていない。
ベッツィー︵Betsy︶
ジャッキーの妻。気の弱い主人を支えるしっかり者のおばさん。火事の時は火事よりも主人の方が不安だったらしい。ヨクバに感謝している。
テッシー︵Tessie︶
YADOの看板娘。才色兼備でタツマイリ村の青年の憧れの的。ただし、当人にあまり自覚はない。メイド服を普段着にしており、どこへ行くのにもメイド服である。
トカイへの興味は少しあるものの、他の村人に比べればライタ達並に薄い。実際ジャッキー達に連れられてニューポークシティに行っても全然馴染めず、退屈そうにしていた。ジャッキーとベッツィーの娘なのかは不明。シアワセのハコはYADOに置かれているが、殆ど見てなかったのか、興味を持たなかったのか影響は一切ない。3年後には少し行動的になり、D.C.M.C.のタメキチが行方不明のダスターであることを直感的に感づいて、彼を心配してコーバで働いてもいないのにクラブ・チチブーのライブ会場に顔を出していたなど、ダスターに特別な思いを抱いている節が見受けられる。
マット︵Matt︶
牧場の主人。アフロでヒゲ。陽気な性格だが、いつも酔っ払っている。家族共に︵ジルは除く︶シアワセのハコの影響を受けてしまっている。本人曰く、実は酔っているのではなくてシャックリの持病らしい。
ジル︵Jill︶
マットの妻。口の大きなおばさん。井戸端会議の常連。
3年後にはヨクバを気に入ったらしいが、すっかり遊び好きになってしまった2人の息子に心を痛めている。シアワセのハコの影響は少なく、牧場一家の中では唯一リュカに好意的。なぜか毎日のおかずがローストステーキ。
ビフ︵Biff︶
マットとジルの息子。顔が長くて背が高い。ブッチの態度から、恐らくビフの方が兄だと思われる。寒がり。
3年後にはコーバで働いているが、営業中に立ち寝をしていたりと、それほど真面目ではない。
ブッチ︵Butch︶
マットとジルの息子。ビフとは対照的に太っており、寒いのには強い。
一番はじめにヨクバに目をつけられた男。物語の最初に火事が起こったときにも森に向かった︵手伝いをするために向かったというよりは、野次馬である︶が、エドに止められてしまった。大事なカネをドロボーであるダスターに隠した場所を教え、無くなるとダスターに疑いをかけるなど、かなり自分勝手。ヨクバにもらったカネが無くなっても、村人にはあまり相手にされていなかった。ビフ同様3年後はコーバで働いているが、ビフ以上に不真面目。
ニッポリート︵Nippolite︶
ミソシレ墓場の墓守の老人。変な訛りがある。墓には﹁ばかのはか﹂﹁じんせいははかない﹂などのダジャレが書いてある。オソヘ城への秘密の通路が家の地下にあり、跳ね橋の鍵も持っているが、城との関係は不明。
ライタ同様、村人の中では3年後もずっとフリント達のことを気遣い、フリントから預かった﹁ゆうきのバッヂ﹂をリュカに託す。ニューポークでは墓がないので全く落ち着かなかった。シアワセのハコは持っていなかったために雷で家が壊れた。
ブロンソン︵Bronson︶
しっかり者に見えて洗濯物が干しっぱなしになっていたり、よく海で日光浴をしていたりする鍛冶屋。メカドラゴによる事件後、ずっとフリントを気にかけていた。キバを武器に作り変えることができる。海が好きで、ビーチ・コーミングが趣味。
3年後はコーバで働き、シアワセのハコは持ってはいるが、元々意志の強い人物なので影響は全くなかった。人違いだった場合、ウエスをがっかりされるのを考えてタメキチのことを言わなかったが、結局後にブロンソンから聞いたことをリュカが喋ってしまう。
プッシャー︵Pusher︶
村長。保身しか頭になく、責任を追及されると感じると必死になって否定する。人望も村への愛着もほとんどなく、村人からの影は薄い。彼もまたヨクバに目をつけられ、様々な話を持ちかけられた。仲間への態度は冷たいが、ヨクバがいると態度を変える。
オリー︵Olly︶
プッシャーの息子。性格は厚かましいが、無能な父親とは違ってユーモアを大切にし、仲間にも好意的。
火事の知らせを聞いて家族の中で唯一手伝いに向かったり、暴れるフリントを止めようとする勇敢な一面もあり、父親よりは遥かに有能な青年である。ただしドジを踏むことも多く、イオニアを﹁きれいな人﹂と呼んだこともある。村への愛着も彼なりにあったらしく、自分の今後のことからニューポークにいってすっかり意気消沈していた。
エルモア︵Elmore︶
村長夫人。きつい口調と嫌味な性格の持ち主。村長の家からほとんど出ない。
仲間を厄介者扱いしているが、実はダスターのことを﹁よく見るといい男﹂というので、案外村長に比べ見る目がある模様。
セバスチャン︵Sebastian︶
村長の家で執事として働く男。口癖のように﹁いそがしいいそがしい﹂と言っていて、それ以外の発言はほとんど無い。村への愛着も村長への信頼もあまりないようだ。エルモアと同じく、村長の家からほとんど出ない。
マップソン︵Mapson︶
通称﹁ちずずき ちずもちの マップソン﹂。地図好きで有名で、マジプシーですら彼を知っていた。
目的地へ印をつけてくれたりしてくれるが、彼にとってはこれがストレス発散であり、よく知っている場所でも印を付ける。村の事件や様子にもあまり興味が無く、地図以外の話はウエスが禿げそうなことくらいしかしない。
一切の人間関係が不明で、なぜ村長の家にいるのかもわからない。3年後には墓の前に立っているが、その墓にもヒントはない。
イサク︵Isaac︶
村の住人でありながら森の中に1人で家を構え、毒消しを無料で配っている。木こりだが、森の中での暮らしが退屈だった。いつも森の中にいるせいか、村にいっても1人で居たりと若干村の中では影が薄く、親しい人間もフリントくらいだったが、終盤にはブッチと意気投合する。最初は優しい人で、ヒナワと双子が帰ってこないことに真っ先に気がつき、村の人を呼び積極的に捜索を頼んだ。しかしヨクバに会ってからはヨクバの器の大きさに感服し、シアワセのハコの影響を村人のなかで一番受けてしまった。
名前の由来は旧約聖書の﹃創世記﹄に登場する太祖のひとりイサクからと思われる。
アボット&アビー︵Abott & Abbey︶
新婚ホヤホヤの若夫婦。幸せな生活に憧れている。アボットは語尾に﹁オッケィ?﹂を付けることが多い。﹁タツマイリポインセチア﹂という花を育てている。
3年後にはコーバで働いている。しかしアボットはコーバに馴染めず、あまり働いていなかったせいかシアワセのハコに入り浸っているが、元々夫婦間での幸せだけを求めていたので効果は割と少なく、二人の絆を更に深めただけだった。
ポール&リンダ︵Paul & Linda︶
2人ともメガネをかけているインテリ系の夫婦。ポールは冷静な性格だが、煙に敏感で咳が止まらなくなる。リンダは3年後に老人ホームで働いている。
やや冷たい印象もあるが、アボット達同様に夫婦仲は良く、マジプシーであっても気味悪がったりするようなことをしない。ポールはニューポークに馴染めなかったが、リンダは楽しんでいた。
名前の由来はポール・マッカートニーとリンダ・マッカートニーからだと思われる。
ヨーネル︵Johnel︶
ブレンダの夫。詩を読んだりもするがどうも自分の話をしたがり、ヒナワと双子の捜索時も彼が指示を出し、コーバのやり方にも自分のやり方ならうまくいくと思っているなどかなり自己顕示欲が強い。
フリントとヒナワのことを﹁もりのことりたちもうらやむさいこうのふうふ﹂と称し、その後もリュカにフリントのことを何度も訪ねるなど、フリント一家のことを心配し続けた。実はリュカを自分の後継者にしたかったらしい。信仰深い人でイノリバで祈ることを重要視していたが、時がたつにつれフリントのことをずっと心配し続けるようになったのか信仰心が薄れていった。
ブレンダ︵Brenda︶
井戸端会議の常連。3年後はヨーネルと違い、仲間たち、特にダスターに対して好意的ではない。かなり口が悪くやっかいごとを嫌う。
湿っぽいのが嫌いな人…らしいが、けっこう涙もろい。また、人魚の伝説を信じているなど意外とロマンチックな人。
ボブ︵Bob︶
ヨーネルの息子でドナの兄。なぜか一人でYADOに入り浸り、夜遅くまで帰らない。ワインと桃が好き。
普段はあまりさえない男だが、酔うと口調が紳士的︵?︶になり、何か良いことがある度にひとりで乾杯をする。乾杯した後の朝は二日酔いが多い。
ドナ︵Donna︶
ヨーネルの娘、ボブの妹︵ボブの妻でブレンダが姑、ヨーネルが舅という説もあるが、どちらが正しいのかは不明︶。
かなり常識とは離れたセンスの持ち主で、村を出たがっていた。泳げないので練習用のビート板を持っているが、観賞用としてサーフボードも持っている。ニューポークの芸術に感動した。
レジー︵Reggie︶
刑務所の近くのテントで暮らす占い師。どこかの民族っぽい雰囲気と独特の口調を持ち、一人称は﹁レジー﹂。たまに哲学じみたことも言うがいい人。性格は楽天的。
3年後はシアワセのハコを受け取らなかったお蔭で、雷でテントを焼かれてしまった。
名前の由来は任天堂アメリカ社長Reggie Fils-Aimeからと思われる。
カロリーヌ︵Caroline︶
ナッツをもっていれば無料でパンやクッキーを焼いてくれる。しかし時代の波には逆らえず、途中から有料に。アンジーの母だが、配偶者は不明である。アンジーが悲しむのを考えて、第1章でアンジーに夜中に何が起こったのかを伝えなかった。
アンジー︵Angie︶
カロリーヌの娘。店を手伝っている。フエルと同じくらいの年。
性格は最初は大人しかったが3年後には気が強くなり、少々ツンデレ気味の女の子になった。フエルのことは必死に否定するものの、案外まんざらでもなさそうである。
ナナ︵Nana︶
考えが周りとずれていて、海が好きなため岬に一人でいることの多い女の子。﹁バトーと兄妹︵姉弟︶なのでは?﹂という説もあるが、真偽は不明である。
話し始めると長く、ちょっと思い込みも激しいのが玉にキズ。ピアノを﹁ヤノピ﹂という。村人との交流はほとんどない。村には極たまに戻ってきて、ヨクバの演説には密かに見に来ていた。しかし結局、シアワセのハコに興味を持つことはなかったため、影響は皆無に等しい。
マップソン同様に家族関係が一切不明。それどころか住む家すらも不明。
バトー︵Bateau︶
一人暮らしで家の中にたくさんの鳩を飼っている少年。彼もまた家族関係が一切不明である。
高所恐怖症でやや性格も内向的。伝達手段として伝書鳩を使っていることから彼が配っているとも考えられる。﹁タツマイリこけし﹂というものを作っていた。
3年後には彼自身も鳩を使わなくなってしまい、郵便局のような仕事をしている。ニューポークには馴染めなかった。
ちょうろう︵Senior︶
タツマイリ村の長老…のはずなのだが威厳も何にもなく、家の中にずっと居る。ほとんど誰も彼の噂をしないので存在はかなり地味。
エドの家で寝たきりの生活を送っている。エド一家との関連は不明でエドかナンのどちらかの父親とは言いにくい︵少なくともエドは彼を﹁ちょうろう﹂と呼ぶため︶。テディベアのクマミちゃんが好きで、また剥製じゃないインコのキューちゃんを飼っている。女の子が見舞いに来てくれると嬉しいらしい。
3年後には既に死去している。自分の墓だけは生前しっかり購入していた。
エド&ナン︵Ed & Nan︶
長老の息子夫婦。エドはスーツがよく似合う紳士。ナンは長老の介護の経験からか、リンダ同様に老人ホームで働いている。時折オリーと共に村の青年のまとめ役になることもある。家族共に良い人。
アル︵Aal︶
エドとナンの娘。村では最年少。性格はちょっとおしゃまさん。D.C.M.C.の大ファン。
リダ︵Lida︶
時刻や危険を知らせるために、タツマイリ村に響き渡る鐘を鳴らす初老の男性。
身長が普通の人間の数倍高いが、とても無口で全く喋らないため逆に目立たなかった。気がつくと姿を消している。通称﹁クロスロードのノッポさん﹂で、ボブ曰く﹁タツマイリ村の七不思議の一つ﹂。NPCがいるときに話しかけるとNPCごとに会話の内容が変わる。
ブタマスク
悪事を働く豚の覆面をした兵士たち。キマイラのようにブタと人間を掛け合わせた改造生物ではなく、いろいろな時代から連れてこられ、洗脳された人々。後にタツマイリ村の人物も加わる。
森に火を放ったり、森の動物を改造したり、サルサやネンドじんをぞんざいに扱ったりと非道な面が目立つ。しかし、ほとんどが間抜けな面を持ち、少佐クラスになってもくだらないことで言い争いをしていたり、逃げようとして前のブタマスクにぶつかったりしている。戦闘の際にはHPが少なくなると謝ってきたり思わず笑ってしまうような逃げ方︵DPをばらまいた隙に逃げ出したり、﹁たったいまから ゆうきゅう︵有給休暇︶に﹂したりなど︶をしたりする。後述のヨシダさんのように、中には気さくで良い人もいる。各階級で覆面・制服の色が異なる。ブタマスクはペールオレンジ、ブタマスク少佐は青、ブタマスク中佐は緑、ブタマスク大佐は白とマント、ブタマスクサブマリンは紫である。この他にも作業員らしき水色のブタマスクがいる。バイトで働く職員用のマスクも存在する。
隊長と同じく全員D.C.M.C.のファンで、彼らもグッズが弱点となってしまう。また、全員なぞなぞ好きでもある。ピンチに陥った時のセリフは﹁オー!マイポーク!﹂。よく働く割にはかなりの安月給で、少佐は900DP、中佐は1400DP、大佐は2000DP。一般兵は不明だが、少佐よりは安いと思われる。サブマリンは月給+危険手当で一時間毎に4DP…と言うように、かなり割に合わない。コーバでのバイトは日給200DP︵月給換算すると4000-6000DP︶なので、大佐よりもバイトの方が明らかに給料が高い。﹁このみパン﹂一個が12DPであり、少佐の月給では毎食一個だとしても赤字になってしまう。﹁とんかつチップ﹂や﹁とんかつヌードル﹂のような油っこそうな食べ物をよく持っている。
英名は﹁Pig Masks﹂。下っ端ブタマスクの初名は、MOTHER3 豚王の最期では名前が﹁ブタマスクぐんそう﹂だった。
ポーキー︵キングP︶︵Porky︵King P︶︶
前作でラスボスの側近として登場し最後に行方をくらませた男が、その後延々と時空を移動し続け放浪し、ノーウェア島に流れついた姿。果てしない時間旅行の影響で、自制心が完全に欠落している。本作の実質的な黒幕であり、ブタマスクのボス。
時間旅行の副作用で不死の存在となっているが、既に﹁惨めな姿﹂と言うほどに肉体は老衰し、脳だけが子供のままの状態である。あまりに老衰しきっているため自ら体を動かすことができず、特製のマシンに乗りこんでいる。外見を気にしてか、ニューポークにある彼の像などは全て少年時代の姿に作られている。この世の全てに飽き果てており、退屈を紛らわすためにノーウェア島を自分の好きなことができるおもちゃ箱のように扱い、裏切り者のマジプシー・ロクリアから闇のドラゴンとタツマイリ村の秘密を聞き、仮面の男に針を抜かせて自分以外のすべてを滅ぼそうとしている。そのためか、性格は幼稚で自己中心的で、人々が自身を讃えるよう﹁いい人温泉﹂で洗脳させるなど、独裁者を想起させる危険な思想になってしまっている。糸井も彼を﹁人間の象徴﹂として描いている。
かめんのおとこ︵Masked Man︶
ブタマスクの指揮官で、仮面を被ったメカキマイラである謎の男。ライトセーバーのような剣と光線銃を駆使し、雷を操ることができ、PKLOVE︵LOVEには最初にかっこいいものに指定した言葉が入る︶をも使いこなすなど、恐るべき戦闘力を誇る。ブタマスク軍が誇る最強の戦士である。7本の針を抜くことができる。
最高幹部クラスながら、ヨクバとは違ってブタマスクからもかなり慕われている。主人公達の前では一言も喋ることはないが、ブタマスク達とは多少会話をしている様子。登場時には特徴的な音楽が流れるなど、スター・ウォーズのダース・ベイダーのような雰囲気を持つ終盤の最重要人物。
ヨクバ︵Yokuba︶
行商人としてタツマイリ村に来た男。サルサを使って村の人々に取り入り、シアワセのハコを広めようとした。性格は陰険かつ残忍で、﹁ヌヘヘ﹂と下品に笑うのが癖。軍における正確な地位は不明だが、﹁指揮官﹂であるかめんのおとこの乗っているブタ母艦に、命令口調で連絡しているシーンがある。何度も怒鳴り散らすことからブタマスク達からは恐怖の対象となっている。人望は全くなく、時々陰口を言われている。まさに絵に描いたような極悪人かつ鬼畜な男。
大好物は高級バナナで、食べた後に残った皮をすぐ近くに放り投げる悪癖があり、ハイウェイでもお構いなしに皮を捨てるため、敵味方双方にとってみても非常に危ない。また、この癖は部下に嫌われる要因の一つにもなっている。後にその悪癖のせいで足を滑らせてイカヅチタワーから転落し、メカキマイラに改造されてしまった。しかし、それでもポーキーに忠義を尽くし、リュカ達に立ち向かう。
NPC。何かとサルサを虐めたり洋服のことを考えたりするが、戦闘力はNPCの中では最強レベル。普段は散々痛めつけるが、戦闘の時にはボムや体当たりなどの威力の高い攻撃をしてくれるため、サルサの扱いに性質の悪さを覚える一方、とても頼もしい味方のように思える面もある。
コワモテブタマスク︵Strong Respect Pig Mask︶
体格のいいブタマスク。﹁隊長﹂と呼ばれているが、階級はどのくらいかは不明。最低でも大佐以上、かめんのおとこ以下と推測される。かめんのおとこを﹁指揮官どの﹂と呼ぶのに対し、ヨクバを﹁ヨクバのおっさん﹂と呼んでいる。マスクには角が付いている。鏡に映った自分にビビるらしい。
初登場時はギャングのボスっぽい印象があり、リュカとかめんのおとこの違いを匂いで見抜く。ほかのブタマスクよりはしっかりしており、戦闘力も高く実力がある。しかし、恐ろしいほどのD.C.M.C.マニアで、非売品のポスターまでも持っているほど。戦闘時においてはそのD.C.M.C.グッズが最大の弱点となり、羨ましがって動きが固まってしまう。再びパワーアップして勝負を挑むも、この欠点だけは克服できていない。
根は良い人らしく、終盤でのライブの時だけは﹁お互い楽しもうぜ﹂と言う。その人柄からか、部下からも慕われている。
ヨシダさん︵Mr. Yoshida︶
コーバの責任者を務めるブタマスクで、階級は少佐。ブタマスクの中では良い人で、仲間にも気さくに話し掛けてくれる。コーバの歌を作ったのも彼。実はチチブーに行ったことがない。コーバへの愛着があり、コーバの閉鎖が決まったときも﹁おれまでひつようとされてないみたいでかなしいよ﹂と嘆いた。
2007年2月7日に配信されたブックレットで素顔が明らかになった。
ネンドじん︵Clayman︶
ブタマスクによって作られたロボット。体が粘土でできている。力仕事が得意で、工場などで働いているのはほとんどネンドじん。﹁ムオーン﹂と鳴く。動かなくなると電気を送り込むことで再び動き出す。
性格は従順で大人しく、壊れそうになった時は自ら処理場へ向かうなど、切ない面が多い。材料が簡単に手に入るせいかブタマスクたちからの扱いは結構ぞんざいだが、同情するブタマスクもいる。ゴミ捨て場で体にがらくたがくっつき、意志を持ってしまったかなしきよせあつめもいる。
こわがらせロボ︵Fear Robot︶
ブタマスクによって作られたロボット。どせいさんが怖がる言葉がインプットされているが、人間には全く効果がない。また、戦闘時に誤っていい話をしてしまうことがある。
マシュマロちゃん︵Ms. Marshmallow︶
イカヅチタワーの﹁キングPさまのおへや﹂にいる、いわゆるメイドロボ。その外見の割に強敵。
ジェネッタくん︵Mr. Genetta︶
イカズチタワー最上階のジェネレーターを守っているロボット。﹁100万ボルトチョップ﹂など、電気を利用して戦う。そのため、通常攻撃をすると感電してしまう。
ツーヤク︵Translator︶
メカキマイラに改造されまともに話せなくなったヨクバの通訳役ロボ。ヨクバの言ってることを理解できなかったり文法がおかしかったり、ヨクバのセリフをとても丁寧な表現に直してしまったりするように機械的である︵ネット上の自動翻訳を意識しているようである︶。外見は眼鏡をかけた小柄な中年のおばさん。
キングのぞう︵A king's image︶
ニューポークシティ北東にあるポーキーの像。﹁てんさいでゆうかんでさいこうにタフなぽっちゃりけい。いだいなるしどうしゃポーキー様の像なり﹂と書かれている。ニューポークシティの守り神で、この像にケンカを売ってたたきのめされた人がいるらしい。
キマイラ
本作におけるキマイラは、ノーウェア島の動物たちを﹁かっこ悪い﹂と感じたポーキーがブタマスクたちに命じて作らせたもの。機械と生物をあわせた﹁メカキマイラ﹂と生物同士をあわせた﹁せいぶつキマイラ﹂の2種類が存在する。どちらも恐ろしく、不気味で少し間違えた姿をしている。
テーマは﹁もっと つよく!﹂﹁もっと わるく!﹂﹁もっと らんぼうに!﹂。代表的な物はにわとりへび・こもちカンガルーザメ・かいぞうライオンなど︵糸井はキマイラについて案が出ると、すぐ﹁いいね﹂と言って採用し、名前も仮でつけたものをそのまま通したものが多いらしい︶。以下、イベントに絡むものを記す。
ひつけむし︵Lights fire insect︶
ブタマスクたちが持ち込んだキマイラで、ノーウェア島で作られた物ではない。
森を火事にするために作られた使い捨てライターと虫のメカキマイラ。火の威力は大して強くない。
主な攻撃は火を吹く、火をまとって突進。
かいぞうカリブー︵Remodeled caribou︶
ノーウェア島で作られたキマイラで初めて対決する相手。トナカイのメカキマイラ。音楽は﹁哀しき改造﹂だが、実際にこの音楽が使われている敵キャラクターで改造されているのはこの敵だけ。
主な攻撃は突進、角攻撃。
メカドラゴ︵Mechadrago︶
第1章においてブタマスクによってメカキマイラに改造されてしまった父親のドラゴ。優しく温厚な面影はなく、凶暴で暴れ狂う。
改造した装置も破壊されていたことから、失敗作だったようである。フリントたちと対峙し、倒された後は改造の影響か余命幾ばくもなくなる。そして今際の際で元の優しい心を取り戻し、一筋の涙を零して息を引き取るという悲しい最期を遂げる[2]。
主な攻撃は雄叫び、踏みつけ、火を吹く、最期の一撃など。
サボテンウルフ
第3章においてデス砂漠のブタマスク基地入り口の前に居座っているキマイラ。額にウルフサボテンと呼ばれる種のサボテンが寄生している。
ゲーム中ではただ﹁邪魔だから倒す﹂という程度で戦いになるボスキャラだが、後に﹁たたかいのきおく﹂を使用してボニーの﹁においをかぐ﹂を行うと、せいぶつキマイラに分類されている。
きゅうきょくキマイラ︵Ultimate Chimera︶
せいぶつキマイラでもメカキマイラでもない、究極かつ最強のキマイラ。
戦闘は出来ず、触れただけでゲームオーバーになってしまう。あまりに凶暴すぎたため、ブタマスク達にも扱えなくなってしまった︵事実上︶失敗作。研究所の奥深くに封じ込められていたが、トラブルで檻が開いてしまい、暴走した。
なぜか頭の上にヒヨコが乗っている。実は背中にあるボタンが弱点で、リュカとサルサの活躍で一度は機能が停止するが、ヒヨコが再びスイッチを入れて復活、研究所から逃亡する。
﹃大乱闘スマッシュブラザーズX﹄でも、ステージ﹁ニューポークシティ﹂のやくものキャラとして登場。噛み付かれたプレイヤーは、全くダメージを蓄積していなくても、ほぼ一撃で画面外まで吹っ飛ばされてしまう。
ドライやん、バケツきょうだい、ポンプさん︵Dryan, Bucket Brothers, Mr. Pump︶
アンドーナッツ博士の開発したキマイラたち。
﹁ドライやん﹂はどんな髪型でもすぐに乾かせるドライヤーキマイラ、﹁バケツきょうだい﹂は一生懸命なコムギコ人、﹁ポンプさん﹂は水を他の場所に移すときにだけ力を発揮する地味な失敗作︵?︶らしい。ドリアの針を抜くときにどれか一つを選ぶことになる。
ニューヨクバ︵New Yokuba︶
メカキマイラに改造されたヨクバ。戦闘前に﹁お前達にイカヅチタワーから落とされた恨みを晴らす﹂と言うが、自分で勝手に落ちただけである。
下半身が機械となり、鼻からラッパが出ている。まともに話せないのでツーヤクを通して話す。
主な攻撃はラッパ攻撃、いっぱいボムを投げるなど。高級バナナにかぶりついてHPを回復することもある。
ミラクルヨクバ︵Miracle Yokuba︶
敗れたニューヨクバがさらに改造された姿。ラッパの本数が増えた。
途中でラッパがはがれてニューヨクバの姿に戻り、本気を出し、PSIの力を覚醒させて最後の戦いを挑んでくる。
主な攻撃は不協和音攻撃、PKスターストーム︵本気時︶など。
カバランチャー︵Hippopotamus launcher︶
ポーキーの誕生日を祝って作られたメカキマイラ。多額の予算が注ぎ込まれている。
イベントバトルで戦う物と普通のザコ︵水中・陸上︶として戦う物の三種類あり、HPが違う。ザコで戦うものは大人しい性格なのか、チェックしない限り襲ってこない。
主な攻撃はミサイル。
NKサイボウグ︵Natural Killer Cyborg︶
ポーキーの夢に出てきた戦闘兵器をメカキマイラとして作ったもの。機械の豚のようなボディに生物︵人間?︶の脳を移植した兵器。なお、﹁NK﹂はナチュラルキラーの略である。
主な攻撃は仲間全員に強力なダメージをあたえる﹁せいきまつビーム﹂など。
その他のキャラクター
ドラゴ︵Drago︶
正式名称はドラゴザウルス。優しく温厚な恐竜。
色の薄い方がオスの父親と子供、色の濃い方がメスの母親。家族で登場し、双子とも仲良し。ドラゴ台地に住んでいるがよくアレックの家の方まで遊びに来ていた。強力な牙とその牙が無いとまともに太刀打ちできないほどの硬い皮膚を持ち、ブタせんしゃを踏みつぶすほどの怪力も持ち合わせる。
しかしブタマスク達によってメカドラゴに改造されてしまう。
後にキマイラ研究所では氷漬けになってるものや骨格標本になっているものもある。序盤のドラゴへの体当たりイベントのときなどに周りを見渡すことで、複数体いることが確認できる。
オケラ︵Mole Cricket︶
ドラゴと遊んでいた双子にいきなり喧嘩を売る。しかし、あっさりと倒され﹁今度会うときはビッグスタジアム﹃オケラホール﹄だぜ﹂と言い残すが、去り際にヒナワに誤って踏まれる。
その後も生きていたらしく、3年後にオケラホールにて再び対峙する。勝利した後はオケラが行く先々に現れ、商売をしてくれるようになる。﹁ギラリーン﹂が口癖。能力値は最低だが、すばやさだけはやたらと高い。また、オケラホールで︵がんばって︶オケラに負けると少し生意気な口の利き方をする。
カエル︵Frog︶
本作のセーブ係。島の至る所にいる︵本作は前作までと違い非常にセーブポイントが多いのが特徴︶。3年後にはDPを預けたり引き出したりすることができる。ブタマスクの要塞だろうが雪山だろうがそう簡単には入れないような場所にもいるが、﹁オケラホール﹂に限ってはあるオケラにセーブを委託している。
風船で空を飛んでいたり、水を溜めた樽の中に入っていたり、蛇に飲まれそうになったりといろんなパターンがある。セリフも場所によって変わっていることも多い。標本となっているものや、﹁マジックバタフガエル﹂も存在する。蛙のくせに人間用のトイレ︵男性用︶で用を足すが、その間もセーブの仕事は忘れない。車を所有していたり、﹁よいひとおんせん﹂に浸っていたりと、ややブタマスクに取り込まれている者もいるが、それでもセーブの仕事は忘れない。決めセリフは﹁つぎにあうカエルによろしくね﹂。
サルコ︵Saruko︶
サルサの恋人ならぬ恋サル。第3章にてサルサと引き離され、人質ならぬサル質にされていた。第7章にてよって救出され、ようやくブタマスクの呪縛から解放されて幸せな生活を手に入れた。
性格はかなり臆病で、サルサ同様ヨクバ達からオシオキの対象になっていたせいか人間不信になっており、救出されてもあまり心を開くことはなかった。しかしサルサによって、ようやく心を開いたものと思われる。
ヒモヘビ︵Himohebi、Rope Snake︶
オソヘ城のバザールで売られていた赤い蛇。ダスターに買われたあとは彼の相棒として活躍する。あごの力が強く、彼を使って何かを噛んでターザンのように反対側へ飛び移ることができるという能力を持っている。アイテムだがなぜか人間の言葉を喋ることができ、最初は丁寧な口調だったが後にタメ口で話すようになる。戦闘には使えないものの、事実上7つめのドロボーグッズ扱いである。
男気溢れる性格だが、ちょっと落ち込みやすいのが玉にキズ。その力で何度もダスター達をサポートし、物語の随所で重要な活躍をするが…。物語の展開上、7章以降は自分では使えなくなってしまう。
﹃大乱闘スマッシュブラザーズX﹄ではリュカが投げ技などに使用している。
オバケ︵Ghost︶
オソヘ城に住み着くオバケたち。ダスターに襲いかかってくる悪いオバケと、ヒントやアイテムをもらえるよいオバケがいるが、よいオバケの方が圧倒的に数が多い。
くさったエクレアが大好物で、パーティを開くことが趣味。お城にすんでいた人間なのか、あるいは近くにミソシレ墓場があることからそこのオバケが住み着いたのかは不明。
パッションさん︵Mr. Passion︶
曲が未完成のまま亡くなったオソヘ城に住み着く指揮者のお化け。楽器を使わないでメロディーを奏でることが出来る。
彼の奏でるメロディーは家具を震わせ、軽いネズミやろうそくなどが飛び回るほど強烈で、演奏中に彼の前を通ろうとするとはじき飛ばされてしまう。自分の音楽の良さを理解できない芸術オンチを許さず、攻撃してくる。また、自分の髪型にも意識しているらしい。
名前の由来はショパンと情熱を意味するパッション、髪型はバッハ、そして戦闘に流れる曲は﹁家庭の事情 第2楽章﹂︵ベートーヴェン﹁運命﹂〜エチュード〜チャイコフスキー﹁ピアノ協奏曲第1番第1楽章〜ベートーヴェン﹁田園﹂〜ラプソディー︶。
第2章でダスターに倒されるが、成仏せずパッションさまにパワーアップしてリベンジを挑んでくる。
けっかいトリオ︵A Trio of Barrier︶
ミクソリディアが仕掛けた、針を護衛する3体のマッチョな人形。ミクソリディア曰く﹁具体的な結界﹂。3体でポーズを組んでいる間は、シールドを貼って攻撃を防御している。攻撃力も高めでやっかいなボスである。体力が減ってきたら、PSIでは最強クラスのPKスターストームを一度だけ使用する。倒される直前には﹁すてき﹂なポーズをとっている。分かり辛いが、頭部にある三つの小さな点が顔である。
ハチ︵Hachi︶
ミクソリディアに従う巨大タコ。色は赤で、リュカ達が海中での戦闘時に無くしてしまったアイテムを返してくれ、タツマイリ村まで乗せて送ってくれる。キノコの幻覚にかかっている状態では、かっこいい︵?︶船乗りの姿となっている。
どせいさん︵Mr. Saturn︶
どせいだににすむ人々︵?︶。﹁-でごじます﹂﹁できるます﹂﹁ぐんまけん﹂﹁ぽてんしゃる!﹂などのどせいさん語を話す︵ウィンドウ上に出てくる独特の文字は、糸井娘が手掛けた︶。性格もみんな穏やか。5人までのどせいさんが積み重なる﹁はしごごっこ﹂なる遊びが好き。﹁おしのびどせいさん﹂というほっかむりを被ったのもいる。ちょっと頼りない外見だが、約束は絶対に忘れない。科学力や発想力に優れ、エネルギーなしで走り続ける﹁ちゃぶ台﹂や﹁のりものです。﹂などを開発。
怖がらせロボの話が怖いらしく、そのせいで当初はブタマスク達にためす術無く村を占拠されてしまっていた。﹁わきのしたをくすぐるぞ﹂と言っているブタマスクがいるが、腕がないので﹁わきのした﹂は何処なのか不明。救出された後、リュカたちの助けとなる。
スキンヘッド&クマヒゲ︵Skinhead & Kumahige︵Bearbeard︶︶
クラブ・チチブーで働く2人組の用心棒。クマヒゲの方が年上らしく、スキンヘッドはクマヒゲを﹁アニキ﹂と呼ぶ。
名前通りの見た目がちょっと怖く暴力的だが、自分達よりも明らかに年下なヨシコシを何故か﹁ねーさん﹂と付けて呼んでいたり、ボニーを﹁ペット連れ込み﹂とのことで初めは入れようとしなかったが、ボニーが変装するとボニーを﹁イヌ的なお兄さん﹂として通したなど、ちょっと抜けている。しかし一応仕事はまじめにやっていて、うるさかったりするのならD.C.M.C.であろうとも怒鳴りつける。
働いている連中の中では結構下っ端。第5章ではハイウェイのボロパーキングエリアで働いている。そっちの空気の方が合うらしい。
ニットキャップマン︵Knit Cap man︶
3年後から登場。今作の荷物預かり係のおじさん。タツマイリ村の住民も利用している。いたるところにいて、仲間たちを応援している。善意でやっているためお金を取ったりはしない。
モデルは糸井が作詞を手がけた曲﹃ニットキャップマン﹄に登場するフジオさんと思われる。
アンドーナッツ博士︵Dr.Andonuts︶
ブタマスクの研究所に所属している博士。ポーキーに脅されてキマイラの研究を行なっていたが、主人公達に会い、ブタマスク軍からの逃走を決意する。笑えるセリフが多かったり、ボニーを囮にしようとしたりと、案外はっちゃけた面が多い。さまざまなキマイラや﹁ぜったいあんぜんカプセル﹂を作った。﹁ポークビーン﹂や﹁すっごいカプセル﹂、ネンドじんも彼が発明した物。
前作に同名の人物が登場しているが、同一人物なのか子孫なのか全くの別人であるのかは一切不明。
さんそほきゅうマシン︵Supplemental Oxygen Machine︶
かりあげクンのような顔と人魚の体をしたマシン。海底にいて酸素を補給してくれる。好みは人それぞれ︵リュカの補給時間が長めで、補給後は全員の顔が赤くなる。実はダスターも僅かだが顔を赤らめている︶。一部のブタマスクサブマリンがこれを好んでいるらしい。意志を持っているらしく、仕事が終わった後は集まって﹁お疲れ様ー﹂と言っているシーンがある。ブレンダが言っていた人魚の伝説はこのマシンである可能性が高い。ケンタウロス型の地上版もいる。
闇のドラゴン︵Darkness Dragon︶
ノーウェア島に古くから封印されていた島程の大きさもある巨大な竜。マジプシーが守る7本の針によって、地下深くに眠りについている。地下に眠るドラゴンの凄まじい力のおかげでノーウェア島は外部からのあらゆる災害から守られており、かつて世界が滅びた時もノーウェア島だけは崩壊から逃れることができた。針を抜いた者の意思が反映され、良くも悪くもなるという。この封印の針を抜けるものは、PKLOVE︵PKカッコイイもの︶を使える者だけである。
リーダー︵Leader︶
世界のある真実を知るタツマイリのリーダー。その正体は・・・
あなた︵Player︶
この作品ではプレイヤー自身も本作の立派な登場人物としている。﹁あなた﹂の名前は、第1章のイノリバおよび、第5章のコーバのバイト申込時に登録できる。ヨシダさんによると﹁あなた﹂はリュカの後見人という立場に当たるらしい。
道具など
アイテム
ドアノブ︵Doorknob︶
フリントの家のドアノブ。序盤でトマスに破壊された後ヨクバや村人たちに投げられたりし、窃盗罪の証拠として鑑識に回されたりする。リュカやサルサが時々拾おうとするものの、手に入れられなかった。しかし、最終的にある人物の手に渡る。
ブタじるしノート︵Pig mark notebook︶
第1章で手に入るブタの鼻のマークが書かれたノート。汚い字でキマイラ計画について書かれている。
ふくのきれはし︵Scrap of a dress︶
木に引っかかっていた服の切れ端。
ドラゴのキバ︵Drago's fang︶
最高の武器であると同時に、フリントにとっては最も忌まわしい事件の凶器。ブロンソンがこれを武器に作り替え、あえてフリントに託す。これによってメカドラゴを倒した。
たたかいのきおく︵Memory of fight︶
今まで闘ったモンスターの詳細が記録される辞典のような存在。後ろ姿を確認していない場合、後ろ姿はシルエットのみの表示。また、これによって今まで戦ったモンスターとのサウンドバトルの練習が可能である。モンスターの説明も見ることができる。
けだかいタンつぼ︵Noble spittoon︶
オソヘ城に隠されている。とても繊細で奥が深い細工が施されており、しかもある意味﹁びっかびか!﹂みたいなタンつぼ。ダスターはウエスが言っていた﹁あるじゅうようなもの﹂をこれのことだと思って持って帰るが、ウエスに叩き割られてしまう。
ハミングバードのタマゴ︵Hummingbird Tamago、Hummingbird Egg︶
通称﹁光のタマゴ﹂。オソヘ城に隠されている。ウエスがダスターに盗んでくるよう命令した﹁あるじゅうようなもの﹂で、世界を滅ぼす力と生み出す力を持っているという謎のタマゴ。
シアワセのハコ︵Happy Boxes︶
タツマイリ村住人を洗脳するために作られた箱。見た目はピンク色の物体。利用法は﹁みる﹂・家にはアンテナが立っている・中央掲示板に﹁もっと大画面の開発を!﹂という張り紙がある・濡らすとまずい・光っていたり音を発していたりする・﹁薄型のハコ﹂﹁大画面フルスペック型﹂もある・となっている為、テレビではないかとされているが、糸井は﹁タツマイリに幸せをもたらす物だから水道管かもしれない﹂と述べている。効果には大きく個人差があり洗脳された人もいれば、そのままの人もいる。
ゆうきのバッヂ︵Courageous badge︶
フリントがリュカに渡してくれとニッポリートに渡したバッジ。非常にさび付いている。
フランクリンバッヂ︵Franklin badge︶
﹁ゆうきのバッヂ﹂をどせいさんに渡してできたバッヂ。雷を跳ね返す能力があるが、リュカにしか効果がない。
ヘコキムシのきおく︵Memory of Hecokimushi︶
ある人物が﹁世界﹂とポーキーについての﹁話﹂を記憶力がとても良い虫﹁ヘコキムシ﹂に記憶させたもの。ヘコキムシはすごく臭い。
すっごいカプセル︵Terrible capsule︶
アンドーナッツ博士が開発した、体力を一瞬にして回復できる装置。
ぜったいあんぜんカプセル︵Absolute safety capsule︶
ポーキーがアンドーナッツ博士とどせいさんにだだをこねて作らせた巨大カプセル。どのような変化にも耐えられる絶対安全なカプセルで、PSI攻撃は一切無効、直接攻撃のダメージも0。しかし問題点があり、アンドーナッツ博士はポーキーに対し﹁まだ使うな﹂と言っていたらしい。
7本の針︵Seven needles︶
ノーウェア島の随所にある、闇のドラゴンを封印している7つの針。7人のマジプシー達が一人一本ずつ、一万年間も代替わりしながら守り続けていた。自分の守る針が抜かれた時マジプシーは消滅する。この針が全て抜かれた時、世界は終焉を迎えるという。PKLOVEを使える者にしか抜くことが出来ない。
乗り物
ブタぼかん︵Pigmask's Mother ship︶
ブタマスク軍の飛行船かつ母艦。プロペラで動き、飛んだ後には廃棄物を落としていく。ブタマスクのテーマソングを鳴らしながら進む。
ポークビーン︵Porkbean︶
ブタマスク軍が使用している乗り物。動力源は電気だと思われる。定期的な充電が必要だが、長時間の充電は禁物。わずかに宙に浮いているのだが、なぜかバナナでスリップする。構造上に何かしらの欠陥があるのか、壊れやすい。
ブタせんしゃ︵Pigmask's Tank︶
ブタマスク軍の兵器。第3章のボス。黒い排気ガスを撒き散らしながら動く。一定のダメージを与えると砲筒が詰まってしまい、中にいるブタマスクが文句を言ってきたり砲弾を投げつけたりしてくる。
電車︵Train︶
第4章より登場。コーバとタツマイリ村を一直線に繋ぐ。当初の運賃は2500DPだが、第5章からは一人50DPとなり、さらに倍の料金を出せばグリーン車に乗れる。
ちゃぶ台︵Low dining table︶
ヒヒーンと鳴くどせいさんのちゃぶ台。乗るときに﹁ちゃぶ台にのってしまいますか﹂と聞かれる。
とりかご︵A bird cage︶
どせい谷から脱出するときに使う。かごの中に大量の鳥を入れ、鳥の力で空を飛ぶ。
のりものです。︵Saturnbean︶
どせいさんの形をしたポークビーン。別名﹁どせいビーン﹂。エネルギーを一切使わない。モーター音もポークビーンと違い、何か柔らかいものを踏んづけているような生々しい音がする。こちらもバナナで滑る。
その他
イベント
糸井重里・川上弘美・伊集院光MOTHER3対談
発売日の夜﹃ほぼ日﹄で糸井が、MOTHERファンの川上弘美・伊集院光と対談した。
PRESS START 2006
2006年9月22日にオーチャードホールで開演したゲームミュージックコンサート﹃PRESS START 2006﹄において、酒井作曲のMOTHERメドレーが披露された。このメドレーはこのコンサート1回きりのために作られていて録音もされていない。今後演奏される機会も予定されていないため、幻のメドレーになる可能性が高い。
NO MOTHER NO LIFE
任天堂と東京糸井重里事務所とタワーレコードが2006年11月から実施している﹃MOTHER3﹄キャンペーン。﹃MOTHER3+﹄もこのキャンペーンの一環としてリリースされた。
全国のタワーレコードで﹃MOTHER3﹄スタンプラリーが実施された。﹁スタンプラリー﹂だが東京・横浜・名古屋・京都・大阪の店が対象で全てのスタンプを集めるのは困難だった。
関連商品
- MOTHER3 DELUXE BOX
- 『MOTHER3』のソフトと特別仕様ゲームボーイミクロとフランクリンバッヂのセット。
- MOTHER3+
- 音楽CD(サウンドトラックではない)。初回限定で「おしのびどせいさんストラップ」付属。
- CMで使われた『We miss you 〜愛のテーマ〜』を大貫が歌い、本作の音楽を担当した酒井や門倉がアレンジを手がけている。
- 発売週のオリコンアルバムチャート1位を獲得した。
- MOTHER3i
- 本作のサウンドトラック。ネット配信のみ。
- 初登場後即iTunes Music Storeアルバムチャート1位を獲得した。これはゲームサウンドトラックとして史上初である。
- MOTHER3T
- 『ほぼ日』にて販売されたTシャツ。
任天堂とMOTHER3
本作の開発に糸井と深い関係を持っている岩田聡や宮本茂など任天堂幹部の面々が直接関わっている。本作の発売はMOTHERスタッフだった岩田が任天堂社長に就任した結果実現したともされており、岩田と糸井も本作の足かけ12年間におよんだ経験が、ニンテンドーDSやWiiに生かされていると語っている。[3]
悪童日記三部作へのオマージュ
糸井によれば、本作はアゴタ・クリストフの三部作『悪童日記』『ふたりの証拠』『第三の嘘』の影響を受けており、オマージュの意味から本作の双子兄弟にリュカとクラウスという名前を付けている。
MOTHER3 豚王の最期
『MOTHER3 豚王の最期』は、NINTENDO64で開発されていたころのタイトル。
特徴
開発段階で3Dグラフィックスを採用している点などの他は、ストーリー、バトルシステムなどの面で製品版と近い。
NINTENDO64のスペックを生かしたフル3Dグラフィックス、12章立てのストーリーで、多くの主人公が登場する予定だった。超能力は﹁PSI﹂ではなく﹁マホウ﹂で、音楽とテンポを合わせたユニークな戦闘シーン︵製品版で実現したサウンドバトルの原型と考えられる︶を採用する予定だった。
糸井によると、世界崩壊や登場人物の死をすべて明快な映像で見せる内容であったが、完成した製品版では緩和されている。具体的な配慮として、すべて具体的な映像ではなく文章で表現されている。開発中の画像には、旧作の世界が崩壊したような画像[2]もあり、製品版内で語られる話から、本作は前作の世界が壊滅した後のストーリーであるといわれている。
章の再編成と誤解
糸井のインタビューによると﹃豚王の最期﹄は1998年ごろの開発途中で12章が8章に再編成された。製品版はこの枠組みをそのまま受け継いでいる。
一部ユーザーの間では﹁ゲームボーイアドバンスでの開発に変更する際に、NINTENDO64版の全12章が8章に縮められたのではないか?﹂という誤認識がされているが、糸井は﹁すでにNINTENDO64版の開発段階で全てを収録するのは困難として、NINTENDO64版の時点ですでに7-9章位に再編成していた﹂と述べている。
製品版との相違
製品版同様の主要登場人物は設定されていたが、特にクマトラは製品版と容姿が異なり、ボニーの設定も﹁バカ犬﹂になっている。
プロモーション
キャッチコピーは﹁マザーを通して、家族の大切さを考えてみる。﹂。糸井が担当。
発売見送りとその影響
本作の開発は難航を極め、最終的には発売が見送られた。その理由としては
●当初糸井が想定していた規模の構築には、NINTENDO64のハードスペックをもってしても実現不可能だった。
●任天堂全体がゲームキューブに移行する時期であった。
●岩田聡が任天堂本社の業務に携わるようになり、現場から離れるようになった。
ことが種々の理由として挙げられているが最大要因として
●本作の開発意図が大作路線に陥ってしまった。
●ファンの期待が大きすぎて、大作を宿命づけられた存在にまでなってしまった。
ことを挙げ、その結果行き詰まってしまったとしている︵以上全て﹃ほぼ日﹄の糸井・岩田・宮本の三者対談による︶[4]。
後に岩田と宮本によって水面下でNINTENDO64以外のメディアで出せないかが模索され、ゲームボーイアドバンスでの開発が可能かどうかを糸井へ打診した。その結果、2003年にゲームボーイアドバンスソフトとして開発を再開することを決定した。
キャラクター
ここでは製品版と異なる設定が見られたキャラクターを記す。
リュカとクラウス︵Lucas & Claus︶
白の上着とポシェットをした服装である。本作の開発段階ではどちらが兄か弟か明かされていなかった。また初期のクラウスは人相が悪かったが、最終的にリュカとそっくりになった。
母親
製品版ではヒナワだが、本作の段階でフリント一家として公開されたのはフリントと双子とボニーだけで、名前はおろか、その存在すら曖昧にされていた。それらしき女性の映像は公開されているものの、金髪である。
ボニー︵Boney︶
バカ犬だがやるときはやる。
ダスター︵Duster︶
鼻が長く帽子とリュックを背負っている。製品版より老けている。
クマトラ︵Kumatora︶
紫色のおかっぱ頭で、黒い服装である。製品版より等身が高く、オソヘ城の姫という設定ではない。事実上、製品版とは全くの別人である。
サルサ︵Salsa︶
紫色の体をしている。
ブタマスクぐんそう︵Pig Mask Sergeants︶
灰色の軍曹服に槍を持っている。製品版のブタマスク。
ライタ︵Lighter︶
製品版より太っている。
フエル︵Fuel︶
製品版より等身が高い。
ブロンソン︵Bronson︶
茶色の髭と青い眼をしている。
ドラゴの子供︵Drago's child︶
第3章のブタせんしゃ戦で戦闘に参加する。
D.C.M.C
既出のメンバーの他に、もう一人女性ボーカリストが存在していた。
脚注
(一)^ ファミ通の攻略本では働いていた期間を﹁3年間﹂と書かれていたが、3年前はDCMCも結成しておらず、クラブ・チチブーもない為これは勘違いからの執筆ミスと思われる。
(二)^ 糸井は﹃MOTHER3 豚王の最期﹄を作っていた時のインタビューで、ドラゴについて﹁とても悲しい最期で涙なしではいられない﹂﹁俺なら出てきたときに﹃バカー!﹄とさけぶ﹂などという表現で語っているが、おそらくこの悲劇の展開とメカキマイラにされたドラゴの最期をあらわしていたと思われる。︵NINTENDO64版の画像︶
(三)^ 社長が訊く Wii プロジェクト - 番外編
(四)^ 余談として、シリーズの熱烈なファンであるタレントの伊集院光は開発中止が発表されたおり、ラジオで﹁5年もの間、開発、投資し続けたものを、︵通常、多くの企業が行うように︶少しでも回収する為に不完全な形で商品化するのではなく、﹁中止﹂ときっぱり公表出来るのは任天堂の凄い所だと思う。﹂とコメントした。その後、製品版が発売直前には貸与された試作版をやり込む様子を語ったり、糸井との対談など行った。
関連項目
- 伊藤紅丸
- クレイジーケンバンド - 『MOTHER3+』の演奏を担当。
- 大乱闘スマッシュブラザーズX - 本作のキャラクター・アイテムが登場する。